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● ソーサラー
[ソーサラー種族セット](25cp)
敏捷力+1、知力+1、生命力-2(+5cp)
魔法の素質L3(35cp)
生得魔法/《魔法感知》(4cp)
 生得能力として《魔法感知》の呪文を使える。魔術具なしで使用可能。
後援者/<悪魔>(30cp相当/頻度:稀)(15cp)
 「極めて強力な個人(15cp)」「特殊能力持ち(+10cp)」「有用なサービスの支給(+5cp)」の後援者として扱われる。「有用なサービス」として呪文レベルにボーナスを与えてくれる。その他、まれだが<悪魔>の召喚・封印の方法や呪文そのものを教えてもらえる。

不妊(-5cp)
 元種族に応じた行為自体は可能だが受精能力を失う。
魔術具がないと習得呪文が使えない(-20cp)
 <<悪魔>の召喚>と<<悪魔>の封印>で魔術具を作り出す事から始める。
<悪魔>変身(-15cp)
 1回目は元に戻るのに特に制限なし。2回目は<悪魔>との意思の即決勝負に成功すれば元に戻れる。3回目の変身で戻れなくなり、心も体も完全に<悪魔>に乗っ取られる(事実上の死亡)。危機的状況や心理的に弱まっている時に<悪魔>から変身を勧められる。意志判定に成功しないと説得されて変身能力を使ってしまう。

<神秘学>を知力に等しいレベルで習得済み(2cp)
<考古学>を知力に等しいレベルで習得済み(4cp)

*身長は同じ体力の人間の身長+5センチ。体重は9割。
▲種族解説へ
■種族概要
 黒の月から飛来する<悪魔>はエネルギー生命体であり、地上において肉体を得れば、凄まじい力を発揮します。この力の部分だけを利用しようと<悪魔>を召喚し、使役するのがソーサラーです。無論、<悪魔>とはそんな生易しい存在ではなく、隙あらば術者の肉体を乗っ取り、地上で破壊の限りを尽くそうとする害悪でしかないのですが。

 広義の意味でのソーサラーとは本来、とにかく<悪魔>の力を借りて呪文を行使したり、<悪魔>に一時的に肉体を貸し与えて暴力を振るう者たちの総称です。<悪魔>は白き輪の月の<天使>と同じくアイテムに込められて使われますが、この邪術具さえあれば、召喚者でなくともソーサラーになる事が可能です。
 そのため、広義のソーサラーは<悪魔>召喚の儀式や封印法をそもそも知らない事が多く、たまたま得た邪術具で有頂天になっている存在と言えます。
 このあたりの概念が誤解を受けたのか、黒の月の種族が魔獣王の加護を受けて暗黒魔法を行使する場合も「広義のソーサラー」と呼ばれるようになりましたが、厳密には彼らはソーサラーとは違います(黒の月の力を借りているのは違いないのですが、暗黒魔法はソーサラーになるための「入門編」に過ぎません)。

 狭義のソーサラーは基本的にウィザードの素養者であり、生まれついての存在です。ルナル史上初のソーサラーは<最初にして最大のソーサラー>「黒の」ゴーソンと言われており、元々はウィザードだった人物が<天使>を破棄して<悪魔>を召喚した事が始まりだったと言われています。以後に現れたソーサラーの多くも、より強大な力を欲するあまり、<天使>の代わりに<悪魔>を呼び出して魔術を行使し始めた「堕ちたウィザード」です。
 <悪魔>戦争から1000年立った現在では、生まれた赤ん坊の素養者を師匠たるソーサラーが引き取り、最初から生粋のソーサラーとして育てられるケースもありますが、これはどちらかというと珍しいケースであり、大抵は師匠が自分にとって都合の良い人材を求めてやる事です。
 しかし、ソーサラーの弟子が師匠に忠実であり続けることなどまずありえないことで、程度の差はあれ、師匠にとって代わろうと企んでいるのが普通です…もっとも、現状の待遇が良いと反乱も面倒なので、師匠が勝手に危機的状況に陥っていたら見殺しにして後を継ぐといった程度の、意識低い系の弟子もいるようですが。

 ウィザードの素養者が人間だけではないように、他の種族出身のソーサラーも存在します。
 人間の次に多いのが、黒の月の種族のゴブリンです。族長から何らかの手段(盗んだり殺して奪ったり)で邪術具を手に入れて、魔獣王から魔元帥へと信仰対象を鞍替えするのが良くあるケースです。
 その次に並ぶのは、エルファからゲルーシャへと変身し、そこからさらに<悪魔>が宿った邪術具を手に入れ、魔術を自在に行使するようになったゲルーシャ・ソーサラーでしょう。

 広義のソーサラーの例にあるように、ソーサラーは生まれついてではなく、後天的になる事が可能な種族でもあります。例えば、秘密裏に<悪魔>教団に入信する人間たちは、ただソーサラーに魔法の力を借りたいというだけではなく、自身も後天的なソーサラーとなって、自在に魔術を振るいたいと願う者も少なからず含まれているのです。
 ただし教団側のソーサラーの側も、力を与えた瞬間に反乱を起こしたり、簡単に<悪魔>に意識を乗っ取られてしまい、変身して破壊の限りを尽くされたりすると、教団の存在が社会の明るみに出てしまい、色々と損害を被るハメになるので、安易に<悪魔>を与えてくれる事はありません。
 そのため、教団主のソーサラーに忠実で、知性や自制心が非常に高く、信頼にたる人物にのみ<悪魔>が与えられ、後天的にソーサラーになる機会があります。
 ただし、教団がガヤン神殿のガサ入れに合い、教団主が逃げるための時間稼ぎと称して、愚かだが忠実な教団メンバーに即物的に<悪魔>を与え、変身させて暴れさせるといった、使い捨て目的で<悪魔>を与えるような行為も、しばしば見受けられますが。


 狭義のソーサラーはほぼ人間種族出身であり、最低ランクの弟子でも150cpで作成されます。<悪魔>教団を運営し、弟子を抱えている師匠のソーサラーは、200cp以上の大物であることが普通です。
 一方、たまたま邪術具を手にして後天的にソーサラーになった者(ゴブリンやゲルーシャなど)は、100cp程度であることが多いようです。ソーサラーを導くのは、邪術具に宿る<悪魔>自身なので、魔術師としてあまり適切に教育されておらず、我流で歪んだ成長をする者が多く、正規のソーサラーに比べるとどうしても実力的に一歩劣るところがあるようです。

