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■第1節 リアド大陸の人口比率
 ルナル世界は地球とは異なり、多種多様な亜人種が住んでいる。どの種族がどのくらいの勢力(人数)を誇っているのか、ルールブックの表記だけでは分かり辛い。そこで、管理人のいい加減な知識を元に推測していく。

 ただしここでは、
リアド大陸のヒューマノイド(知的生命体)に限定した話とする。ルナルは大陸に応じて別ストーリー、別ルールで展開される世界なので、世界全体にすると各シリーズの検証をせねばならず、情報が少なすぎる事もあり、推測は難しい。なので、「ルナル完全版」の舞台であるリアド大陸の話に限定させてもらう。
■農耕民族の拡大理由
 農耕民族は、狩猟民族よりはるかに多くの人口を抱える。これは、農業が優れているからではなく、農業をしないと飢餓状態に陥るからである。つまり、農耕民族は貧しかったからこそ、農業を基盤としたのである。

 豊かな自然に暮らす民族は、基本的に狩猟だけでその日の食糧を得られ、余暇時間も大量に得られるので生活は楽だ。文明を発展させる必要性もない。

 民族が農業に従事するようになると、植物の管理のために多大な時間を取られ、余暇時間を失う。それを補うために、さらに人口を増やさざる得なくなり…確かに大人口を支えられるだけのパワーはあるのだが、人数が肥大化する一方で、個々の生活は貧相になっていく。農耕民族の人口が多いのは「強いから」ではなく、「やむ得ないから」である。

 そして、増えすぎた人口を削減する口実として、たびたび侵略戦争が行われた。その目的は、戦死者を出して「味方」の口減らしをするためである―――

 これが農耕民族の現実だ。



 それでもなお、農耕民族にアドバンテージがあるとすれば、「定住」する事によって文明発展の機会を得られることだ。
 「スタートレック」や「PSO2」の世界のように、宇宙船内に研究ラボが構えられるほど高度な文明ならばともかく、惑星重力に縛られている段階の文明レベルでは、居場所を固定しないと文明を発展させられない。動かせない大型のマシンなど、馬や家畜を率いて移動し続ける民族では、管理も研究もできないからだ。

 ルールブックによると、彷徨いの月を崇めていた頃の人間たちは、現在のゼクス共和国民のごとく家畜を率いて遊牧生活をしていたとあるが、青の月の
サリカ神により農業的加護を受けた結果、大々的に土地を開墾し、定住するようになったと推測できる。
 土地に縛られて逃げられなくなった代わりに、
ジェスタ神より防壁―――拠点防衛の技術を授かり、外敵に対抗する手段を得た。
 一方で身内同士のいざこざは、
ガヤン神が法を定める事により平定する。

 定住する事により、これまで移動するのに費やしていた時間を別の事に充てる事ができた。そこで人間たちは、
ペローマ神から与えられた知恵により技術革新を行い、農業に費やす時間を減らす発明を行った。これにより、必要以上に人口を増やす必要なく、余暇時間を得ることができるようになったと推測される。
 余暇時間を得られれば、それをさらなる技術発展に充てる事が可能であろう。娯楽といっても、物を作ったり物語を描いたりといった知的作業は、娯楽であると同時に学習でもある。自由な発想で行われる娯楽は、文明発展にも寄与するのだ。

 一方で、あまり生産的とは言い難い肉体的な受動娯楽(酒、タバコ、賭博、女など)も廃れたわけではない。それを支えたのは、解放を司る赤の月の神々である。

 
シャストア神は、ガヤンの規則に則ったルーチンワークのような生活スタイルに対し、たまにはハメを外す事で別の道を見出し、時代に対応していく必要性を教えた。
 
アルリアナ神は肉体的快楽に身を任せ、時には感情に従う事で、頭でっかちになる事を防ぐ一方、子孫繁栄という生物本来の目的を思い出させた。
 
タマット神は、選択に迷った時は自分の感情に素直になれと諭し、その選択で間違えぬよう、直感と幸運を与えた。
 そして
リャノ神は、美しい音楽と美味しい料理をもたらして脳の再起動を促し、定期メンテナンスする事の重要性を説いた。

