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● ライカンスロープ
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[ライカンスロープ種族セット](100cp)
敏捷力+2、生命力+2(+40cp)
体力倍増1レベル(限定/変身中のみ -30%)(35cp)

暗視(10cp)、戦闘即応(15cp)、動物共感(5cp)
病気耐性(10cp)
 「頑健」と同じ効果。通常の生物がかかる病気には一切かからなくなる。
再生1レベル(限定/変身中のみ -30%)
(17cp)
 1時間毎にダメージが1点回復。「高速治癒」の特徴も含まれる。
防護点3レベル(限定/変身中のみ -30%)
(10cp)
 全身が毛皮で覆われる。皮膚の防護点+3。
受動防御1レベル(限定/変身中のみ -30%)
(17cp)
 全身が毛皮で覆われる。皮膚の受動防御+1。
超嗅覚(限定/変身中のみ -30%)(10cp)
 動物並みの嗅覚となり、視覚の代わりにこちらを用いることが可能。〈追跡〉+4。
牙1レベル(限定/変身中のみ -30%)
(3cp)
 噛みつきのダメージが「切り/突き-2」に変化。
鉤爪2レベル/腕のみ(限定/変身中のみ -30%)(25cp)
 手に鉤爪が生え、素手攻撃が「切り/振り or 刺し/突き」(長さC,1)となる。〈格闘〉〈空手〉技能などで扱うが、白兵武器の一種とみなす(白兵武器を「受け」られるようになり、自身の攻撃を相手の武器で受けられても切り返されなくなる)。

狂獣変身(-15cp)
 特定の状況に遭遇すると、意思-5判定に成功しない限り、強制的に変身してしまう。「バーサーク」の特徴として扱う。
記憶の断絶(-15cp)
 人間時と変身中の記憶が断絶している。重度の「精神分裂」として扱う。
秘密/ライカンスロープであること(死)(-40cp)
 完全に獣化した患者は、社会的に受け入れられず抹殺対象となる。
言語障害(限定/変身中のみ -30%)
(-17cp)
 変身中は複雑な言語をしゃべれない。唸り声を上げる事は可能。
サディスト(限定/変身中のみ -30%)
(-10cp)
 変身中は攻撃的な性格。残酷行為を行う機会を逃さない。

変身中は、倍増前の体力を基準として身長1.2倍、体重2倍。
■種族概要
 獣化病(ライカンスローピィ)は、特定状況下になると、自分の意思と関係なく半獣形態に変身し、凶暴性を帯びて見境なく暴れ回る魔法的な病気です。

 ルナル世界のライカンスロープは、変身すると完全な四足歩行の獣になるのではなく、主に頭部が動物の頭となった二足歩行のヒューマノイド形態をとります。明らかに一般の四足形態の動物とは異なるため、見分けは容易です。外見的には、黒の月の眷属であるホブゴブリンに近い外見とも言えますが、変身すると体力が倍増されて2メートル近い長身となり、鉤爪も生えてくるため、標準的なホブゴブリンよりもはるかに屈強です。
 頭部は狼、熊、虎など牙を持つ肉食獣になるのが普通で、その形状に応じて「ワー・●●」と呼ばれます(狼ならばワー・ウルフ、熊ならワー・ベア、虎ならワー・タイガー)。見かけはともかく、ルール的にはどれも同じ性能として扱われます。


 獣化病の歴史はかなり古く、ルナル世界に彷徨いの月が発生した頃から続いている遺伝病の一種です。この病気にかかる種族は限定されていて、人間やドワーフなどの〈源人〉に近いヒューマノイドたちに限られています。ただし例外として、獣化病に耐性を持つ緑の月のエルファたちは、この病気にかかりません。

 獣化病の原因は諸説ありますが、一般的には「彷徨いの月の干渉力によって、〈源人の子ら〉が祖先より受け継いでいる「変身能力」が一時的に覚醒状態になり、人の持つ獣性(肉体的欲望などの動物的な性質)を具現化しているのではないか?」と言われています。

