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● ディワン
[ディワン種族セット](20cp)
体力+1(+10cp)
えら(10cp)
 水中で呼吸可能。地上でも呼吸できる。
水中行動(10cp)
 水中での移動力が徒歩に等しくなる。<水泳>技能が敏捷力に等しくなる。
耐圧1レベル(10cp)
 100気圧(水深1000m)まで耐えられる。
防護点1レベル(5cp)
 鱗によるもの。
暗視(10cp)
 水深1000mまでなら問題なく見える。
水中会話(12cp)
 水の中でも話す事が可能。人間など水中適応してない種にもはっきり聞こえる。
歪んだ足/地上のみ(-30% -4cp)
 陸上では移動力-2。NPCの反応-1。
乾燥した場所では行動-2(-15cp)
 主に地上。湿度が高い場所や、一部でも水に浸かっているなら影響なし。
吃音(-10cp)
 発声能力がやや低い。同族以外のNPCの反応-2。
頑固(-10cp)
 一度決めた方針の変更が苦手。
読み書きできない(-10cp)
 一般人のディワンは文字を使わない。
<生存/海洋>技能を知力に等しいレベルで習得済み(2cp)

*身長は同じ体力の人間と同じ。体重は1割増し。
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[体格表]
体力
5
6
7
8
9
10
11
12
身長/体重(女性)
160cm/66kg(155cm/55kg)
163cm/67kg(158cm/59kg)
165cm/68kg(160cm/61kg)
168cm/69kg(163cm/62kg)
170cm/73kg(165cm/63kg)
173cm/75kg(168cm/64kg)
175cm/77kg(170cm/67kg)
178cm/79kg(173cm/69kg)

13
14
15
16
17
18
19
20
身長/体重(女性)
180cm/83kg(175cm/72kg)
183cm/86kg(178cm/74kg)
185cm/89kg(180cm/77kg)
188cm/95kg(183cm/80kg)
190cm/99kg(185cm/84kg)
193cm/105kg(188cm/89kg)
195cm/110kg(190cm/94kg)
198cm/116kg(193cm/99kg)
*身長は+15~-15、体重は平均の0.9~1.1倍の範囲で変動しても構いません。ただし、身長に対して体重が離れていると「肥満」や「やせっぽち」の特徴に抵触するので注意。なお、身長に応じた平均体重を2割以上増減すると、容貌を「良い」以上で維持できません。

*一般に生命力が平均より低いと、身長に対して体重が小さく細身になる傾向にあります(ダメージ耐性が下がる理由)。また、低身長キャラであっても体力に応じた体重から、あまり変動させないで下さい。体重がなければ、体力に準じた重量を支えられないからです。
■種族概要
 ディワンは、ルナルの浅い海に住む彷徨いの月の半魚人種族です。全体のシルエットは人間と似ていますが、全身を柔らかい鱗が覆っています。頭部は魚に似た形状で、手と足の指の間に水かき用の皮膜があります。やや不安定ですが、人間と同じように二足歩行で地上を歩く事も可能です。
 深海に住むため、わずかな光でも見えるほど視力が発達しており、また水中では水を振動させて会話が可能です。これは人間など、水中に適応してない生物でも明瞭に聞き取れます。ただし、声帯構造がやや未発達で、かなりどもってしまいます(吃音として扱われます)。そしてベースが魚であるため乾燥に弱く、地上などでは行動能力全般がやや鈍くなります(死にはしませんが)。
 精神的には大よそ人間とよく似てますが、一度決めたことの変更が苦手という性質があります。これは、無理に海流に逆らわずに流される生活習慣だったためで、一度乗る海流を決めたら、安易に変更できないという物理的事情が、彼らの精神文化にまで浸透した結果です。これは「頑固」の特徴と同じものとして扱われます。