 赤の月の神々が人間にもたらしたのは
流動性である。青の月のテンプレ行動だけでは、生き方に幅がなさすぎる。ゆえに、遊牧民だった頃の自由な生き様を忘れさせないためにこそ、赤の月の教えが必要だったのだ。

 こうしてルナルの人間は、神によって無敵の生活サイクルを与えられ、着実に戦力を増やし、世界の支配種族となった。
 もう一方のドワーフたちだが、かつては地中で採掘生活に専念していたようである。小説での記述によると、かつての古ドワーフは陽光に当たる機会がほとんどなかったせいか、肌は白かった。また、地中では食事のバリエーションも乏しいためか「味覚消失」だったようだ。その他、水に浮かないという性質もあったようだ。

 しかし、青の月を崇めるようになってからは、天空神でもあるサリカの加護からか、メラニン色素が増えて黒い肌となり、地上でも活動する機会を得た。
 そして地表での農業や牧畜により、多様な食材を得られるようになった事に適応するため、単一の感覚だった味覚も改善され、それまで「食事=ただの燃料補給」だった生活の反動からか、種族的に「くいしんぼ」にまでなってしまった(このへんはドワーフの主神ジェスタの片割れであるリャノ神のイタズラと取れなくもない(笑))。

 こうして、赤緑色盲のドワーフたちは青の月しか認めなかったものの、幾分かの「多様性」を獲得し、より高度なテクノロジーの発展と鉱山の拡大を行うようになった。
 それまで完全に別々だった人間社会との交流も非常に盛んになり、現在は人間とドワーフは同じ土地に住んでいる割合が大きい。両者の種族的な差別感情なども見受けられない。同じ月を崇めているという理由が大きいのだろう(カルシファードだけは事情が違ったようだが)。

 ただし、ドワーフは相変わらず地属性の
「山の民」であり、鉱脈のある場所以外では暮らそうとしない。そのためか、彷徨いの月の少数民族の地位からは脱したものの、人間のように爆発的に人口を増加させたわけではないようである。
■緑の森の住人たち
 実は、双子の月信者以外でも集団農業を行うヒューマノイドがいる。長身痩躯で長命な森の民エルファである。

 彼らの氏族の内、2~3割は植物に水をもたらすセローハマ氏族である。ただしエルファの場合、人間のように農業のために土地を開拓するという概念がなさそうだ…種族セット内に「義務感/自然」があるため、自分たちの都合だけで土地を切り開くという発想はないのだろう。そのため、農業をやってると言っても人間ほど大規模ではないと推測できる。
 また一方で、プレイヤーキャラとして選択可能な破壊と狩猟を司るプファイト氏族がおり、
狩猟/採取生活も割と大規模に行われているようである。つまり、狩猟民族としても十分やっていけるはずである。

 エルファの人口を考える上で重要な要素は、キャラ作成ルールの中にも潜んでいる。それは、「エルファたちには人間における「平信者」の地位の者がいない」こと。これは、人間のように無節操に子作りして養いきれないほど人口過剰にならないよう、出産調整しているのが理由であると思われる。生まれた以上、社会が責任を持って個人の未来を保証するために念入りに教育を施す。「義務感/同族」を持っているエルファだからこそ、実行できる社会システムであろう。

 また、実際に「性」の管理をしているのは、処罰と禁忌を司るジャング氏族であるが、エルファは人間ほど色欲が急激に高まったりはしないらしい(SNEのQ&Aの回答より)。理由までは語られてはいなかったが、人間の4倍の寿命を持っていることが、色欲の上昇速度が低い事と関係するのかもしれない。
 そして、その「性」を管理しているジャング氏族が自ら、<性的魅力>技能で性教育を施すのだから、人間とは異なり、エルファたちは放置されると延々と子作りしないのかもしれない。そう考えると、人間ほど人口は増えないと想像できる。