 ソーサラーの中には、ウィザードと同じく「魔術による不老」の特徴を得て年月を経て、350cp以上になっている者も存在します。しかし、長生きすればするほど<悪魔>の誘惑に負ける確率が跳ね上がるため、数百年生きながらえて堅実に実力を蓄えているようなソーサラーというのは、かなり稀な存在です。即物的に力を得てあっさり滅びていくのが、正しい(?)ソーサラーのあり様でしょう。



■■ 種族に多い特徴
 狭義のソーサラーはウィザードからの転向者が多いため、基本的にはウィザードに準じますが、力の誘惑に負けて手段を選ばなくなり、他人の忠告など聞かなくなっているため、「高慢」な人物が多いようです。力を独占したいあまり、「狭量」や「偏執狂」になり、異様に注意深かったり、極端に秘密主義な者も大勢います。
 また、「残忍」や「サディスト」など生来より歪んだ性質を持つ者は<悪魔>の大好物であり、
喜んで力を貸してくれます。

 ソーサラーは人間社会において、基本的に発見され次第、即刻処刑されるのが普通です(ガヤンの法廷に出る機会すらありません…裁判官が魔法で操られる可能性があるためです)。そのため、人間社会の裏社会で活動しているソーサラーは「被差別集団/ソーサラー」(一般社会からの反応-4。同じ裏社会の人間からは畏怖されるので+4)(-20cp)を持ちます。同時に「敵」としてガヤン神殿に指名手配されているのが普通です(人間社会で活動しているソーサラーは、必ず人々の記憶に残ります)。
 ただしこうした特徴は、荒野に居を構えて単独で研究していたり、黒の月の種族の部落の長などに収まっている場合は適応されません。ゴブリン・ソーサラーなど、一部は人間の裏社会で活動していたりもしますが、その多くは黒の月の社会で族長などになるのが普通です(人間社会では排除対象でも、黒の月の社会ではただの支配者扱いです)。
 しかしそういったソーサラーでも「研究素材に使うために周辺で罪のない民間人を誘拐している」などといった行為を行っていると、やはり近所の町のガヤン神殿に「敵」として指名手配される事になるでしょう。

 また、人間の<悪魔>教団入信者が、教団主に<悪魔>を下賜されて後天的にソーサラーになった場合、表向きの地位(入信者だの神官だの)を持つ場合があります。この場合、ソーサラーである事は「秘密/死」(-30cp)に相当します(秘密が露呈すると「被差別集団」や「敵」に置き換わります)。
 なお、<悪魔>教団に属して魔法の恩恵を授かってるだけで、まだソーサラーではない下っ端メンバーの場合は「秘密/完全拒絶」(-10cp)扱いであり、ガヤン神殿に見つかっても拘禁された挙句に前科持ちになりますが、処刑されるわけではありません(<悪魔>に直接汚染されてないのであれば、一応は「更生の余地あり」とされます)。


 いずれにせよ、ソーサラーがどの社会に属し、どの程度の活動をしているかによって、獲得できるCP量が大きく異なります。そのため、ソーサラーの不利な特徴は-40cp制限枠にとらわれることなく、-80cpまで延長して構いません。不利な特徴の半分程度は、そうした社会的背景によって得た「敵」や「身分」によるものとなります。
■■ 種族独自の特徴
●魔術師の名誉
(-15cp)
 ウィザード独自の特徴と同じものです。堕ちたウィザードが時々所持していますが、生粋のソーサラーがこの特徴を持つ事はほとんどありません。


●後援者/師匠(cpさまざま)
 裏切る前のソーサラーの弟子が持っている事がありますが、基本的にはソーサラーとして一人前になったら、1人の術者として独立する(放り出される)のが普通です。この特徴を持つ弟子は、よほど師匠から愛されているのでしょう(主に愛玩具として)。


●特異な体形
 元ウィザードや生粋のソーサラーの場合、生まれつき特殊な身体部位を持つ事があります。以下、特異な体質の例を紹介しておきます。

・余計な部位(-5cp)
 ネコ耳、ウサギ耳などが付いていたり、頭から角が生えていたりします。特にペナルティはありませんが、有利な修正もありません。一般人とは見た目が違うので、NPCの反応に-1修正が課されます。

・生殖可能(5cp)
 元種族の生殖機能が残っています。然るべき行為を行えば、出身種族として子孫を残す事も可能です。女性ソーサラーならば妊娠できます。

 また、これと合わせて性に関する特徴(好色など)を取る事も可能で、色恋沙汰に関しても感情的に理解できるようになります。第6師団ザンガーニを崇めるソーサラーは、この特徴を残しているのが普通です。

・獣の瞳(5cp)
 瞳孔が夜行動物と同じ構造です。「暗視」の特徴を得ますが、同時に「赤緑色盲」でもあり、明るい場所での色の識別ができなくなります。

・関節過多(-5cp)
 腕と手の間、膝と足の間にもう一つ関節が存在します。生存に支障はなく「柔軟」の特徴を得られますが、見た目も動きもかなりおかしくなるため、NPCの反応に-2修正が付きます。


●契約による特異な体形
 ソーサラーは、契約した<悪魔>が所属する師団に相応しい姿へと後天的に変貌していきます。これらは、師団の教義に応じてある程度決まった方向へと変化します。以下、各師団を崇めた際に獲得可能な体形変化を紹介します。これらは必ず獲得せねばならないわけではなく、必要に応じて(当人が欲しい能力を選んで)自由に獲得可能です。

[第8師団 腐敗の魔元帥ヌラチャク]
 ソーサラーの身体のあちこちが腐敗し始めます。ただし当人の活動に影響はなく、むしろ恩恵すら発生します。「毒無効」(15cp)、「病気耐性」(10cp)といった加護が獲得可能です。

[第7師団 血の魔元帥ガルダ]
 ソーサラーの身体全体が毛皮や鱗で覆われ、牙や鉤爪が生えてきます。「牙」(5cp 切り/突き-2)、「鉤爪1レベル」(15cp パンチ、キックのダメージ+2)、「鉤爪2レベル」(40cp 切り/振り or 刺し/突き)といった加護が獲得可能です。

[第6師団 淫靡の魔元帥ザンガーニ]
 ソーサラーは非常に美しい肉体を得て、瞳や髪、皮膚の色合いを自由に設定できるようになります。また、性別を変更できます。「性別変更」(5cp)、「容貌」(現在の容姿から獲得する容姿に必要なCPの差額分)といった加護が獲得可能です。