 ディワンたちは元々、彷徨いの月種族らしく、海流に身を任せて放浪生活をしていましたが、現在は海獣や魚の養殖や、海底での農業を行う習慣ができたため、浅い海底や大陸棚など、太陽光が届く範囲の深海(水深800~1000mあたりが限度)で都市を築いて定住しています。
 もっとも、ディワンは今でも寝る時はそこらの砂に潜って眠る習慣を持つため、都市の建物の大半は政府が管理する公共施設か、個人が私有財産をしまっておくための倉庫に過ぎませんが。
 海底という環境であまり敵がいなかったせいか、凄まじい勢いで人口が増加し、現在では1都市で1万人ほどの人口を抱えています。統治形態も、かつては群れの先頭に立って進路を定める<先を進む者>が部族全体を率いる形でしたが、現在では人口が増えすぎたため、英雄1人による統治形態は現実味を失いました。
 そこで、伝統的に<先を進む者>を最終決定者としつつも、<語りべ>と呼ばれる知識を口伝で継承する知識階級が互いに意見調整し、全体の統治を行う合議の形を取っています。また、一部のディワンが人間の都市のペローマ学院に留学し、人間から大人数の統治方法を学んだようで、社会システムもだんだん人間に近いものになりつつあります。

 海岸付近の浅瀬に都市を築いているディワンたちは、緩やかに人間と交流しています。主な目的は、地上の産物である宝石や鉱物、食糧です。宝石はサファイアやエメラルドを始め、原色が濃いガラス質の石なら何でも好まれます。金属としては、錆びによる影響がほとんどなく、水中での使用に耐える青銅が人気です。また、食糧としては甘味が特に喜ばれます。海底には甘味などほとんど存在しないため、果物や砂糖を用いた菓子など、ディワンたちは喜んで購入していきます。
 一方、ディワンが外貨を得るための商品として持ちこむのは、食糧としての魚介類と、海洋穀物である海小麦と呼ばれる植物です。ちなみに海小麦とは、地上の小麦と同じように粉上にしてからパンを作ったりできるという、ルナル世界特有の海洋穀物です。

 人間との関係性を見ると、一見して穏やかな種族に見えるディワンですが、これらはディワンという種族全体のごく一部に過ぎず、現在のルナルの人間では到達する事ができない広い海洋の海底では、鱗の色によっていくつかの種族に分かれて都市を築き、ディワン同士の抗争が繰り広げられていると言われています(これらの都市は陸上との交流がないため、文明レベルも若干低いようです)。もっとも、そうした戦いの内情が、地上にまで伝わってくることはほとんどありません。


 「ガープス・ルナル」において、海洋の冒険はサポートされていないため、基本的にディワンは海岸が舞台の時のNPC専用種族です。どうしても使いたい、ということであればGMと相談して決めて下さい。その際、陸での戦いをメインにして、海中都市まで深く入り込まない方が無難でしょう。



■■ 種族に多い特徴
 水中ではあまりしゃべる習慣がないため、やや無口な傾向にあり、人間の感覚からすると「朴念仁」や「直情」に見える者が多いようです。また、一度乗るべき海流を見つけたら、後は流れに身を任せておけば万事上手くいく、と考えるディワンは多く、これは人間から見ると「自信過剰」として見る事ができます。

 頻繁に人間の町に出入りするディワンに限定すると、主に甘い物に目がない「くいしんぼ」や、宝石の収集に目がない「強欲」「けちんぼ」の者が多いようです。
 もっとも宝石への執着心の方は、同じ彷徨いの月の種族であるミュルーンに近い感覚かもしれません。ディワンたちが定住社会生活を始め、人間と交流し始めたのはごく最近なので、「個人資産を所有する」事に関して、まだあまり馴染みがないのです(家=倉庫でしかないのもそれが理由です)。そのため、金銭そのものの価値を理解した上で「強欲」や「けちんぼ」に徹してるわけではないようです。



■■ 種族が好んで使う武器

■■ ディワンに関するさまざまなルール的注意点
 ディワンは水中戦闘を行う性質上、「水中での戦闘」のルールを使用する機会があるかもしれません。また、ディワンの文明が生み出した装備は水中に適応したものなので、そちらのフォローもしておきます。


