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● ガヤン
【本質】 言葉
【司る側面】
 法と契約
【2次的に司る側面】
 輝き、正義、商業、政治、束縛、処罰、支配、抑圧
【教義】
 契約を守れ。嘘をつくべからず。
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■ 概要
■■ ガヤンの神格
 青の月の言葉を司る男性神格です。沈黙は金なり、を地でやっているドワーフたちにとっては主神とはならなかったようで、「ジェスタの息子」扱いになっています。互いの領域を犯すべからずという趣旨を守るのに、法と契約は非常に都合が良い道具なので、ドワーフにも人気のある神格ではあります。
 しかし、司法の職に就く者は頻繁に他人と会話する必要があるため、黙々と仕事していたいドワーフの中で、実際にこの神格に仕える者はやはり少ないようです。


■■ 神殿の役割

 ドワーフの街では、主要な業務はほとんどジェスタ信者が賄っているため、ガヤンの役割は法律が特に関わる部分に集中しています。特に裁判所と商取引の部分を重点的に担っています。街の中の巡回警備員も担当していますが人数が足りないため、2~3人のジェスタ兵士の中に、法律専門家としてガヤン警邏員が一名存在する、といった編成になっています。


■■ 信者に多い特徴
 規則正しく生真面目な人が多いのはドワーフも同じで、「誠実」の特徴を持つ人が多く見受けられます。また、「名誉重視」や「誓い」を持ち、それを目標に生きる高潔な精神の人物も多くいます。

 一方で、自分が絶対的に正しいと信じ、自分の脳内ルールに従わせるのに必死な「高慢」な人も時折り見受けられます。また、規律を守るのに必死で、真面目な生き方しかできない「朴念仁」な人物も、ガヤン信者には特に多くみられる傾向です。


■■ ガヤン信者が多い職業
警察官、官僚、商人、弁護士


■■ ガヤン信者が好んで使う武器
ネット、素手格闘術
■ 作成データ
■■ 特殊武器
●ガヤン・ネット
 鋼線で作られた戦闘ネットで、両手で扱います。逆腕でネットの紐の端を保持しておきます。重いために投擲には適しておらず、白兵武器と同じ使い方しかできません(長さ1-2の白兵武器扱い)。物理的な効果は、通常の戦闘ネットと同じです。
 この網には《魔法の網》と呼ばれる独自呪文が魔化されており、ネットで絡まっている最中の標的に対して呪文を使う際、紐の端を握ってさえすれば「接触」しているとみなします(《魔法の杖》のネット版と考えます)。つまり標的が絡まっている間は、《死の手》や《麻痺》など接触が条件の呪文を接触判定なしで使えるようになるわけです。

特殊 長さ1-2 準備に投擲距離(長さ)と同じターン
価格$200 8kg


●ブラス・ナックル
 パンチの威力が+2になります。重量0.2kg、価格$10として扱って下さい。これは他の月の信者でも普通に購入する事が可能です。


■■ 独自の技能
 ドワーフはあまり剣を使いたがりません(戦いにしか使えないためです)。そのため、<ソード・ブレイカー>技能の代わりに、専用の素手格闘術を習得可能です。


<ボクシング>(肉体/並)
 ドワーフのガヤン信者にのみ伝わる格闘技で、入信者以上にしか教えられません。

 これは<格闘>技能の上位互換技能であり、パンチ攻撃に特化した代わりにダメージ上昇効率が良くなっています。また、フットワークを重視し、相手の動きを読むことが重視されます。この技能は、荷重レベルが「軽荷」以下の時にしか使えません。効果は以下の通りです。

 <ボクシング>技能でパンチをする場合、技能レベルの5分の1(端数切捨て)だけダメージがプラスされます(この技能でキックは行えません。また、空手で攻撃した時のように、武器で受けられた時に相手の命中判定を-4にする効果はありません)。
 また、「格闘受け」を技能レベルの3分の2で行えます(ただし<格闘>と同じで、白兵武器を受ける事はできません)。
 さらに相手の攻撃に対して、技能レベルの8分の1(端数切捨て)だけ「よけ」にプラスされます。これはボクシングのフットワーク重視を表現したもので、あらゆるタイプの物理攻撃に対して有効です。