[第5師団 貪欲の魔元帥トルトカ]
 ソーサラーの身体は異様にやせ細り、干からびたミイラのようになっていきます。「翼による飛行」(30cp)、「くちばし(牙のバリエーション)」(5cp 切り/突き-2)といった加護が獲得可能です。

[第4師団 妬みの魔元帥テクラ]
 ソーサラーは身体全体が昆虫のようになっていきます。目が複眼になったり、脇腹から役に立たない虫の脚が生えてきます。また、殻に覆われ始めます。「防護点(殻によるもの)」(5cp/1レベル)、「受動防御(殻によるもの)」(25cp/1レベル)といった加護が獲得可能です。

[第3師団 眩惑の魔元帥ハーディリータ]
 ソーサラーは身体が小さくなり、全体的に子供っぽくなります。また、不思議な雰囲気を纏うようになります。「カリスマ」(5cp/1レベル)、「縮小1レベル」(25cp)、「分身」(30cp いつでもパワーレベル5の《ぼやけ》を発動可能/消費コストなし)といった加護が獲得可能です。

[第2師団 屍の魔元帥ゾーンネル]
 ソーサラーはアンデッドそのものへと変化していきます。「我慢強さ」(10cp)、「飲食不要」(10cp)、「呼吸不要」(25cp)、「睡眠不要」(20cp)といった加護が獲得可能です。

[第1師団 歪みの魔元帥シファール]
 ソーサラーの身体を構成する物質が、肉以外の別の物質へと変化します。液体や土、石で肉体が構成されたゴーレムのような容姿へと変貌します。「液体の体」(10cp)、「土の体」(35cp)、「石の体」(6cp/1レベル)といった加護が獲得可能です。

なお、各加護の詳細は「ガープス・妖魔夜行」の妖力の項目を参照して下さい。


●魔術による不老(10cp)
 ウィザードと同じように、治癒系呪文の奥義や<錬丹術>によって寿命の枷から無縁の存在になっています。この特徴を獲得すると、技能に費やせるCP制限(年齢の2倍)を無視できるという特典があります。 外見年齢は術者の好きに決められます。

 この特徴を取るためには、実際に不老になるための手段を使える状態にしておく必要があります。最低でも自前で<老化停止>or<若返り>の呪文を15レベル以上で習得しているか、あるいは<錬丹術>を20レベル以上で取得している事が条件となります(「若返り」のエリクサーの作成時に-8の修正がかかるため、必要レベルが高く設定されています)。

 なお、術者はいつでも好きな時にこの特徴の喪失を宣言し、普通に老化して死ぬ道を選ぶことが可能です。もっとも、ソーサラーの場合、意思判定にファンブルして<悪魔>に乗っ取られるか、ガヤン神殿の断罪の剣を受けて死ぬのが普通でしょうが…


●使い魔(cpさまざま)
 魔術具を作る際に召喚する<悪魔>を、道具ではなく生き物に封入する事で、忠実な僕を作る事が可能です。詳細はウィザードの「使い魔」の項目を参照して下さい。なお、<悪魔>を封入された使い魔は、必ず「独立心」を備えています。


●後天的なソーサラー(cpさまざま)
 人間以外の種族出身のソーサラーが存在しますが、それらは基本的に生まれつき導かれたのではなく、何らかのルートで<悪魔>が宿った魔術具を入手し、後天的にソーサラーになった者たちです。また、双子の月を崇める人間が、<悪魔>教団などを通じて<悪魔>の力を手にした場合も、後天的なものとして扱われます。
 彼らもまたソーサラーではありますが、元種族の特性を強く残しており、師匠に正しく導かれたわけではないため、魔法感知能力が発現していなかったり、<神秘学>や<考古学>といった「魔術を極める者であれば知っていて当たり前の基礎教養」が欠如していたりと、不完全な存在です(結局のところ最強のソーサラーとは、人間出身の堕ちたウィザードか、生まれついて導かれた生粋のソーサラーなのです)。
 以下は、後天的なソーサラーを作成する際の基本セットです。


[後天的ソーサラー基本セット](+15cp)
魔法の素質L3(35cp)
後援者/<悪魔>(30cp相当/頻度:稀)(15cp)
 「極めて強力な個人(15cp)」「特殊能力持ち(+10cp)」「有用なサービスの支給(+5cp)」の後援者として扱われる。「有用なサービス」として呪文レベルにボーナスを与えてくれる。その他、まれだが<悪魔>の召喚・封印の方法や呪文そのものを教えてもらえる。


魔術具がないと習得呪文が使えない(-20cp)
 <<悪魔>の召喚>と<<悪魔>の封印>で魔術具を作り出す事から始める。
<悪魔>変身(-15cp)
 1回目は元に戻るのに特に制限なし。2回目は<悪魔>との意思の即決勝負に成功すれば元に戻れる。3回目の変身で戻れなくなり、心も体も完全に<悪魔>に乗っ取られる(事実上の死亡)。危機的状況や心理的に弱まっている時に<悪魔>から変身を勧められる。意志判定に成功しないと説得されて変身能力を使ってしまう。


 人間が後天的にソーサラーと化した場合、単純に上記のセットを獲得します。元から魔法の素質を持っていた場合、その分だけCPが払い戻され、別の場所に再投資できます(基本セットの支払いに使ったり、知力を上げたり、呪文習得にCPを費やすとよいでしょう)。
 なお、異種族のソーサラーも同様の処理がなされます。よく登場する異種族のソーサラー種族セットも提示しておきます。


[ゴブリン・ソーサラー](25cp)
体力-1、敏捷力+1、知力+1(+10cp)
暗視(+10cp)、鋭敏感覚2レベル(+10cp)
魔法の素質3レベル(35cp)
後援者/<悪魔>(30cp相当/頻度:稀)(15cp)
 「極めて強力な個人(15cp)」「特殊能力持ち(+10cp)」「有用なサービスの支給(+5cp)」の後援者として扱われる。「有用なサービス」として呪文レベルにボーナスを与えてくれる。その他、まれだが<悪魔>の召喚・封印の方法や呪文そのものを教えてもらえる。


盗癖(-15cp)
強迫観念/魔法に対する偏愛(-5cp)
 テクノロジーよりも魔法に執着している。
魔術具がないと習得呪文が使えない(-20cp)
 <<悪魔>の召喚>と<<悪魔>の封印>で魔術具を作り出す事から始める。
<悪魔>変身(-15cp)
 1回目は元に戻るのに特に制限なし。2回目は<悪魔>との意思の即決勝負に成功すれば元に戻れる。3回目の変身で戻れなくなり、心も体も完全に<悪魔>に乗っ取られる(事実上の死亡)。危機的状況や心理的に弱まっている時に<悪魔>から変身を勧められる。意志判定に成功しないと説得されて変身能力を使ってしまう。

