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■ドワーフ
[ドワーフ基本セット](15cp)
体力+1(10cp)
暗視(10cp)、くいしんぼ(-5cp)
赤緑色盲(-5cp)
 赤と緑の見分けがつかない。
長寿(寿命が人間の1.5倍)(1cp)
 老化が始まるのは75歳から。技能に費やせるCP量は人間の年齢に換算して適応する。
アルコール耐性(1cp)
 アルコールの毒性による能力値低下(毎年の生命力+2判定)が起こらない。
<採掘>を知力に等しいレベルで習得済み(2cp)。
以下の技術系技能のいずれかを1cp分習得している。
鍛冶屋、革細工、大工、陶芸、武具屋/TL5以下で黒色火薬銃以外のいずれか、宝石細工、木工

*身長は同じ体力の人間の7割、体重は9割。
[体格表]
体力
5
6
7
8
9
10
11
12
身長/体重(女性)
112cm/54kg(109cm/45kg)
114cm/55kg(111cm/49kg)
116cm/56kg(112cm/50kg)
118cm/58kg(114cm/50kg)
119cm/59kg(116cm/51kg)
121cm/61kg(118cm/52kg)
123cm/63kg(119cm/55kg)
125cm/65kg(121cm/57kg)

13
14
15
16
17
18
19
20
身長/体重(女性)
126cm/68kg(123cm/59kg)
128cm/70kg(125cm/60kg)
130cm/73kg(126cm/63kg)
132cm/77kg(128cm/66kg)
133cm/81kg(130cm/68kg)
135cm/86kg(132cm/73kg)
137cm/90kg(133cm/77kg)
139cm/95kg(135cm/81kg)
*身長は+15~-15、体重は平均の0.9~1.1倍の範囲で変動しても構いません。ただし、身長に対して体重が離れていると「肥満」や「やせっぽち」の特徴に抵触するので注意。なお、身長に応じた平均体重を2割以上増減すると、容貌を「良い」以上で維持できません。

*一般に生命力が平均より低いと、身長に対して体重が小さく細身になる傾向にあります(ダメージ耐性が下がる理由)。また、低身長キャラであっても体力に応じた体重から、あまり変動させないで下さい。体重がなければ、体力に準じた重量を支えられないからです。
■種族概要
 人間の7割ほどの身長しか持たない山岳の民です。体つきは人間と比べるとかなり筋肉質で、身長の割にかなり重いのはそのせいです。発揮できる腕力も、人間の標準より高めで、腕は胴体と比較するとかなり長くなってます。肌は浅黒く、顔は人間よりもやや大きめです。その中でも耳の大きさはかなりのもので、人間ではちょっとあり得ない大きなサイズです。

 彼らは地下での生活に適応しており、暗い所でも目が利きますが、代わりに色の識別能力が若干低く、緑と赤の色の見分けがつきません(夜行性の肉食哺乳類によく見られる特徴です。色の識別は重要ではなく、立体視できる事に特化した目です)。
 彼らから見ると、赤と緑は黄色(明るい時)かグレー(暗い時)に見えます。

 精神的には規律正しく、質実剛健ですが、一方で職人気質なところがあり、群れる事は好まず、黙々と単独で鍛錬する方が落ち着くようです。男性はその傾向が特に強く、騒乱を嫌い平和を好みますが、団結力にやや欠くところがあります。共感性の高い女性の方はまだマシなので、全体の統治は女性が行います。
 ドワーフ社会では男女の役割がはっきりしており、女性が政治や外交、商業を担当し、男性は生産活動全般や、逆に非生産的な芸術、軍事に携わります。ドワーフ社会は完全に女系社会であり、発言権を持つのも女性です。
 大規模に群れるのが苦手なのは国レベルでも同じで、ドワーフは集落1つで1つの都市国家の形態を取っており、それ以上の大きさにはなりません。結果、人間の広大な領土内で、属領や自治領の形で点在する形で現在は落ち着いています。

 双子の月がやってくる以前は、彷徨いの月の「青」の波長を崇めており、夜間に狩りを行う時以外は、ほとんど地上に出てくることはなかったようです。味覚も単一だったため、食事=燃料補給以上ではなく、ひたすら強さを求めて自己鍛錬に没頭しているだけの生活でした。
 その性質を良く現しているのが<龍>信仰で、「究極たる<龍>の強さを得るため」に、日常の全てを修行に全振りし、ひたすら修行の日々を送るというものです。この<龍>信仰は今も残っており、辺境の<龍>寺院では<龍>闘士のドワーフたちが、ただ強さだけを求め、ひたすら修行に明け暮れているといいます。