<ガヤン・ネット>(肉体/難)
 <ネット>の亜種技能です。絡ませる目的で使用をするだけであれば、<ネット>技能でもペナルティなしで使用可能です。ただし重いので、近接武器としてしか扱えません。

 この技能でガヤンネットを扱う場合のみ、投擲後にネットの端の紐を逆手で握ったまま「集中」動作を行う事が可能となります。これにより、ネットに絡ませた標的に対し、接触が必要な呪文を行使する事が可能となります。たいていは《麻痺》の呪文で対象を拘束するか、《死の手》で処刑するような扱い方が一般的です。


<柔道>(肉体/難)
 ルナルでは、一部の信者でしか習得できない技能です。ガヤン信者たちは「投極術(ゴーセス)」と呼んでいます。


<強靭精神>(精神/難)
 高ぶらせた強い意志の力で、害意のある魔法的干渉をはねのけます。あらゆる呪文や月の賜り物への抵抗の際、対応能力値の代わりにこちらを使用できます。
 「意思の強さ/弱さ」が、技能への修正となります。呪文、超能力への抵抗以外の判定には使えません。


■■ 独自の格闘動作、準技能
<見切り>(精神/難)
 相手を注意深く観察する事で、相手の正確な位置、構え、重心移動などが分かります。
 攻撃された際に技能判定に成功すれば、その攻撃に対するあらゆる能動防御が+1されます(2回以上攻撃された場合、どの攻撃に+1を適応するか任意に決めて下さい)。
 判定に失敗した場合は読み違えた事になり、能動防御-2になります―――要するに「軽業よけ」と同じような扱いです。

 また、相手がフェイントして来た際に使用すると、フェイントに対して+4で抵抗できます。クリティカルの場合はフェイント自体を無効化できます(即決勝負にまで至りません)。判定に失敗した場合、即決勝負に自動的に負けた扱い(0成功)になり、相手の成功度がモロに次の能動防御のマイナス修正になります。

 なお、この判定は1ターンに1回だけ、1体の敵に対してのみ有効です。
修正:鋭敏視覚または鋭敏感覚のレベル分だけプラス修正。「共感」があれば+3。


【ジャブ】
(並)
技能なし値:<ボクシング>-3 上限:<ボクシング> 前提:<ボクシング>
 腰の力を使わず、手の力だけで素早くパンチを連打する攻撃法です。威力は「叩き/突き-3+技能修正」と若干低くなりますが、代わりに「攻撃と同時にフェイントを行った」扱いになります。

 まず普通に命中判定を行い、その成功度を覚えておいて下さい。攻撃された側は成功度に関係なく、普通に能動防御を行えます。
 その後、攻撃の命中の是非に関係なく、防御側は戦闘技能か敏捷力で判定を行い、先ほどの攻撃側の成功度と比べます。この時、攻撃側の成功度が上回っていれば、その成功度だけ「フェイントが成功した」扱いとなり、次のターンの攻撃時に、相手の能動防御を下げる事ができます。

 ジャブの使い方は様々で、連続してジャブを出す事で能動防御を崩すことなく「フェイント即攻撃で細かいダメージを蓄積していく」とか、「小ダメージで相手を朦朧状態に追い込んでから大きいパンチを繰り出してとどめ」などといった戦術が考えられます。


【スリッピング】(難)
技能なし値:「よけ」-3 上限:「よけ」 前提:<ボクシング>
 これは、相手の攻撃をかがんでよけつつ、相手の方へ1歩踏み込んで前進する技能です。「よけ」の代わりに用い、【スリッピング】判定に成功すると、相手の攻撃を回避し、さらに攻撃者に向かって1ヘクス接近することができます。
 この動作は1ターンに1回しか行えず、「後退防御」や「アクロバットよけ」との併用もできません。

