▲メインに戻る
● 人間種族以外のウィザード
[亜人ウィザード種族セット] (cpさまざま)
 人間以外の<源人の子ら>出身のウィザードは、それぞれ別の種族セットを適応します。詳細は以下を参照。
■概要
 個体数は少ないですが、人間以外の種族からもウィザード素養者が生まれ、ウィザードに導かれる事によって独立した種族となります。この場合、元種族の身体的特徴も一部引き継ぎますが、元種族からは離れ、人間出身のウィザードと同じく人間社会に入り込んで生活します。あるいは山奥で隠遁生活を送ります。

 以下、代表的な種族出身のウィザードのみを挙げておきます。マイナーな種族に関しては自作して下さい。セット構築時の基本は「肉体特性は元種族」「精神、文化的な特性はウィザード」です。


■■ 人間種族以外が出身のウィザード種族セット一覧
[エルファ・ウィザード種族セット] (29cp)
体力-1、敏捷力+1、知力+1、生命力-2(-5cp)
暗視(10cp)、魔法の素質L3(35cp)
長寿L2(寿命が人間の4倍)(4cp)
 老化が始まるのは200歳から。技能に費やせるCP量は人間の年齢に換算して適応する。
生得魔法/《魔法感知》(4cp)
 生得能力として《魔法感知》の呪文を使える。魔術具なしでも使用可能。
性的不能(-5cp)
 元種族に応じた行為自体は可能だが受精能力を失う。
魔術具がないと習得呪文が使えない(-20cp)
 《天使の召喚》と《天使の封印》で魔術具を作り出す事から始める。
<神秘学>を知力に等しいレベルで習得済み(2cp)
<考古学>を知力に等しいレベルで習得済み(4cp)

身長は同じ体力の元種族の身長+5センチ。体重は9割。


 エルファ出身のウィザード基本セットです。「暗視」と「寿命」以外の特性は緑の月の性質そのものに関わるものであるため、ウィザードとして育てられた場合、それらが育まれることはないようです。ただし、遺伝子繋がりで「動物共感」の特徴が残ってる場合が多く、エルファ・ウィザードの多くは動物系や植物系呪文の研究や魔化を専門に行う事が多いようです。

 エルファは種族的に「魔法の素質」を持って生まれてくるため、ウィザードの素養を持っている個体は人間より多いようですが、大抵の場合、部族側がウィザードにせずにそのまま育ててしまいます(優秀な<導き手>になる可能性が高いため)。
 そのため、ウィザードとして引き取られるエルファの赤ん坊というのは、通常、森の規模が小さすぎて人口増加に耐えられない少数部族が、予定外で多めに生まれてしまった赤ん坊の「口減らし」のためにやむなく引き取ってもらうケースしかなく、素養者の多さに反比例して、ウィザードとなるエルファの数はごく少数に留まります。

 ウィザードに引き取られたエルファは、外見は長身痩躯のエルファですが、精神的には全く別物で、自然に対して義務感なども抱いていません(抱くケースもあるかもしれませんが、それは師匠の育て方や個人の人生経験によるものです)。



[ドワーフ・ウィザード種族セット] (42cp)
体力+1、敏捷力+1、知力+1、生命力-2(15cp)
暗視(10cp)、魔法の素質L3(35cp)
赤緑色盲(-5cp)
 赤と緑の見分けがつかない。
長寿(寿命が人間の1.5倍)(1cp)
 老化が始まるのは75歳から。技能に費やせるCP量は人間の年齢に換算して適応する。
アルコール耐性(1cp)
 アルコールの毒性による能力値低下(毎年の生命力+2判定)が起こらない。
生得魔法/《魔法感知》(4cp)
 生得能力として《魔法感知》の呪文を使える。魔術具なしでも使用可能。
性的不能(-5cp)
 元種族に応じた行為自体は可能だが受精能力を失う。
魔術具がないと習得呪文が使えない(-20cp)
 《天使の召喚》と《天使の封印》で魔術具を作り出す事から始める。
<神秘学>を知力に等しいレベルで習得済み(2cp)
<考古学>を知力に等しいレベルで習得済み(4cp)

身長は同じ体力の元種族の身長+5センチ。体重は9割。


 ドワーフ出身のウィザード基本セットです。元が大地との親和性の高い種族なので、地霊系や物質操作系呪文の研究・開発も好んで行います。
 また、魔法のアイテムを作成する際、品物に魔化呪文を施すだけでなく、魔化対象のアイテムそのものを鍛冶技術などで自作してしまうような者もいます。「魔法の刀鍛冶士」などが存在するわけです。元種族の職人魂が部分的に残っているのかもしれません。