 この説を裏付ける事実の一つとして、彷徨いの月の種族に発症者がいない事が挙げられます。現存する彷徨いの月の種族は、肉体の一部あるいは大部分が動物や昆虫に変化しているため、野生の衝動は普段から適度に「発散」されていると考えられます(全身が鳥のミュルーン、魚のディワン、半身が動物のギャビットやシャロッツ、体の一部から昆虫部位が生えているフェリアなど)。
 しかし、人間やドワーフなど〈源人〉に近いヒューマノイド形態の種族は、普段はそうした動物的な身体部位が表に出ていないため、変身能力の覚醒によって全身を一時的に動物に変化させ、溜め込んでいる獣性を一気に発散しようとしている現象こそが獣化症なのではないかと推測されています。
 無論、これは仮説の一つに過ぎませんが、現時点でペローマ学院の「源人進化論」のジャンルにおいて、最も有力視されているものであります。
 原理の真相はともかく、獣化病とは本来は遺伝的なものであり、他人に感染する伝染病ではありませんでした。

 しかし、黒の月が到来して〈悪魔〉戦争が始まってから、状況が一変します。
 黒の月より飛来した〈悪魔〉たちは、〈源人の子ら〉を攻める戦略兵器の一つとして、伝染病の開発を行いました。その中の一つに、獣化病を見本として〈獣の悪魔〉の力を利用した強制変身病があり、獣化病と酷似した症状を持ちました。しかもこちらは他人に感染するタイプで、患者の体液が他の者に入る事で伝染します(くしゃみによる飛沫などから発生する、いわゆるエアロゾル感染もあります)。

 これが現在のルナルで広く知られている獣化病であり、古代の遺伝病としての獣化病の方は、元から患者の数が少なかった事もあり、ごくマイナーな存在となる一方、〈悪魔〉が開発した獣化病が広く一般認識されるようになりました。

 現在の獣化病患者(ライカンスロープ)は、9割が〈悪魔〉を由来とした伝染病であり、残り1割が古代から続く遺伝病患者です。不幸なことに、遺伝病患者は伝染病患者と同一視され、見つかったら処刑されてしまう事がほとんどです。そのため、彼らは自分たちの存在をひた隠しにしています。


 一般的な伝染病患者としてのライカンスロープは、25cpの一般市民が感染して種族セットを得て125cp前後で作成されます。遺伝病患者の場合、同じ遺伝子を持つ者同士でサークルを築き、変身の制御するために訓練を積んでいることがあります。そうした者は150~200cpで作成します。
 なお、社会的に不利な特徴は既に種族セット内に内包されているため、特にGMが特殊な設定にこだわらない限り、通常のキャラクターと同じ-40cp(&癖 -5cp分)までとします。



■■ 種族に多い特徴
 ライカンスロープは伝染病であり、誰でもかかる可能性があります。そのため、変身前の性格も千差万別です。ただし変身中は「サディスト」の特徴を得るため、残酷な行為をする機会を逃さなくなります。

 元々、善良な者であれば、変身中は野を駆け回って器物を壊して回り、月に向かって吠えるだけでしょうが、元から野蛮だったり邪悪だったりする性格の者は、嗜虐心を発散させようと自分より弱い者を探して回り、直接的な暴力行為に出ます。
■■ ライカンスロープに関するさまざまなルール的注意点
 ライカンスロープは特殊な性質を多数所持しているため、ルール的に人間と異なる処理をする部分がいくつか存在します。以下は、それらの解説となります。
●変身のトリガー
 変身のきっかけとなる状況は、あらかじめ決めておいて下さい。一般的なものは「黒の月が満月の状態で夜空に存在する時」です。これは、1か月に一度の割合で起こります(具体的な日付に関しては、GMがシナリオの都合で自由に決めて下さい)。
 遺伝病の場合は「彷徨いの月が満月の状態で夜空に存在する時」となり、これは頻度が一定しません(彷徨いの月はカオス軌道であるためです)。厳密にルール管理したいのであれば、「彷徨いの月が出ているか?」の判定の際、1Dを振って1が出た場合のみ、満月状態で夜空にあるものとして扱います。ただしこれも1月に1回しか起こりません(一度発生したら、次の月まで判定不要です)。
 なお、地球での満月の周期は29.5日ほどで、月によっては2回の満月が発生しますが、ゲーム世界では煩雑さを避けるため、30日周期としておいた方が無難でしょう。

 なお、遺伝病の場合、月の配置以外がトリガーになっているケースがあります。例えば「特定の花の香りを嗅ぐ」「普段は口にしない特殊な言葉を口にする」など、天体の配置に直接関係しない内容です。このケースの場合、ある程度の変身のコントロールが利きます(独自の特徴を参照して下さい)。