 双子の月の到来後、人間に続いて青の月だけを崇め始めました。それは単に「赤緑色盲」だったので赤の月が灰色に見えたから、という見た目の事情だけでなく、もともとの種族の気質が赤の月の教えに馴染まなかったのが原因でした。
 とはいえ、片方とはいえ双子の月を崇めはじめてから、若干の体質変化が起こりました。それまで日に当たる事がなかったため白かった肌は、月の加護により黒くなり、単一だった味覚も改善され、食べ物の味の違いも理解するようになります。
 それが発端で、芸術や食事にも興味が向かうようになり、以前よりはるかに多様性を持つ社会を運営するようになりました。多様性を得た事で、やや行き詰っていた技術レベルの向上も再び起こり始め、現在ではドワーフがあらゆる技術分野で最先端技術を担うまでになりました。
 また、かつて味覚消失だった事の反動なのか、美味い食事と酒に遭遇した時だけ、ドワーフたちは理性を失います。しかし、自分たちは食事に技巧を凝らす文化が皆無だったため、この件に関してのみ、人間のリャノ信者に頼り切っています。双月歴以降、人間と活動圏をダブらせているのも、料理の調達が目的ではないかとすら考えられているほどです。
 あと、種族的にアルコールに対して耐性があり、人間のように飲みすぎても体外に排出されてしまうため、カロリーオーバーで太ったり、深刻な身体的機能障害が発生したりしません。


 ドワーフは青の月のみを信仰し、ガヤンではなくジェスタを主神として崇めています。そしてジェスタ以外の神は全て同列としており、人間が崇めるガヤン、サリカ、ペローマに加えて、ジェスタの従属神であるデルバイとファウンを、主神と同じように崇めています。この6神の中から1つを選び、信仰しています。
 そして、かつての習慣である<龍>信仰も、まだ廃れてはいません。<龍>信仰は月の信仰ではないため、神による体質変化や呪文の啓示など全くありませんが、代々<龍>闘士に受け継がれている専用の格闘技を学ぶことができます。どちらかというと、ウィザードに近い存在だと思っていいでしょう。
■■ 種族独自の特徴
[信者レベル]

 人間と全く同じです。ただし信仰する神は、青の月に限定されます。その代わり、人間が従属神としてほとんど信仰しない神を追加で2神信仰できます。

●平信者(0cp)
 ドワーフの成人は基本的に「入信者」以上になるのが普通で、この特徴はまだ大人になってない未成年の特徴として扱われます。

●入信者(5cp)
●神官(10cp)
●高司祭(15cp)
 これらの設定は、人間と同じです。ドワーフたちは例外なくペローマ神殿で15歳まで教育を受けた後、「入信者」以上の待遇で社会に出されます。


●<龍>闘士(10cp)
 辺境の<龍>院で修行を受け、独自の「<龍>闘技」を学んだドワーフです。「特殊な背景」の一種として扱います。<龍>闘士になるものは通常、サリカ神殿の初等教育を受けた後、ペローマ学院にはいかず、そのまま辺境の<龍>院へと留学します。

 彼らも一応、双子の月によって体質変化を受けた後の現代ドワーフ種に違いないので、社会的にはジェスタかガヤンの「平信者」として扱われます。そして<龍>闘士になる誓いを立てたドワーフは、現世での地位とは無縁となります。<龍>闘技を極めるためには、膨大な時間を要するため、一般社会での生活を営む時間などありません。


●色覚(5cp)
 ドワーフは遺伝的に「赤緑色盲」を持ちますが、双月歴が始まって以降、この弱点を克服したドワーフがちらほらと生まれています。これは、双子の月の加護によるものだと考えられています。
 人間社会で高名なステンドグラス職人のドワーフは、ほぼこの特徴を備えています。宝石屋を営むドワーフも、人間相手に商売を拡大する事ができるため、普通のドワーフより稼げるでしょう。


●アルコール中毒(-10cp)
 ドワーフは体質的にアルコールの毒性による能力値低下が起きません。そのため、この不利な特徴でCPを獲得する場合、得られるCPが5点減少しています。
 ただし、ドワーフの多くは、耐性があるのをいいことに倒れるまで酒に浸り続けます。そしてアルコールによる活動不能効果が原因で、交渉の席でヘマをやらかすのは人間と同じです。


●<龍>の誓い(-10cp)
 ドワーフ独自のもので、常に<龍>の強さを求め、自らを鍛えています。この特徴は、<龍>闘士であれば必ず獲得せねばなりません。<龍>闘士でない普通のドワーフでも、戦士系のキャラクターの多くが持っています。

 この誓いを立てた者は、常に実践に身を置き、鍛える事に余念がありません。競う事で技が磨かれるため、臆病な振る舞いや卑怯な行いは絶対にしません。ただし、戦術的に勝てないと判断できるなら、撤退するのが普通です(鍛える途上で死んだら意味がないので)。しかし勝率5割くらいなら、挑む価値ありと見なすのが普通です。

 また、<龍>のまがい物であるマイナードラゴン(竜)に対しては「狭量」を持っているかのように振舞い、可能ならば排除しようとします。直接排除が不可能ならば、援軍を呼んだりするのは可能です。
 ただし、上記の「正面から戦う」ことが必要なので、策略によって滅ぼす(例えば兵糧攻めなど)のはNGです。挑むのを我慢するには、意思判定に成功せねばなりません。また我慢できても、必ずその事は覚えておき、いつか必ず正面決戦に挑もうとリベンジするのが普通です。