 さらに人口を測る上で無視できない外的要因として、エルファたちはほぼ例外なく黒の月の種族と<悪魔>を憎んでおり、見つけたら積極的に排除しようとする傾向がある。これは小説などで散々その光景が書かれており、正直なところ、種族セットに「狭量」を入れてしまってもいいレベルだと思われる(なぜか入ってないが)。
 そのため、普通なら消耗が激しいので戦いを回避したい場合、適当に相手と折り合いを付けて暗黙の不戦状態に持ち込むわけだが、エルファにはそれが全くできない。そのせいで、黒の月の連中との妥協なき戦いが常に発生し、一定数の人口を損耗し続けるはずである。
 結果、人間よりはるかに寿命が長いはずのエルファなのに、損耗し続ける事によって平均寿命が大幅に下がり、人口が増えない要因にもなっていると思われる。

 つまりエルファとは、

「習慣的・性格的に自然と出産制限を行う種族であり、人間のように無節操に人口が増えない」

「そういう社会なので大量の人員を総動員してまで大規模農業を行う必要性がなく、半農半猟で事足りる」

「日々の邪悪との戦いで常に人口を損耗しつづけている」

といった属性を持つため、それほど人口は増えないと推測できる。



 以上を総合すると、プレイヤーが選べる主要種族の内分けは「人間3割、ドワーフ1割、エルファ1割」の全体の5割くらいというのが、管理人の適当な推測である。

 そして、残り5割に関しても推察を続けよう。
■放浪する自由の民
 古代の白の月の<源初の神>が世界から立ち去って以降、ルナルの知的生命体のほとんどは彷徨いの月を崇めていた。そしてそれは、現在でも変わらない。双子の月が到来してから、最初に人間、続いてドワーフが信仰する月の鞍替えを行ったが、それ以外の種族はいまだ彷徨いの月信仰で残り続けている。

 しかし、大自然での素朴な狩猟生活を満喫している彷徨いの月の種族たちは、銀の月や緑の月の到来、双子の月の帰還を経験してもなお、その生活スタイルを変えることはなかった。そして今や、双子の月の人間たちによって勢力的に圧迫されつつある。文明化への消極性が、文明発展を理由に拡大しつづける人間たちにとっては、格好の弾圧相手となるからだ。

 これに対処するため、ミュルーンやフェリア、シャロッツ、ディワンのように人間社会と深く交わる種族がいる一方で、ギャビットやウーティのように排他的な種族もいる。これらに共通する事は、人間社会と交わる種族は生き残る事に成功している一方、排他的な種族はどんどん衰退しているという事実である。

 彷徨いの月の種族は、個々を見るとどれも弱小勢力と言える。だが、古い時代から延々と存在し続けてきた事実を考慮すると、種族全てを合計すれば、人口全体の2割程度はまだ勢力として残っていると推定される。

 今は大勢力の人間やドワーフたちも、かつてはこの月を崇める少数種族の1つでしかなかったのだ。
■適合した自由の翼
 彷徨いの月の種族でもっとも時代に適応した種族として、鳥人種族ミュルーンがいる。

 彼らは卵を産卵する時以外は巣を持たないため、基本的に狩猟民族扱いである。しかし一方で、「伝令ギルド」を軸に人間社会と深く関わっており、ルナル社会の情報伝達の側面からすると、もはやこのギルドなしでは文明が大きく後退してしまうほど、必要不可欠な存在になっていると言える。そして人間と関わる以上、人間が生産した穀物を購入すれば、それなりに豊富な食糧を調達できるはずである。
 なので、彷徨いの月の種族の内分けを見ると、ミュルーンの人口だけで全体人口の1割に届くか届かないかくらいはいるのではないかと思われる。

 その中から、さらに何割かが傭兵として雇われ、ルナルの貴重な航空戦力として機能するわけだが、1割の中のさらに数パーセントという事もあり、ルナルの航空戦力はかなり少ないだろう。もしミュルーンで大軍を編成できるような世界であれば、ルナル世界の城や砦は、もっと対空に特化した特殊な構造になっているはずだが、そのような様子は見られない。
■神に依存しすぎた者たちの末路
 銀の月の種族は、神によって直接統治されている種族である。ルナルの既存文明力をはるかに超えた力を直接与えられ、大いに拡大する一方、不要な過剰人口は神の生贄という名目で削除してしまえば即解決してしまう。そのため、非常に安定した文明社会を築いているはずである。

 しかし、ならばなぜ、現在の銀の月の眷属尾たちは、人間社会に匹敵する勢力にならないのだろうか?