 これを使えば、例えば1ヘクス隣で攻撃を受けた場合、相手のターンに近接状態に持ち込めるわけで、相手は攻撃後に1ヘクス後退しても、こちらのターンの近接攻撃を回避する事ができなくなります。近接状態で素手攻撃をすれば、相手の武器で「受け」られることはありませんし、<柔道>技能の腕関節技なども持ち込みやすくなります(武器戦闘に頼ってる通常の戦士には致命的な結果を招くでしょう)。


【腕関節技】(並)
技能なし値:<腕関節技> 上限:<腕関節技>+2 前提:<腕関節技> 射程:C
 相手の腕の関節を極めて、身動き取れなくしたり、腕を折ったりできます。
 直前の敵のターンの腕を使った攻撃(通常の白兵武器、あるいはパンチ)を「受け」た状態で、自分のターンにこちらの【腕関節技】と、相手の敏捷力or<柔道>で即決勝負を行い、こちらが勝てば関節を極められます。
 あるいは、こちらのターンに相手の腕に「組み付き」を行い(互いの敏捷力or<柔道>即決勝負。こちらに+3修正)、組み付きに成功すれば、即座に上の判定を行い、これに成功すれば関節を極められます。

 いずれの場合も腕関節技の射程は「近接のみ」です…後退防御などによって2ヘクス以上離れてしまうと、「柔道受け」に成功していても関節技には入れないので注意して下さい。極めることに成功した柔道家は、自動的に「敵の後ろに回って両腕を使って敵の腕を極めてる状態」となります。

(極めた側の行動)
・極めた腕にダメージを与える
 攻撃者の【腕関節技】と、犠牲者の生命力or体力(「我慢強さ」「柔軟」があれば+3)で即決勝負。勝った数値分だけ腕にダメージ。生命力の半分のダメージで腕が折れて組み合いは自動解除となる。
・痛みだけ与える
 上記と同じ処理を行うが、敏捷力と知力にダメージ分のマイナス修正を与えるだけで、実際にダメージは発生しない。<尋問>など行う時の「拷問を加えている」状態と見なされる。
・頭突き
 相手は「よけ」-3。
・通常のキックで攻撃
 相手は「受け」「よけ」-3。
・解除して即座に別行動をとる

(極められた側の反撃)
・振りほどく
 振りほどく側の体力or<柔道>と、極めた側の<腕関節技>+4or体力で即決勝負。勝てば抜けて1ヘクス離れた状態で終了。
・空いた手で反撃
 格闘のパンチ、近接用武器(ナイフ)で攻撃が可能(背後の敵を攻撃する場合は-5、逆腕を使う場合は-4修正)。
 極めた側はこれらの攻撃に対し、-3修正付きの「よけ」(後退不可)しかできない。あるいは即座に極めるのをやめて(極めは自動解除)、修正なしで通常通りの能動防御を行える。
・噛みつき
 牙のある種族は噛みつきで攻撃可能。人間が噛みついた場合は敏捷力で命中判定を行い、ダメージは「叩き/1D-2」。極めた側の能動防御は上記と同じ。


■■ ボーナス技能
 <法律><犯罪学><商人><嘘発見><尋問>の各技能を習得する際、技能レベルに+1のボーナスを得られます。


■■ 使用可能な僧侶呪文
 ガヤン信者は「肉体操作系」と「光/闇系」の二種を僧侶呪文として習得できます。

[神官呪文] (素質1まで)
肉体操作系:
痒み、ひきつり、痛み、朦朧、不器用、すばやさ、怪力、活力、登攀、目くらまし、耳封じ、口封じ、腕痺れ、麻痺、吐き気、疲れ、うすのろ、足止め、足もつれ、向き変え、顔変え、体変え

光/闇系:
光、持続光、光明、色彩変化、閃光、闇、闇操作、ぼやけ、隠匿、透明、赤外線視覚、暗視、闇視、鷹目、透明看破


[高司祭呪文] (素質2まで+独自呪文+高司祭共通呪文)
肉体操作系:
呪いの矢、腕萎え、死の手、痛み止め

独自呪文:
閃光防御、魔法の網


*独自呪文データ
《閃光防御》 通常 (光/闇系呪文)
 目標は、強力な光源(激しく燃える炎や太陽など)を直視できるようになります。《閃光》や同種の攻撃の効果を一切受けなくなります。
■持続:1分 ●消費:2・1 ★前提:光/闇系呪文5種


