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● サリカ
【本質】 思い出
【司る側面】
 記憶と信念
【2次的に司る側面】
 結婚、昼夜、豊穣、空、友愛、執着、独占
【教義】
 他者と和解せよ。立てた誓いを貫け。
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■ 概要
■■ サリカの神格
 青の月の思い出を司る女性神格です。文明・文化の発展は記憶の蓄積によって継承され、成長し続けます。よってサリカ神は、起こった人々の歴史をそのままの形で伝え、それを教訓にして立てた誓いを風化させないために、人々に記憶と信念の継承を促します。なお、神話によるとサリカ神はガヤン神の妻とされています。そのためか結婚も司ります。

 また、二次的に天空を司る女神でもあり、天候の周期性を守護します。文明レベル3の世界において、生産階級のほとんどが天候変化の影響を大きく受けます。そのため、異常気象が起きない事を願って、農民、漁師、狩人など大勢の者がサリカに祈りを捧げます。一般市民の大半は生産階級なので、サリカ信者が大多数を占めます。そのため、平信者の人数だけを統計すれば、おそらくガヤン信者を上回るでしょう。


■■ 神殿の役割

 子供に初等教育を施す場であり、読み書きと加減乗除の計算術を教えます。このため、ルナル世界は文明レベル3にも関わらず、異様に高い識字率を誇っています(「読み書き」が0CPです!)。
 その他、一般的な農村では集会所と冠婚葬祭の式場、診療所などの役割を持っています。また、弱者救済の場でもあり、老人ホームや孤児院、救貧所のような機能を持つ神殿も存在します。都市部では、結婚相談所を請け負っているケースもあるようです。


■■ 信者に多い特徴
 ガヤン信者と同じく「誠実」で生真面目な人が多い一方で、争いを回避するため「平和愛好」者が多いようです。そのため、ガヤン信者ほど自己主張が強い人物は少なく、聞き手上手な者が多数を占めます。女性信者が多いことも、そういう風潮を加速しています。

 一方で、自分の世界を守る傾向が強く、自分は自分、他人は他人と明確な線引きをする傾向が強いです。「狭量」や「偏執狂」で他人を自分の世界に踏み入れさせないなど、環境変化に対して断固抵抗する保守的な人物もたまに見受けられます。


■■ サリカ信者が多い職業
医師、農民、調理師、木工職人、木こり、保母


■■ サリカ信者が好んで使う武器
斧/メイス(農機具の発展形)、フレイル(農民が使う脱穀器)
■ 作成データ
■■ 特殊武器
●バトル・ファン
 大きさ30センチほどの鉄扇です。正式には両手で持って扱います。開いている間は、小型盾のバックラーとして扱います。閉じている間は金属製のバトンとして扱います。

(開)切り 突き-1 長さ1 盾として扱う。受動防御+1
(閉)叩き 振り 長さ1
(投)切り 突き-2 抜撃ち14 正確さ0 射程:体力/体力+5m
価格$100 1kg 必要体力8


■■ 独自の技能
<バトル・ファン>(肉体/並)
 <短剣>技能のバリエーションですが、<小型盾>技能も含んでいます。この技能1つで<短剣>と<小型盾>技能の代用が可能です(ショートソードやバトン、バックラーまでのシールドの運用が可能です)。なお、バトル・ファン自体は形状が非常に特殊なので、この技能でないと戦いに用いることはできません。

 バトル・ファンには展開モードと棍棒モードが存在し、扇を開いたり閉じたりすることで変更します。この動作は1ターンを要します(<準備/バトル・ファン>判定に成功すればゼロ秒に短縮可能)。
 展開モード(開いている)時は「小型盾」と見なし、技能レベルの2分の1で「止め」が行えます。この時はシールドとみなすため、「受動防御1点」が働きます。この状態でも一応、切り裂き攻撃が行えますが、あまり威力はありません。また、いわゆる「シールドアタック」的な使い方もできません。
 棍棒モード(閉じている)時は「金属製のバトン」と見なし、殴りつけることができる他、技能レベルの2分の1で「受け」が行えます。頭部を殴って気絶させたい時などに使えるでしょう。


<サリカの舞い>(肉体/並)
 収穫期の奉納の舞いで踊るダンスで、主に鑑賞用ですが、実戦での効用も少しあります。<バトル・ファン>技能でバトル・ファンを運用している時のみ、「受け」と「止め」に技能レベルの10分の1(端数切り捨て)だけボーナス修正として加算することができます。
 なお、<バトル・ファン>技能でショートソードやバックラーを運用している時は、この修正は適応されません。


<記憶術>(精神/至難)
 見たものを正確に暗記しておくための技能です。能動的に「何を覚えるか」を、きちんとGMに宣言しておく必要があります。後でその知識が必要になった場合、判定に成功すれば正確に思い出せます。パスワードなど記憶しておくのに便利でしょう。暗記する量が多い場合、量に応じたペナルティが発生します(-1~-4)。


<本格処置>(精神/易)
 <応急処置>の上位互換技能です。<医師>技能で使う薬草なども用い、倍の時間をかけて処置することで、戦闘直後に1D点のダメージを治癒する事が可能です。
 この技能を使うには、ベーシックの装備表/治療器具にある救急箱($100 5kg)か医師鞄($300 7kg)が必要で、この技能で消費する場合は、プラス修正を受ける事はできません。


■■ 独自の格闘動作、準技能
<準備/バトル・ファン>(肉体/易)
バトル・ファンをホルターから抜く、あるいは扇をゼロ秒で開いたり閉じたりできる技能です。


<バトル・ファン投げ>(肉体/易)
 バトル・ファンの展開モード中に、投擲を行う技能です。手投げ武器による射撃として扱われます。威力的に実戦向きの性能を持っているとは言い難く、一般には「競技用」とされています。