●水中での戦闘解説
 ごく簡単に説明します。詳細は「ガープス・ベーシック完訳版」p122~123に書かれているので、そちらを参照して下さい。

・水中での移動
 人間を代表とする大半の<源人の子ら>は、
<水泳>技能の10分の1(端数切り捨て)水中での移動力となります。ほとんどの者が「1」で固定されるはずです。非戦闘時の移動の場合は10秒単位で管理されるため、<水泳>技能のレベルがそのまま移動力となります。
 水中では、荷重レベルによる移動力へのマイナスは倍として計算されます。この荷重レベルによるマイナスは、移動力を求める前の<水泳>技能にかかります(その上で10で割り、水中での移動力を算出します)。よほど事情がない限り、荷重レベルは「無荷」状態を保っておいた方がよいでしょう。
 ちなみに、「よけ」の値は通常通りの値のままです。ただし、荷重レベルによる減少ペナルティが倍になるのは同じです。荷物運搬中は戦闘しない方が良いでしょう。

 以上は人間基準のルールですが、「水中行動」を持つディワンは
徒歩の移動力がそのまま水中での移動力になります(<水泳>技能は直接移動力には関係しなくなります)。このため、圧倒的な速度で水中を移動する事が可能です。「よけ」に関しては人間と同じです。

 なお、水中では3次元移動が可能なので、飛行戦闘と同じように3次元ヘクス管理せねばなりませんが、アナログ環境でこれは厳しいので、基本は二次元ヘクスで管理すればよいでしょう。旋回半径のルールも無視して、空中歩行がかかっているのと同じ感覚で管理する事をお勧めします。


・水中での攻撃
 水の抵抗をモロに受けます。人間、ディワンの区別なく、武器技能を使う際、常にペナルティ修正があります(命中目標値や「受け」が下がります)。ペナルティの大きさは武器の長さに応じて決まります。

武器の長さ/水中で扱う際のペナルティ
長さC(近接):-2
長さ1:-4
以降、長さが+1されるごとに修正-4を追加

 「水中行動」を持つディワンは、自らの肉体を使った行動には一切のペナルティを受けないため、格闘攻撃など自前の身体を使った戦闘技能にはペナルティがありません。ですが武器を使った場合、本人はともかく武器の方が物理法則による水の抵抗を受けますので、やはりペナルティが課されてしまいます。

 さらに、上記に加えて
武器の威力は全て半減します(自動的に最大ダメージなるような場合も含めて)。このため、大半の長物武器は使い物にならず、辛うじて使える小型武器も威力が半減するため、大きなダメージを出せません(ディワンの格闘攻撃は減衰しませんが、そもそも格闘パンチ自体、大したダメージを与えられません)。
 その代わり、水中をメインで活動する生物のほとんどは、大した防護点を備えていません。ちなみにディワンは自前の鱗に加え、専用のソフト・レザーを着用することができるので、それなりの防護は備えています。


●ディワン特有の生産装備
 ディワンたちは、主に海獣の骨や革を用いた装備を生産しています。これらはディワン専用というわけではなく、人間など地上種族も購入・運用が可能です。
 ですが、水中から外に出すと革の部分の伸縮性がなくなり、硬化して使い物にならなくなります(水に戻せば治ります)。なので、どうしても水中戦をしないといけない状況でもない限り、これらの装備を購入する事はないでしょう。以下、ディワンが生産した装備を紹介しておきます。これらはお金さえ出せれば、どの種族でも購入自体は可能です。


(ティールティ)
 先端が三つ又になっていて、水の抵抗を受けにくくなっている槍です(いわゆるトライデント)。<槍>技能で扱います。長さ1のジャベリンと同等の性能ですが、水中で扱う際の長さに応じたペナルティが半減され、ペナルティは-2で済みます。致傷力は-1されます(下記データは水中で用いた場合の致傷力です。地上で扱う場合は+1して下さい)。
 ティールティは少しでも致傷力を稼ぐため、通常は上質の槍として生産されます。データに表記されているものは、上質で生産されたものです。

刺し 突き(陸では+1) 長さ1
価格$400 1kg


(ガリキシャ)
 クロスボウとスリングショットを混ぜたような射撃武器です。我々の地球では「スピアガン」(水中銃)と呼ばれるものです(「水中銃」でググれば画像が見れます)。使用の際は、<弩>技能で扱います。準備時間その他の運用にかかる時間もクロスボウと同じです。

