▲メインに戻る
● ホブゴブリン
[ホブゴブリン種族セット](25cp)
体力+1、敏捷力+1、知力-2、生命力+2(+25cp)
暗視(10cp)、鋭敏感覚L1(5cp)、我慢強さ(10cp)
頑健(10cp)、戦闘即応(15cp)
防護点1レベル(5cp)
 体毛によるもの。防護点+1。

高慢(-5cp)、残忍(-10cp)
強迫観念/好戦的(-10cp)
 戦う理由に興味はなく、戦いそのものを求める。
好色(-15cp)
 種族的にオスしかおらず、子孫を残す機会を逃さない。
原始的1レベル(-5cp)
 文明レベル2。扱える装備に制限あり。
読み書きができない(-10cp)
 一般のホブゴブリンは読み書きを習わない。

*身長、体重は人間と同じ。
▲種族解説へ
■種族概要
 双子の月がやってくる前の、彷徨いの月を崇めていた時代の人間種族の一部が黒の月に転向し、歪んで変化した種族です。狼や虎など肉食獣の頭部を持ったヒューマノイドで、全身が毛皮に覆われています。パッと見だと、ライカンスロープと間違われることもあるようです。

 ホブゴブリンは種族的にオスしかおらず、子孫を残すためには他の種族のメスの腹を借りるしかありません。人間かエルファが好みですが、いなければゴブリンやオークとも交配します。生まれてきた子は半々の確率で、どちらかの親と同じ種族として生まれます。
 寿命は人間と同程度ですが、現実には人生の途上で戦死する者が多くを占めるため、天寿を全うする個体はごくごく稀です。そのため、機会があれば子孫を残そうとします(便宜上「好色」として扱います)。

 性格は、人間の持つ好戦的でグロテスクな部分がクローズアップされており、生まれつきの戦闘狂です。しかし一方で誇り高く、戦士としての誇りを尊ぶ側面もあり、戦いの技量を高める事を人生目標としています。
 彼らの人生は「戦い」に彩られており、普段の生活が黒の月への生贄を捧げているようなものなので、特に頭の良い個体が魔獣王に気に入られ、呪文の啓示を受けている事が稀にあります。しかし大半のホブゴブリンは「自分の役割は、最前線での白兵戦だけだ」と思っています。

 ホブゴブリンは種族的にほぼ例外なく白兵戦のプロですが、一方で自身が統率者として部下を率い、勢力を成す事には興味がなく、ひたすら個人戦闘の技術の研鑽に従事しています。気の合う同族の達人同士が少数で組んで、少数精鋭部隊を組織して行動する事もありますが、大規模な軍隊を編成するほど群れる事はまずありません(種族的に「高慢」なため、あまり多くの多種多様な人材と同居できません)。

 ホブゴブリンは種族の絶対数が少ないため、他の種族の文明に依存します。現在の黒の月の支配種はゴブリンであるため、ゴブリン村の用心棒をやっている事が多く、文明レベル2として扱います。特に優秀な者は、ゴブリン・ソーサラーの村長や闇の王トロール個人の親衛隊などを務めている事もあります。


 ホブゴブリンは最低でも50cpで作成され、100cpくらいの実力者はそこそこ存在します。生き延びて150~200CPに達し、英雄として頭角を現すこともあります。



■■ 種族に多い特徴
 天職が戦士なだけあって気が短い者が多く、「かんしゃく」や「直情」持ちが大勢います。種族的に「高慢」なだけあってプライドが高く、「自信過剰」や「命知らず」に陥る者も少なくありません。
 また、アルコールは略奪を行った際に比較的入手しやすい嗜好品なので、そればかり求めて「アルコール中毒」になってしまう者も多いようです。

 一方、ホブゴブリンは弱者を蹂躙するよりも、熱く燃える切迫した戦いを求める傾向が強く、
それが転じて「戦士の名誉」(決闘を挑まれたら断らない、自身に対する侮辱を看過できない -15cp)など、高潔な精神を持つ個体もたまにいます。
 もっとも、彼らは戦う理由や非戦闘員への配慮など無頓着なので、破壊するついでに「強い敵と戦えたらいいな!」程度の願望であることが大半ですが。



■■ サンプル・キャラクター
 雑魚敵NPCとして用いられる一般的な個体のサンプルを挙げておきます。
■ ホブゴブリンの剣客 (総計50CP)
ホブゴブリン 15歳
身長180cm 体重75kg