■■ 高司祭共通呪文
 以下、高司祭に昇格すれば、双子の月のどの信徒であっても習得可能になる共通呪文の一覧です。

[高司祭共通呪文] (素質1まで、魔化はコスト300以下まで)
肉体操作系:
痒み、ひきつり、痛み、朦朧、不器用、すばやさ、怪力、活力、登攀、目くらまし、耳封じ、口封じ、腕痺れ、麻痺、吐き気、疲れ、うすのろ、足止め、足もつれ、向き変え、顔変え、体変え

魔化系:
即席魔化*、巻物、魔化解除、魔化停止、固着、小祈願、隠し金庫、確かさ、鋭さ、高速準備、豊穣の角、対象設定、強化、防御、軽量化、命名(名前入りのみ)、解除指令(パスワード明記のみ)、限定、連動、魔法の杖、パワーストーン

治癒系:
体力賦与、生命力賦与、体力回復、覚醒、体力供与、小治癒、大治癒、殺菌、活動中断、療治、解毒、接合

精神操作系:
恐怖、パニック、恐慌、勇気、狂戦士、間抜け、酩酊、吐き気、忘却、眩惑、集団幻惑、心神喪失、誘眠、集団誘眠、安眠、狂気、偽記憶、人払い、忠実、魅了、奴隷、知恵、感情操作、ささやき、集団ささやき、視覚強化、聴覚強化、嗅覚強化、注意力強化、背中の目

移動系:
韋駄天、進軍、倍速、べたべた、念動、軽荷、軟着陸、壁歩き、騒霊、錠前師、鍵開け、見えない手、縄ほどき、浮遊、水泳、飛ぶ剣


*高司祭共通呪文独自の呪文
《即席魔化》(至難)  魔化
 《魔化》の呪文と基本的には同じです。この呪文を習得しておけば《魔化》と同じように、基本となる魔化系呪文の前提条件は満たせます。
 ただし、この呪文では「手軽で危ない魔化」しかできません。代わりに前提条件がやや緩くなっていて、素質1あれば習得可能です。

 双子の月の高司祭は、この呪文による「手軽で危ない魔化」しかできないため、必要エネルギーが高い強力な魔化は事実上行えないことになります。より具体的には、エネルギー300点以下の魔化呪文が実際に作れる範疇です。
「手軽で危ない魔化」の場合、エネルギー270までは安上がりですが、それ以上になると「ゆっくり確実な魔化」の方が安くなるため、双子の月の高司祭が普段行う魔化は、エネルギー270までのものが限界です。それ以上のコストの魔化アイテムを作る際は、ウィザードに依頼するのが普通です。
■持続:永久(品物が壊れるか魔法が解かれるまで) ●消費◆準備:封じる呪文によって異なります。「ガープス・マジック」の魔法のアイテムの項目を参照して下さい。★前提:素質1+異なる7系統から各1種*

*共通呪文も僧侶呪文扱いなので、他系統が前提の場合はそれを無視できます。よって《即席魔化》の前提は実質「素質1」だけです。
[原作からの変更点]
 身長と体重ですが、完全版のものに従うと、身長に対して体重が重くなりすぎて、あまりリアリティがありません。そのため、身長に対して重い事には変わりませんが、常識的な範囲に収めるため、同体力の人間の体重の9割になっていいます。全体のサイズからすると、そのあたりが妥協点だと思います。

 ドワーフのアルコールに関する耐性は、完全版にも文中で記載されているのですが、データ的には何もフォローされていません。しかし、人間と同じものを飲んでペナルティがないとなれば、やはりCPを払うべきと判断し、種族セット内にアルコール耐性を追加しています。
 ドワーフたちもまた、人間と同じくアルコール中毒になりますが、毎年判定せねばならない「能力値低下判定(生命力+2)」による能力値低下は起こりません。そのため、獲得CPが5点減っています。ただし、飲むと一時的に活動不能になり、行動にペナルティがある点は人間と何ら変わりません。

 あと、種族的に地面を掘って暮らしているので、<採掘>を知力に等しいレベルで持たせています。他、人間のように無節操に増える種族ではなく、子供たち一人一人が大人になった時、職人として独り立ちできるようにきちんと職業訓練を施してから社会に出すので、技術系技能1種に1cp費やすのが義務化されています(結果、種族セットがちょうど15CPで収まりました)。
 なお、原作にはルールがありませんが、ドワーフたちもまたエルファと同じく、一般ドワーフでも入信者以上にする事を想定しています。一般ドワーフは最低でも50CPを費やして作られ、教育中の幼少期を除けば「平信者」は存在しません。



 完全版ではおそらくページの都合で省略された<龍>闘技ですが、当サイトではページ数制限などといった制約はないので、再現してみる事にしました。感覚としては、「呪文の代わりに格闘技を自由に覚えられるウィザード」です。
 <龍>闘技は呪文ほどではないですが、覚えてマスターするためのCP量がとてつもなく多いため、人間の寿命では到底マスターできないという設定にしています。そのため、改変ルールでは人間の<龍>闘士は存在しません。そういう硬派な生き方をしたいのであれば、大人しくドワーフのキャラクターを作成して下さい。

 …「特殊な背景」でGMが許可したのであれば、その限りではありませんが。
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