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● オーク
[オーク種族セット](-15cp)
体力+1、知力-2、生命力+2(+15cp)
暗視(10cp)、鋭敏感覚2レベル(10cp)
我慢強さ(10cp)、頑健(10cp)
牙1レベル(5cp)
 <格闘>で命中判定を行う。噛みつきのダメージは「切り/突き-2」。
防護点1レベル(5cp)
 体脂肪によるもの。防護点+1。

残忍(-10cp)、優柔不断(-10cp)
狭量/黒の月の種族以外全て(-10cp)
短命2レベル(-20cp)
 寿命が人間の4分の1。5歳で成人、12歳から老化判定。
原始的L3(-15cp)
 文明レベル0。装備に大きな制限あり。
財産/赤貧(-15cp)
 初期財産200ムーナ。
読み書きができない(-10cp)
 文明レベル0なので文字の概念が存在しない。

*身長は同じ体力の人間の7割、体重は9割。
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■種族概要
 双子の月がやってくる前の、彷徨いの月を崇めていた時代のドワーフの一部が黒の月に転向し、歪んで変化した種族です。頭部は豚のようで、鼻が大きく潰れています。口からは短い牙が顔をのぞかせています。背は低く身体には分厚い脂肪が付いており、太っているように見えます。

 オークは、ドワーフの保守的な側面が歪んでクローズアップされており、卑屈な上に主体性に乏しく、自分でやりたいことを見つけられない、決断できない性質のため、支配者の言いなりになっています。支配者となるのは、大抵の場合は頭の良いゴブリンです。
 また、黒の月の種族以外に対しては「狭量」であり、支配領域外からやってきた異種族に対しては、日頃の支配者の圧制に対する不満をぶちまけるかのように、徹底的に「残忍」になります。

 彼らは狩猟・採取で生計を立てており、文明的な活動は一切行いません。主人となる種族が用意した過酷な作業は、しぶしぶとですが従います。支配者からは、戦闘も含むあらゆる肉体労働を押し付けられ、一方でその対価はほとんど受け取れず、貧相な武装しかしていません。

 オークは非常に短命であり、わずか12歳から老化が始まります。その反動で繁殖力が非常に高く、一回の出産で7~8匹生まれます。そしてわずか5年ほどで成人します。
 こうした性質のため、ゴブリンたちが奴隷として使い捨てするのに非常に都合が良く、多くの個体は寿命が来る前に過労死したり、戦闘で命を落とします。


 オークの大半は0CPで作成されますが、稀に25cpの英雄候補生が生まれることがあります。100cp生まれともなれば、(オークにとっての)真の英雄として崇められます。ごく稀ですが、誰にも隷属せずオークだけで構成された部族というのも存在し、大抵は英雄によって率いられています。



■■ 種族に多い特徴
 低い知性による無知と、優柔不断さから来る臆病な気質が元で、「臆病」を持つ個体がかなり大勢を占めています。ゴブリンに隷属しているオークたちは、ほぼ例外なく戦闘奴隷として矢面に立たされますが、大抵は「臆病」であるため、ちょっと不利になるとすぐに逃げだしてしまいます。
 また、オークたちは自分たちが愚劣である事は一応理解しており、頭の良い他人が言う事を鵜呑みにしてしまう傾向が強いようです。これは「朴訥」として扱われます。

 種族的に「残忍」ではありますが、保守的でもあるため、好んで戦いに赴くような種族ではありません。可能ならば、敵がいない平穏な環境で「怠惰」な生活を送りたいと願うオークも、特に珍しい存在ではありません。



■■ サンプル・キャラクター
 雑魚敵NPCとして用いられる一般的な個体のサンプルを挙げておきます。
■ オークの戦闘奴隷 (総計0CP)
オーク/男 5歳
身長125cm 体重61kg

■■ 能力値
(20cp)
ST12(10cp)
DX11(10cp)
IQ8(0cp)
HT12(0cp)

■■ 特徴 (0/-45cp)
オーク種族セット(-15cp)
臆病(-10cp)、くいしんぼ(-5cp)、朴訥(-10cp)、癖(-5cp)
■■ 技能 (25cp)
槍(4cp/Lv12)、斧/メイス(4cp/Lv12)、斧投げ(2cp/Lv12)、格闘(2cp/Lv12)
水泳(0.5cp/Lv10)、登攀(1cp/Lv10)、ランニング(1cp/Lv10)
生存/山岳(8cp/Lv10)、戦術(0.5cp/Lv5)、地域知識/地元の洞窟(1cp/Lv8)、忍び(1cp/Lv10)

■■ 装備 総重量6.5kg(無荷) 所持金20ムーナ
スピア($40 2kg) Lv12 刺し1D+2(長さ1-2)
ハチェット($40 1kg)×2 Lv12 切り1D+2(長さ1) 抜撃11 正確さ+1 射程18/30m
毛皮($60 2.5kg)

