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● <龍>信仰
[<龍>闘士](10cp)
 <龍>闘士も「聖職者」(10cp)扱いです。ドワーフ社会では、それなりの試練を潜り抜けてきたものと見なされ、反応+1を得ることができます。ただし実質的な社会的影響力は何もなく、「信者レベル」のような権力は何もありません(同時に果たすべき義務もありません)。呪文の習得機会も全くありません。<龍>闘士とは、ただひたすら己の肉体を鍛えるだけの存在です。
 この信仰が可能なのはドワーフのみで、他の種族が成る事は決してありません。
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■ 概要
■■ <龍>信仰
 <源初の神>によって生み出された三者のうち、最強の肉体と精神を持って生み出されたのが<龍>です。古の時代の<龍>の中でも最強クラスの者たちは、<源初の神>の旅立ちに同行し、この世界からいなくなっています。なので厳密な話をすると、現存する<龍>たちは「最強」とは言えません。
 しかしそれでも、神に匹敵する力を持っている事に変わりはありません。かつて深淵の彼方より銀の月が到来した際、銀の月の元素神たちを追い出そうと戦ったのが、眠っていた<龍>たちでした。勝負は引き分けに終わりましたが、それでも彼らが神を名乗っても不遜ではないレベルの強さを持っていることが、この歴史によって証明されています。

 <源人>の子孫のうち、個の力を極めようと鍛錬し、<龍>の力に憧れを抱き、それを目指そうとしたのが古ドワーフたちでした。古ドワーフたちは彷徨いの月に頼ってましたが、同時に<龍>への信仰も行っていました。それは一種の憧れに近いものでした。
 <龍>は神ではなく、<源人の子ら>と同じく古の三者であるため、信仰したからといって肉体の変質は起こりませんし、呪文の啓示などといった恩恵も与えて貰えません。それでも<龍>に憧れるドワーフたちは、自分たちだけで独自の戦闘技術を編み出し、<龍>の強さに近づこうと切磋琢磨しました。

 その鍛錬の成果(独自技能)は現在も引き継がれており、数少ない<龍>闘士の間で洗練された戦闘技術が受け継がれています。ドワーフの「<龍>闘士」となった者は、それを学ぶことが可能です。


■■ 神殿の役割

 山奥などの辺境に<龍>寺院と呼ばれる施設が存在し、そこで格闘技の伝授と訓練が行われています。<龍>寺院は一般社会との接触を拒否しているため、神殿との交流なども基本的にはありません。衣食住の調達も全て自活しています。

 しかし、強くなったらその力を試してみたいと思うのが人の常です。そのため、一通りの修行を終えた後、一般社会に降りてくる<龍>闘士が一定数存在します(これも修行の一環です)。彼らは主にジェスタ神殿と交渉し、傭兵として働いています。強い事は確定しているので、<龍>闘士が職に困る事はありません。


■■ 信者に多い特徴
 <龍>闘士のほとんどは、「我慢強さ」と「戦闘即応」を持っています。そうでないと、厳しい修行に耐えられないと見なされ、まず<龍>寺院に入れて貰えません。
 さらに訓練の過程で身体を頑丈に鍛えられ、「頑強」の特徴を備える事になります。また、訓練の過程で「<龍>の誓い」と後述の「<龍>闘士の誇り」は必ず持ちます。

 <龍>闘士によく見られる傾向と言えば、基礎修行を終えて外に出た際、外の弱い連中と連戦して連勝した結果、自分の強さに酔いしれてしまい、「自信過剰」になる者が多い事です。他にも、価値観が「武の強さ」に固定されてしまい、武術を心得てない一般人に対する「狭量」や「高慢」な態度が時折見られます。また、禁欲生活が長い事から、社会に出てきた途端に「くいしんぼ」全開で過食気味になったり、「アルコール中毒」になったりする者もいます。

 多くの<龍>信者は、一人前(空手か柔道が15レベル以上)になって外に出ると、戻ってこない者が大半です。一人前レベルであれば、社会で生きていくのに支障がなくなるため、気が抜けてしまうのでしょう。そんな中、強さを求めること自体に生きがいを見出し、頂点を極めたいと願った者だけが<龍>寺院に戻ってきて修行を続け、師範クラスとなります。

 <龍>寺院は「脱落者」たちに対し、特に咎めるような事はしません。これもまた「修行」の一環であり、挫折が人を強くすることもまた、師範クラスの<龍>闘士ならばよく知っています。中には、外の世界で結婚して子供も作り、何年も過ごした後、ふとしたきっかけで<龍>信仰を思い出し、寺院に戻ってくるドワーフもいます。そういう者でも、寺院は歓迎を持って迎え入れます。

 ただし、技術の漏えいに関してのみは神経を尖らせており、勝手に<龍>寺院の外で技術指導を行った者は、直ちに<龍>寺院独自の制裁処置が加えられます。制裁とはすなわち「死」を意味します。