 小説などでは、
「かつては栄えていたが、銀の神が目覚めた<龍>と戦い、互いに封印し合う結末に終わった。そのせいで神のモチベーションが低く、種族繁栄から遠ざかっている」と説明されているが、管理人はまた別の考えを持っている。それは、「種族自身のモチベーションが最初から低かったのが原因」という事だ。

 銀の月の眷属の社会は神によって完全管理され、高い文明力を持つこともあり、自分たち以外の敵もおおむね存在しない。しかし、そのように安定しているのであれば、無理して人口を増やす必要性がない。人口を増やそうとするのは、敵対勢力との交戦による人口損耗を補うためである。損耗してないのに増やせば、人間社会のように食いっぱぐれる個体が発生し、社会全体の質も低下してしまうだろう。ならば、無理して増やす必要がない。

 また、銀の月の種族は存在意義や思考する事さえも神に丸投げしているため、彼ら自身が発展するためにあれこれ考える習慣がどう見てもなさそうである。
 自ら知恵を絞ろうとするのは、自分で劣勢を挽回するためだ。ところが、困った時は神様が問答無用で最適解を投げてよこしてくるような社会で、神より劣る自分たちがあれこれ悩む必要があるだろうか。そしてこれが、自分たちの生き延びるため、より強くなるために人口を増やそうというモチベーションの喪失原因とも考えられる。

 さらに、銀の月の戦力は確かに高いのだが、それは元素獣やサーバントなどの「人工的な奴隷」によって支えられている部分が非常に大きい。例えば翼人の召喚士1人で2体の元素獣を召喚すれば、実質2~3人分の戦力になっているわけで、戦力の高さ=人口の多さとは必ずしもなっていない。元素獣にはまだ召喚数制限があるが、<多足のもの>のサーバントに至っては、原材料さえあればいくらでも製造して数を補えるわけで、戦力の高さに反比例し、人口は少ないという事さえ起こり得る。
 実際、銀の月の4大種族の中では、<多足のもの>が一番個体数が少ないと推測される。インフラを始めとする社会の管理全般をサーバントで補っているためだ。
 彼らの社会には、低賃金でこき使える代わりにあれこれ社会問題を引き起こす外国人奴…もとい、労働者など全く必要にならない。さらにそれらから治安を守るための警察機構も必要ないのだから、社会維持のためのコストも少なくて済むだろう。



 一方で、最も人口が多そうなのは、自ら労働者担当の種族を作り、奴隷として運用している爬虫人である。彼らは文明レベル自体は高いのに、生活レベルは他の銀の眷属の中では最低値に近い。
 これに関しては、意図的に社会を弱くすることでハングリー精神(死語)を焚き付け、戦争を勃発させ、戦争特需によって文明発展を促そうと、元素神自らがそう仕組んでいるとさえ思える。
 しかし、神によってけしかけられた度重なる戦いのせいか、爬虫人たち自身の生きる事に対するモチベーションの大幅な低下がみられる。特にリアド大陸では、いくら頑張っても勢力を拡大できず、シュルシュシシィの砂漠で内乱を行っている状態から脱出する様子がない。

 これは、崇める火の神が自分たち以外は全て異端!と、戦略的に敵を作りまくっているのが主な原因だと思われるが、その愚考に対し、神に諫言を申し立てることすらしない爬虫人たちもまた、やる気があるようには見られない。

 戦争に勝利して沢山の富を得ているはずなのに、それらはごく一部の上位層が独占し、下位層は勝利しても最低限の生活しか許されず、敗北すれば死しかない。そうした大多数が希望のない社会制度自体が、やる気の喪失、社会変革の可能性の欠如につながっているのも間違いなかろう。



 以上の事情から、戦力的には人口全体の2割分くらいの力は保持しているだろうが、知的生命体の頭数だけを計算すると、そんなにいないと思われる。銀の月全体を合わせても、ルナルの全体人口の1割程度ではなかろうか。

