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不思議の始まり  
 君は、様々な場所に出かけて、危険と引き換えに一攫千金を狙う冒険者だ。現在の君はリアド大陸の東方、グラダス半島の一角にある「鬼面都市バドッカ」に逗留している。

 バドッカは、半島に存在する5つの国から独立し、中立を保っている商業都市である。どの国の権威にも縛られない自由な町だ。
 無論、そのような環境には、5王国で犯罪を犯した者たち、他国のスパイなどといったいかがわしい山師たちが大量になだれ込む。
 そのせいで、この町では窃盗や殺人などの犯罪が日常茶飯事であり、決して安全な街とは言えなかった。

 しかし一方で、それらはこの町に異様な活気をもたらした。辺境の田舎村での平凡な生活では、一生かかっても目にする事のないであろう、巨額の富や名声…そんなものを得られる場所を形成したのだ。

 冒険者という人種にとっては、ある意味では天国と言えよう。君がこのいかがわしい都市に居続ける理由も、そこにあったのかもしれない。
 ある日。
 君は一つの仕事を終え、酒場でエール酒を飲みながらくつろいでいるところだった。

 ふと、見慣れない女が近づいてきて、「一緒に酒を飲まない?」と誘ってきた。
 服装から見るにシャストア信者の女で、少し丸みを帯びた感じの、まぁまぁの美人に見えた。少なくとも悪人には見えなかったので、とりあえず同じ卓の席に一緒に座り、酒を飲み始めたのだが……






 …そういえば、シャストア信者と言えば、詐欺師とか美人局の信者が多い事を君は失念していた。その、いわゆるそこそこの美人が、見ず知らずの冒険者という人種に声をかけてくること自体、もう少し警戒すべきだったのかもしれない…


ZZZzzz...
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