■■ <龍>闘士が多い職業
傭兵


■■ <龍>闘士が好んで使う武器
素手格闘術
■ 作成データ
■■ 特殊武器
 <龍>信仰に特殊武器は存在しませんが、以下のような装備が使われます。


●ブラス・ナックル(ベーシック完訳版p149 サイド・バー)
 パンチの威力が+2になります。重量0.5kg、価格$30となります。ファンブルで落とす事はなく、敵に奪われる事もありません。ただし、ブラスナックル装着状態で他の武器を持って戦おうとした場合、-2の修正を受けます(龍信者は気にしなくていいでしょうが)。
 これは他の月の信者でも普通に購入する事が可能です。

●<龍>道着
 <強化L1><防御L1>が魔化されたソフト・レザーで、街に出た<龍>闘士に愛用されています。重量5kg、価格$360、受動防御2、防護点2という性能です。ヘビーレザーほど窮屈ではなく、通気性も快適です。
 この品も別に<龍>闘士専用というわけではなく、誰でもお金さえ払えば同等の性能のものを購入できます。


■■ 独自の特徴
●<龍>闘士の名誉
(-15cp)
 <龍>闘士は己の肉体に誇りを抱いています。武器を持って戦闘しようとはしません(<柔道>技能で戦う際、手に何か持っているとかえって邪魔という事情もあります)。
 ただし、投石は認められています(普段はこれで食糧調達の狩りを行います)。<投げ>技能で手投げ武器(斧や槍など)を投げる行為も、ある程度までは認められます(危険な猛獣を狩る時や、仲間を救うためなどの正当な理由があれば)。
 ブラス・ナックルの使用も認められますが、熟練の<龍>闘士は通常、片腕を「鉄の手」に作り変えているため、ナックルを使用する者は未熟者であると見られます。
 また、格闘系技能のほとんどは重量制限があることから、鎧は革製のものまでに限定し、盾を持つこともしません。大抵の<龍>闘士はソフト・レザー程度の防具しか身に着けていません。

 彼らは奇襲する事は絶対にしません。必ず正面に立ちはだかり、相手に自分を認識させてから、堂々と戦闘を行います。なぜなら<龍>の強さとは、正面からの決戦能力の高さだからです。それを否定する事は、自分たちの生き方そのものを否定する事であり、決して行うことはありません。

 これらは通常、訓練の過程を経て自然とそういう思考になっていくため、<龍>闘士の訓練を受けた者は、ほぼ例外なくこの特徴を持っています―――闘技を極めたら、武器戦闘などアホらしくてやってられないためです。


●<龍>の誓い(-10cp)
 ドワーフならば誰でも獲得できる特徴ですが、<龍>闘士は必ず持っています。詳細は種族データを参照して下さい。


●鉄の手(10/15cp)
 訓練によって手を頑丈にし、殺傷兵器に作り変えています。手は厚いタコに覆われており、見た目ですぐにそれと分かります。大抵の格闘家は片手だけですが(10cp)、両手をこれにすることも可能です(15cp)。
 鉄の手に作り変えた側の手でパンチした場合、致傷力に+2されます(パンチの基本致傷力が「突き+技能修正」になります)。また、1レベルの「頑強」を持っているものとして扱います(通常の「頑強」と重複します)。ただし、繊細な作業が困難になっており、デリケートな指の動きを必要とする作業(鍵開け、手品、運転、操縦など)に-4の修正があります。両手を変えてしまうとそうした精密作業に困難をきたすため、大抵は逆腕だけ作り変えています(格闘系技能でパンチする場合、逆腕でもペナルティがないためです)。

 ちなみに、鉄の手に変える訓練とはすなわち「手を痛めつけて治療する」行為を繰り返す事です。<龍>寺院で行われている手法は、小石や乾燥豆が入った壺の中に手を突っ込んで、ゆっくりと手を動かして少しずつ傷つけては、気功治療で治療するというものです。これには数か月かかります。


■■ 独自の技能
 <龍>闘士は呪文が全く学べない代わりに、いくつもの独自格闘技能と格闘動作を学ぶことができます。<龍>闘士は以下の独自技能を自由に学ぶことができますが、全ての技能を習得するわけではなく、自分に合った戦い方に必要な技能を選んで学びます。なので、ウィザードが習得呪文によって大きく性能が変わるように、<龍>闘士も習得動作によって性能が異なります。

 <龍>闘技で重視される技能は<空手>と<柔道>であり、「一人前」と認められて外に出る事を許されるのは、<空手>か<柔道>が15レベルに達した時です。<龍>寺院は<龍>闘士が世間で恥さらしにならぬよう、一人前になるまでは外の世界に出る事を許してくれません(逆な話をすると、15レベルまで修行に耐えられるだけの素質がない者が寺院に受け入れられる事は決してありません)。PCとして冒険に使いたいのであれば、必ず<空手>か<柔道>を15レベル以上にせねばなりません。


