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■エルファ
[エルファ基本セット](15cp)
体力-1、敏捷力+1、知力+1(10cp)
暗視(10cp)、動物共感(5cp)、魔法の素質L1(15cp)
獣化症耐性(5cp)
 獣化症に決してかからない。その他、変身タイプの病気や呪文抵抗に+2修正。
長寿L2(寿命が人間の4倍)(4cp)
 老化が始まるのは200歳から。技能に費やせるCP量は人間年齢に換算して適応。
狭量/ゲルーシャ(-5cp)
 この種族とは一切の妥協ができない。遭遇したら殺し合い以外に道はない。
贖罪者の名誉/<悪魔>や黒の月の種族を看過できない(-10cp)
 可能な限り殺そうと試みる。
義務感/自然(大自然とそこに属する動物全て)(-15cp)
 同族のエルファも「動物」として含まれる。
義務感/<円環>(-10cp)
 社会システムそのものに対する義務感。社会に従属していないはぐれエルファは「自然」からも外れているため、彼らに対する義務感は弱い。ただし<円環>に復帰する意志を見せる者には、可能なかぎり協力しようとする。
<登攀>を敏捷力に等しいレベルで習得済み(2cp)
<動植物知識>を知力に等しいレベルで習得済み(4cp)

*身長は同じ体力の人間の1割増し、体重はそのまま。
[体格表]
体力
5
6
7
8
9
10
11
12
身長/体重(女性)
176cm/60kg(171cm/50kg)
179cm/61kg(174cm/54kg)
182cm/62kg(176cm/55kg)
185cm/63kg(179cm/56kg)
187cm/66kg(182cm/57kg)
190cm/68kg(185cm/58kg)
193cm/70kg(187cm/61kg)
196cm/72kg(190cm/63kg)

13
14
15
16
17
18
19
20
身長/体重(女性)
198cm/75kg(193cm/65kg)
201cm/78kg(196cm/67kg)
204cm/81kg(198cm/70kg)
207cm/86kg(201cm/73kg)
209cm/90kg(204cm/76kg)
212cm/95kg(207cm/81kg)
215cm/100kg(209cm/85kg)
218cm/105kg(212cm/90kg)
*身長は+15~-15、体重は平均の0.9~1.1倍の範囲で変動しても構いません。ただし、身長に対して体重が離れていると「肥満」や「やせっぽち」の特徴に抵触するので注意。なお、身長に応じた平均体重を2割以上増減すると、容貌を「良い」以上で維持できません。

*一般に生命力が平均より低いと、身長に対して体重が小さく細身になる傾向にあります(ダメージ耐性が下がる理由)。また、低身長キャラであっても体力に応じた体重から、あまり変動させないで下さい。体重がなければ、体力に準じた重量を支えられないからです。

*身長200cmを超える場合は「巨人症」(-10cp)の特徴を取って下さい。この時、さらに身長を1,2倍する必要はありません。
■種族概要
 人間より頭一つ分高い身長を持つ、長身痩躯な森の民です。身長が高い反面、全体的にかなり細く、腕と足が長めです。サイズに反比例し、体力的には人間よりやや劣ります。
 人間とのもっとも大きな差異は耳が尖っていることで、そのサイズも人間よりかなり大きいです。瞳もやや大きめで、顎は細く尖っています。人間基準だと「モデル体型」と言えますが、かなりの痩せ体型であり、人間にとって憧れの対象かどうかは人によります。

 肌は白、または褐色のどちらかに分かれており、白い肌のエルファは、いわゆるファンタジー世界に登場する「エルフ」のような容姿です。一方、褐色の方はいわゆる「ダークエルフ」的な容姿をしています。髪の色は金髪か銀髪、薄い青、明るい緑で、稀に藍色の者もいます。瞳は緑や青が普通で、稀に赤の者もいます。

 エルファは神ではなく、動植物の源である祖霊を崇めるシャーマンです。祖霊とは、古い祖先の霊と動植物が融合した霊格であり、直接言葉で導いたりすることは滅多にしませんが、その生き様がそのままエルファたちの生き方のお手本となります。エルファたちは所属する氏族ごとに定められた祖霊(対応する植物と動物が各1種)の生き方を模倣する事で、大自然と調和した生き方を実践しています。
 氏族名は、祖霊となる植物の名称で呼ばれ、それとセットで崇められる動物は植物名+一般種族名詞で呼ばれます(例えばレスティリ氏族はレスティリの樹と、それを守護する動物である豹―――「レスティリの豹」を祖霊とします)。