 逆に変身から戻る場合、変身の原因がなくなる事が条件です。月の配置の場合、深夜0時を基準に前後4時間が「変身期間」と見なされます(合計8時間の間、変身している事になります)。

 ちなみに、意志-5判定に成功すれば変身せずにいる事が可能ですが、その間はずっと衝動を抑え続けるために苦しみ悶え、ほとんど活動不能状態に置かれます。この状態の時に攻撃を仕掛けられたりすると、危機回避のために我慢できず変身してしまうでしょう。


●変身のプロセス
 「ガープス・妖魔夜行」の妖怪が本来の姿に戻るのと同様で、ルール的には1ターン「集中」→次のターン冒頭で変身という形になります。


●変身中の精神
 「狂獣変身」は「バーサーク」の特徴の一種とみなされます。よって、以下のルールで処理します。

 変身中は「残忍」で「命知らず」となり、可能な限り全力攻撃および近接戦闘(接近するための「移動」および「体当たり」も含む)を行わねばならず、「敵」と見なした相手が死ぬまで、戦闘を継続する必要があります。
 また、獣化症では「サディスト」の発現も見られ、戦闘が終了しても活動が終わるわけではなく、残虐行為(=戦闘)の機会を探して回ります。特に、普段は愛情を注ぐ相手(=自分より弱い相手)は格好のいじめ対象となり得ます。結果として、変身中は標的を探して駆け回り、遭遇した獲物(あるいは器物)を片っ端から「敵」と見なし、破壊の限りを尽くす行動パターンとなります。
 ただし、変身前の元の性格も消え去ったわけではなく、意識下にしっかり潜在しています。そのため、元が善良な人間であれば、民家など人里は避けて行動し、森の中で動物相手にハンティング行為を行うだけに留める事も可能です。

 受けられるメリットも「バーサーク」と同様で、衝撃や朦朧の効果を一切受けず(「我慢強さ」の強化版)、ダメージによる意識維持判定や生死判定の際に、生命力に+4のボーナス修正を得られます。
 ただし変身を解除した後、ダメージによる意識維持判定と生死判定を改めて全部やり直す必要があり、この時は+4修正を得られません。ダメージ量が大きいと、生死判定で失敗して死ぬ確率が高まるでしょう。


●「かんしゃく」の扱い
 「狂獣変身」は「バーサーク」の一種で、基本ルールでは「バーサークとかんしゃくの特徴は共存できない」のですが、「狂獣変身」の場合、変身のトリガーが精神的に「キレる」事ではなくなっているため、「かんしゃく」の特徴と同時に取る事は可能です。


●伝染病の感染判定
 伝染病としての獣化病の場合、感染者の体液が対象に入る事で発病する可能性があります。そういう状況になったら、対象者は生命力-2判定を行い、感染したかをチェックします。エアロゾル感染の場合は若干感染力が下がるため、判定に+2の修正があります(目標値が生命力に等しくなります)。

 判定に失敗して感染した患者は、生命力に等しい日数だけの潜伏期間があり、その間は全く症状がありません。
 潜伏期間を経て翌日、感染者は生命力が2点削れた状態に置かれます。病気の間は全身に疲労感が貯まり、あらゆる行動に-2のペナルティが課せられますが、行動不能になるほどではありません。以後、毎日の生命力判定(削れた分だけマイナス修正)を行い、病気の「回復」判定を行います(初版ベーシックp321)。
 患者が判定に成功した場合は生命力が1点回復し、マイナスが消えた時点で完治します。逆に判定に失敗した場合は生命力の最大値が-1され、生命力-6となった時点で、完全にライカンスロープへと変化します。患者はCPを支払って、種族セットを取得せねばなりません。

 完全に変化した後、病気として失われていた生命力(6点分)は、種族が持つ「再生」の能力によってすぐに回復します(6時間で全回復するでしょう)。発病中の行動ペナルティもなくなり、以前よりも快適に感じます。こうして完全にライカンスロープ種族となり、いかなる治療を施そうとも、元の種族に戻る事ができなくなります。


●予防薬と治療薬
 伝染タイプの獣化病は〈悪魔〉戦争時代に流行したメジャーな病であったため、主にサリカ神殿とペローマ神殿によって対抗薬の共同研究が行われ、既に一定の成果が出ています。薬の量産化にも成功しており、各サリカ神殿には獣化病対策の予防薬が存在します。
 この薬は、〈医師〉技能の薬草学に基づくものなので、〈錬金術〉技能とは関係しません。村のサリカ司祭(入信者レベル)でも、〈医師〉の心得があれば作成可能です。