<空手>(肉体/難)
 ルナルでは、一部の信者でしか習得できない技能です。<龍>闘士は「蹴撃術(ソギル)」と呼びます。


<柔道>(肉体/難)
 ルナルでは、一部の信者でしか習得できない技能です。<龍>闘士は「投破術(トハル)」と呼びます。


<ボクシング>(肉体/並)
 これは<格闘>技能の上位互換技能であり、パンチ攻撃に特化した代わりにダメージ上昇効率が良くなっています。また、フットワークを重視し、相手の動きを読むことが重視されます。この技能は、荷重レベルが「軽荷」以下の時にしか使えません。効果は以下の通りです。

 <ボクシング>技能でパンチをする場合、技能レベルの5分の1(端数切捨て)だけダメージがプラスされます(この技能でキックは行えません。また、空手で攻撃した時のように、武器で受けられた時に相手の命中判定を-4にする効果はありません)。
 また、「格闘受け」を技能レベルの3分の2で行えます(ただし<格闘>と同じで、白兵武器を受ける事はできません)。
 さらに相手の攻撃に対して、技能レベルの8分の1(端数切捨て)だけ「よけ」にプラスされます。これはボクシングのフットワーク重視を表現したもので、あらゆるタイプの物理攻撃に対して有効です。


<レスリング>(肉体/並)
 近接戦闘を技能として体系化したもので、敵の倒し方、フォールの仕方、押さえ込み方、関節の極め方など、近接戦闘の判定を有利にします。この技能は、荷重レベルが「軽荷」以下の時しか使えません。効果は以下の通りです。

 <レスリング>技能は<柔道>技能と同じく、近接戦闘での敏捷力判定全般を<レスリング>で代用する事ができます。
 さらに、「倒し」「押さえ込み」「振りほどき」【腕関節技】を行う際の体力判定で、技能の8分の1の値を体力判定に加算する事ができます。

 なお、レスリングで「格闘受け」は行えない事に注意して下さい。


<気功治療>(精神/難)
 身体の重要な点(ツボ)を鍼治療、マッサージ、灸で刺激する事により、身体が持つ治癒能力を高め、怪我や病気を治す技能です。これはTL3の<医師>と同様の効果を持つ技能として扱います。


<錬丹術>(精神/至難)
 魔力をもつ生体素材から霊薬を調合する技能で、ウィザードの同名の技能と同じものです。<龍>闘士にとってのエリクサーとは、いわゆる「漢方薬」のようなものと考えられています。


<気合>(肉体/難)
 この技能は生命力が基準となります。
 力強い掛け声と共に気を放つ事で、対象を金縛り状態にします。1ターン「集中」し、次のターンの頭に発動します。距離2ヘクスごとに-1の修正があります。判定に成功すると、対象は意思判定を行わねばなりません(<強靭精神>の技能があれば、それで判定しても構いません)。失敗すると、精神的朦朧状態に陥ります。回復は知力判定で行います。
 なおこれは、判定に成功したら相手に意思判定を促すだけのもので、いわゆる呪文のような即決勝負などは行いません。そのため意思の強い相手には、どんなにレベルが高かろうとほとんど通じないでしょう(要するに知力の低い雑魚や動物相手をビビらせるためのものです)。

 なお、20レベルに達すると集中なしで毎ターンの冒頭に発動できるようになります。


<強靭精神>(精神/難)
 高ぶらせた強い意志の力で、害意のある魔法的干渉をはねのけます。あらゆる呪文や月の賜り物への抵抗の際、対応能力値の代わりにこちらを使用できます。
 「意思の強さ/弱さ」が、技能への修正となります。呪文、超能力への抵抗以外の判定には使えません。


<強打>(精神/難)
 瞬間的に筋力のリミッターを外して怪力を発揮します。
 20-技能レベル(最低1)ターン「集中」した後、次のターンの冒頭に<強打>判定に成功すると、その1ターンのみ体力が倍扱いになります。武器や素手のダメージも、倍化した体力で算出できますし、重い物を持ち上げたり、凄まじい距離を跳躍したりできます。
 なお、この技能で体力を倍化すると、倍化したターンの終了時に1D点疲労します。


<暗闇戦闘>(精神/至難)
 視覚以外の感覚を研ぎ澄ます事で、盲目状態によるペナルティを完全に打ち消します。自分のターンの始めに判定を行い成功すれば、目が見えていなくとも完全にペナルティなしで戦闘可能となります(この状態を持続したい場合は、毎ターン判定が必要です)。ただし部位狙いを行う場合のみ、修正-2が追加で上乗せされます。
修正:「鋭敏聴覚」および「鋭敏感覚」のレベル分だけプラス。
周囲がうるさいと-1~-7の修正が発生。
全く音が聞こえなくても-7で戦闘は行える(音以外の感覚も一応使っているため)。


<経穴>(精神/難)
 これは気功治療の戦闘への応用で、相手の身体が悪くなるツボを突いて、最終的には殺そうとする技能です。
 まず<空手>などで、素手攻撃を命中させねばなりません。この時、命中判定に-2のペナルティがあります(部位狙いするなら、さらにその上にマイナス修正が加わります)。そして、少なくとも1点以上のダメージを与える必要があります。以上の条件をクリアしたら、即座に攻撃側の<経穴>技能と防御側の体力で即決勝負を行い、攻撃側が勝てば、命中部位が麻痺します。

