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● オーガー
[オーガー種族セット](45cp)
体力倍増1レベル(50cp)
敏捷力-1、知力-3、生命力+4(+15cp)
鋭敏感覚3レベル(15cp)、我慢強さ(10cp)、頑健(10cp)
牙3レベル(15cp)
 <格闘>技能で命中判定。噛みつきのダメージは「切り/突き」。
防護点2レベル(10cp)
 強靭な皮膚と皮下脂肪によるもの。防護点+2。

バーサーク(-15cp)
嫌な行動/悪食(-15cp)
 生物であれば何でも食べる(食人行為を含む)。同族とトロールのみ手を付けない。
原始的L3(-15cp)
 文明レベル0。装備に大きな制限あり。
財産/赤貧(-15cp)
 初期財産200ムーナ。
読み書きができない(-10cp)
 文明レベル0なので文字の概念が存在しない。

*身長は倍増前の体力を基準に、同じ体力の人間の1.5倍、体重は3倍
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■種族概要
 直立した野獣のような巨人族です。頭部がカバや牛や虎など、獣のものになっており、全身は厚い皮膚と皮下脂肪で守られています。
 元となった種族は知られていません。一説では、ウーティのような巨人系の彷徨いの月の種族か、あるいは白き輪の月を崇める巨人族のうち、一眼巨人(サイクロプス)のような知性の低い種族が歪みに捕われたのではないかとか推測されていますが、元種族の知性や文化レベルが低かったためか記録が残っておらず、真相は不明です。

 種族の性格は、倫理観が乏しいことを除けば享楽的であり、率先して複雑な悪事を働くような連中ではありません。普段は歌や踊りを好み、彼らなりのゲームを楽しんでいます。ただしキレると狂化(バーサーク)する性質があり、見境がなくなります。
 また食事に関して非常に悪食であり、人間を始めとする<原人の子ら>の肉を非常に好み、腹が空いたら人間でもゴブリンでもなんでも手近にいる者を食べます。ただし、同族とトロールだけは手を付けません。

 種族としての文明レベルは0であり、草原や荒野で石器時代レベルの狩猟・採取生活を行っています。たまに石器や木材武器を持つこともありますが、適当な形状の石をひもでくくりつける程度であり、細かい加工はしません。
 普通のオーガーは戦闘になると対象に素手で組み付き、牙で噛みついて生きたまま食べようとします。組み付きが無理な場合(敏捷力が高い相手など)はまず武器を振るい、負傷させて対象の動きを止めようとします。

 ある程度賢い個体は、むやみやたらと目についた人間を食べたりせず、ゴブリン村やソーサラーなどの護衛をやりつつ、闇タマットなどを通じて人間社会との交流も持っています(金さえあれば安全に「肉」を得る手段もあるわけです)。最近では、酒や煙草などの嗜好品に耽る個体も見受けられます。
 ただし、こういう文明物で武装している個体は比較的稀な存在であり、普通のオーガーの大半は、荒野で原始的な生活をしています。

 荒野に住むオーガーはたいてい2~3匹で群れており、ほとんどが兄弟姉妹で非常に仲が良いため、ある程度の連携戦術を取ります。繁殖期になると同族同士で兄弟と姉妹のグループが集まり、集団結婚を行います。
 オーガーの寿命は人間と同程度ですが、長男・長女が10歳の時点で親元を離れ、兄弟姉妹だけで行動するようになります(未熟でも生きていくのに十分な怪力を持っているためです)。


 平均的なオーガーは50CPで作成されます。たまに現れる頭の良い個体は、通常は100cp以上の英雄候補生です。



■■ 種族に多い特徴
 彼らは自身のタフさに自信がある上、全体的に動きが緩慢であり、リアクションの遅さには定評があります。これは「自信過剰」として扱われます。俊敏に動くオーガーというのはごく少数で、とりあえず行動に移る「直情」のオーガーはあんまりいません。

 草原で暮らすオーガーの大半は「怠惰」な生活を送っており、草食動物の群れや、通りすがりの人間の旅人相手にシューティング・ゲームと称して岩投げの的にして遊び、それで狩られた哀れな対象を「今晩のおかず」にするような、場当たり的な生活を送っています。食い意地の張った「くいしんぼ」の個体も大勢おり、獲物が目に入ったら、何でもかんでも食べようと襲い掛かってきます。
 ちなみに兄弟の仲は非常に良好で、ほとんどの個体は成長する過程で「義務感/家族」(-5cp)を獲得します。

 なお、ゴブリン村や闇タマットなどと交流のある知的なオーガー(知力8以上)に武装させる場合、「原始的」を2レベル分だけ買い戻して下さい(「特殊な背景」(10cp)として扱い、TL2までの装備が運用可能になります)。



■■ サンプル・キャラクター
 雑魚敵NPCとして用いられる一般的な個体のサンプルを挙げておきます。
■ オーガーの放浪者 (総計50CP)
オーガー/男 15歳
身長260cm 体重204kg

■■ 能力値
(20cp)
ST20(0cp)
DX11(20cp)
IQ7(0cp)
HT14(0cp)

■■ 特徴 (45/-45cp)
オーガー種族セット(45cp)
くいしんぼ(-5cp)、自信過剰(-10cp)、怠惰(-10cp)、朴訥(-10cp)、義務感/兄弟(-5cp)、癖(-5cp)
■■ 技能 (30cp)
斧/メイス(2cp/Lv11)、両手斧/メイス(2cp/Lv11)、格闘(2cp/Lv12)、投げ(8cp/Lv12)
水泳(0.5cp/Lv10)、登攀(1cp/Lv10)、ランニング(0.5cp/Lv11)
生存/草原(10cp/Lv10)、地域知識/地元(2cp/Lv8)
歌唱(1cp/Lv14)、踊り(1cp/Lv10)