*身長は同体力の人間の6割、体重は5割。


 とりあえず<悪魔>から「読み書き」の能力が与えられます(これがないと学問としての魔法を習得できないためです)。また、テクノロジーに興味はなくとも、エルファのような最新の魔法文明を理解するようになるため、「原始的1レベル」は買い戻されます。


[ゲルーシャ・ソーサラー](15cp)
体力-1、敏捷力+1、知力+1(10cp)
魔法の素質L3(35cp)
闇視(25cp)
 光源不要で完全なる闇も見通せる。
獣化症耐性(5cp)
 獣化症に決してかからない。その他、変身タイプの病気や呪文抵抗に+2修正。
不老(15cp)
 寿命がなく、事故や戦闘で殺されない限り、生き続ける。
後援者/<悪魔>(30cp相当/頻度:稀)(15cp)
 「極めて強力な個人(15cp)」「特殊能力持ち(+10cp)」「有用なサービスの支給(+5cp)」の後援者として扱われる。「有用なサービス」として呪文レベルにボーナスを与えてくれる。その他、まれだが<悪魔>の召喚・封印の方法や呪文そのものを教えてもらえる。


残忍(-10cp)、サディスト(-15cp)、偏執狂(-10cp)
強迫観念/育児ができない(-5cp)
 自分と血が繋がっている子供に対して親の情が湧かず、育児ができない。「性的不能」の亜種として扱う。
狭量/エルファ(-5cp)
 この種族とは一切の妥協ができない。遭遇したら殺し合い以外に道はない。
酷い妄想/万物は破壊されるべき(-15cp)
 生産したり他人を助けるといった行為を嫌悪し、常に破壊の方向へと進む。
癖/群れる事を非常に嫌う(-1cp)
魔術具がないと習得呪文が使えない(-20cp)
 <<悪魔>の召喚>と<<悪魔>の封印>で魔術具を作り出す事から始める。
<悪魔>変身(-15cp)
 1回目は元に戻るのに特に制限なし。2回目は<悪魔>との意思の即決勝負に成功すれば元に戻れる。3回目の変身で戻れなくなり、心も体も完全に<悪魔>に乗っ取られる(事実上の死亡)。危機的状況や心理的に弱まっている時に<悪魔>から変身を勧められる。意志判定に成功しないと説得されて変身能力を使ってしまう。
<登攀>を敏捷力に等しいレベルで習得済み(2cp)
<動植物知識>を知力に等しいレベルで習得済み(4cp)

*身長は同じ体力の人間の1割増し、体重はそのまま。


 ゲルーシャ種族セットに既に「魔法の素質1レベル」(15cp分)が含まれているため、ソーサラー化してもセットCPは変わりません。



■■ 独自の武器
●邪術具
 ウィザードの魔術具と同じく、<<悪魔>の召喚>技能で召喚した悪魔を<<悪魔>の封印>技能で道具に封じ込めることで、邪術具が完成します。これがないと、ソーサラーは習得した呪文を使用することができません。

 邪術具は魔化の一種として扱われ、<悪魔>の召喚と封印を行う作業は「エネルギーコスト10の魔化呪文を使った」とみなします。ただし現在、黒の月は双子の月の強力な結界の中にあるため、この魔化は「ゆっくり確実な魔化」でしか行えません(10日間、毎日8時間の儀式を行わねばなりません)。そのため、ソーサラーにとって召喚した<悪魔>は貴重な存在であり、気軽に他人に渡してソーサラーを増やすといった使い方は、普通はしません。
 なお、召喚素材として150ムーナ相当の魔法的な素材(魔力が籠った石。大抵は1点のパワーストーンを砕いて使います)が必要です。
 以上を踏まえて、邪術具1つの価格は
「込める道具の価格+150ムーナ」とします(エネルギーコストが10点と非常に低いので、その分の価格は無視します…ソーサラー本人の手間賃でもあるので)。
 なお、邪術具となった道具は、品物本来の強度に加え、防護点1点とHP5点が加算されます。《粉砕》の呪文などで早々に破壊されるのを、ある程度は防げるでしょう。また、邪術具には《魔法の杖》の魔化呪文の機能も含まれており、素手で触れる代わりに魔術具で触れる事でも、対象と接触した扱いになります。

 なお、邪術具が破壊されてしまった場合、中の<悪魔>が一時的に自由になり、周辺の知的生物に対して「力が欲しくないか?」と勧誘してきます。誰も勧誘に乗らなかった場合、<悪魔>は諦めて黒の月に帰ってしまいますが、勧誘に成功した場合、その人物と所縁の深い持ち物などに入り込みます。そしてその人物は、後天的なソーサラーとなります(知性の低い人物だと、<悪魔>の勧誘にのせられてすぐに変身してしまい、肉体を乗っ取られるでしょう)。

 ちなみに邪術具をソーサラー以外の種族が持つと、すぐに中の<悪魔>からの勧誘が行われ、契約事項に関して3度承諾すると新たな所有者となり、後天的なソーサラーとして覚醒します。そのため召喚者は、予備として作り上げた邪術具は厳正に保管し、安易に手が届かないようにしておくのが普通です。



■■ 独自の技能
<<悪魔>の召喚>(精神/難)
 魔術の源となる<悪魔>を呼び出す技能です。
 呪文と同じく、魔法の素質レベル分だけ技能レベルにプラスされますが、この技能を使う際、ソーサラーは邪術具を所持している必要はありません。

 <悪魔>には強さに応じてランクが存在し、大まかに分けて「獣の悪魔」「深遠の悪魔」「悪魔騎士」となっています(さらに上位は「妖将」「魔元帥」となりますが、このランクになると神格扱いなので、人の身で召喚・使役する事はできません。また現在は、双子の月の結界があるため、そもそも地上にやって来る事はできません)。

 技能レベルが15未満の場合、最もランクの低い「獣の悪魔」しか呼べません。これで各呪文を自由に習得できるようになりますが、それ以外の特典はありません。
 技能レベルが15以上になると「深遠の悪魔」クラスが呼べるようになり、その<悪魔>が所属する師団に応じた特定の系統呪文に+2のボーナスを与えてくれます。さらに20レベル以上になると「悪魔騎士」を召喚でき、特定系統の呪文に+3のボーナスがあります。
 以下、師団に対応したボーナス系統を示しておきます。

