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■ 銀の月の眷属
[種族基本セット](CPさまざま)
 同じ月を崇める者たちですが、崇める元素神が司るエレメント属性に応じて、完全に別種族となります。各項目を参照して下さい。
■種族概要
 <源初の創造神>が世界から去り、<龍>が眠りに付いてしばらくして、星界のはるか遠くからやってきたのが銀の月でした。銀の月は一説によると、虚空(宇宙空間)を渡る船と言われています。

 銀の月には元素神と呼ばれる無数の神々が住んでいましたが、ルナルの常識からは完全に外れた思想を持ち、異なる物理法則に従う、まさに異貌の神と呼ぶに相応しい者たちでした。そして彼らは、物質を構成する最小の粒からエネルギーを引き出す術に通じていました。
 銀の月の元素神は、エネルギーの源となる4つの元素のうち、いずれか1つと深く結びついていて、属性に応じて4つの派閥に分かれています。異なる属性の元素神同士は、敵に近いライバル意識を持っており、また同じ属性同士ですら、決して仲が良いとは言えません。

 そんな結束力に欠く古き神々は、何らかの理由によりルナルに支配の手を伸ばしました。最終目標は不明ですが、当面の目標ははっきりしていました。
 それは、太陽を手に入れる事です。彼らは<至高なる輝きの地>へと至るゲートとしてではなく、純粋にエネルギー源としての太陽を欲したのでした。そのため、ルナルの大地に残っていた<源人の子ら>に、自らを崇めるように迫ります。
 異質ながらも強大な力に憧れた者たちの一部が、彷徨いの月や白の月から銀の月へと信仰の「鞍替え」を行い、崇める元素神の属性に応じた種族へと変化してきました。

 銀の月の眷属は、崇める元素神に応じて亜種が無数に存在しますが、大きく分けて4つの眷属が存在します。すなわち、風の元素神を崇める翼人、火の元素神を崇める爬虫人、地の元素神を崇める<多足のもの>、水の元素神を崇める<姿なきグルグドゥ>です。
 彼らは人間とは異なる環境で、それぞれ独自の文化を繁栄させました。その文明が持つ技術レベルは、ルナルの既存文明レベルをはるかに超えており、常人には理解しがたいものでした。そして、その文明を運営する4つの眷属もまた、他の<源人の子ら>には理解しがたい姿と思考を持つ存在へと変貌していったのです。

 しかし、銀の月の帝国の繁栄は長く続きませんでした。
 ルナルの大地の法則に従わない、明らかにおかしな文明が力を貯め始めたのが原因でエネルギーの揺らぎが生じ、眠っていた<龍>たちが目を覚ましたのです。
 <龍>たちは、偉大なる<源初の神>の唯一にして最高傑作たるルナルの大地を、勝手に作り変えようとする異貌の神々に対して怒り狂いました。そして、ほとんど本能の赴くままに戦いに挑みます。

 しかし、どちらの勢力も自分個人の力だけに頼る孤高の存在の群れであり、戦いはこう着状態に陥ります。元素神は、この世界に来るよりも前から、身内同士の仲が悪い内乱集団だったため、共同で戦おうとはしませんでした。一方で<龍>の側も、自身の最強の肉体と精神に自信を持ちすぎていて、仲間と連携するどころか、互いにランキング・スコアを奪い合うような烏合の衆に過ぎなかったのです。
 そのため、元素神と<龍>の戦いは「戦争」ではなく、「私闘」に近いものでした。その私闘に巻き込まれた大地や町は、徹底的に破壊され尽くされます。

 そして「私闘の連続」は、破壊の当事者たる元素神と<龍>が互いに封印しあうという形で終わります。元素神は地底や海底、虚空の狭間、あるいは自分たちの「乗り物」である銀の月に封印されて死のごとき眠りに付き、地上への介入手段を失います。<龍>もまた肉体と魂が分離して、亡骸は<天空の龍の島>としてルナルの上空で漂う浮遊島と化します。
 そして銀の月の眷属たちもまた、かつての繁栄力を失い、辺境で細々と独自の文明を維持するだけに留まりました。

 その時代から既に1万年以上立った現在。
 いまだ一部の眷属たちは、元素神を眠りから呼び起こして今一度ルナルの大地を征服し、かつての繁栄を手にせんと躍起になってますが、同じ銀の月の元素神や眷属同士がトップ権力を握ろうと妨害し合っている事や、元素神によっては「毎回同じシナリオの流れでもう飽きた」とか「他の元素神が全員起きたら起こしてくれ…Zzzz」と戦意喪失し、抗争を遠目で傍観している神格も多く、状況は一向に進展しません。
 そして、そうした元素神を崇める眷属もまた、現在のモラトリアムな日常生活で満足している者の方が多くなってしまいます。古の最盛期の時代を取り戻すには、あまりにも時間が立ちすぎたのです。



