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■変身病種族の扱い
[種族基本セット](CPさまざま)
 元種族からは独立した存在として扱われますが、信仰する月は立場に応じて様々です。それぞれの種族の説明を参照して下さい。
■概要
 魔法が存在するルナルの世界には魔法的な病気が存在します。これは一般に「呪い」とも称されます。その中でも、「変身」作用をもたらす病気は非常に厄介で、これに感染すると肉体が種族変化を起こしてしまい、事実上の独立した種族になってしまうケースがあります。

 一般に、病気や呪いによる魔法種族として有名なのは「ヴァンパイア(吸血鬼)」と「ライカンスロープ(獣化病感染者)」です。また、自律意思を持ったアンデッド(グールやヤシャなど)も、基本的にはこれらに含まれるでしょう。ここでは人口が比較的多く、個体差の大きいヴァンパイアとライカンスロープに関するルールを定めておきます。

 なお、こうした変身病感染者のキャラクターは、基本的にはPC(プレイヤー・キャラクター)には向いていません(種族セットに必要なCPが非常に多いという事情を含みます)。GMが認めた場合のみ、それらをメインとして扱うセッションで用いるようにした方が良いでしょう。
■■ 病気の感染
 ライカンスロープ(獣化病感染者)は、一般に患者の体液が混入する事で感染します。通常の病原菌と同じように扱って下さい。
 なお、感染発病者は人間、ドワーフなどヒューマノイドに限定されます(他の種族が感染しても、保菌者になるだけで発病はしません)。また、エルファは種族的に「獣化症耐性」の特徴を持つため、獣化病が発病することはありません。


 ヴァンパイア(吸血鬼)は、対象の血を吸いつくした後、独自呪文《吸血鬼化》の儀式を行う事で変化し、独立した種族となります。吸血鬼は儀式の過程で一度「死んで」いますので、種族的にアンデッドとして扱われます。
 ヴァンパイアは、同じ種族の血を非常に好みます。そのため、ヴァンパイアの9割以上は「親」となる吸血鬼と同じく元人間となります。他種族のヴァンパイアも存在しますが、ごく少数の存在であり、たいていは使い捨てのレッサーやスレイブ待遇のヴァンパイアとなります。
 また、エルファは獣化病だけでなく変身病全般に対する耐性もあるため、ヴァンパイア化の儀式の段階で失敗しやすいようです(吸血鬼化の儀式判定に-10)。種族的に長寿であることもあり、自ら望んで吸血鬼になりたがるようなエルファもいません(単に不老になりたいだけであれば、ゲルーシャに転向する方がずっと簡単です)。



■■ 信仰する月
 ライカンスロープは基本的に「病気」として扱われますので、以前と同じように双子の月を信仰し続けます。

 一方、ヴァンパイアはアンデッドであるため、それを許容する一部の赤の月(ナーチャなど)を除き、神の加護が得られなくなります。そのため、9割上のヴァンパイアが黒の月の信者となり、他の黒の月の種族(ゴブリンやオークなど)と同じく魔獣王を崇める事になります。
 また、「親」となるヴァンパイアがソーサラーだった場合、魔術武器を授かって同じようにヴァンパイア・ソーサラーとして君臨する事もあります。



■■ 独自の特徴・技能
 基本的には元種族の信仰に準じますが、それぞれの種族において、社会的な独自の特徴が存在します。例えばヴァンパイアのように、双子の月の加護が得られなくなった後も、変身前に所持していた独自技能や神殿武器が継続使用するケースがあります。それらを示す特徴は、種族ごとに該当ページに記載してあります。



■■ 独自の呪文
 基本的に進行する月のルールに従います。双子の月信者であれば、信者レベルに応じた僧侶呪文を学ぶことが可能ですし、魔獣王を崇めるのであれば「暗黒呪文」の啓示を受けます。またソーサラーであれば、邪術武器に封じた〈悪魔〉に応じて、特定系統の呪文ボーナスが得られます。

 ヴァンパイアに関してのみ、独自呪文として《吸血鬼化》の呪文が存在しますが、これは生得呪文として種族セットに入っており、発生時に自動的に習得しています。
[編集手記]
 ヴァンパイアは、ファンタジー世界ではドラゴン、巨人と並ぶスタンダードなネタなので、シティ・アドベンチャーと洞窟探索の両方を含むダークな雰囲気の冒険がしたければ、うってつけの素材と言えるでしょう。
 もう一方のライカンスロープは、一般に「ウェアウルフ」という名称で登場し、たいていはヴァンパイアの僕的な立場で多用されるのですが、ルナル世界では基本的に別勢力であり、吸血鬼と人狼が必ずしも友好関係とは言えません。
 まあ、「お前の変身病を治してやろう」というヴァンパイア・ソーサラーの勧誘の下、人狼がその麾下に入るというネタはありそうですが。



 なお、リプレイや小説では、ウォルグレイ・アーカムという名の元シャストア信者と思しきヴァンパイアの美形王子が1体だけ登場しており、それを元にルールを制定しました。

 ウェアウルフ(ライカンスロープ)に関しては、管理人の記憶ではリプレイにも小説にも一度も登場していないはずです…ライカンスロープではなく、白金の姫が作り上げた〈異形〉として、似たような獣化を起こすNPCは登場していましたが。でもあれは〈獣の悪魔〉の力を利用した技術であって、病気ではないはずです。
 そのため、完全版に書かれたわずか2ページの内容を元に構築し直しました。



 ルナル世界は、信仰する月に応じて種族変化を起こすという部分だけで十分なインパクトを得ている世界であるため、ヴァンパイアやウェアウルフのネタは、インパクトという点であまり有効活用できない素材になってしまっています。本来であれば、この二つに関しても独自の月の信仰を設定し、独自の種族にしても良かったと、管理人個人は考えていたりしますが。

 というかですね?獣化変身って、基本的にエルファが独自呪文《化身》で合法的に達成してしまってるため、敢えて病気として別途枠で残す必要があったのかなぁ…とか思っていたりします。結局、リプレイでも小説でも、ウェアウルフのネタが使われる事はありませんでしたし。

 またヴァンパイアなんですが、最初から黒の月の一員として、トロールの代わりに王者にしとけばよかったんでは?などと思うわけで。まぁ、たまには「善良な吸血鬼」とかいてもいいかもしれませんが。
 あと、ヴァンパイアのハーレムネタは良く使われますが、ハーレムの一員はやはり元人間の美女というのが定番です。そこにゴブリンやオークの美女(!?)が入ってきても絵にならないと思うので(笑)。そう考えると、ヴァンパイアは他の黒の月の種族からはちょっと遠ざけておいた方が正解だったんですかね…。
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