 ごく簡単に説明すると、マスケット銃に似た形状のクロスボウで、撃ち出す構造はスリングショットのようなゴム(ガリキシャに使われているのは海獣の腸です)の張力を利用します。矢となるのは、ジャベリン並の長さを持つ銛です。
 いかんせん抵抗力が大きい水中なので、射程がかなり短くなっています。水中では致傷力も-1されます(下記データは水中で用いた場合の致傷力です。地上で扱う場合は+1して下さい)。しかし、白兵武器もあまり有効とは言えない環境であるため、わずかでも射程が伸びるこの装備は重宝されています。

 なお、水中で射撃武器を扱う場合、「馬上戦闘」での射撃と同等に扱います。つまり、「<水泳>か射撃技能のうち、どちらか低い方で判定」「「狙い」の効果は1ターン分のみで、余分に狙っても精度は上がらない」のルール的縛りを受けます。


刺し 突き+1(陸では+2) 抜撃ち12 正確さ+2
(水中での射程)半致傷:「体力」の2分の1メートル/最大射程:「体力」m
(地上での射程)半致傷:「体力」m/最大射程「体力」×2m
価格$300 2kg 必要体力7
矢として使う銛 $20 0.5kg


(水中用ライト・レザー)
 水中用の防具で、水に浸かると伸縮性を発揮して動きやすいように作られた海獣の革製のライト・レザーです。ディワンならば普通に購入でき、通常の「ライト・レザー」と同じ価格、重量として扱います。
 人間だと購入可能な場所が限定されているため、まずは売ってる店を探さねばならないでしょう(ディワンと交易のある海岸都市であれば、たいてい防具屋で扱ってます)。

 なお、荷重制限の関係から、ディワンたちがこれより上の防具を使う事はまずありませんし、海底都市でも生産されていません。



■■ 独自の特徴
●歩行訓練(4cp)
 陸上での歩行が不安定に見えるディワンですが、足の構造自体は人間とよく似ており、訓練して必要な筋力を付ければ、普通に歩けるようになります。
 この特徴を持つディワンは、陸上における移動力-2のペナルティがなく、歩く姿勢もごく普通になるので反応-1修正をなくすことができます。


●発声訓練(10cp)
 ディワンの発声能力の欠陥は、訓練すれば補正する事が可能です。これにより、種族セットに含まれる「吃音」を買い戻す事が可能です。
 特にディワンの知識階級である<語りべ>たちは、知識を口伝で継承している事と、異種族との外交を担当している事から必ずこの特徴を持っており、人間とも普通に会話が可能です。


●魚類共感(5cp)
 「動物共感」の魚類バージョンです。魚の感情を理解し、魚に対する動物系技能全般に+4のボーナスがあります。


●読み書き(10cp)
 ディワンが農耕を覚えて定住するようになったのは最近であり、それまで知識の伝達は口伝の形で継承していたため、一般のディワンには、まだ読み書きの風習が十分に行き渡っていません。読み書きできるようになるためには、この特徴が必要です。


●碧の導き(20cp)
 種族セットに含まれる「水中行動」による水中での移動力が、さらに倍になります。これは「高速泳法1レベル」と同じ特徴として扱われます。
 ディワンたちは合議制になった現在でも、最終的には泳ぎが最も早い者を<先に進む者>にする風習がありますが、この能力を授かっている者がたいてい王になると言われています。

 この特徴は「月の賜り物」と同じ属性であるらしく、修行によって後天的に獲得可能です。


●近視(-25cp)
 標準的な魚の多くは視力が0.1前後しかなく、人間基準でいくと「近視」です。ディワンの中には、この形質を強く受け継いでしまった者がおり、生まれつきの「近視」として扱われます。
 なお、ルナルにおける「近視」の特徴は-20cpですが、海中では眼鏡による矯正ができないので、ディワンの場合は-25cpの特徴として扱います。