■■ 身体能力
格闘:パンチ/キック Lv12/10 叩き1D-2(長さC,1)/叩き1D(長さ1)
移動力=7 能動防御=よけ:6/受け:6(格闘:8)/止め:-
受動防御/防護点=0/2
【設定】
 ゴブリン村でこき使われている、平均的なオークの奴隷です。外を探索して食糧を持ちかえったり、肉体労働に駆り出されたりといった生活を送っています。

 基本的に臆病な性格で、何事もなければ現在の平穏な生活を送りたいと願っていますが、支配者であるゴブリン達は事あるごとに「近くの人間の村を襲撃して生贄を確保しよう」とか「あの洞窟にお宝がありそうだから探索しよう」などといった理由で、オークたちを動員して危険に挑もうとします。ですが、そういう行事で最初に犠牲になるのは決まってオークたちなので、できればそういうのは止めてほしいと思ってます。しかし、魔獣王に生贄を捧げて新たな暗黒魔法を授かろうと躍起になっているゴブリンたちは聞く耳を持ちません。

 人間ならば、いずれ反乱が起きて社会体制が崩壊する案件なのですが、オークたちは反乱を計画して実行するだけの知性や決断力に乏しく、オマケに寿命が短いため、とりあえず生きてる間に自分が犠牲にならなければいいや…と、ほぼ諦めの心境です。
[原作からの変更点]
 オークが奴隷種族なのは、種族セットに含まれている不利な特徴(性格)が原因です。決断力に欠け、しかも内向的なので、他人にいいように使われて使い捨てられる運命となっています。しかし、肉体的に見ると決して無能な種族ではなく、鋭敏感覚のレベルが高い事もあり、歩哨などには適性があります―――結局、奴隷向きの能力ですが(笑)。

 これまで出版された資料では、「オークは臆病」と必ず書かれていたのですが、実際には種族セットには「臆病」は入っていた事はなかったりします。なので、英雄クラスのオークであれば、勇敢に戦う事もあるでしょう。まあ、そういうのはごく稀な存在ではありますが。
 たとえ特徴に「臆病」が入ってなくとも、実際に戦闘力が低ければ、生物として当たり前のように備わっている生体防御反応として、臆病になるのは当然の事です(人間の25cpの一般人だってそうでしょう)。


 改変ルールでは、文明レベル0の石器時代として扱われているため、ほとんどの装備が使えません。以前、公開していた前身サイト「Raid the Moon」で少し勘違いをしていたのですが、受動防御を上げる「シールド」なんですが、実は文明レベル2以上の装備です(ベーシックの文明レベルの項目にしっかり書かれてます――見落としてました)。
 そのため、石器時代のオーク社会では、盾の概念がなかったりします。彼らは剣や鎧だけでなく、盾の装備もできないことになります。これは大きなハンデと言えます。装備している武装と言えば、刃の部分を石で作った斧やメイス、手槍やポールアームなどに限定されます。

 盾というと、素人が見ると木の板に取っ手をつけただけに見えるのですが、実際は木製の土台に薄い金属層を挟み、さらにその上を頑丈な動物の皮で覆っています…要するに、現代の戦車の装甲板に使われているリアクティブ・アーマーのごとく、凝った作りの複合素材装甲なんですよ。こういうのは、ある程度の文明力がないと作り出せないわけです(ただの木の板では、斧などの一撃を一回受けただけで簡単に割れてしまいます)。

 なのでオークたちは、「冬服」扱いの毛皮を身に纏い(TL0では鎧の概念もありません)、生得能力である脂肪による防護点を加算した「防護点2」だけで生き延びねばなりません―――なかなかのウルトラハード・モードな人生ですね(笑)。


 主要な<源人の子ら>の種族のほとんどは、黒の月の圧倒的な力の前に屈して転向者を出していますが、ドワーフが一番悲惨な結果になっている気がします。彼らが黒の月に宗旨替えした最大の理由は「とりあえず最強の連中の陣営に鞍替えしておけば、自分たちが死ぬことはないだろう」―――といった、非常に消極的な理由だと思われます。

 ところが蓋を開けてみれば、双子の月がやってきてあっと言う間に形勢は逆転し、黒の月陣営は敗者として辺境を彷徨うハメに。その事が原因で、ますますモチベーションが下がったのかもしれません。ドワーフの転向者だけが、黒の月陣営で最も下層の奴隷種族になってしまいました。
 まあ肉体面を見れば、決してゴブリン程度に制圧されるような性能でもないので、精神面の脆さを克服すれば、あるいは奴隷階級から脱却する可能性もあるかもしれません―――そんな時代がやって来るのか、どこの神がそんな風に導いてくれるのか、ルナル世界の情勢を見てると怪しいものですが。




 彼らオークの設定を見ていると、現代のブラック企業にこき使われて死ぬだけの団塊ジュニア世代以降の若者とダブります。日本という国も、着実にルナルの黒の月の陣営と同じ、破局の道を進んでいます(奴隷制度の横行は、確実に文明の発展から遠ざかります)。
 そして、それが現実問題として顕著化する頃には手遅れです。日本を始めとする先進国では、既に「少子化」という形ですでに顕著化しています。

 管理人には、オークの境遇がとても他人ごとには思えないのでした。
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