 予防薬は事前に使用しておくことで、感染判定の際の生命力判定に+4のボーナスを得られます(-2修正を差し引きして目標値は生命力+2になります)。予防薬の効能は、1服で2週間ほど継続します。用心深いサリカ司祭(〈医師〉12レベル以上)であれば、普段からハーブティーの形で常用している事もあるでしょう。
 予防薬の1回分の市場価格は$80です(「財産」として所持する場合の価格)。街の薬屋にいけば、個人レベルでの予防薬の購入も可能ですが、村のサリカ神殿には売るだけの余剰などないのが普通です。

 既に病気に感染した後の患者に対しても、治療薬を投与する事で治癒の手助けが可能です。治療薬は1週間分で$100ですが、こちらは街レベルのサリカ神殿でないと常備されてないのが普通です。村で獣化病患者が出た場合、街から村へ薬を運ぶ事になります。
 あるいは村のサリカ司祭が腕利きの医師(15レベル以上)ならば、その場で作ってしまうこともあるでしょう。ただし治療薬の作成には2週間ほどかかる上、地域限定の希少価値がある素材も少し必要です(それを探すクエストなどもシナリオネタになるでしょう)。

 治療に関しては、通常の病気の「医療処置」(初版ベーシックp318)のルールに従います。治療を受け始めた患者は治療薬の投薬を受けている状態であれば、毎日の生命力判定に+1のボーナスを得られます。
 また一週間に一度、主治医による〈医師〉判定を行い、これに成功すれば、患者の判定とは別に生命力を1点(クリティカルなら2点)回復させることが可能です。

 ただし、獣化病は進行速度が速い(生命力-6でアウト)ため、感染の発見が遅れたり、治療薬の到着が遅れた場合、処置もむなしくライカンスロープになってしまうこともままあります。こうして手遅れ案件が複数発生し、手に負えなくなってしまうと、秘密裏に村全体が焼き払われるといった事が起こります。
■■ 独自の特徴
●信仰(さまざま)
 ライカンスロープは基本的に人間かドワーフです。そのため、普通の人間と同じく、双子の月の信者であるのが普通です。

 伝染病としての獣化病患者の場合、何度も変身しているうちに黒の月を崇めたくなってくるかもしれません。その場合は人間の〈悪魔〉信者と同じように扱って下さい(ソーサラーの項目を参照)。ライカンスロープだけの特殊信仰ルールなどは存在しません。


●遺伝的獣化病(25cp)
 遺伝病としての獣化病患者の場合、変身による「記憶の断絶」は起こらず、変身中も記憶を共有しています。さらに「サディスト」の特徴もありません(この特徴は、病気の開発源として使われた〈獣の悪魔〉の性質が現れる症状です)。そのため、遺伝病患者の場合はCP差分を買い戻す必要があります。

 なお、遺伝病であっても「狂獣変身」の効果は受けるため、変身中は「残忍」で「命知らず」の交戦的な状態である事には変わらないので注意して下さい。ただし伝染病の獣化症のように、やたらと他人に喧嘩を売ったりする事はありません(元からサディストでない限りは)。
 彼らのほとんどは変身時期を把握しているため、その時期がやって来ると「狩りに行ってくる」と称して山奥に入り、野獣として狩猟生活を送っているのが普通です。

 なお、遺伝的獣化病は他人に感染しませんが、子孫を残すための生殖行為を行った場合、その形質は遺伝子によって生まれてくる子に伝わります。


●獣化制御(15cp)
 遺伝病としての獣化病患者は、変身のきっかけが「月の配置」ではなく、任意で何かした時(特定の臭いを嗅いだ時や、特定の言葉を口にした時など)になっていることがあります。
 こうしたライカンスロープは、時と場所を選ばず自由に変身できるので、種族セットに含まれる「狂獣変身」が不利な特徴扱いではなくなります。そのCP差分を買い戻すため、この特徴を取得して下さい。