第8師団(ヌラチャク):食糧系、治癒系呪文に+2(騎士ランクで+3)
第7師団(ガルダ):四大精霊系(4系統)呪文に+2(騎士ランクで+3)
第6師団(ザンガーニ):移動系、音声系呪文に+2(騎士ランクで+3)
第5師団(トルトカ):情報伝達系、精神操作系呪文に+2(騎士ランクで+3)
第4師団(テクラ):肉体操作系、物質操作系呪文に+2(騎士ランクで+3)
第3師団(ハーディリータ):幻覚/作成物系、精神操作系呪文に+2(騎士ランクで+3)
第2師団(ゾーンネル):肉体操作系、死霊系呪文に+2(騎士ランクで+3)
第1師団(シファール):全ての呪文に+1(騎士ランクで+2)

*第1師団のみ、特定系統ではなく全ての呪文に+1(+2)になっている事に注意。

 ソーサラーは呼び出せる<悪魔>のうち、最上位のランクのものを複数支配する事ができません…自身が変身する悪魔を複数設定する事ができないためです(ソーサラー1人につきパートナーとなる<悪魔>は1体だけ)。ただし、同格の<悪魔>を呼び出して他の事(例えば教団メンバーに与えるなど)に使う事は可能です。そのため、複数の<悪魔>を支配したい場合は、メインより下位の<悪魔>を呼ぶ必要があります。

 例:<悪魔の召喚>と<封印>の技能が15レベルのソーサラーの場合、メインとして「深遠の悪魔」クラスを召喚して自身の力とつつ、下位の「獣の悪魔」を予備の邪術具にセットして備えておく、といった事は可能です(3体目以降を支配できるようになった場合も「獣の悪魔」となります)。
 さらに「悪魔騎士」が呼べるほどの実力者であれば、その下に「深遠の悪魔」を呼ぶ、といった感じになります。
 なお、「獣の悪魔」しか呼べないようなヘボ邪術師は、<悪魔>を1体しか支配できない事になります。


<<悪魔>の封印>(精神/難)
 呼び出した<悪魔>を、物体に封印する技能です。
 呪文と同じく、魔法の素質レベル分だけ技能レベルにプラスされますが、この技能を使う際、ウィザードは魔術具を所持している必要はありません。

 1人の邪術師が同時に邪術具として封印しておける<悪魔>の数は、この技能の10分の1体(端数切り上げ)までです。たいていのソーサラーは二つの邪術具を持ち、メイン系統の呪文を引き上げつつ、邪術具が破壊された場合のサブとして、メインより下位の悪魔が封じられた邪術具を用意しています。あるいはサブを生き物に封入して「使い魔」として運用します。
 また、「深遠の悪魔」クラスの<悪魔>封印の際は、この技能も15レベル以上に達している必要があります(「悪魔騎士」であれば、この技能も20レベル以上が必要です)。

 なお、複数の邪術具を所持している場合、呪文を維持しながら他の呪文をかける際のペナルティを軽減できます(維持を<悪魔>に任せるわけです)余分な邪術具一つにつき、維持呪文の個数を1つ減らせます(例えば2つの呪文を維持している時に3つ目の呪文をかけようとする時、通常ならば-2のペナルティがありますが-1で済みます)。


<錬丹術>(精神/至難)
 ベーシックの<錬金術>と同じ技能です。
 ほとんどソーサラーは、自分でエリクサーを作る機会がなくとも、拾ってきた品の鑑定などのために、わずかでもかじっています。

 ただし、後天的なソーサラーは正規の訓練を受けていないため、この技能を知らない事の方が多いようです。


<古代神聖語>(精神/至難)
 元ウィザードであれば、母国語として習得しています。後天的なソーサラーは通常、<悪魔>語で呪文の詠唱をしており、この言語を取得している事はありません。



■■ 使用可能な呪文
 初版「ガープス・マジック」に掲載されている呪文全てが習得可能です。一部の呪文に関しては共通ルール事項で説明してあるように、呪文自体が存在しなかったり効果が変更されているものもあるので、そちらのルールを確認して下さい。

 なお、「グリモア」の呪文や全く新しく考案した呪文は、GMが認めない限り不可としておく方が無難です。


■■ 独自呪文
 各師団ごとに、ソーサラー独自の呪文が開発されており、その師団に属するソーサラーであれば学ぶことが可能です(主に邪術具に宿っている<悪魔>が教えてくれます)。以下、各師団独自の呪文を紹介しておきます。


[第8師団]
《血液毒化》 通常/生命力で抵抗
 対象の血液が毒性を帯びます。呪文をかけられた当人には何ら影響はありませんが、当人の血を浴びたり飲みこんだりした他人は、毒によってダメージを受けます。
 ゲームのデータ上では、この呪文の影響下にあるものが「切り」「刺し」攻撃でダメージを受けて流血した場合、その周辺1ヘクス以内にいる者全員が返り血を浴びたものとして扱います。返り血を浴びた者は戦闘終了後に生命力-3判定を行い、失敗すると1D+1点、成功しても1点のダメージを受けます。
 また、判定に失敗した者は1日の間、体力、敏捷力、知力に-2のペナルティが発生し続けます。この効果は《解毒》の呪文を使えば即座に取り除けます。
■持続:1時間 ●消費:4・維持不可 ★前提:《毒化》

《寄生虫》 通常/生命力で抵抗
 対象の体内の空洞に、魔法の虫を発生させます。この虫は小さいですが、目標を内側から食らい続けます。ほおっておけば、やがて重要器官を食われて死亡してしまうでしょう。
 目標は常に痛みを伴い、常時敏捷力と知力に-2のペナルティを受け続けます。さらに、10分ごとに生命力に1点のダメージを受けます。
 進行を止めるには、寄生虫を駆除するしかありません。《療治》の呪文を使えば即座に駆除できますが、外科的な手術でも取り出す事が可能です。<手術>技能には-7のペナルティがあり、判定の成否に関わらず手術を行うと対象は2Dダメージを受けます。判定に失敗しつづける限り、寄生虫は体内に居座り続けます。
■持続:虫が駆除されるまで ●消費:5 ◆準備:2秒 ★前提:《殺菌》