 銀の月の眷属は、ルナルの一般社会とは隔絶された場所で独自の文明を栄えさせており、またその文明レベルも既存の文明(TL3)より大幅に超えていることから、基本的に交流がなく(人間やドワーフの文明と交流したところで何も得るものがない)、NPC専用種族として扱われます。ですが、4大眷属のみNPC用として作成ルールを設定しておきます。
 4大眷属以外にも、一部の元素神が自分専用に作った特殊な眷属がいたりしますが、数が少なすぎるため、モンスターとして処理します(キャラ作成ルールは省略します)。
 また、他の月の種族と相互理解がしやすく、人間社会にも混じっている翼人のキャラクターに関してのみ、GMが許可すればPCとして使う事ができます(それ以外の種族は、通常の冒険を行うのに適切なキャラクターではありません)。

 なお、各属性の元素神にはリーダー格の存在がおり、風のサシュリカ、火のグラグドリア、地のバガラガ、水のリューシャーンといった名の「元素神の長」が存在しますが、眷属たちは長ではなく、長の下に存在する無数の小神たちの1つをそれぞれ崇め奉っており、長を直接崇めているわけではありません。そのため、同じ眷属同士であっても崇める元素神が異なるという理由から、平然と殺し合いが始まる事など珍しくありません。
■■ 種族独自の特徴・技能
 銀の月の眷属は、崇める元素神ごとに大きく4つに種族分化しています。各種族は外見から生理機能まで全く異なる為、独自の特徴、技能も全く異なります。それぞれを種族説明を参照して下さい。

 なお、銀の月の眷属の技能のいくつかは、文明レベルが突出したものになっています(たいてい現代地球と同じTL7扱い)。これらは「学問」というより「神学」であり、眷属たちは「聖書に書かれた教え(マニュアル)」を意味も分からず盲目的に従った結果、TL7に相当する技術を行使しているに過ぎません(ある意味、呪文と同じ扱いです)。
 眷属たちの技術の基礎理論(化学、物理学など)は、他の<源人の子ら>と同じくTL3のままであるため、研究して構造を理解しようとしたり、既存技術を利用して新発明を行ったりといった行為はほとんど行いません(行っても段階を踏んでいないため、ほぼ徒労に終わります)。



■■ 種族独自の武器
 それぞれの種族の文化に応じて、独自武器が開発・運用されています。詳細は個々の種族説明を参照して下さい。



■■ 種族のボーナス技能
 銀の月の眷属社会では、双子の月や緑の月の社会のような一括教育システムが存在せず、個人がそれぞれ役割に応じて別々に育成される制度になっています。あるいは、最低限の技能を教えた後、実地で独学させる形です(爬虫人の奴隷階級である蜥蜴人など)。
 そのため、共通のボーナス技能の概念は存在しません。



■■ 元素魔法
 これは「ガープス・マジック」の呪文と同じものです。崇める元素神の属性に応じて習得可能な系統が決まっており、その系統の中であれば特に制限なく自由に習得可能です。

 実際の習得は、元素神からの「啓示」の形で行われます。元素魔法もルール上は僧侶呪文として処理されるため、各系統はそれぞれ独立しており、他系統の呪文が前提条件に入っている場合、その条件は無視して下さい。

 なお、元素魔法の啓示を受けるのは「魔法の素質」を1レベル以上持つキャラクターに限られます。これは、最初に呪文の啓示を受ける際、共通魔法の元素獣に関わる呪文もセットで伝授されるという理由からです(魔法の素質のレベル数がそのまま召喚獣のストック数になるため、素質なしでは従者を作れません)。



■ 共通元素魔法
 どの眷属でも共通して習得可能な呪文として、元素獣を召喚・支配する呪文と、元素神を一時的に物質界に顕現させる呪文が存在します。
 以下の呪文は、どの眷属でも習得可能であり、最初に呪文を伝授される際、《元素獣の召喚》と《元素獣の支配》は必ず習得せねばなりません(《元素神の召喚》の方は任意です…習得レベルが低いと危険なためです)。