 身体性能は動物に若干近く、動物との親和性や暗視能力を持って産まれます。また、魔法との親和性がかなり高く、魔法の素質を持って生まれてくる事でも知られており、人間よりはるかに魔法に対する理解があります。彼らは人間のように、ウィザードに対する偏見は全くありません。また、人間出身のウィザードであっても人間とは別種族として扱い、純粋に尊敬します。

 エルファは寿命が人間の4倍あり、また元から知能が高いこともあり、精神的には冷静で合理的です。また、職人気質のドワーフとは異なり、種族同士の協調性を重視し、人間ほど柔軟ではないものの、ユーモア・センスも持ち合わせています。子供は計画的に作り、一人一人を大事に育て、それぞれが英雄候補生に相応しい能力を持ちます。人間のように節操なく子作りをしては育児放棄し、貧富の格差や教育格差を生み出して社会混乱を招くような事はしません。
 また彼らには、男女差別の概念が一切存在しません。性別による能力的な向き不向きによる従事する職の比率差はありますが、男性向きの仕事でも、それに従事できるだけの能力があれば、女性でも普通にその職に就けますし、その事で氏族内部で差別されることなどまずありません。エルファは男女共に、剣と魔法を操る文武両道の魔法剣士であることを理想としています。
 このように、種族全体としては優秀な種族ではあるのですが、横並び主義でもあるため、人間のように突出した英雄が出にくい性質もあります。森の中で閉鎖的に暮らしていることが、さらにその傾向を助長しています。

 エルファの社会は、職能集団ごとに分かれた「氏族」が基盤にあり、それらが集まって<円環>を為します。<円環>とは、全ての大自然の存在は繋がっており、そこには上下関係などなく、お互いに支え合っているという概念で、この状態が保たれている事がエルファたちの理想であり、美しいと感じます。
 エルファたちは、<円環>1つで1部族として数えます。1部族の人数は1000人ほどで、それ以上になると分離し、別の<円環>を形成します。現在住んでいる森の規模に応じて人口調整を行うため、狭い森には1部族しかいない、1部族で1000人にも満たない小規模部族といったことも普通にあります。逆に広大な森があると、そこには数十にも上る部族が存在し、各部族は連絡を取り合って緩い連合の形態を取ります。しかし、普段は各部族ごとに独立した自治状態であり、他の部族の内政に干渉する事はまずありません。
 彼らが築く文明は、植物に魔法がかけられた工芸品が基盤となって形成されたものであり、人間やドワーフのような鉄と石と歯車で形作られたテクノロジー文明物とは、根本的に異なります。しかし、生み出された工芸品はテクノロジーの産物と同等の性能を持ち、見た目は自然に近くとも、社会システム的に見ると決して人間やドワーフに劣るものではありません(テクノロジー基盤の文明ではありませんが便宜上、文明レベル3として扱います)。

 人間やドワーフとは生息圏が異なるため、混じって暮らすことは基本的にありませんが、彷徨いの月の種族のうち、同じく森の中で暮らすフェリアやギャビットとは、同じエリア内で仲良く暮らしている事があります。
 また、遺伝的にエルファと人間は近いらしく、両者が恋に落ちて子供が生まれたという話は、シャストア信者の創作物語のネタにされるほど知られている話です。もっとも、異種族間恋愛自体、あまり起こる事ではありませんが。



 エルファたちの祖先は、元は彷徨いの月の「緑」の波長に導かれ、森の中で細々と暮らしていました。到来した銀の月と、眠っていた<龍>との戦いが終わってからしばらくして、どこからともなく空の彼方から落ちてきた不思議な隕石が、戦争で荒廃していた大地の一部に豊かな生命力を授け、植物を繁茂させました。
 この膨大な魔力を帯びた隕石の欠片を集め、白き月の時代からわずかに伝承されていた魔術の奥義をかき集め、欠片の集合体を祝福して月を作り出すという、壮大なプロジェクトが展開されます。これによって生み出された人工天体こそ、エルファたちが崇める緑の月です。この計画で大成功をおさめたエルファの祖先たちは、以降、緑の月を崇め、世界復興のリーダー的存在となりました。

 ですが、名実ともに救世主となった事が原因で、あるいは傲慢になっていたのかもしれません。かつてのプロジェクトを再開し、今度は何もない状態から第二の緑の月を生み出そうとしたのです。しかしこれは大失敗に終わり、結果、黒の月を生み出すというとんでもない大失態をやらかしてしまいます。
 術が失敗した原因ですが、<源人の子ら>の全員が全員、平穏で停滞した生活を望んでいたわけではなかった事を、彼らは知っていながら「少数意見」として無視したのが主な原因だったのではないかと、ペローマの歴史学者たちの多くが推測しています。