[第7師団]
《斬殺》 通常
 対象の腕か足にかけます。この呪文がかかると、手足に見えない空気の断層が出来、それらが物理的破壊力を持つようになります。これにより、パンチやキックの攻撃タイプが「切り」に変更されます。コストを倍消費すると「刺し」になります。
 これらによってつけられた傷跡は、剣や槍での斬撃を受けたかのように見えるので、素手で暗殺された証拠が残りにくくなり、疑いを逸らすのにも役立ちます。
■持続:1分 ●消費:4・2 ◆準備:2秒 ★前提:《空気破壊》

[第6師団]
《異種交配》 通常
 この呪文の影響時間内に交配を行うと、全くの異種族でも妊娠する可能性が生じるようになります(ただし、物理的に交配可能な種同士に限ります)。呪文は片方にかけるだけでかまいません。さらに「豊穣」のエリクサーと併用すれば確率が高まります。
 ただし、この呪文によって生み出された子供は、必ず「残忍」「サディスト」の特徴を内包して生まれてきます。伝説によると、幾多もの種族を掛けあわせてつくられた黒の月の種族トロールは、この呪文によって交配を重ねて作られたと言われています。
■持続:1時間 ●消費:10・維持不可 ◆準備:1分 ★前提:素質2

[第5師団]
《欲望増幅》 通常/知力で抵抗
 対象の持つ社会性、倫理観を一時的に麻痺させる一方、抱いている欲望を歪なまでに増幅させ、もっとも性急で拙劣な解決手段をとらせます。
 金が欲しければ近くの店頭で窃盗を行い、暴力を振るいたければ通行人を理由もなく殴り倒し、性欲不満であれば婦女暴行に及んだり、あるいは強引に近くの男を自室に連れ込み、行為に及ぼうとしたりします。
 《呪文除去》で効果を取り除くか、《感情操作》の呪文で別の感情を送り付けることで沈静化する事が可能です。
■持続:欲望が満たされるまで ●消費:3 ◆準備:2秒 ★前提:《感情操作》

[第4師団]
《精神打撃》 射撃/知力で抵抗
 憎悪の念が込められた闇の塊を射撃呪文としてぶつけ、対象の生命力と疲労点の両方にダメージを与えます。
 射撃の命中判定は<呪文射撃/呪いの矢>で行います。対象は「よけ」が可能ですが、受動防御は無視されます。射撃が命中した場合、改めてこの呪文の技能レベル(距離修正なし)と対象の知力±意志で即決勝負を行い、抵抗を打ち破ると目標に防護点無視の1~3D点のダメージと疲労を同時に負わせることができます。
 ダメージの大きさは、集中1秒ごとに必要エネルギー2点で、最大3秒(消費6)まで増幅可能です。
●消費:2~6 ◆準備:エネルギー2点につき1秒 ★前提:《疲れ》《死の手》

[第3師団]
《虚言》 通常/知力で抵抗
 目標は事実を述べる事ができません。目標は自身が何らかの力によって強制的に嘘をつかされている事は分かるので、黙り込む事は可能です。
 この呪文は《自白》と対立するため、同じ目標にかけられたら互いに抵抗します。《霊気感知》の呪文を使えば、どちらの呪文が効果を発揮しているのかも分かります。
■持続:5分 ●消費:4・2 ◆準備:10秒 ★前提:《感情操作》

[第2師団]
《ワイト作成》 通常
 対象の死体をワイトに変えます。この呪文をかけるには前準備が必要で、8種類の薬草と金属元素を用いた薬品、さらに地底で採取できる発光カビを使い、死体を薬品に10日間漬けた後、発光カビを散布してから呪文をかけるプロセスを踏みます。こうして完成したワイトは、術者の命令に従います。
 この技術は本来、<悪魔>戦争直後のグラダス半島、シュラナート帝国支配下で、白き輪の月のウィザードと赤の月のナーチャ信者たちが共同で開発したものですが、現在は死体を労働力に使う事が禁止されているため、この師団のソーサラーたちが知識を引き継いでいます。
■持続:ワイトが破壊されるまで永久 ●消費:8 ◆準備:10分 ★前提:《死人使い》

[第1師団]
 第1師団の独自呪文は特にありません。



■■ サンプル・キャラクター
 雑魚敵NPCとして用いられる一般的な個体のサンプルを挙げておきます。
■ ソーサラーの暗黒卿 (総計150CP)
ソーサラー/男 30歳
身長180cm 体重66kg

■■ 能力値
(110cp)
ST11(10cp)
DX14(35cp)
IQ15(50cp)
HT10(15cp)

■■ 特徴 (65/-85cp)
ソーサラー種族セット/第5師団トルトカと契約(25cp)、財産/富裕(20cp)、意志の強さ5レベル(20cp)
味覚消失(-5cp)、高慢(-5cp)、残忍(-10cp)、サディスト(-15cp)、偉大な誓い/影の権力者として君臨する(-15cp)癖(-5cp)
*以下、どちらかを選択(-30cp分)
(1)被差別集団/ソーサラー(-20cp)、敵/地方のガヤン神殿(-20cp相当の勢力/頻度:稀)(-10cp)
(2)秘密/死/ソーサラーであること(-30cp)
■■ 技能 (60cp)
剣(8cp/Lv16)、準備/剣(1cp/Lv14)、格闘(0.5cp/Lv13)、水泳(0.5cp/Lv13)
<悪魔>の召喚(0.5cp/Lv15)、<悪魔>の封印(0.5cp/Lv15)、神秘学(-/Lv15)、考古学(-/Lv15)、錬丹術(1cp/Lv12)、古代神聖語(-/Lv15)、グラダス語(0.5cp/Lv13)、帝国公用語(0.5cp/Lv13)、ルークス聖域王国語(0.5cp/Lv13)、言いくるめ(1cp/Lv14)、演技(1cp/Lv14)、政治(2cp/Lv15)、戦術(0.5cp/Lv12)、礼儀作法(-/Lv17)
[呪文] 情報伝達系、精神操作系+2
痒み(1cp/Lv16)、ひきつり(1cp/Lv16)、痛み(1cp/Lv16)、怪力(1cp/Lv16)、痛み止め(1cp/Lv16)
敵感知(1cp/Lv18)、感情感知(1cp/Lv18)
体力賦与(1cp/Lv16)、生命力賦与(1cp/Lv16)、覚醒(1cp/Lv16)、小治癒(1cp/Lv16)
幻影(1cp/Lv16)、幻覚かぶせ(1cp/Lv16)、幻覚変身(1cp/Lv16)
恐怖(1cp/Lv21)、勇気(1cp/Lv18)、間抜け(1cp/Lv18)、眩惑(1cp/Lv18)、忘却(1cp/Lv18)、心神喪失(6cp/Lv21)、忠実(1cp/Lv18)、感情操作(1cp/Lv18)、ささやき(1cp/Lv18)、欲望増幅(1cp/Lv18)
念動(1cp/Lv16)、浮遊(1cp/Lv16)、飛行★(1cp/Lv15)
盾(1cp/Lv16)、矢よけ(8cp/Lv20)、鉄の腕(1cp/Lv16)