<見切り>(精神/難)
 相手を注意深く観察する事で、相手の正確な位置、構え、重心移動などが分かります。
 攻撃された際に技能判定に成功すれば、その攻撃に対するあらゆる能動防御が+1されます(2回以上攻撃された場合、どの攻撃に+1を適応するか任意に決めて下さい)。
 判定に失敗した場合は読み違えた事になり、能動防御-2になります―――要するに「軽業よけ」と同じような扱いです。

 また、相手がフェイントして来た際に使用すると、フェイントに対して+4で抵抗できます。クリティカルの場合はフェイント自体を無効化できます(即決勝負にまで至りません)。判定に失敗した場合、即決勝負に自動的に負けた扱い(0成功)になり、相手の成功度がモロに次の能動防御のマイナス修正になります。

 なお、この判定は1ターンに1回だけ、1体の敵に対してのみ有効です。
修正:鋭敏視覚または鋭敏感覚のレベル分だけプラス修正。「共感」があれば+3。


【部位狙い/バトル・ファン】(難)
技能なし値:<バトル・ファン> 上限:<バトル・ファン>+3 前提:<バトル・ファン>
 部位狙いで攻撃する場合、<バトル・ファン>技能の代わりにこちらで命中判定を行えます。最大で+3まで伸ばす事ができますが、実際に命中判定を行う際の目標値の上限は、
【部位狙い】か<バトル・ファン>のうち、低い方を適応します(要するに目標値拡大を狙って胴体狙いをしても、元の技能レベルを超える目標値にはなりません)。


■■ ボーナス技能
 <外交><指導><医師><農業><気象学>の各技能を習得する際、技能レベルに+1のボーナスを得られます。


■■ 使用可能な僧侶呪文
 サリカ信者は「情報伝達系」と「風霊系」の二種を僧侶呪文として習得できます。

[神官呪文] (素質1まで)
情報伝達系:
生命感知、敵感知、感情感知、嘘発見、読心、感情隠し、他者知覚、精神探査、思考転送、精神感応、説得、肉体支配、憑依、解呪、言語付与、言語取得、技能付与、技能取得、言語理解、文字理解

風霊系:
空気浄化、空気作成、空気変化、空気噴射、消臭、肉体気化、天候予測、空気破壊、水中呼吸、空中歩行、雲、雨、土を空気、悪臭、芳香、風、嵐、電光


[高司祭呪文] (素質2まで+独自呪文+高司祭共通呪文)
情報伝達系:
自白

独自呪文:
再現、気流


*独自呪文データ
《再現》 通常/知力で抵抗 (情報伝達系呪文)
 目標がこれまでに体験した人生を、脳内で現実の物として再体験させます。どのような経験にするかは術者が選択します。再体験させる記憶が恐怖判定を伴うようなものの場合、目標は恐怖判定-3を行わねばなりません。
 目標はこれにより、当時の記憶をついさっき体験したばかりのように、鮮明に思い出す事ができます。目標は一日くらいの間、再体験した部分の記憶に関して「記憶力L1」を持っているのと同様の記憶を取り戻します。

 再体験は脳内で瞬間的に行われ、現実時間的には1秒しか立っていません。目標は術を受けた直後、すぐさま行動を行うためには《瞬間移動》で移動した直後と同じように<身体感覚>判定が必要です。
■持続時間:1秒(再現される記憶はもっと長いかもしれません) ●消費:5(1日に1回のみ)◆準備:10秒 ★前提:《精神探査》《思考転送》


《気流》 特殊/範囲 (天候系)
 現在吹いている風の状態を変化させます。風向きを22.5度変更するか、風力を「ビューフォート風力階級」(下記)に当てはめて1段階変更できます。一度で風向きと風力を同時に変えたり、より多くの段階変更を試みる場合は、その分だけ比例して消費エネルギーを増やします。

 この呪文は、術者が指定した特定の地点を中心に唱えます。地上から高度100mまでの風に影響します。この呪文は、帆船のような移動物体を目標にする事も可能で、その場合は物体の動きに合わせて中心点と効果範囲も移動します。
■持続時間:1時間 ●消費:50分の1(最低1)・同 ◆準備:1分 ★前提:風霊系呪文4種
[原作からの変更点]
 僧侶呪文の系統でかなり悩みました。サリカが移動系呪文で、アルリアナが風霊系呪文にした方が、信仰の教義に合ってますし、アルリアナに移動系を持ってくると、精神操作系も使えるのでかなり戦闘で強くなる一方、サリカが習得呪文でかなり弱くなってしまいます。また原作では、サリカ信者だけが《飛行》を習得できる特権があるのを、アルリアナにもってかれてしまいます。
 しかし、天候を操作し、社会秩序を守る事は、基本的にサリカに期待されている業務なので、やはりそこは外すべきではないと思い、サリカに風霊系を持ってきました。代わりといっては何ですが、独自呪文にグリモアから引っ張ってきた《気流》を加えています。

 天候操作というと、風霊系の《雲》《雨》もそれに該当し、農民の雨乞いに応答するくらいなら簡単にできます(原作と異なり、神官レベルでも農地に雨を降らせる事くらいは朝飯前になりました)。
 しかし《気流》の方は、エネルギーコストさえどうにかすれば、気象兵器並の力を発揮します。船舶にもかけられるので、海上を行く戦艦や巡洋艦の航行も自在に行えます。これは個人戦闘レベルでは影響しませんが、海上戦闘では圧倒的に強いです。陸上でも戦略レベルで影響するMAP兵器として機能するでしょう。
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