 失態をもみ消すのに必死なエルファたちは、全戦力を投じて黒の月の勢力と戦いましたが、もともとエルファ社会は少数精鋭主義であるため、膨大な魔力と無数の雑兵で物量作戦を取る黒の月の種族に対し、後退を重ねるしかありませんでした。
 さらに、黒の月発生以前から一定数存在していたはぐれエルファの一部が、あろうことか黒の月と手を組み、ゲルーシャと化して敵対し始めたのです。彼らは元エルファだけあってエルファ社会をよく理解しており、その穴を突いた汚い作戦の数々を遂行しました。
 こうしてルナルは、滅亡の危機に瀕してしまいます。

 その後、どこからともなくやってきた双子の月が黒の月を抑え込み、現在の小康状態にまでもっていきましたが、この事件以降、エルファたちの自信と活気は完全に失われ、森の中で淡々と氏族の仕事をこなすだけの、閉鎖的な性格の者が大半になってしまいました。



 エルファのキャラクターは、必ずいずれかの氏族に属さねばなりません。氏族は役割に応じて無数にありますが、その多くは森の外での冒険に関係しないものばかりであり、プレイヤーキャラとして使用できるのは、森の外と関わりやすい4氏族(レスティリ、プファイト、ジャング、カアンルーバ)に限定されます。
■■ 種族独自の特徴
[氏族レベル]

 全てのエルファは、幼少期に自然から<しるし>を授かり、それがその子が所属すべき氏族として決定されます。自分が所属する氏族の中での階位を現します。成人したエルファは、最低でも氏族レベル1の状態となります。


●氏族レベル1(緑の同朋/弟・妹)(5cp)
聖職者(10cp) 同じ祖霊から反応+1、5つの技能に+1のボーナス。
僧侶呪文を習得可能(素質1まで)
法の番人(5cp) 教えに反した同朋の拘禁、氏族専用武器の携帯。
小さな誓い/生活レベルでの教義の実践(-5cp)
使命/生活時間の1割を氏族に捧げる(-5cp) 1日2時間程度の氏族の仕事奉仕。


 エルファたちは約60年かけて子供たちを教育し、この階級からスタートさせます。所属する氏族に適した技能と道具を持ち、<円環>を維持するために貢献します。
 氏族への奉仕時間がほとんどありませんが、これは、より上位を目指すための自己鍛錬する時間を多く取っているためで、この階級で森の外に出ることは、基本的に認められません。よほど将来を期待された者でなければ、このランクの者が森の外での使命を授かることなどありません。
 現在は無気力なエルファが圧倒的に多く、多くの者が一生この階級のままで凄し、気楽で惰性的な森の生活で満足している事が、エルファ社会全体で問題になっています。森を守れるほどの優秀な魔法剣士が、慢性的に不足しているのです。


●氏族レベル2(緑の同朋/兄・姉)(10cp)
聖職者(15cp) 同じ祖霊から反応+2、同じ祖霊の同朋から反応+1、5つの技能に+1のボーナス。
僧侶呪文を習得可能(素質2まで)
法の番人(10cp) 教えに反した同朋の拘禁・処刑・諜報活動、氏族専用武器の携帯。
小さな誓い/生活レベルでの教義の実践(-5cp)
使命/収入or生活時間の3割を氏族に捧げる(-10cp) 1日7時間程度の氏族の仕事奉仕。


 氏族のリーダー的存在で、現場の仕事を実際に取り仕切るのがこの階級の者の務めです。氏族レベル1の者たちの管理に追われるため、拘束時間が結構長くなります。
 ただし人間と異なり、人生の時間はたっぷりあるため、人間のように後先考えずにサービス残業で無理して、途中で潰れたりすることなどまずありません(そこまで愚かで刹那的な種族ではありません)。


●氏族レベル3(緑の同朋/導き手)(15cp)
聖職者(20cp) 同じ祖霊から反応+3、同じ祖霊の同朋から反応+2、5つの技能に+2のボーナス。
僧侶呪文を習得可能(全て+独自呪文+共通呪文)
法の番人(15cp) 教えに反した信者の拘禁・処刑・諜報活動を部族間で行使可能、氏族専用武器の携帯。
小さな誓い/生活レベルでの教義の実践(-5cp)
使命/生活時間の大半を氏族での奉仕に使う(-15cp) 主に森の外での外交任務が主体。エルファのお手本となる態度が常に求められる。