《元素獣の召喚》 特殊
 特定の元素獣1体を召喚します。呪文は、地水火風の4属性で別呪文として扱われます。風の眷属である翼人ならば《風の元素獣の召喚》、火の眷属である爬虫人ならば《火の元素獣の召喚》となり、それぞれ異なる呪文として扱われます。
 実際に対象の元素獣を召喚するには、対象の元素獣の召喚コストの値以上のレベルが必要です(例えば召喚コスト12の元素獣なら12レベル以上が必要)。ただし、召喚コスト20を超える分には、20レベルあれば召喚可能とします。

 召喚コストは元素獣ごとに決められており、消費コスト1点ごとに召喚費用50ムーナがかかります。ゲーム開始時に召喚獣を保持しておきたい場合、召喚費用(消費コスト×50ムーナ。熟練によるコスト軽減は計算に含まない)を財産から払っておく形となります。
 なお、かなり残忍な手法ですが、生贄を捧げる(対象生物を儀式の一環として殺害する)事で、このコストを賄う事も可能です(この場合、費用もかかりません)。この手法を使う場合、動物(少なくとも人間と同じ大きさ以上)の生贄ならば1体に付き消費コスト4点、知的生物(知力の種族基準値が7以上の種族)であれば1人に付き消費コスト12点を賄えます。

 呼び出された元素獣は1時間、術者の元に留まりますが、術者の支配下にあるわけではありません。術者は、召喚した元素獣に質問したり、奉仕を求める事ができます。
 1時間が過ぎると、元素獣は元素界へと帰っていきますが、稀にそのまま現世に取り残されてしまう事があります。術者は再び《元素獣の召喚》の判定を行い、失敗すると残ります。その場合、召喚獣は野生化し、ルナルの世界に居つく事になります。あるいは術者が故意に送還しない事も可能です(判定しない事にする場合)。
 なお、現世に取り残された召喚獣は、術者への反応が悪ければそのまま襲い掛かってくる事もあるでしょう(故意に送還しなければ反応-4くらいの応対は覚悟すべきです)。

 召喚儀式の判定に失敗しても、作った祭壇は無駄にはなりませんが、丸一日置かないと再度召喚を試みる事はできません(パワーが回復してないので自動失敗となります)。またファンブルした場合、召喚獣が現れますが祭壇を破壊し、元素界へと帰ってしまいます。その際、術者も攻撃を受ける可能性があります(処理が面倒なら、術者に3Dダメージを与えて帰ったという事にして下さい)。

■持続:1時間、維持は不可 ●消費:元素獣ごとに固定。熟練によるコスト減少は適応されない。 ◆準備:エネルギー1点ごとに1時間。これらは連続して行わなければならない。 ★前提:素質1 ▲魔化:地水火風いずれかの元素シンボルを刻んだ杖、錫杖、装身具など。指定属性の元素獣を呼び出せる。必要エネルギー800。$1300相当のプラチナが必要。


《元素獣の支配》 通常
 上記の呪文によって呼び出した元素獣1体と契約を交わし、忠実な僕とします。《元素獣の召喚》の呪文と同じく、地水火風の4属性ごとに別呪文として扱われます。
 支配するには、対象の元素獣の召喚コストの値以上のレベルが必要です(例えば召喚コスト12の元素獣なら12レベル以上が必要)。ただし、召喚コストが20を超える分には、20レベルあれば支配可能とします。

 この呪文で元素獣と契約する際、通常のエネルギーコストは一切要求されません。ただし、代わりに何らかの代償(永続的なもの)を要求されます。それは定期的に与えねばならない特殊な餌であったり、術者の祈りであったり、何らかの「誓い」を立てさせる事だったりします。召喚獣によっては術者の肉体の一部(例えば指一本など)を要求することもあります。
 ルール的には、術者が「不利な特徴」を甘受する事で代償が払われたと見なします。召喚コスト4につき-5cpの不利な特徴を得ます(最大で-50cp)。どの特徴が契約の代償なのかは、はっきりと記入しておいて下さい(契約が解除された際、その特徴を喪失することになるかもしれないからです)。

 以上の代償がきちんと支払われるのであれば、元素獣の方から契約を拒否する事はまずありません。この契約は術者が死ぬか、自らの意志で解除しないかぎり永続します(契約中は「呪文を維持している」とは見なされません)。この呪文で支配しておける元素獣の数は、術者の「魔法の素質」のレベル数に等しくなります(最大で3体)。
 なお、あまりに多くの強力な元素獣を従えていると、人生の目的が元素獣の代償に縛られる事にもなりかねません。そのため、複数の強力な元素獣を従える術者は稀です。基本的にPCとして使うキャラが召喚獣の代償を払う場合は、不利な特徴は-40cpまでの制限に含めて下さい(NPCであれば気にする必要はありません)。