 これによって腕か足が麻痺すると、5Dターンの間、その武器は使えなくなります。
 胴体の場合、呼吸困難が始まります。被害者は毎ターンの冒頭に体力判定を失敗度分だけ窒息ダメージを受けます。体力判定に成功すれば、この状態から回復します。
 頭部の場合、対象は気絶します(そして転倒するでしょう)。被害者は毎ターンの冒頭に知力判定を行い、成功すれば意識を取り戻します。


<砕打>(精神/難)
 完全に動かない物体(無生物に限る)の弱点を看破し、そこを突くことで最小限のダメージで破壊する技能です。

 (20-技能レベル)×2ターン(最低2ターン)の「集中」が必要で、ターン冒頭に発動し、そのターン内に対象を攻撃すると、物体のHPの10分の1以上のダメージを与えれば、対象を破壊できます。
 攻撃手段は素手でも武器でも構いませんが、対象の物体を破壊するのに有効な攻撃型でなければなりません(ベーシックp364,365の表の「使用すべき武器」を参照)。この技能を戦闘で利用するのはほとんど無理ですが、壁を破壊したり木を切り倒すのに便利でしょう。
修正:目標が木なら+1、レンガやコンクリートなら-1、石なら-3、金属なら-5。


<不動の構え>(肉体/難)
 鍛え抜いたバランス感覚と正しい気の使い方によって、簡単に倒れなくなる体術です。この技能を習得しているキャラクターは、近接戦闘の「体当たり」「倒し」で攻撃された際の体力の即決勝負で、この技能か、この技能レベルの5分の1だけ体力に加えた値で、即決勝負を行う事が可能です。


<見切り>(精神/難)
 相手を注意深く観察する事で、相手の正確な位置、構え、重心移動などが分かります。これにより、相手がフェイントを試みてきた際に技能判定に成功すると、フェイントに対して+4修正で抵抗する事ができます。クリティカルの場合、フェイント自体を無効化できます(即決勝負にまで至りません)。
 判定に失敗した場合は、通常通りのフェイント対抗を行って下さい。またファンブルした場合は読み違えた事になり、相手のフェイント成功度がモロに次の能動防御のマイナス修正になってしまいます。
 この判定は1ターンに1回までです(複数の敵には使えません)。
修正:鋭敏視覚または鋭敏感覚のレベル分だけプラス修正。「共感」があれば+3。


■■ 独自の格闘動作
[空手、ボクシング系]
【キック】(並)
技能なし値:<空手>-2 上限:<空手> 前提:<空手> 射程:C、1
 キックの命中判定を、パンチと同じ目標値まで上げる事が可能です。この改変ルール下では、他のキック動作の技能なし値に使えない事に注意して下さい。あくまで普通にキックする場合のみ、パンチと同じ目標値になるというだけです。


【フェイント】(難)
技能なし値:<空手><ボクシング> 上限:<空手><ボクシング>+4 前提:<空手><ボクシング>
 通常ルールのフェイントと同じです。<空手><ボクシング>でフェイントを行う時のみ、こちらのレベルを使用できます。最大で技能+4でフェイントの即決勝負を行えます。フェイント以外の武器技能判定(命中判定や「受け」など)には一切使えません。


【部位狙い】(難)
技能なし値:<空手><ボクシング> 上限:<空手><ボクシング>+3 前提:<空手><ボクシング>
 部位狙いで攻撃する場合、<空手><ボクシング>技能の代わりにこちらで命中判定を行えます。最大で+3まで伸ばす事ができますが、実際に命中判定を行う際の目標値の上限は、
【部位狙い】か<空手><ボクシング>のうち、低い方を適応します(要するに目標値拡大を狙って胴体狙いをしても、元の技能レベルを超える目標値にはなりません)。


【攻撃的受け】(難)
技能なし値:「空手受け」-4 上限:「空手受け」 前提:<空手> 射程:C、1
 相手の素手攻撃(パンチ、キック)に対し、その攻撃部位に対して攻撃を加えることでかわします。「受け」の代わりに【攻撃的受け】で判定し、成功すれば相手の攻撃部位にダメージを与えつつ、能動防御も成功します。与えるダメージはパンチと同じです。
 ただし【攻撃的受け】を行う場合、相手との距離が1ヘクス以内でなければなりません(そうでないと攻撃部位に届きません)。また、「後退防御」と組み合わせることもできません。

 なお、判定に失敗した場合は通常の「受け」に失敗したのと同様に処理しますが、ファンブルで失敗すると自分の腕に攻撃が命中した事になり、さらに相手の致傷力が+2されます。また、相手の白兵武器に対しては、この動作は行えません(通常の「受け」を行って下さい)。


【ジャブ】(並)
技能なし値:<空手><ボクシング>-3 上限:<空手><ボクシング> 前提:<空手><ボクシング> 射程:1
 腰の力を使わず、手の力だけで素早くパンチを連打する攻撃法です。威力は「叩き/突き-3+技能修正」と若干低くなりますが、代わりに「攻撃と同時にフェイントを行った」扱いになります。