 ルール的には、変身を行う場合は1ターン「集中」し、次のターンの冒頭で意思判定に成功すれば変身する形になります。また、獣形態から人間に戻る場合は、きっかけとなるものが目の前になければ、いつでも任意のタイミングで解除可能です。
 このシステムを利用すれば、「遺跡のドアをぶち破るのに怪力を得るために変身する」とか「大怪我を負ったので変身して傷を癒す(種族特性の「再生」能力を利用する)」といった、戦闘以外の活用方法も見い出せるでしょう。
[原作からの変更点]
 ルナル完全版のライカンスロープは、ガープスマジックの巻末に掲載されているライカンスロープのルールをほぼそのまま取り入れており、これは、ルナルの世界観にあまりマッチしたルールとは言えません。なので、小説やリプレイで一度も登場しなかったことも理由で、大幅にルール変更しています。


 まず獣化症の変身は「バーサーク」の亜種として扱っています。さらに、変身中の記憶がない部分は重度の「精神分裂」と非常に良く似た症状であるため、精神分裂の亜種として扱いました。最初は「変身中のシートを別途で作る仕様にする」ことも考えたのですが、ウェアウルフだけそのような特殊仕様にするのも妙なので(シート管理も面倒なので)、妖魔夜行形式での変身とし、「種族」として扱うことになりました。
 種族セットのうち、身体能力に関しては、一部赤字記載されている特徴は全て「変身後」にのみ発現する特徴です。そのため、妖怪における「妖怪時のみ」と同じ限定がかけられ、CPが削減されています。

 身体そのものに関してですが、一般的なファンタジー世界における「ウェアウルフ」といえば、完全な動物形態ではなく、やはり二足歩行の半獣半人をイメージする方が一般的かと思います。
 なので、種族セットもそのように調整し、基本的には人型になってます。この方が、ウェアウルフの強さとしては獣形態よりはずっと強いはずです(「腕」があるので「組み付き」がしやすいためです…四足獣だとそもそも「手」がなくなってしまうため、組み付きを行うには「噛みついて放さない」のオプション行動をとるしかありません)。
 巨大な鉤爪が発生する事により、難易度の低い〈格闘〉技能で白兵武器が扱えるようになり、しかも「受け」は3分の2という、格闘に関して言えば非常に有利な状況です(武器を落とすこともありません)。組み付いて牙で噛みついたり、相手の首を鉤爪で切り飛ばすなりすればよいでしょう。

 それに合わせ、変身する動物も基本的に狼、熊、虎の3つに限定させてもらいました。この3タイプは性能が良く似ており、同じルールの下で扱っても問題がないためです。元ルールでは、これに加えて鷲、蛇なんてのもあるんですが、ウェアウルフ系の作品でそんなものがメインに登場するものは、少なくとも管理人は知らないので、そういうのがやりたければ、自前で種族セットを組んで下さい(笑)。

 なお、「動物に変化する」部分からすると、そもそも彷徨いの月種族がウェアウルフになるのは、ちょっとおかしい気がしたので、この病気は基本的に猿から進化したヒューマノイドしかかからない病気に設定しました。ミュルーンとかが狼に変身するのも妙な話ですし、ギャビットなど既に普段から半獣半人なのに、病気にかかってさらに変身するとか、もはや意味不明なので(笑)


 しかし、常々思うのですが。
 ルナルではエルファが、合法的にウェアウルフっぽい種族になってるんですよね。悪役が欲しけりゃ、ゲルーシャに《化身》を持たせればいいだけです。だから、敢えて分ける意味があったのか…こうやって自前で勝手にルールを作ってもなお、疑問しかありません。多分、作者としては「感染しちゃう」部分を実装したかったんだと思いますが。
 でも、どうせウェアウルフを独立して存在させるのであれば、エルファの《化身》のように完全な獣になるのではなく、二足歩行形態の半端な獣にしないと、エルファと分ける意味って本当にないと思います。てか、作者自身もウェアウルフのサンプルキャラとして、二足歩行形態のウェアウルフを記載してるんですな(笑)。だったら最初からそっちのルールを作れよ、と。

 本当にただの動物になるライカンスロープであれば、生得呪文で《変身》を覚えさせ、そこに変身を促す精神的不利な特徴と、立場を危うくする社会的に不利な特徴を内蔵すれば、種族セットの作成など簡単に終わります。でも、それだと味気なさすぎだったので、ちゃんと作りました。
 管理人自身も使うかどうか、かなり微妙な種族なんですが、医学ネタとしてなら使いたいと思うかもしれません。
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