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■序節 別視点から見るルナル世界
 「ルナル・サーガ」の世界では、小説にもルールブックにも記載されていない情報がいくつかある。主に世界観・社会システムに関する項目だ。これらはゲームをプレイする上で、さほど必要な知識ではないし、GMがその都度、勝手に決めればいい話なのだが、何を決めるにしても、一応の「指針」は必要であろうと思う。

 そこで管理人は、あらぬ方向から見上げ、いい加減な知識を用いて、適当な解釈など書いてみる。設定に困った時の参考になれば幸いである。
■些細な疑問の考察
 まずは、2~3行で解説可能な疑問からつらつらと考えていく。
Q:ルナルの神殿武器がことごとく使えないのはなぜか?

A.作者が設計思想を上手に再現できなかったから。
 武器には大きく二種類の傾向がある。

 一つは「扱いが簡単で誰でもそこそこの戦果を出す事ができ、生産コストが安い」武器である。槍、斧などがこれに相当し、古代戦闘では民間動員兵の主力武器だった。これらは農機具などの派生武器でもあるため、動員兵であっても普段から仕事(農作業や木こり、鍛冶仕事など)で扱いに慣れていたため、習熟も早かった。

 もう一つは、熟練に手間がかかるが、マスターすれば非常に効率的な殺傷を行える武器である。主に剣や弓が相当する。これらは日常的に仕事で使われる道具の延長ではなく、戦闘に特化した道具であるため、練習のために専用の余暇時間を取る必要があった。しかし、そのような裕福な庶民は少なかったため、使い手は戦いそのものを生業とする戦士に限定された。

 歴史上では、武器自体が非常に高価であることもあって、剣を使ったのは騎士だった。一方の弓の方だが、狩人以外で弓に慣れ親しんだ例外的な存在として、英国の自由農民たちがいた。彼らは仕事の合間の余暇時間に「娯楽」として弓矢の練習に勤しんでいたため、戦争でもその技量が発揮された。そして長弓兵部隊という、クロスボウより連射能力が高くて火力が高い強力な部隊を編成する事ができたのだ。

 で、神殿武器はおそらく後者のような武器になることを願って設計されたと推測できるが、実際はいらない攻撃オプションをくっつけただけで火力そのものが高いわけでもなく、しかも難易度を引き上げられるというお粗末な調整が行われた。結果、ユーザーたちの誰もが見向きしないゴミ武器となった。

 おそらく当時の作者自身がガープスに慣れていなかったからこうなった…という事にしておこう。



Q.<龍>闘技はどうして消えたのか?

A.完全版のページが足らなかったから。

 ルナル完全版は、書籍が分厚くなるのを避けるため、それまでの展開で複雑・大量化していたルールを、かなり切り捨てて簡略化している。特にマーシャルアーツ関連は似たような動作がたくさんある事から、消えた分量が多い。
 そして、完全版のルーリングの志向からすると、<龍>闘士は主にマンガ技能を複数習得する形になると推測できるのだが、ほとんど信者がいないレアな信仰のために、マンガ技能の説明に数ページも使うとか無駄が多すぎる。ゆえに<龍>闘技ごとばっさりカットせざる得なかったのだろう。

 そこはまあ仕方ないのだが、問題は、それまで散々ドワーフの<龍>闘士を小説やリプレイで暴れさせておきながら、それらがきれいさっぱり「なかった事」にされてしまった事。しかも「ドワーフは地に足を付けて戦いたいからキックは発達しなかった」と、いかにももっともらしい説明を付けて、<空手>技能を取り上げられた。そしてとどめとばかり、<龍>闘士をガヤン信者に統合してしまう始末。これは、いくらなんでもあんまりだ。

 おそらく、追加サプリメントなど出せない都合から、<龍>闘技のフォローも今後は行えないと判断し、このような処置になったと思われるが…それなら設定だけ置いといて、使いたい人だけ自作する方向性でよかったろうに。

 この扱いでは、<鉄拳>ボグズや「達人」ドウギ、<龍>のキルシアンの立場が全くない。<龍>闘技に憧れたユーザも多かったろうに…管理人もその1人だが。
Q.主人公エフィが100年後も同じ姿のままで存在する理由は?