 まず普通に命中判定を行い、その成功度を覚えておいて下さい。攻撃された側は成功度に関係なく、普通に能動防御を行えます。
 その後、攻撃の命中の是非に関係なく、防御側は戦闘技能か敏捷力で判定を行い、先ほどの攻撃側の成功度と比べます。この時、攻撃側の成功度が上回っていれば、その成功度だけ「フェイントが成功した」扱いとなり、次のターンの攻撃時に、相手の能動防御を下げる事ができます。

 ジャブの使い方は様々で、連続してジャブを出す事で能動防御を崩すことなく「フェイント即攻撃で細かいダメージを蓄積していく」とか、「小ダメージで相手を朦朧状態に追い込んでから大きいパンチを繰り出してとどめ」などといった戦術が考えられます。


【手刀】(難)
技能なし値:<空手>-3 上限:<空手> 前提:<空手> 射程:C、1
 パンチと同じ威力ですが、ガードしにくいのが特徴です。手刀に対する「受け」は-2の修正がかかります。ブラスナックルを装備している手では、これを行う事はできません。


【肘打ち】(並)
技能なし値:<空手>-2 上限:<空手> 前提:<空手>-2 射程:C
 背後に対して肘で打ちます。パンチと同じ威力ですが、後方から組み付かれている場合でも修正なしで反撃が可能です(例えば腕関節技にかけられている場合など)。なお、肘打ちで部位狙いを行う場合、余分に-1の修正がかかります。
 ブラスナックルを装備していても、この攻撃にダメージ修正は加算されません。


【頭突き】(並)
技能なし値:<空手>-6 上限:<空手> 前提:<空手> 射程:C
 相手の頭に自分の頭をぶつけて脳を揺らします。両手で組み付いていると命中判定に+1修正があります。相手は「受け」ができず、「よけ」-1でのみ回避可能です。命中すると「叩き/突き-1」(固定)のダメージを「脳」に与えます。
 脳には頭蓋骨による防護点2点があることに注意して下さい。


【後ろ蹴り】(難)
技能なし値:<空手>-4 上限:<空手> 前提:<空手> 射程:1(後方)
 後方ヘクスにキックを行います。威力は通常のキックと同じです。後ろ蹴りを行ったターン、能動防御に-2のペナルティがあります。


【後ろ回し蹴り】(難)
技能なし値:<空手>-3 上限:<空手> 前提:<空手> 射程:1
 身体を素早く回転させて、踵や足の後ろで蹴りを行います。相手は突然の重心移動で戸惑ってしまいます。ルール的には、フェイントに似た動作と蹴り攻撃を同時に行っているものとして処理します。
 疑似フェイントの方は、攻撃者の【後ろ回し蹴り】と、防御側の白兵戦闘技能か敏捷力で即決勝負を行います。通常のフェイントと異なるのは、防御側が勝った場合、勝った数値分だけ直後の蹴り攻撃に対する能動防御にプラス修正になることです(見え見えの蹴りを放ってしまった扱いです)。
 疑似フェイント直後の蹴りの命中判定も、【後ろ回し蹴り】で行います。ダメージは通常のキックと同じです。なお、直前の疑似フェイントの結果が気に入らなくても、この蹴りは行わねばなりません(ほとんど同時に繰り出しているため中断はできません)。


【脛蹴り】(難)
技能なし値:<空手>-3 上限:<空手> 前提:<空手> 射程:1
 足先ではなく脛でけります。威力は「突き+2+技能修正」となります。防護点3点以上のものを蹴った場合、攻撃直後に体力判定を行います。失敗すると、蹴りに使った足に、自身の体力に応じた「突き」ダメージ(防護点無視)を負ってしまいます。


【掃腿】(難)
技能なし値:<空手>-3 上限:<空手> 前提:<空手> 射程:C
 姿勢を低くして、足をスライドして相手の足にひっかけるような蹴りを出し、転倒させようと試みます。命中してもダメージは与えられませんが、攻撃側の【掃腿】と防御側の敏捷力で即決勝負を行い(体力が高い側に+1修正)、防御側が負ければ転倒させられます。
 ただし防御側は即決勝負に負けた後も<軽業>-5判定に成功すれば、宙返りして転倒を回避できます。


【飛び蹴り】(難)
技能なし値:<空手>-4 上限:<空手> 前提:<空手> 射程:2
 2ヘクス離れた場所からジャンプして蹴ります。ダメージは「突き+2+空手修正」となります。相手は「受け」を行う場合、-2のペナルティを負います。
 なお、攻撃者が命中判定で失敗した場合、敏捷力-4か<軽業>-2判定を行い、失敗すると転倒してしまいます。