 また、召喚コストが100とか200といった小神クラスの元素獣だと、そもそも代償を支払えないといった事もありえます(支配しておけるのは、ルール的にはコスト40の元素獣までです)。そういう巨大な召喚獣は《元素獣の召喚》で呼び出した後、支配せずに直接奉仕を求めて使役し、持続時間が切れたら元素界にお帰り願うといった使い方しかできません。

■持続:永続、術者が死ぬか解除を宣言するまで ●消費:0。代わりに「不利な特徴」の代償を要求される(説明文参照)。 ◆準備:2秒 ★前提:素質1 ▲魔化:属性の元素シンボルを刻んだ杖、錫杖、装身具など。このアイテムを所持していると、指定された属性の元素獣の支配数が+1される(呪文が使えるようになるわけではない)。必要エネルギー1000。$1300相当のプラチナが必要。


《元素神の召喚》(至難) 特殊
 元素神を現世に召喚するための呪文です。通常は、術者が崇める元素神を召喚します。必要コストが膨大であるため、必然的に儀式魔法になります(60時間…3日近くかかるので命懸けです)。
 なお、かなり残忍な手法ですが、生贄を捧げる(対象生物を儀式の一環として殺害する)事で、消費コストを賄う事も可能です(この場合、費用はかかりません)。この手法を使う場合、動物(少なくとも人間と同じ大きさ以上)の生贄ならば1体に付き消費コスト4点、知的生物(人間など)であれば1人に付き消費コスト12点を賄えます。

 ルール的には魔化系呪文<大祈願>を習得容易にした代わりに、失敗時のリスクを高めたものとして扱います。目標値はどんなに呪文レベルが高くとも、最大で15にしかなりません。呪文発動に失敗している場合はファンブル扱いとなり、以下のファンブル表を振ります。

★神霊召喚ファンブル表
3~5:何も起こらない。
6~9:硫黄の匂いが漂う。かなりくさいが実害はない。
10~12:儀式場が爆発する。ただし逃げ出す余裕はある。
13~15:儀式場が爆発する。参列者は全員3Dのダメージを受ける。
16~18:元素神が一時的に現れて暴走する。参列者は全員6Dのダメージを受ける。

 この呪文で、神が地上まで降りるのに通りやすいゲートを作ることができますが、実際にゲートを抜けてやってくるかどうかは、呼ばれた元素神の意思次第です。「後援者/元素神」の特徴を持つ者(爬虫人の女王や<姿なきグルグドゥ>の議長など)が呪文判定時に儀式会場に居合わせた場合、後援者の登場判定を行えます。判定に成功すれば、元素神は一時的に物質界で仮初めの肉体を得て姿を現し、願い事を聞いてくれるでしょう。

 そうでない場合は、元素神の応対は、元素神の(GMの)気分だけで好きに決めて構いません。とりあえず音声だけで「登場」して、交渉次第では現界して力を貸してやってもよいという形にするのが一番無難なリアクションでしょう。GMはシナリオが面白くなるように、自由にイベントを起こして下さい。

■持続:神が願いを1つ聞き届けるまで ●消費:元素神ごとに異なるが通常は400 ◆準備:6時間 ★前提:素質1 ▲魔化:対象の元素神のイメージを刻んだ杖、錫杖、装身具など。このアイテムを所持していると、消費コストが-100される(呪文が使えるようになるわけではない)。必要エネルギー20000。$1300相当のプラチナが必要。
[原作からの変更点]
 元素神から与えられる加護には、TL7の文明力を備えた技能が含まれていますが、これは「マニュアル通りに未知のマシンを動かしている」行為に過ぎず、原理などは全く理解していません。そのため、銀の月の眷属たちが神から授かった知識を元に、更なる自己発展をするといった事など起こりようもない。途中の過程を省略して、いきなり「最適解」を寄越されたからといって、それを理解できるはずもなければ、そこからさらに成長できるはずもないのです。
 そのため、銀の月の眷属たちは神に頼り切っており、神の教えを完璧にこなすために鍛錬する事はあっても、神を超えるなどといった不遜な事は、通常は考えません。そのため、彼らの強さには上限が存在します。人間のような超英雄が現れることも、ほぼありません。あったとしても、強大な元素獣を従え、その力を借りた上で強くなっているに過ぎないのです。


 その元素獣のルールですが、ルナル完全版では説明のためのページが足りなかったのか、ほとんど曖昧な形でしか収録されていませんが、当サイトではきっちりとルールを制定しました。