《魔法の網》 魔化 (魔化系呪文)
 《魔法の杖》のネット版です。ガヤン・ネットに魔化します。
 これが魔化されているガヤン・ネットは、網を標的に絡ませた後、投擲者が端の紐を握り続けている限り、標的に「直接触れている」状態とみなします。接触が必要な呪文(主に肉体操作系呪文)を使う際に有効でしょう。
 販売されているガヤン・ネットは、既にこの呪文が魔化されています。
●消費:30 ★前提:《魔化》 ▲魔化:大きさ1ヘクスのガヤン・ネット。
[原作からの変更点]
 ルナル完全版の<ボクシング>の導入を、改変ルールでも導入しました。ただし、格闘動作は微妙に変えています。

 アルリアナ信者の項目でも書きましたが、「マーシャルアーツの格闘動作の大半は通常戦闘ルールだけでも再現可能」なので、【KOパンチ】は除外しました…これってただの「全力攻撃/ダメージ+2」と同じだろう?と。格闘パンチの動画もいくつか拝見しましたが、ジャブは確かに独自の技術なんですが、KOパンチは「通常の正拳突き」にしか見えないんですな(笑)。どこをどう解釈したら「振り」攻撃になるのか、管理人にはちょっと分かりませんでした。

 …まぁ管理人は格闘技の素人なので、「いや、KOパンチは実在するんだ!アレは物理的にも明らかに「振り攻撃」攻撃なんだ!お前は本当のKOパンチを知らない!ドンガラガッチャーン!(ちゃぶ台返し)」と主張される方がいたとしても、特に反論などは御座いません…好きに導入なさればよいかと思います。


 代わりに、ボクシング技能を取るなら絶対ほしい「スリッピング」を入れました。これがない状態のボクサーが武器持ちの相手とか、正直あんまり優位性がないんですよ。なんせ普通に真正面1ヘクスの距離からジャブなんて放とうものなら、フェイント効果がどうとかいう以前に、普通に剣で素手を受けられて手が使えなくなって終わってますがな(笑)。
 だからこそ、相手の攻撃を回避しながら接近するというスリッピングこそ、ボクシング技能の宝であり、一番大事な動作だと管理人は思ってます。ぶっちゃけジャブより大事です。
 なお、これを使えば武器持ち相手でも柔道の腕関節技も狙えるようになります。実はボクシング+柔道ってめっちゃ強いです…まあ、15レベルくらいないとやっぱキツイですけどね。


 あと、ジャブも一回の攻撃で二回の攻撃とフェイント判定とか超かったるいルールなので、一回の判定で終わりとしました。ジャブってのはウィキペディアの解説やボクシングの解説動画にもあるように、まるで腰の力が入ってない、本当に腕先だけの低威力のパンチです。普通の格闘技のパンチは、全身の体重を乗せて渾身の一撃を放つんです。そんなのとほとんど変わらない威力ってのが、納得できませんでした。だから仮に二発食らっても、普通のパンチ1発分より弱いくらいでいいと思います。
 てか、二回もダメージ判定してたら、防護点が低い相手だと、正拳突きよりも累積ダメージ貰っちゃいますよ?おかしいだろ、と(笑)

 ルナルの戦闘とは「ルール無用」の本物の殺し合いであり、相手は攻撃に備えて鎧を着ているか、相応の生体装甲に覆われているのが普通です。リアルのボクシングの試合や街中の喧嘩のように、相手もほとんど服を着てない状態で「試合」してるのとは根本的に違います。
 正直なところ、ジャブ程度のショボい攻撃で巨大モンスターに傷を負わせられるのか?そんな攻撃が実戦でフェイントとして使えるほどの攪乱効果あるのか?…管理人個人としては、それすら疑問だったりします。
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