 各氏族のトップを務める存在ですが、主に外交が主体となり、氏族にいない者の方が圧倒的に多いです。大抵は森の外に出て、人間社会を観察したり、森の外ではぐれているエルファの更生(円環への復帰)を手伝ったり、他の部族あるいは他の種族との交渉役を担っています。使命といっても時間的制約がないものが大半で、自由気ままに冒険している事が普通です。冒険者としての「合法的」なエルファをやるには、最適な立場と言えます。


●動物の<しるし>(5cp)
 通常のエルファは、氏族を象徴する植物から<しるし>を授かります。<しるし>は偶然の形でもって与えられます。例えば、森を歩いて帰ってきた際、そんなところに入り込むはずがない場所(ポケットの裏など)に木の葉が入り込んでおり、その木の葉がしばらく枯れないといったイベントと遭遇するといった形です。

 しかし、自分から<しるし>を求めるやる気のあるエルファというのも存在します(無気力なエルファと言えども、若い時は血気盛んな者が多いのは人間と変わりません)。彼らは自発的に<しるし>を求め、森を散策します。
 その際、祖霊動物と遭遇し、その体の一部をもぎ取らねばなりません。もぎ取るといっても戦うわけではなく(子供では勝てないでしょう)、巣に忍び寄って落ちている毛や抜け落ちた歯を拾い、一目散に逃げるといった行為です。これに成功すると「動物の<しるし>」を得たと見なされ、将来的に有望な人材と見なされます。
 しかしこれは危険な行為でもあり、中には不幸にも対象動物に見つかって食い殺されてしまうケースも当然あり得ます(そのような不幸な結末も、エルファにとっては<円環>の掟の一環であると見なされ、粛々と受け入れられます)。このように、動物の<しるし>を求める事は大変危険な行為なので、これを乗り越えたエルファは一目を置かれ、同族からの反応が常に+2されます。


●<しるし>なし(-10cp)
 未成年者、あるいは成人年齢に達しても「しるし」を得ていない特殊な状態です。氏族の恩恵はなく、「地位レベル-2」として扱われます。

 成人しても<しるし>を得られない個体の多くは、祖先に別種族(例えば人間)の片親を持ち、それが隔世遺伝で現出し、身体的に祖霊の導きを得られない状態にある者です。もっとも文明レベル3のルナルの人々には、そうした真相を推測するのに必要な知識がないため、「祖霊が不機嫌だった」とか「両親の不実の呪いを受けた」といった迷信じみた認識しかないのが現実です。
 それでもルナル世界では、かたくなに月を信仰すれば、やがてその月の信者に相応しい身体変化が起こる世界なので、本人が必死に緑の月の加護を求め続ければ、やがて祖霊に認められて<しるし>を授かる事でしょう。


●はぐれエルファ(0cp)
 過去に森で大失態をやらかして部族から出て行かざる得なかったり、生まれつき規律を厳格に守るのが苦手な気質で、<円環>社会に適応できないエルファというのが一定数存在します。

 彼らは森から離れ、主に人間社会で暮らしています。部族の支援を受けられませんが、祖霊の守護が受けられる状態である限り、技能や特殊装備を取り上げられるといった事はありません。また、森の奉仕活動に時間を割く必要もなく、自由行動がとれます。
 そのため、差引で0cpの特徴として扱われます。

 この特徴は、わざわざシートに記入する必要はありませんが、はぐれエルファの場合は氏族名の意味をひっくり返して名乗る法則にはきちんと従い、はぐれ者であることは設定に明記しておいてください。また、この状態になると、以後、氏族レベルが上がる機会はほぼなくなります。自由に生きれる分、その代償も大きいのです。

 あるいは本人が望むのであれば、出身部族以外の余所の部族の<円環>社会に戻る事も可能です。外交中で森の外にいる<導き手>のエルファに頼むのが最も確実でしょう。彼らは親身になって、社会復帰希望者の世話をしてくれます。
 もっとも、当人がエルファ社会にはどうも馴染めないという理由で、戻る意志すら見せないケースの方が、圧倒的に多いようですが…。