■■ 装備 総重量9kg(無荷) 所持金80ムーナ
突き刺し用ブロードソード(上質$2400 1.5kg 邪術具+$150) Lv16 切り1D+3(長さ1)/刺し1D+1(長さ1)
(体力強化後) Lv16 切り2D+1(長さ1)/刺し1D+2(長さ1)
クロース・アーマー($180 7kg <強化L1><防御L2><雨傘>魔化+$1990)
魔法の指輪(アクセサリ$50 邪術具その2+$150)
パワーストーン(1点 $150)

■■ 身体能力
格闘:パンチ/キック Lv13/11 叩き1D-2(長さC,1)/叩き1D+1(長さ1)
移動力=6 能動防御=よけ:6(飛行中:8)/受け:8(格闘:8)/止め:-
受動防御/防護点=2(+1)/3
[平常時]
《浮遊》を常時維持:移動力3で浮遊移動(よけ+2)
《盾》をパワーレベル1で常時維持:受動防御+1
《矢よけ》を常時維持:射撃無効
*他の呪文を使う際は-2(予備の邪術具でペナルティ1点軽減)
[戦闘中]
最初に《怪力》を使用して体力+2(4点疲労)
逆腕で《鉄の腕》を使って「受け」(コスト0)
ターン冒頭に《心神喪失》で相手の能動防御を下げてから剣で攻撃(コスト0)
【設定】
 都市部で暗躍するソーサラーの一例です。下敷きにしたのは、映画「スターウォーズ」に登場するシスの暗黒卿「ダース・シディアス」ことパルパティーン皇帝です。第5師団の<悪魔>と契約しており、権力欲を満たすため、1国の大臣あたりに収まって国を裏から支配しようと企んでいます。

 彼は最初にウィザードを装って宮廷魔術師として志願し、上流層に紛れ込むのを得意としています。<政治><礼儀作法>を高いレベルで所持する上、一定の資金力も確保しています。また、恒久的に維持可能な《幻覚かぶせ》を用いた《幻覚変身》の業もあるため、見た目の容姿もある程度は好きに変えられます。
 彼は<言いくるめ>技能に加え、《ささやき》の呪文を駆使して感情面で訴え、交渉を成功させるタイプの政治家です。また<政治>技能でも懐柔できない政敵がいれば、第5師団の必殺呪文《欲望増幅》でスキャンダルを起こさせて地位から蹴落とします(正体が露呈する可能性があるため、最終手段に留めます)。

 一方、彼自身は外交を主とする平和主義者を装っており、自身の評判が落ちないよう、常に他者に配慮しています。そして政治家たちの信頼を勝ち得た後、最終的には王族に取り入って国政を牛耳ってしまいます。そこまで上り詰めれば、後はそれまで我慢していた「サディスト」や「残忍」といった性癖を、権力でもって合法的に裏で堪能します。
 彼の目的は、社会階級を上り詰めていく工程を楽しむ事と、合法的に悪癖を満足させる事にあり、権力そのものには固執しておらず、ほとんどゲーム感覚です(何でも魔術でかなえられる魔術師にとって、世俗の権力などどうでもよい事です)。そして、飽きるなり正体が割れるなりすれば国を捨て、「リセットボタン」を押してまた1からやり直せばいいと思っています。
 彼は宮廷魔術師として活動している間は、「秘密/ソーサラーである事(死)」(-30cp)の状態にありますが、正体が露見すると、それらは「敵」と「被差別集団」に置き換わります。そうなった場合はその地方を離れ、また「秘密」の段階に戻ります(これの繰り返しです)。

 彼は計画立案能力だけでなく、戦闘力もそこそこ所持しています。下敷きとなったシスの暗黒卿よろしく剣による白兵戦メインで戦う設計になっており、《浮遊》で浮きながら相手より高い位置から剣を振るいます。戦闘開始時に《怪力》を使って体力を2点底上げするため、実質体力13で剣を振るう事になります。
 戦闘中は相手の能動防御を削ぐため、ターン冒頭に《心神喪失》を用いて相手を精神的朦朧状態に陥れ、能動防御を下げてから攻撃する戦法を使用します。これに高度差の修正も加わった場合、攻撃を回避するのは非常に困難でしょう。
 相手も白兵戦で対処してきた場合、後退防御だけでたりない場合は《鉄の腕》でガードします(フェイントされてもペナルティなしで防御できるのが強みです)。ただしこの防御呪文を使用すると、次のターンの冒頭に呪文が使えなくなるので注意して下さい。なるべくなら「後退受け」で済ませ、次のターン冒頭に《心神喪失》を放てるように動きます。
 なお、彼は普段から起きてる間は必ず《矢よけ》を維持しています。なので、スナイパーによる暗殺は実質不可能です。また、「意志の強さ」5レベルがあるため、抵抗系呪文を通すのはかなり難しいでしょう。

 彼は追い詰められても、基本的に<悪魔>変身は使いません。しかし、負傷して衝撃を受けている時に<悪魔>が語りかけてきたら、いかに意志の強さ5レベルの彼でも、意思判定に失敗するかもしれません。なお、彼が契約を結んでいるのは、第5師団に属する<狂える悪魔>ベルギュゴーレン(ルナル完全版p161)で、2本の尻尾を持つ黒い巨大サソリに変貌します。
[原作からの変更点]
 最初に手掛けたのが、ソーサラーが悪魔に変身できる点と、肉体を乗っ取られる可能性がある点を、きちんとルールとして実装する事です。

 <悪魔>は<天使>と異なり、「道具」ではなく明確に意思があるエネルギー生命体です。そのため、これは「特殊能力持ちで、装備やサービスを常時提供してくれる強力な後援者」として設定されています。また、頻度はあまり高くないようですが、<悪魔>の召喚や封印の技能、呪文そのものを教えてくれる例も、小説やルールブックの文章にちらほらと書かれているので、頻度:稀で直接支援してくれる後援者になっています。