■■ 独自の技能
<水面跳躍>(肉体/難)
 水中で一旦深く潜り、浮力を利用して水面から高く飛びあがる体術です。<軽業>と<跳躍>技能の亜種として扱い、水面高度をゼロ基準とした「高跳び」として扱います。上手く使えば、岸を這いあがる無防備な動作を省略して、沿岸の地面に着地する事ができます。
 なお、4m以上の深い水深から上がってくると、陸上で助走をつけた時と同じく跳躍高度が50cmが延びます。


<動物使役/短刀魚>(精神/難)
 動物系技能扱いであり、「魚類共感」を持つ者は技能に+4の修正を得られます。

 ディワンたちが飼育している魚たちのうち、戦闘で利用できるのが「短刀魚」と呼ばれる、頭部がナイフのような形状をしている魚たちです。これらは単独だと小さいですが、群れる事で脅威となり得ます。
 ディワンの短刀魚使いは、技能レベルの10分の1(端数切り上げ)に等しい数の群れを率いる事ができます。命令を出すたびに命令通り動くかどうか判定して下さい。判定に失敗すると、現在受けている命令を実行し続けます。
 以下、短刀魚の群れのデータです。戦闘時は「群れ」の戦闘ルールに従います。

短刀魚の群れ:一つの群れは10匹前後から成り、水中での移動力は4です。毎ターン1Dの「刺し」ダメージを与えます。防護点は常に有効です。6点のダメージを受けると、群れは散らされてしまいます。


<記憶術>(精神/至難)
 サリカ信者の独自技能と同じもので、主に口伝を行う<語りべ>が習得しています。
 見たものを正確に暗記しておくための技能です。能動的に「何を覚えるか」を、きちんとGMに宣言しておく必要があります。後でその知識が必要になった場合、判定に成功すれば正確に思い出せます。パスワードなど記憶しておくのに便利でしょう。
 暗記する量が多い場合、量に応じたペナルティが発生します(-1~-4)。



■■ 月の賜り物[碧の恵み]
 ディワンは、月の賜り物として水の操作術を授かる事があります。使用条件は「周囲1ヘクス以内に1ヘクス以上を満たす水溜まりがある事」となります。


[碧の霧] 広範囲型
 範囲内は濃い霧で満たされ、《闇》の呪文がかかったように視界が利かなくなります。「赤外線視覚」を持つ者は、生物などに関してのみはっきりと見通す事が可能ですが、地形などはぼんやりとしか見えません(暖炉など高温を発している地形ははっきりと見えます)。
 術者は霧で覆う範囲を大雑把に選択できます。術者自身もあらかじめ準備しておかないと霧の中で立ち往生するので、計画を立てて使った方が良いでしょう。

レベルコスト:4cp(最大10レベル)/持続:ターン単位


[碧の召集] 広範囲型/生命力で抵抗
 範囲内の水棲生物(魚類、イルカやクジラも含む)を呼び寄せます。術者は、呼び寄せる水棲生物の種類を限定する事も可能です。指名を受けた水棲生物は、全速力で術者の元に集まります(集まるのにかかる時間は適当に決めて下さい。ランダムに決めるのであれば1D-1(最低1)分かかったとすればよいでしょう)。
 そして集合した獣は、持続時間が切れるまで術者の周囲に留まります。持続時間が切れると、自然と拡散していきます。
 この能力には、呼び寄せた水棲生物を操る効果はありません。呼ばれた水棲生物は本能に従って行動します。呼ばれたストレスで襲い掛かってくる事も考えられます。

 なお、この能力は逆転させて使用する事も可能で、その場合、抵抗に失敗した周囲の水棲生物たちは、効果範囲内から全力で離脱を試みます。

レベルコスト:2cp(最大10レベル)/持続:分単位


[碧の激流] 射撃型/「よけ」可能
 パワーレベル1ごとに2Dの威力を持つ激流を標的1体に叩きつけます。この激流はダメージを与える事はできませんが「跳ね飛ばし」を発生させます。算出したダメージを8で割って(端数切り捨て)、その数値ヘクス分だけ対象を後退させます。また、対象は全身が水で濡れる事になります。
 1ヘクスでも後退させた場合、対象は即座に敏捷力判定を行い、失敗すると転倒します。