■■ 能力値
(40cp)
ST13(20cp)
DX13(20cp)
IQ8(0cp)
HT12(0cp)

■■ 特徴 (25/-45cp)
ホブゴブリン種族セット(25cp)
アルコール中毒(-15cp)、かんしゃく(-10cp)、自信過剰(-10cp)、海賊の名誉(-5cp)、癖(-5cp)
■■ 技能 (30cp)
剣(4cp/Lv14)、準備/剣☆(0.5cp/Lv13)、槍(1cp/Lv12)、斧/メイス(1cp/Lv12)、ナイフ(1cp/Lv13)、準備/ナイフ☆(0.5cp/Lv13)、盾(2cp/Lv14)、格闘(1cp/Lv13)
水泳(0.5cp/Lv12)、跳躍(0.5cp/Lv12)、登攀(0.5cp/Lv11)、投げ(8cp/Lv14)、ランニング(0.5cp/Lv9)
生存/山岳(8cp/Lv10)、戦術(0.5cp/Lv5)、忍び(0.5cp/Lv12)

■■ 装備 総重量19kg(軽荷) 所持金50ムーナ
ブロードソード($500 1.5kg) Lv14 切り2D(長さ1)/叩き1D+1(長さ1)
大型ナイフ($40 0.5kg) Lv13 切り1D+1(長さC,1)/刺し1D(長さC)
ミディアム・シールド($60 7kg)
ヘビー・レザー($350 10kg)

■■ 身体能力
格闘:パンチ/キック Lv13/11 叩き1D-1(長さC,1)/叩き1D+2(長さ1)
移動力=6 能動防御=よけ:6/受け:8(格闘:11)/止め:8
受動防御/防護点=5/3
【設定】
 ゴブリンの母親から生まれ、ゴブリン村で用心棒を営む一般的なホブゴブリンです。剣を始め、基本武器である槍、斧の扱いに慣れており、<投げ>技能による投擲術で射撃にも対応しています。母親からは、山岳で生き延びるためのサバイバルの技術を学び、何とか合格点を貰える程度の自活能力は獲得しています。

 戦士としての能力はなかなかのもので、職業表の「荒くれ」が務まる程度の実力は持っていますが、意思の強さなどのフォローがないため、魔法に対する抵抗力が致命的に低くなっています。もっとも、このキャラクターは「正面からだとちょっと手ごわいけど、基本やられ役」として作成されているので、精神面の弱点として残しておく方が、GM的には都合が良いでしょう。
[原作からの変更点]
 原作の種族データはしごくいい加減な設定であり、種族セットにアル中が入っているという意味不明な種族でした(笑)。種族的にアルコールに耐性があるならまだしも、ないのに生まれつき中毒症状とか生物学的に意味不明です。なので、そこは是正しました。
 あと、あれこれ不利な特徴が含まれていて、ホブゴブリンのキャラクターを作成する際、-40cp分の不利な特徴を取得するネタに困るという事がよく起こったので、種族的な精神的特徴は最低限に抑え、後は自由に獲得できるようにしておきました。
 結果、種族セットが大幅に増えましたが、25cpなら彷徨いの月の種族と同じようなものなので、いうほど負担にはならないと思います。最初から「我慢強さ」と「戦闘即応」と「暗視」が種族セットに入っているというのは、戦士系キャラを作る上で非常に大きなアドバンテージです。

 ホブゴブリンは、他の種族から確率的に生まれてくる黒の月種族限定のウィザードみたいな立ち位置であり、基本的にゴブリンの村に混じって暮らしています。そのため、文明レベルは2で止まっています。TL2でも、剣や盾を扱う分には問題ありませんが、フレイルやクロスボウ、金属鎧といったメンテナンスが特殊だったり、複雑な構造を持つ兵装は、拾ってきても維持ができないため、使われる事はありません。


 あと、トロールなど闇の王に親衛隊として仕えているホブゴブリンであれば、王から<空手>技能や格闘動作など学んでいる可能性がありますが、そういうのは「特殊な背景」(10cp)を得て獲得して習得して下さい。そもそもトロールの存在自体が稀であり、その中からさらにそういう機会の得られるホブゴブリンは非常に稀です。大半のホブゴブリンは、ゴブリン村が行う略奪の最中に起きる戦いと、大自然の中での生存を通じて、独学で技能を習得していきます。
▲メインに戻る