●森の<使命>(-10/-5cp)
 <導き手>の階級でない者でも、森の外で任務を請け負う事がたまにあります。大抵は、将来的に<導き手>になれる素養の持ち主に、成長するモチベーションを促すためのきっかけ作りです。
 この特徴を持つ氏族レベル2以下の者は、森から「使命/ほぼいつも」を受けている状態と見なされ、はぐれエルファとしては扱われません。<緑の弟・妹>であれば-10cp、<緑の兄・姉>であれば-5cpの特徴として扱います(既に氏族レベル内に「使命」が含まれているため、差額分だけCPを獲得する仕様です。)
 使命の途上で必要であれば、近隣のエルファ部族に支援要請を求める事が可能ですし、一時的に森での滞在を希望すれば、客人として問題なく受け入れられます。ただし任務を終えたら、速やかに故郷の森に帰らねばなりません。

 1つのキャンペーンという期限付きで「合法的に」低ランクのエルファ・キャラクターを使いたい場合に有効でしょう。


●贖罪者の誓い(-5cp)
 <悪魔>を積極的に探し、徹底して狩る誓いです。総じて<悪魔>は強く、危険な存在なので、実行するのも命懸けです。そのため、この誓いを立てたエルファは一般社会から外れ、その行為に人生を捧げる事になります。

 この誓いを立てるのは通常、<導き手>クラスです(それくらいの実力がないと生き延びれません)。外交任務に縛られることもなく、自由行動が許されますが、駆除相手に返り討ちされる危険性も高く、多くの贖罪者は短命です。

 危険度から考えて-15cp相当ですが、既に種族セットに「贖罪者の名誉」が入っているため、差分だけのCPしか獲得できません。


■■ <導き手>共通呪文
 以下、<導き手>に昇格すれば、どの氏族であっても習得可能になる共通呪文の一覧です。これは祖霊による啓示の形で習得するため、はぐれエルファでも<導き手>に達していれば、通常通り習得する事が可能です。

[<導き手>共通呪文] (素質2まで)
肉体操作系:
痒み、ひきつり、痛み、朦朧、不器用、すばやさ、怪力、活力、登攀、目くらまし、耳封じ、口封じ、呪いの矢、腕痺れ、麻痺、腕萎え、死の手、吐き気、疲れ、うすのろ、足止め、足もつれ、向き変え、顔変え、体変え

魔化系:
魔化、巻物、魔化解除、魔化停止、発電、高速化、固着、小祈願、祈願、ゴーレム、隠し金庫、確かさ、鋭さ、高速準備、豊穣の角、対象設定、強化、防御、軽量化、命名、解除指令、限定、連動、魔法の杖、パワーストーン、水晶球


治癒系:
体力賦与、生命力賦与、体力回復、覚醒、体力供与、小治癒、大治癒、殺菌、活動中断、療治、解毒、接合、瞬間接合、再生、老化停止


知識系:
時計、時報、方位針、魔法感知、霊気感知、測定、方向感知、追跡、道案内、歴史、古代史、神託、隠匿看破、魔法の目、透明な目、魔力視覚、魔力感知、呪文感知、魔法分析、地中視覚、水中視覚、氷中視覚、透明壁、遠耳


光/闇系:
光、持続光、光明、色彩変化、閃光、闇、闇操作、ぼやけ、隠匿、透明、赤外線視覚、暗視、闇視、鷹目、透明看破


精神操作系:
恐怖、パニック、恐慌、勇気、狂戦士、間抜け、酩酊、吐き気、忘却、完全忘却、眩惑、集団幻惑、心神喪失、誘眠、集団誘眠、安眠、狂気、永久狂気、思考停止、偽記憶、悪夢、人払い、忠実、魅了、奴隷、知恵、感情操作、ささやき、集団ささやき、命令、視覚強化、聴覚強化、嗅覚強化、注意力強化、背中の目


移動系:
韋駄天、進軍、倍速、べたべた、念動、軽荷、軟着陸、壁歩き、従者、騒霊、錠前師、鍵開け、見えない手、縄ほどき、浮遊、水泳、飛行、高速飛行、瞬間移動、瞬間回避、飛ぶ剣
[原作からの変更点]
 高身長の設定はそのまま引き継ぎましたが、体重は1割減ではなく、そのままにしておきました。これで人間でいうところのモデル体型を維持できるでしょう。ただし、人間平均からするとかなりの痩せ気味体型なので、美形かどうかは「容貌」にCPを払っているかによります(大抵のエルファは魔法剣士で作成されるので、容貌にCPを回す余裕はないでしょう(笑))。