A.エフィのような女性と上手く結ばれる男キャラを用意できなかったから。

 私の予想では、エフィの相手として適切なのは、登場したキャラクターの中では長身痩躯イケメンエルファのラナークだったと思っている。ところが当のラナークは、作者独自の「予定調和」の一環として樹人と化してしまい、永遠に肌を重ねる機会を奪われてしまった。

 さすがにこれはまずいと思ったのか、小説やリプレイで「はぐれエルファ」のアード・ハウリングウルフとくっつけられそうになったが、まぁこんなガサツな男など、視聴者から見ても「合ってない」し、おそらく当のエフィ役のユーザも嫌がっただろう。

 その後、問題のアードの主人であるサーライトも候補に上げられたが、これまた性格的に嫌がられたのか、正式に断られてしまっている。まぁ彼の場合、あまりにも陰謀に特化しすぎていたので、少なくともエフィのような性格の女性には相応しくない。

 こうしてエフィはアンディ兄さんと異なり、素敵な相手に巡り合えず、嫁き遅れてしまう。仕方がないので、不老の母親の遺伝とかいう無茶な設定の下、「永遠の少女」(笑)の立場を与えられたものだと勝手に推測している。

 あるいは最初の段階(ラナークの頃)から、エフィ役のプレイヤーがエフィの婚活そのものを拒否したのかもしれないが…



 逆に、エフィに合う男とは、どんな相手だろう?

 やはり母親プリシラの旦那ラスティのような生真面目系だろうか。そういやエフィには、ブラコンの気もあった。やや真面目すぎて、ひたすら石レンガブロックを積み立てていく男ラスティを、自由奔放な女プリシラがTNT爆薬で適当に解体・地ならししていたように、エフィにもアンディやラスティのような真面目系の男をいじり倒したり、逆に甘えたりする立場というのが無難な気がする。

 ところが小説リプレイでは、親族以外でそのようなキャラが登場する事はなかった。



Q.<聖なる母の結社>にかけられた魔術は失敗だったのか?

A.いや、むしろ成功しすぎた。

 小説の最後の方で、英雄サンダミオン以降、月に至ったのは、実はアンディが最初ではなく、知られざる者が何人もいたと、月の法廷のシーンでガヤン神が自ら暴露している。<結社>にかけられた術は、もう既に何度も効果を現していたのだった(これはおそらく各ユーザの卓で月に至ったプレイヤーキャラたちの事を指していると思われる)。

 実際、<結社>は巨大な1つの統合組織ではなく、各地方でそれぞれが独自に計画を進める形態だった事が、幹部メンバーの証言により判明しているため、情報のやり取りがあまり上手くいってなかったと推測できる。お互いを出し抜くために、わざと報告しなかったという線も十分考えられる。

 自分たちが生み出した子供の中から月に至る者が現れ、ソイツが世界を救った後で「我々の組織の計画こそが正しかった!」と主張する予定だった野心的な末端組織が複数あったとしても、別に不思議ではない。というか、小説やリプレイで悪役として大活躍した<四姉妹>など、その最たる例ではないか。

 なので、あんまり必死になって予言の厳密性を問う意味はなかったのだ。アンディの父ラスティも、計画外の事が起きて殺されるハメになったが、わざわざ死んで貰うほど深刻な理由でもなかったのである。

 超原理主義だったディオドラさん。まぁなんていうか、ピエロ役おつかれさん(笑)
Q:ルナル世界のエルファはモデル並みの高身長のはずのなのに、どうして小説、リプレイに登場するエルファ女性は、ことごとく人間の女性サイズなのか?

A.作者はガタイのいい女性が好みではないから。

 どうやら彼は、高身長女性に一切のロマンがないらしい。

 小説「虹色の追跡」のヒロイン役、ジャング氏族でグラマー系のエルカだが、エルファとは到底思えぬ低身長で収まっている。その相方であるチェリに至っては、もう人間の女性平均を下回るほどの幼女レベルである。
 また、ツイッター小説(?)の「シャハル・サーガ」でも、第二部的展開において女性エルファを主役に抜擢したものの、これまたハイパー低身長の幼女設定で、何のためにモデル系美人のはずのエルファ女性を起用したのか、意味不明としか言いようがない…ちなみにこのツイッター小説、序章でいきなり更新停止しているが。

 これまでの展開から、作者はエルファが高身長という設定を忘れているのではなく、意図的に無視しているのは明らかである。作者自身、自分で設定しておきながら、いざ自分が使う段階になると、「ヒロインとなる女性ともあろうものが身長180以上の大女とか、俺の美的感覚が許さない。情も欲も湧かない」といった心情なのであろうと推測できる。
 挙句の果てに何を血迷ったのか、ユエルで「ラルファ」とかいう草原の幼女エルファ種族まで新設する始末(笑)。あの~…草原は、人間や彷徨いの月の種族の領域のはずでは??

 そんなに高身長女性が嫌ならば、「ソード・ワールド」のエルフと同じように最初から低身長設定にすればよかったろうに。おそらく最初の構想段階では、ラナークのような高身長イケメン男性エルファを利用する事しか考えてなかったに違いない。
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