レベルコスト:2cp(最大5レベル)/持続:一瞬


[碧の渇き] 射撃型/生命力抵抗
 目標1体の体内組織から水分を抜き取ってダメージを与えます。射撃と同じ手順で命中判定を行います。相手は能動防御できませんが、生命力で抵抗可能です。抵抗に失敗した対象は、パワーレベル1ごとに1D-2点のダメージを受けます。鎧など外装の防護点は全く効果ありませんが、特徴の「頑強」はダメージ減少に適応されます。
 なお、ゴーレムや<多足のもの>の戦闘機械など、全く水分を含まない標的には効果がありません。

レベルコスト:5cp(最大5レベル)/持続:一瞬
[原作からの変更点]
 ルナルの海は、あんまり冒険して楽しい場所ではありません。海洋の知的生命体は、彷徨いの月のディワンと同じく彷徨いの月のマーマン、緑の月の海エルファ、後は超深海に<姿なきグルグドゥ>がいるのみで、いずれも平和主義者です。マーマンや海エルファに関しては、キャラクター作成ルールすら用意されてません(ユエルで多少はデータ化されたみたいですが)。冒険ネタと言えば、辛うじてディワン同士が抗争してる程度でしょうか。

 おまけに水中戦闘のルールがあるので、ほとんど格闘戦になると思います。水中で使える武器というのは本当に少ない上、たとえ使用者が水中に適応していようとも、武器そのものは水圧によるペナルティを避けられません(さすがに専用武器は水圧のペナルティを軽減するように設定しましたが)。
 そのため、格闘戦で戦闘力を高めようとすると、怪力を誇る巨大海洋モンスターを手懐けて、敵にけしかけるのが最強!となってしまうと思います。そのペットを飼ってる本人の戦闘力はあんまり関係ない。これは正直、つまらないですね。
 まあルナルには魔法があるので、グルグドゥたちのように呪文での戦闘をメインとすれば、それなりの戦闘で遊べるかもしれませんが。もっとも、水中では射撃呪文なんて飛ばせないでしょうし、呪文を使えるのは海エルファとグルグドゥくらいなんですが。

 管理人個人としては、深海の冒険=宇宙など未知の領域での冒険として扱えばいいと思います。ルナル世界では、宇宙に行くと月の神さまとの関連であまり好ましい状況にはならないので、代わりに海底で異世界感を演出すればいいわけです。<姿なきグルグドゥ>とかいう宇宙人みたいな種族もいることですし?

 リアルでも、宇宙開発よりも深海開発をすべきだ!という意見の科学者もそれなりにいます。深海の巨大ステーション建造を真剣に唱えてる方々もいます。
 実は宇宙よりも深海の方が、生存難易度が高いんですよ。宇宙では、ステーションに異変が起これば、宇宙服を着るなり救難バックに入るなりして、外の宇宙空間でじっと救援を待ってればいいわけですが、深海ではハッチから外に出た途端、凄まじい水圧によって人間の肉体などあっと言う間にぺしゃんこになって圧死します(人間の体の大部分は水なので、実際には潰れたりしませんが、気道部分とかぺったんこになって呼吸できなくなって死ぬでしょう)。

 つまり、深海ステーションで何かあっても、潜水服1つで外に緊急避難ができないんです。そのため、安全対策は二重にも三重にも施さねばならず、宇宙より生存難易度が高くなります…まあ、宇宙へ行く時のロケットの費用とリスクを考えたら、似たようなものかもしれませんが。


 ディワンに関してですが、基本的にNPC作成の時に使う程度の事しか考えてません。ルナル完全版では、作者のやる気のなさ感が半端ない、ごく少量の情報しか掲載されておらず、見るからに「これはPCとして使うキャラじゃないから」と宣言されているのですが、管理人としては、そうであっても他の種族との公平性は保つべきだと考え、結構時間をかけて設定しました。リアルの水中銃の動画を調べたり、唯一ディワンがメインで扱われている「ルナル・ジェネレーション」第2巻を何度も読み直したりしました。
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