 現代の地球のホモ・サピエンスも、発展しすぎた先進国は人口減少に向かう傾向にある。文明発展につれて自動化が為され、人手そのものがいらなくなるからだ。そしてルナルの銀の月の文化圏も、同様の現象に見舞われていると想定される。さらに、全て神に丸投げの思考停止な生活が、自分たちの生きるモチベーションすらも衰退させているのである。
■自己犠牲だけで成立する不可解な社会
 銀の月でも最も奇妙な生態系と社会を持つのが<姿なきグルグドゥ>である。なんと自己分裂を行い、1人が2人になるという反則技を使う。同等の実力を持つスペル・キャスターが、育成の手間暇をかけずに増えるとか、敵にしてみれば悪夢でしかない。
 それに加えてルナル完全版では、同じ遺伝子が並ぶことによる破滅を回避するためか、遺伝子交配による子孫作成も行う設定になったらしい。

 実は、これに近いリアル生物の例として「ベニクラゲ」が存在する。ベニクラゲは老化すると岩肌に付着して若返り現象を起こし、再び若い個体としてクラゲ人生(?)を歩む。一方で、それとは別に「遺伝子交配による子孫を残す」作業も行う。まさに<姿なきグルグドゥ>のアイデア元と思える生き物である。
 もっとも、ベニクラゲは生物としては通常のクラゲとほぼ同じなので、単純に天敵に食われて成仏とか日常茶飯事だし、そう何度も若返りを繰り返せるラッキーな個体はいない。だから、地球の海洋がベニクラゲ帝国になる事はまぁないだろう。

 <姿なきグルグドゥ>の話に戻すが、分裂よって分かれた2人(元1人)は、完全に同じ記憶を持つクローンなのだが、その後はそれぞれの人生を歩むので異なる経験を積み重ねることにより、やがて「他人」になっていく。
 しかし、遺伝子的には全く同じ個体である。そんな彼らは、「自分が死んでも前に分裂した他の自分がいるから犠牲になってもいいか」と考えるらしい。まるでエヴァンゲリヲンの綾波レイみたいな連中である。「私が死んでも代わりはいるもの…」というわけだ。
 こうしてあっさり自己犠牲を行い、社会維持に必要な犠牲を払っていく。奴隷社会といえば奴隷社会なのだが、その犠牲役が自分自身で、しかも別の自分はちゃんと健在とかいう、わけのわからない種族である。

 ただし、分裂にも出産に等しいエネルギーを消費するだろうし、深海という生息域から察するに、社会全体の食糧事情はあんまり豊かとは言えず、そう何度も立て続けに分裂はできないであろう。なので、犠牲が払える範囲で社会を拡大しつつ、一定数を維持する形になるのではないか。少なくとも人間のように娯楽エッチを繰り返し、無節操に増えたりはしないはずだ…沼沢種の方は、無節操に増えてそうだが。
■生命の例外としての堕落者たち
 上記の合計8割の種族は、おおむね生物として真っ当に生きているわけだが、知的生命体全体を2-6-2の法則に当てはめると、下位2割は「生物としての正しい姿勢」に反旗を翻し、全てを滅ぼそうと活動していると想定される。つまり、黒の月の種族である。

 黒の月の種族は、元々は真っ当な8割の種族に属していたわけだが、正義だか仲間だかに裏切られて堕落した者たちである。彼らは生産的な思考ができなくなったため、主に狩猟と略奪によって生計を立てているが、言うまでもなくこのようなライフスタイルでは大人口を支えられない。また、ゲルーシャなどに見られるように、育児をまともに出来るとは言い難い種族が多い事もあり、上記8割からの堕落者を誘うことで、人口不足を補う必要がある。

 そんな劣悪環境でも、上記種族の例外全てを合計すれば、全体の2割程度は頭数を揃えられそうだ。2-6-2の法則において、上位2割のエリートが下位8割で支えられているように、黒の月の種族2割もまた、真っ当な8割からの脱落者によって支えられているのである。
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