 ドワーフがテクノロジー文化に対して積極的なのは、「魔法の素質」を持つドワーフの出生率が低いからだと言われています(ちゃんとした統計はありませんが、人間より魔法使いの比率が低い一方、技師が多いのは事実です)。そのため、ウィザードの素養者自体がかなり少ないようで、滅多な事ではドワーフ出身のウィザードはお目にかかれません。

 なお、ドワーフは多産な上に魔法よりもテクノロジーを重視する種族なので、赤ん坊の中にウィザード素養者がいて引き取るウィザードが現れた場合、大抵は引き渡します(ドワーフ社会で魔術の道を究めても、あまり大成しない事が最初から分かっているため)。



[ミュルーン・ウィザード種族セット] (34cp)
体力-1、敏捷力+1、知力+1、生命力-1(±0cp)
魔法の素質L3(35cp)
翼による飛行/翼と腕が一体化、1分で2点疲労(-30%)(21cp)
 翼=手なので飛行中は腕が使えない。風がある場所では<滑空>判定に成功すると疲労なしで飛び続けられる。生まれつき<飛行>技能を敏捷力に等しいレベルで所持している。移動力は歩行時の2倍。
余分な腕L2/足の先についている(-30%)(14cp)
 手と同じように足で物が持てる。いずれの足も逆腕扱いで、武器を振るう際は-4のペナルティ。キックを行う場合は通常の「足」と見なして、敏捷力(or<格闘>)-2で蹴りを行える。
鋭敏視覚L3/明るい場所のみ(-30%)(5cp)
望遠視力L1/明るい場所のみ(-30%)(5cp)
 射撃の際、距離を2分の1として距離修正を求められる。
生得魔法/《魔法感知》(4cp)
 生得能力として《魔法感知》の呪文を使える。魔術具なしでも使用可能。
短命1レベル(-10cp)
 9歳で成人し、25歳から老化が始まる。技能に投資可能なCPは年齢の4倍。
性的不能(-5cp)
 元種族に応じた行為自体は可能だが受精能力を失う。
魔術具がないと習得呪文が使えない(-20cp)
 《天使の召喚》と《天使の封印》で魔術具を作り出す事から始める。
視覚の鈍さL3/暗い場所のみ(-30%)(-3cp)
近視/暗い場所のみ(-30%)(-18cp)
 眼鏡による矯正不可。
<神秘学>を知力に等しいレベルで習得済み(2cp)
<考古学>を知力に等しいレベルで習得済み(4cp)

身長は同じ体力の元種族の身長+5センチ。体重は9割。


 彷徨いの月の種族は「マジック」の呪文とは縁のない種族ですが、それでも<源人>の先祖返りとしてウィザード素養者が生まれる事もあります。ものすごく低確率ですが、運良く(?)拾われた素養者のミュルーンは、元の月の特性を無視して呪文を習得できるようになります。

 彼らは主に風霊系や水霊系、音声系呪文など天候に関わる呪文系統の研究を好みます。渡り鳥の性質もかすかに影響しているのか、魔化に専門化して工房に引き籠る者は少なく、フィールド・ワークを重視する傾向が強いようです。また、種族的に独立しているはずなのですが、なぜか関西弁でしゃべります(ミュルーンの素養者を拾う師匠もまたミュルーン出身ウィザードである事が原因のようです)。

 なお、ミュルーンは元々飛行可能な種族であるため、《浮遊》の呪文と維持する事で、種族的欠陥であった飛行時の疲労を打ち消して飛ぶことができるようになります(《飛行》の呪文や独自技能の<滑空>は不要)。
 また、鳥目に関しては光/闇系呪文の《持続光》などで照明を確保すれば、打ち消す事ができます(暗い状態での近視は相変わらずなので、《暗視》の呪文などではペナルティは減りません)。



●その他の彷徨いの月種族出身者
 フェリア・ウィザードやギャビット・ウィザード、シャロッツやディワンのウィザードなども、ごくごく少数ですが存在します(おそらくリアド大陸で名簿が作れるほど少数でしょうが)。しかし、そもそもウィザードたちが、彼らの集落の赤ん坊がいる深い区画まで入ってくる事が極めて稀なため、素養者がいても拾われる事は滅多にありません。