 ちなみに原作の小説では、登場するエルファのキャラクターはほぼ例外なく「魔法の素質」を持っているので、もうこれは種族特性でいいだろうということで基本セットに素質1を含むことにしました。種族全員が魔法戦士、あるいは魔法使いとして作成されます。CPが要求されるので、英雄ではない一般エルファでも、最低50cpで作られる事を想定しています(ドワーフと同じ扱い)。
 また、これも原作小説では当たり前のような設定だったのですが、エルファの黒の月に対する敵愾心は明らかに精神病レベルでの異常さでした(笑)。末端の生産階級のエルファまで、悪魔撲滅のためならば犠牲もいとわないといった無謀な姿勢が散々小説で書かれていたので、これも種族セットに「贖罪者の名誉」という形で導入するのが妥当だと思われます。さらにゲルーシャに対する容赦のなさは脊髄反射レベルで、ほとんど本能みたいなものなので、「狭量」にして「出会ったらどちらかが死ぬまで別れることはない」性質を明確にしました。

 こうした一部の敵と妥協できない性質は、実際には戦術的に賢明な選択が取れないという弱点でもあります(休戦すべき時も休戦せず、全滅を招いてしまう)。それがエルファという種族をかえって弱体化しているのでしょうが…まあ、あんまり優秀設定だと完璧超人過ぎるので、これくらいの「稚拙さ」があっても良いでしょう(狡猾さでは人間の方が上って事です)。


 あと、「義務感」に関してなのですが…
 とあるサイトで、「エルファの「義務感/自然」と「義務感/同族」はCPの二重取りであり、不適切ではないか?」という意見があり、私もその説明に完全同意でした。「自然」とは自然と調和して生きる動植物すべてであり、そこには<円環>の理念で持って生きるエルファ当人たちも、当然含まれると考えるのが妥当です。なのでこれは「義務感/自然」だけで現せるものです。
 ただ、この考えには全面的に同意な一方、新たに発生したCP超過(魔法の素質1のこと)をどうにかする必要があります。そこで目に付けたのが「義務感/<円環>」です。

 エルファたちは、同族ではなく円環に義務感を持ち、円環を守る事にこそモチベーションを見出していると、少なくとも小説の展開からは読み取れます。
 実際、円環の外にいるはぐれエルファ(アードなど)に対する態度は、冷淡かつ事務的なものでした。そして彼らは、ことあるごとに円環を守ることに固執してきました。一方で、円環を為すものであれば、別部族であっても差別意識や競争意識なくスムーズに連携できる一面もあります。
 これはつまり、円環こそが価値観の根底にあり、そこに所属するエルファだけに義務感を見出しているとみなす事ができます。そして円環そのものは、「義務感/自然」とは直接関係しない、エルファ社会独自の統治システムに過ぎません。なのでこちらを義務感の対象にする事で、CPの二重取りを回避することにしました。エルファが部族間抗争を全くしない理由も、この特徴で説明可能となります。
 ただし、これらの気質は「熱狂/円環」ではありません。円環の在り方は、エルファたちの間でも常に議論されており、意見も分かれており(円環じゃなくて螺旋じゃね?とか)、必要に応じて変化していくことを推奨すらしています。これがもし「熱狂」だと、その制度に盲目的に従わねばならないことになり、自己の変化が全く起きないことになります(例えば銀の月の爬虫人たちのように)。なのでエルファのそれは「熱狂」ではなく、あくまで「義務感」と考えるのが妥当です。

 結果として、従来の種族セットと同じく15cpで収まっています。


 <導き手>共通呪文に関してですが、生まれつき素質を持つエルファは「素質2」までが共通となっているため、魔化に関しても制限がなく、習得可能範囲であればウィザードと同じように魔化アイテムを作成できます。小説でたびたび登場した<森の至宝>も、自分たちで作り出す事が(ある程度までは)可能になるでしょう。また、習得可能な系統に知識系と光/闇系が加わり、人間の高司祭よりはるかに情報収集が楽になっています。

 また、<高速飛行>や<瞬間移動>、<死の手>など非常に強力な呪文を習得できるので、魔法戦士としては人間よりも格段に上回る能力を持てます。「ロードス島戦記」のディードリットみたいなハイレベルの呪文を使いこなすエルファの魔法剣士を作るのも、(CPさえあれば)難しくはありません。
 ただし種族概要にも書いたように、エルファたちは横並びの事なかれ主義なので、そもそも英雄が生まれにくいことも忘れないで下さい。全員が飛行能力を持つエルファの魔法剣士団!…などといった存在は、さすがに設定的にもCP量的にも無理があります。
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