【飛翔蹴り】(難)
技能なし値:<空手>-6 上限:<空手> 前提:<空手> 射程:2~「体力(or<跳躍>)-3」/2ヘクス
 飛翔し、着地の瞬間に破壊的な蹴りを放ちます。まず<跳躍>か敏捷力-4判定を行い、成功すれば【飛翔蹴り】で命中判定を行います。このいずれかで失敗した場合、<軽業>-4か敏捷力-8判定を行い、失敗すると転倒して地面に転がり、飛翔距離2mごとに「叩き/1D-3」のダメージを受けます。なお、飛翔距離は「走り幅跳び」と同じで、便宜上、「(体力(or<跳躍>)-3)÷2」ヘクスとします。
 飛翔蹴りに対しての防御は大変困難で、「受け」に-3のペナルティがあります。命中した場合、与えるダメージは「突き+2」(固定)です。

 飛翔蹴りを行ったターン、あらゆる能動防御に-4のペナルティがあります。また、この動作は「移動して大振り攻撃」したのと同じ扱いなので、全力攻撃などで他の動作と組み合わせる事もできません。


【地面戦闘】(難)
技能なし値:格闘系技能-4 上限:格闘系技能 前提:格闘系技能 射程:C
 転倒中は近接しか攻撃できず、さらに攻撃の命中判定に-4、能動防御に-3のペナルティがありますが、それを軽減します。なお、能動防御に関しては、この動作を1cp学ぶだけでペナルティを-1に軽減できます(ただしそれ以上、いくらCPを費やしてもペナルティを打ち消す事はできません)。


【スリッピング】(難)
技能なし値:「よけ」-3 上限:「よけ」 前提:<ボクシング>
 これは、相手の攻撃をかがんでよけつつ、相手の方へ1歩踏み込んで前進する技能です。「よけ」の代わりに用い、【スリッピング】判定に成功すると、相手の攻撃を回避し、さらに攻撃者に向かって1ヘクス接近することができます。
 この動作は1ターンに1回しか行えず、「後退防御」や「アクロバットよけ」との併用もできません。

 これを使えば、例えば1ヘクス隣で攻撃を受けた場合、相手のターンに近接状態に持ち込めるわけで、相手は攻撃後に1ヘクス後退しても、こちらのターンの近接攻撃を回避する事ができなくなります。近接状態で素手攻撃をすれば、相手の武器で「受け」られることはありませんし、<柔道>技能の腕関節技なども持ち込みやすくなります(武器戦闘に頼ってる通常の戦士には致命的な結果を招くでしょう)。


【踏みつけ】(並)
技能なし値:<空手>-3 上限:<空手> 前提:<空手> 射程:C、1
 全体重をかかとにかけて、踏みつけるように放つ蹴りです。ダメージは「突き+1+技能修正」となり、若干のダメージアップが見込めますが、自分より低い姿勢の者に対して放つか、立ってる相手の場合は足のみしか狙えないという制限があります。


【ドロップキック】(難)
 下記の[柔道、レスリング系]の説明を参照して下さい。空手の一般動作ではありませんが、空手技能を基準として学ぶことも可能です。


[柔道、レスリング系]
【腕関節技】(並)
技能なし値:<腕関節技> 上限:<腕関節技>+2 前提:<腕関節技> 射程:C
 相手の腕の関節を極めて、身動き取れなくしたり、腕を折ったりできます。
 直前の敵のターンの腕を使った攻撃(通常の白兵武器、あるいはパンチ)を「受け」た状態で、自分のターンにこちらの【腕関節技】と、相手の敏捷力or<柔道>で即決勝負を行い、こちらが勝てば関節を極められます。
 あるいは、こちらのターンに相手の腕に「組み付き」を行い(互いの敏捷力or<柔道>即決勝負。こちらに+3修正)、組み付きに成功すれば、即座に上の判定を行い、これに成功すれば関節を極められます。

 いずれの場合も腕関節技の射程は「近接のみ」です…後退防御などによって2ヘクス以上離れてしまうと、「柔道受け」に成功していても関節技には入れないので注意して下さい。極めることに成功した柔道家は、自動的に「敵の後ろに回って両腕を使って敵の腕を極めてる状態」となります。

(極めた側の行動)
・極めた腕にダメージを与える
 攻撃者の【腕関節技】と、犠牲者の生命力or体力(「我慢強さ」「柔軟」があれば+3)で即決勝負。勝った数値分だけ腕にダメージ。生命力の半分のダメージで腕が折れて組み合いは自動解除となる。
・痛みだけ与える
 上記と同じ処理を行うが、敏捷力と知力にダメージ分のマイナス修正を与えるだけで、実際にダメージは発生しない。<尋問>など行う時の「拷問を加えている」状態と見なされる。
・頭突き
 相手は「よけ」-3。
・通常のキックで攻撃
 相手は「受け」「よけ」-3。
・解除して即座に別行動をとる

(極められた側の反撃)
・振りほどく
 振りほどく側の体力or<柔道>と、極めた側の<腕関節技>+4or体力で即決勝負。勝てば抜けて1ヘクス離れた状態で終了。
・空いた手で反撃
 格闘のパンチ、近接用武器(ナイフ)で攻撃が可能(背後の敵を攻撃する場合は-5、逆腕を使う場合は-4修正)
 極めた側はこれらの攻撃に対し、-3修正付きの「よけ」(後退不可)しかできない。あるいは即座に極めるのをやめて(極めは自動解除)、修正なしで通常通りの能動防御を行える。
・噛みつき
 牙のある種族は噛みつきで攻撃可能。人間が噛みついた場合は敏捷力で命中判定を行い、ダメージは「叩き/1D-2」。極めた側の能動防御は上記と同じ。