 ミュルーン・ウィザードが比較的多いのは、単に種族の絶対数が他の彷徨いの月の種族に比べて圧倒的に多いからであって、そんな彼らでも「子育て中のミュルーンの巣に用事がある」ウィザードなど極めて稀な存在であるため、拾われる確率は5%以下です。



●銀の月のウィザード素養者
 銀の月の眷属は、住んでいる場所が人間やドワーフ、エルファの活動エリアからは遠く離れている上、神の教えや神自体の影響力が社会全体に強く及ぶため、ウィザードの素養者がいても引き渡されることはほぼなく、そのまま銀の月の眷属として育てられます。

 そのため、これらの種族のウィザードは「特殊な背景」(10cp以上)がないと作成できません。一応考えられるケースとしては、例えばウィザードを含む冒険者隊の目前で、赤ん坊だけ生き延びて親たちは全滅し、その赤ん坊がたまたまウィザード素養者だったのでパーティー内のウィザードが引き取って育てた、といった展開が考えられます(極めて偶然が重なるケースですが、可能性がゼロではありません)。



●黒の月のウィザード素養者
 ゴブリンなど魔法との親和性の高い種族に、素養者が割と良く現れるようです。しかし、そういった存在はほぼ例外なく<天使>ではなく<悪魔>を召喚して邪術師(狭義のソーサラー)になります。種族的に最初から素質があるトロールといった例もいますが、彼らは黒の月の魔元帥に直接テレパシーで囁かれて教育されるため、邪術師以外の存在にはなり得ません。

 こうした事情から、黒の月出身のウィザードはほぼ存在しません(一応、四姉妹のハーフトロールのウィザード「白金の姫」といった極めて稀な例外はありますが…あれは例外中の例外で、プレイヤーが扱うようなキャラクターではありません)。
[原作からの変更点]
 ウィザードの種族セットそのものが大きくCP削減されている関係で、亜人のウィザードも比較的作りやすくなりました。

 しかしまあ、人間以外のウィザードにしても、さしたるメリットもないため、基本的にはお勧めしません。ただ、ファンタジー世界を取り扱ったゲームなどでは、エルフの魔術師やらドワーフの魔術師など割と出てくる確率が高いため、そういった「こだわり」の再現手段として選択肢を残しました。



 ただし、セットCPが安くなったといっても、やはり銀の月の眷属に関しては種族セットのCP自体が高すぎるケースが多いため、これはもう「なし」でいいと判断しました。

 …というかですね?
 銀の月の神々って、ウィザード素養者も含めて<源人の子ら>を自分たちの月の種族として取り込みたいと願っている「侵略者」の側面が強い連中なんですよ。だから、比較的フリーダムな気質の風の元素神の眷属である翼人であっても、やはりウィザードとして離れていってしまうのを見過ごすのは、銀の月の神格としてはちょっとありえないかなぁ…などと思い至り、翼人ウィザードも基本は「なし」としました。
 データ的な話をすれば、翼人は「翼による飛行」と「超音波視覚」で大量のCPを持っていかれるのを、「閉所恐怖症」やら「翼人の名誉」で軽減してる種族なので、精神面をウィザードに合わせるとCPを軽減する不利な特徴がごっそり減ってしまって、基本セットがものすごく割高になってしまうんですな(笑)。
 なので、これはもうPCとしては向かないので「NPC専用」でいいと思います。


 一応、上記の3種族に関しては、ウィザードの亜種みたいなもので、人間出身のウィザードの代わりに使用してもセッションに影響しません。なのでGMは、基本的に使用許可でいいと思います。
 ただし、パーティーのメンツ全員が亜種ウィザードとかいうのは、よほど特殊なセッションを想定してない限りは許可しない方がいいでしょう…社会的にめちゃくちゃ目立ちます(笑)。

 あと、ミュルーン以外の彷徨いの月の種族のウィザードに関しては、GMと相談の上で「どうしても!」という場合のみにして下さい。おそらくそれらの種族も、ウィザード化するとかなり種族セットCPがかさみます(特にギャビットやシャロッツ、ディワンといった連中は、精神的特徴や文化的特徴でCP軽減してる種族なので、それらが全部なくなるとかなり重いです)。

 辛うじて使えそうなのは、種族コストが軽く、イメージ的にもウィザードと合っているフェリア・ウィザードでしょうか。ただしフェリアの村は、大きさ自体が非常に小さいため(サイズ4分の1の●ルバニア・ファミリーみたいなミニチュア村です(笑))、人間サイズのウィザードが気軽に「訪問」できる場所じゃあないんですよね…。
▲メインに戻る