 まず元素魔法ですが、ウィザードの<天使>の召喚と封印と同じように、元素獣の召喚と支配の二つを習得する事が必須となっています。元素獣との契約は、比較的安いコストでゴーレム並の便利な労働力を得られるため、元素魔法が他の魔術に比べて優位な点を現す大事な要素と言えます。なので、最初に元素神から得られる呪文の啓示は、かならず元素獣の召喚と支配の呪文となります。この二つを習得した後、各眷属に応じた系統呪文を自由に習得できます。
 なお、《元素神の召喚》の方は失敗した時のリスクが高いため、啓示を受けられる眷属はごく少数に限られています(普通は1cpで15レベル以上の習得ができる熟練魔術師にしか下賜されません)。

 元素獣の召喚ですが、コストに関しては完全版のルールをそのまま引用しています。一方、原作では召喚獣1種ごとに別呪文として取得せねばなりませんでしたが、改変ルールではエレメント属性ごとに分類され、元素獣1種ごとに呪文を習得する必要はなくなっています。例えば翼人であれば、《風の元素獣の召喚》の呪文1つを習得すれば、風の元素獣であればシルフィードからケツァルコアトルまで全て呼び出せます(原作では元素獣の支配の呪文に相当する呪文がないため、不必要に多くのCPを消費させるために個別管理になっているものと思われます)。
 セッション前に支配している事にする場合は、各元素獣ごとに決められた召喚に必要な費用を総資産から払っとけばOKです。ただしそれに加え、元素獣支配のコストである「不利な特徴」を取得せねばなりませんが。
 あと、小説でレー・ケルネーがやっていた「生贄を捧げる事で呪文の消費コストを賄う」ルールも導入しました。これで、術者が単独でも巨大な元素獣を呼ぶことが一応は可能です…PCには認めさせない方が良いでしょう。敵役にやらせれば悪役度を大きく引き上げ、イメージダウンさせることができますが。

 元素獣の支配ですが、呪文の効果時間が永続である代わりに、術者には召喚獣の性格に応じた不利な特徴を取得せねばならないルールになっています(原作ルールも一応そうなってます)。元素獣は他のオートマトン(ゾンビとかゴーレムとか)と異なり、自律意志や個性を持ち、知性も個体によっては並の人間以上の事があります。それを支配して使役しようというのですから、相応の代償を求められて当然でしょう、。

 なお当サイトでは、召喚獣ごとに取るべき「不利な特徴」の具体的なCP量を指定しています。ネタが思いつかない場合は、「妖魔夜行」にある「弱点」の項目から「××がないと妖術・妖力が使えない」を「××を与えないと元素獣の力を借りれない」と読み替えて決めてください。あるいは術者の日々の祈りなどの習慣性を持つ行動を要求するのであれば「強迫観念」(祈りに必要な時間に応じて-5~-15cp)となります。生き方に縛りをかける「誓い」であれば、「支配している元素獣と同種の元素獣は一切傷つけない」(-5cp)などが適当でしょう。召喚獣の性格や能力に応じて相応しいものを適当に選択してください。

 また、小説でレー・ケルネーがテロン攻略の際にやっていた「巨大すぎて一時的な使役しかできない召喚獣」の扱いもルール化しました。それらは《元素獣の召喚》によって呼ぶことはできても、《元素獣の支配》の方が実質不可能なため、場当たり的に呼んで使役して「はい、さよなら」の形で再現することになります。完全版に掲載されている元素獣の中では、火の元素獣「溶岩鷲」(コスト300)がそれに相当します。
 余談ですが、この溶岩鷲は野生化した個体がときどき存在します。おそらく、爬虫人たちが一時的に呼びだして使役した後、「このまま元素界に返すには惜しい力だ」と考え、わざと送還せずに放置した個体が現世に残り、野生化していると想定できます…溶岩鷲からすれば、迷惑な話ですが。


 あと、リプレイで爬虫人がやっていた《元素神の召喚》もルール化し、とりあえずどの眷属でも召喚自体は可能になりました。ただし、この呪文でゲートを開いても、実際に元素神が物質界に現界して力を振るってくれるかどうかは、召喚者次第となっています。
 改変ルールにおいては、爬虫人の恐竜人の女王と、グルグドゥの議長のみが後援者としての元素神を取得しているため、この二種族であれば力を直接借りる事もある程度は可能です。他の二種族に関しては、完全にGMの気まぐれ対応で構わないでしょう。
 特に風の元素神など「めんどくせえ」「俺は誰の指図もうけねぇ」の一言で無視するのが、風の元素神らしくて良いと思いますが…翼人たちが神に頼らない(召喚しようとしない)理由も、そのあたりが原因と思われます(笑)。
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