【ヘッドロック】(難)
技能なし値:<柔道><レスリング>-4 上限:<柔道><レスリング> 前提:<柔道><レスリング> 射程:C
 相手の頭を抱え込んで投げる動作で、大変危険な技です。
 まず、相手に「組み付き」を試みます。組み付いた状態で次の自分の番に【ヘッドロック】判定を行います。対象はこれに対し、任意の能動防御を行えますが、受動防御は無効です。命中すると、頭に組み付いた状態に移行します。逆に防御された場合、組み付きが自動的に解除されてしまいます。
 頭部に組み付いて次の自分のターンに「投げ」を実行できます。この投げは特殊で、攻撃側の<柔道>or<レスリング>と、防御側の敏捷力、<柔道>、<レスリング>(この中で最も高いもの)で即決勝負を行います。勝てば防御側の「首」に「叩き/振り+<柔道>or<レスリング>技能の8分の1(端数切捨て)」のダメージを与えられます(投げた後、相手は転倒状態になり、組み付きは自動解除)。引き分けか負けの場合はそのままの組み付き状態が維持されます。
 防御側は投げられるまでの間(最低3ターンの余裕があります)、「組み付き」に対する「振りほどき」で対抗できます。

 なお、ヘッドロック後は「投げ」を行わず、通常格闘ルールにある「窒息」を試みる事も可能です。


【首折り】(難)
技能なし値:体力-4 上限:体力+3 前提:【ヘッドロック】 射程:C
 ヘッドロックからの派生技です。まず、ヘッドロックで相手の頭部に組み付く必要があります。頭に組み付いた状態で、「投げ」は行わずに直接首をへし折ります。

 頭部に組み付いた次のターンに、攻撃側の【首折り】と、防御側の体力か生命力に「頑強」のレベル値を足したもので即決勝負を行います。攻撃側が勝利した場合、首に攻撃者の体力に応じた「叩き/振り」ダメージを与えます(防護点は無視。首に対する叩き攻撃はダメージ1.5倍されます)。


【ドロップキック】(難)
技能なし値:<空手>-4or<レスリング>-3 上限:<空手><レスリング> 前提:<空手><レスリング> 射程:2
 ジャンプして両足で敵をキックします。
 この動作を行うには、直前に最低でも1ヘクス動く必要があります(「踏み込んで攻撃」を実行すればよいでしょう)。そして【ドロップキック】で命中判定を行います。対象は「よけ」か「止め」が可能ですが、「受け」はできません。
 ダメージは「突き+2」(固定)ですが、同時に「体当たり」の処理が行われます。この時、攻撃側は体力+2で即決勝負を行えます。即決勝負の勝敗に関わらず、攻撃側は自動的に転倒します。ただし<軽業>-5判定に成功すれば、足から着地して立ち状態を維持できます。


■■ 独自の特殊動作「コンビネーション技」
 <龍>闘士は、基本となるパンチやキック、上記の動作を組み合わせた一連の動作を学ぶことができます。例えばパンチの後、即座にキックを放つという動作を、ほとんど同時に一瞬で出せるようになるまで「型」を練習するのです。これは全力攻撃にはならず、普通の攻撃動作として行えます。
 こうして組み上げられた一連の動きは独立した「技能」として数え、格闘技能や格闘動作とは別に、CPを払って習得する必要があります。

[動作数による必要CP]
2動作のコンビネーション技 4cp
3動作のコンビネーション技 6cp

[コンビネーションに使える動作と基本ルール]
・攻撃動作の種類
 上記の格闘動作に加え、基本的なパンチやキック、近接格闘(組み付きや体当たり等)も可能です。

・フェイントの効果範囲
 コンビネーションにフェイントを加えた場合、フェイントの効果はコンビネーション内の動作にのみ適応され、次のターンの攻撃などに修正を持ちこせません(コンボの最後にフェイントを持ってきても全くの無駄ということです)。
 なお、近接格闘の組み付きや体当たりなど、敏捷力の即決勝負による命中判定を行うものに対しては、基本ルールと同じくフェイントの効果はありません。

・部位狙い
 この動作は、特定部位に命中が確定する動作(頭突きなど)以外の動作を自由に組み合わせて使えるので、コンビネーション技の攻撃動作としては扱いません。

・連続技の中断
 【組み付き】→【倒し】→【押さえ込み】といった連携前提のコンビネーションを組んだ場合、途中の動作で失敗すると(例えばいきなり「組み付き」で失敗するなど)、残りの動作は行えなくなるので注意して下さい。