 一方、<悪魔>変身なんですが…
 これは3度変身したら死亡確定の能力なので、一見すると有利な特徴に見えるんですが、その内実は「ガープス・サイバーパンク」の特徴である「コーテックス爆弾」(-15cp)扱いになっています(脳に爆弾が仕掛けられていて、敵組織などに捕まって自白させられそうになった時に自決、あるいは粛清するサイバー装備です)。
 このコーテックス・ボム、自身が完全に制御できるのであれば0cpの特徴なんですが、<悪魔>変身は制御不完全な能力であり、<悪魔>から事あるごとに変身しないか?と勧誘されてしまうため、これは不利な特徴扱いとして良いと思います。変身すると一時的に強力な戦闘力を得られますが、これは「コーテックス爆弾が爆発して周囲の敵に被害を与える」のと同種の副次的な効果であって、ソーサラー本人からしてみれば、魂を肉体に呪縛されたまま意識(自我)が消されてしまうのですから、どう見ても自殺行為に等しいです。
 賢明なソーサラーであれば(<悪魔>に頼ってる時点で賢明とは言い難い気もしますが…)、なるべく自分自身で<悪魔>変身は使わないようにするはずです―――身体を乗っ取られたら、敢えて即物的に強大な魔力を求めた意味がないですから。


 次に、ソーサラーの社会的立場なんですが…
 原作ルールでは、ソーサラーは見つかったら即処刑されるので大きくCPを軽減されてるんですが、これはソーサラーがどの社会に所属しているかで大きく変わるはずなので、種族セットには含まない方針にしました。ぶっちゃけ、同じ人間出身のソーサラーでも、街でガヤン神殿の目を盗んで活動する者と、辺境でゴブリン村に乗っかって小さな自尊心を満足させている者では、社会的立場がまるで異なるためです。

 人間の街では「発見されたら即殺」でも、ゴブリン村では「畏怖すべき支配者」や「用心棒」でしかありません。ゴブリン村で活動するソーサラーは、人間社会が生活基盤ではないのですから、社会的に地位が低かったり公然と存在しているからといって常に命を狙われてるのもおかしな話です。特に人間出身ではなく、ゴブリン出身のソーサラーだと、そもそもゴブリン村の長に収まってる者の方が多いわけで、人間社会における社会的地位なんて何の関係もありません(普通のゴブリンだろうとゴブリンソーサラーだろうと、人間社会に行けば身分に関係なく即殺されます―――黒の月の種族だから)。

 一方、どこの社会に属していようと、一度ガヤン神殿から指名手配を受ければ、常に身の危険を晒す存在が世界にいることには違いありません。なのでそこは、所属する社会に関係なく「敵」として処理すれば解決します。

 以上のような理由から、CPをあれこれ差し引きすると、ウィザード基本セットと全く同じCPになってしまいました。その代わり、社会的特徴のために-80cpまで取れるようにしています。原作のソーサラー種族セットが低いのでCP的に有利なのを、これで再現可能できるでしょう。


 原作ルールのもう一つの問題点は、「生まれつき、あるいはウィザードが堕ちてソーサラーになった」ケースと、<悪魔>が宿った邪術具などを手に入れて、後天的にソーサラー化した者の扱いをどうするか、でした。基本的には正規のソーサラーはウィザードと同じ存在であり、きちんと魔術教養を受けて育った存在です。両者の違いは、召喚対象が天使に力を借りるか、悪魔を利用するかの違いだけです。
 そのため、偶然<悪魔>が宿った器物を手に入れてソーサラー種族に成り上がった連中とは違います。そこで、両者を別々に設定する事にしました。ゴブリンやゲルーシャの社会には、そもそも魔術師の正規教育の環境など存在しないため、必然的に後天的ソーサラーしか存在しない設定になってます(…まぁ、ごく稀に正規のエルファ・ウィザードが堕ちてゲルーシャ・ソーサラーになる例もあるかもしれませんが)。


 その後天的ソーサラーに絡む話なのですが…

 過去のルナル系のシナリオでは、「<悪魔>と合体させられて戦わされる哀れな生贄のヒロイン」なんてものがよく登場したのですが、普通に考えて、何のメリットもないのに合体に合意するのは、たとえ拷問を受けたとしてもおかしな話です。契約に合意する以上、たとえそれが強要されたものであっても、当人に何らメリットがなく、ただ破滅するだけでは、拷問から逃れたい一心で口先だけならともかく、本当に心から契約に合意はしてくれないでしょう。
 そして悪魔は「純粋精神体」なので、心理的影響をモロに受けます。当人が心から合体したいと願わないと、ほとんど全力が出せないのです(これらは原作設定にもきちんと説明表記がなされています)。
 一方、貴族の連中が裏で<悪魔>教団に入信し、悪魔に頼ってるというネタも、リプレイ等では頻繁に登場しています。また、実力のあるゴブリンソーサラーも最初は魔獣王を崇める1ゴブリンに過ぎなかったのが、邪術具を手に入れてから後天的にソーサラーになっていると想定できます。基本的に悪魔合体者は、自分から合体して力を得たいという者の方が主流なのです(金が欲しくない者に大金を与えても、有意義に使ってくれないのと同じ原理)。

 以上の情報を統合すると、たとえきっかけが生贄だったとしても、悪魔との合体=無条件でとりあえずソーサラーになれるとするのが妥当だと思います。合体後に即座に悪魔に変身してしまい、PCたちに襲い掛かってくる尖兵にされるのは、合体者が合体直後に悪魔から変身を勧められ、それに我慢するための意思判定に失敗したから、と見るのが妥当です(ソーサラーとは異なり、普通の人間の知力はそれほど高くないので、意思判定に失敗しやすいでしょう)。
 教団のソーサラーが緊急時の捨て駒目的以外で、平凡な知性の一般信者に安易に悪魔を与えないのも、やすやすと意思判定に失敗されて制御できなくなるのを恐れているという理由が一番大きいでしょう。



 多くのソーサラーが悪魔に頼る目的は、現世において世俗的な願いをかなえるためであって、黒の月の願いである「ルナルを破壊する」事とは、実のところ利害一致しておりません。彼らは悪魔の「力を利用したい」だけであって、悪魔当人の破滅的な願いをかなえてやりたいわけではないのです(むしろそういうのは非常に困ります)。
 そのような自滅的な願いと利害一致するのは、同じように全ての破壊を本気で望んでいるゲルーシャくらいでしょう。
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