■■ 装備 総重量11kg(無荷) 所持金10ムーナ
棍棒(メイス扱い$50 2.5kg) Lv11 叩き4D(3D+4)(長さ1)
丸太(モール扱い$80 6kg) Lv11 叩き4D+2(3D+6)(長さ1-2)
毛皮($60 2.5kg)

■■ 身体能力
格闘:パンチ/キック Lv12/10 叩き2D-2(長さC,1)/叩き2D(長さ1)
投石 Lv12 叩き2D-2 抜撃ち12 正確さ0 射程40/70m
移動力=7 能動防御=よけ:7/受け:5(格闘:8)/止め:-
受動防御/防護点=0/3
【設定】
 荒野を彷徨うオーガーです。大抵は2~3人の状態で群れて行動しています(これらは兄弟姉妹です)。身体には熊の毛皮を纏い、腰には棍棒を携えています。普段、腰掛け椅子代わりに使っている頑丈な丸太は、武器としても使えます。

 基本的に荒野で狩りをしながら日常生活を楽しんでいるだけですが、不幸にも通りすがった旅人などがいると、面白がって石を投げつけ、当たって死んだら食糧にするといった事を日常的にやってます。そのため、<投げ>技能にかなり入れ込んでおり、不器用な割にはなかなかの腕前を誇ります。
 そして収穫があった日の夜は、焚き火で獲物をあぶり焼きにしながら、踊り歌うのが彼らの娯楽となっています。

 ワンダリング・モンスターとして登場させる事を想定していますが、近接戦闘を行うとかなりの脅威となってしまうため、基本的には武器を振るわせた方がいくらか脅威度は低くなるはずです(それでも当たれば一撃で瀕死でしょうが)。
 オーガーは鋭敏感覚3レベルを持っているため、知力7といえども感知能力は人並み(目標値10)にあります。PC(プレイヤー・キャラクター)が<忍び>などで不意を突く際は、気をつけた方が良いでしょう。
[原作からの変更点]
 オーガーは気質だけを見ると、必ずしも邪悪とは言えない種族です。
 彼らを「邪悪」にしているのは「食性」であり、彼らにとっては同族とトロール以外は全て「食べ物」に見えてしまうため、カニバリズム(食人)などの忌避行為を誘発するわけです。しかし当人たちは「普通に食事をしてるだけ」であり、意図的に邪悪な行為を働いてやろうとしているわけではないんですな。
 だがそのせいで、改心させる事も難しく、「見境なく狩る行為は自分の寿命を縮める」と理を持って説く以外、止めさせる方法がありません。しかし、大半のオーガーは知力7しかない上に野生動物と同じ生活をしているため、それを理解させるのも至難の業で、食われるリスクを冒して説得したからと言って、あんまりメリットもありません。

 結果として、オーガーに対するリアクションは自然界の「野生の掟」が適応され、ただのモンスターとして討伐される運命にあり、「知的生命体」として交流する機会は通常ありません。よほど頭の良い個体が相手であれば、話を理解させる機会がないとも言えませんが、食われないように安全対策を練った上でないと賢明な行為とは言えません(いつ「腹が減った」「お前、食う」とか言って掴みかかって来るかも分からないので…)。
 なお、ゴブリン村や闇タマットが相手にするのも、基本的に頭の良い「聞き分けの良い」個体だけです。


 オーガーはオークと同じく文明レベル0扱いであるため、装備は石の斧とか丸太(モール扱いでいいでしょう)といった原始的なものに限定されます。鎧も毛皮(冬服扱い)で決まりです。
 しかし、同様の属性のオークとは異なり、怪力と異様なタフさを兼ね備えている上、ちょっとでもダメージが発生すると高確率で「バーサーク」が発動してしまうため、まともに正面から相手にするのは、かなり危険な相手です。可能な限り、戦いを回避する方向性で行った方がよいでしょう(知力抵抗系の呪文で退去させるなど)。

 黒の月の軍勢の一員として登場させる場合、武装させて使い捨ての「戦車」として、最前線でバーサークさせるのもよいのですが、安価な肉体労働者としても使えます。特に、馬がなくても彼らを動員すれば同様のことができるため、例えば馬車や攻城兵器の運搬を彼らにやらせたりといったことが可能になります―――映画「ロード・オブ・ザ・リング」のトロル族の扱いが参考になるでしょう。
 映画の中では、車両の牽引だけでなく、巨大な黒門の開閉装置の一部として使われていたりしました…もっとも、門の開閉を担当していたトロルは、奴隷みたいな扱いになってましたが。


 オーガーは見境なく何でも食べる一方、同族とトロールにだけは手を出しません。同族はまだ分かるのですが、外見がほぼ人間と同じトロールに手を出さないのは、経験的にかなう敵ではない事を知ってるというのではなく、おそらく遺伝子レベルでトロールを「同族」と見なしているから―――だと、管理人は考えます。
 黒の月のエリート種族たるトロールは、<悪魔>戦争時代のダークサイドの英雄<最初にして最大の邪術師>黒のゴーソンによって、幾多の種族を掛けあわせて作り出された人工種族であり、その中には怪力属性を付与する目的でオーガーの遺伝子も入っていたのではないでしょうか。
 あんまり頭が良くないオーガーたちが、理性ではなく本能で忌避する行為というのは、遺伝子による本能の呼びかけがあるからと考えるのが妥当です。
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