・攻撃対象数
 あくまで「1動作」なので、複数の標的を取る事はできません。

・カウンター技は不可
 マーシャルアーツの選択ルールでは、「受け」からのカウンターコンビネーションも可能ですが、この改変ルールでは「ぐるぐるターン制」を基としている事と、敵のターンに割り込み処理を強制するのは手順が煩雑になるので、それらを回避する避けるためカウンターコンビネーションは不可とします。あくまで「攻撃時にのみ使える技」として扱います。

 ただし、コンビネーションの初期動作を【腕関節技】や「柔道投げ」に設定した場合、相手のターンの攻撃を「受け」てからの技の発動となりますので、カウンターじみたコンビネーションを作る事はできるはずです。

・名前と見栄えの設定
 コンビネーション技の名前や、具体的にどんな動きをしているかは、コンビネーション技作成者に任されています。例えば「フェイント→キック(右足)」の場合、「後ろ回し蹴りみたいな動き!」と設定することで、そのような見た目の技名として登録されます。

[実際の使用]
 攻撃時にコンビネーション技を使う事を宣言して下さい。 なお、コンビネーション技を使用すると、成否に関わらず1点疲労します。そのため、体力の低い格闘家はそう何度も放てません。

1)攻撃側のコンビネーションの最初に使用する動作の主技能or能力値(例えばキックなら<空手><格闘>など。体当たりなど近接戦闘なら敏捷力)と、相手の武器技能、格闘技能、敏捷力の中で最も高いものとで即決勝負を行います。
2)即決勝負に勝てばコンビネーションが発動し、一連の動作を行う事ができます。相手は途中でこれに割って入る行動は一切取れません。なお、コンビネーションの動作はほとんど瞬間的に行われるため、途中でキャンセルする事はできません。コンビネーションの使用を宣言した時点で、行動が始まっているものと見なします。
3)引き分けか失敗の場合、相手に見切られてしまった事になり、コンビネーションの最初の動作だけ行って終了となり、しかも相手はその動作に対して+3で能動防御を行う事が可能です(フェイントなら+3で抵抗、体当たりなどは相手が+3で即決勝負)。
 なお、即決勝負で負けて分が悪いからといって、行動をキャンセルする事はできません。一度宣言してしまった以上、必ず最初の動作は行って下さい。
4)コンビネーション技を一度でも見切られてしまうと、以後、同じ相手に対する即決勝負にて-3のペナルティを負った状態となります。この効果は、その戦闘が終了するまで続きます。


■■ ボーナス技能
 <応急処置><追跡><生存/山岳><戦術><礼儀作法>の各技能を習得する際、技能レベルに+1のボーナスを得られます。
[原作からの変更点]
 ドワーフの種族説明にも書きましたが、<龍>闘士は「呪文の代わりに格闘技の秘儀を極めたウィザード」扱いです。他のTRPGで例えるならば、「シャドウラン」のシャーマンやメイジに対するフィジカル・アデプトのような存在です。
 ドワーフ以外にこのような生き方をし、研鑽してきた種族は、少なくともルナルには存在しません。大量の技能と格闘動作は、全てを学ぶのではなく、自分の戦い方に応じて取得するかどうか決めて下さい。100cpの段階で全部網羅しても、おそらく器用貧乏になるだけでしょう。

 また、双子の月の信者の魔術師が、呪文の習得制限がほとんどないウィザードには決して勝てないように、格闘技に関しても<龍>闘士には絶対に勝てない壁があります。それは、コンビネーション技の習得です。これによって、ウィザードが新規呪文を開発するように、<龍>闘士は新規格闘動作を開発する事が可能です(ただし、無制限に使わせると強すぎるので、見切られるとほとんど成功しなくなる上、1回使用する度に1点疲労するようにルール変更されています)。
 そうした事情から、双子の月の信者が使う格闘技など<龍>闘技のほんの一部分を切り出しているだけのシロモノなので、<龍>闘士にしてみれば健康体操程度の護身術でしかありません。

 ただし<龍>闘士と言えども、あらゆる格闘動作を習得しているわけではありません。
 エルファの【かかと落とし】のように、ドワーフの低身長で放ってもあまり意味がない動作は含まれていません(代わりに【飛び蹴り】があります)。また【突き返し】は、【攻撃的受け】と同種の動きなので、重複を避ける意味で入れてません(<龍>闘技は「相手も素手である」ことを想定しているという事情もあります)。
 さらに【目つぶし】や【顔面攻撃】、【鼓膜破り】など、後遺症を残す事が目的の「汚い」動作は「龍の誓い」(正々堂々と戦う)に抵触するため入っていません。あまり洗練されていない、原始的な格闘技能専用の【スレッジハンマー】なども入ってません。

 なお、過去に販売されたサプリメントに幾度か登場している「<龍>のグローブ」とかいう装備は実装しませんでした。なぜなら、<龍>闘士は己の肉体の強さを極める信仰であって、最終的には道具に頼るべきではないという結論に達したからです。
 ブラスナックルや<龍>道着なども設定されていますが、最終的には「鉄の手」や「頑強」、高い防御率を誇る空手受けなどで克服できます。これらに頼っているうちは、真の<龍>闘士とは言えないでしょう。
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