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● サンプル・キャラクター(ライカンスロープ)
 以下は、改変ルールに則って作られたサンプル・キャラクターです。敵役かNPCとして登場するはずなので、高いCP総計になっています。
■ ファルカス (総計125CP)
ライカンスロープ/男
身長180cm 体重75kg 25歳

■■ 能力値 (30cp)
ST13/26(30cp)
DX13(10cp)
IQ 9(-10cp)
HT12(0cp)

■■ 特徴 (110/-45cp)
ライカンスロープ種族セット(100cp)、タマット平信者(0cp)、我慢強さ(10cp)
蜘蛛恐怖症/重度(-10cp)、くいしんぼ(-5cp)、自信過剰(-10cp)、直情(-10cp)、義務感/傭兵仲間(-5cp)
癖(-5cp分)
■■ 技能 (30cp)
斧/メイス(16cp/Lv16)、槍(1cp/Lv12)、盾(2cp/Lv14)、格闘(8cp/Lv16)、ランニング(0.5cp/Lv9)
生存/森(1cp/Lv8)、社交(0.5cp/Lv10)、戦術(0.5cp/Lv6)、地域知識/グラダス半島(0.5cp/Lv8)

■■ 装備 総重量20kg(軽荷) 所持150ムーナ
ハチェット(上質$400 1kg) Lv16 切り2D(長さ1)
スピア($40 2kg) Lv10 刺し1D+2(長さ1)/刺し1D+3(長さ1-2)
ミディアム・シールド($60 7kg)
ヘビー・レザー($350 10kg)

■■ 身体能力
格闘:パンチ/キック Lv16/14 叩き1D-1(長さC,1)/1D+2(長さC)
移動力=7 能動防御=よけ:6/受け:9(格闘11)/止め:-
受動防御/防護点=5/2

[変身中]
鉤爪 Lv16 切り5D+1(長さC,1)/2D+3(長さC,1)
牙 Lv16 切り2D+1(長さC)
キック Lv14 叩き2D+3
移動力=8
能動防御=よけ:7/受け:11/止め:-
受動防御/防護点=1/3
【設定】
 ファルカスはファイニア低地王国出身で、どこにでもいるような一般人レベル(25cp)の荒くれ傭兵でした。
 彼はお世辞にも頭の回るタイプではありませんでしたが、それに関しては本人も自覚していたため、「俺の役目は頼まれた相手の頭をカチ割るだけだ」と傭兵家業に専念し、少なくとも民間人に迷惑をかけるような問題児ではありませんでした。

 そんな彼の生活が一変したのは、2月ほど前です。
 ある隊商の護衛中に、山賊に襲われてそれを撃退したのですが、その時、山賊の一人が携帯していた食べかけの保存食を回収し、それを食べた事で獣化症に感染してしまいます。前の所有者だった山賊が、実は獣化症の保菌者だったのです。

 彼はその仕事を終えた後、辺境の村の宿屋で泊まったのですが、翌日に気が付くと、ベッドで寝ていたはずなのに屋外で素っ裸で立っており、村人たちに目撃されてちょっと恥ずかしい思いをしました。
 その時は、周囲も本人も「酔っぱらってたんだろう」という笑い話で済まされたのですが、しばらくして今度は一人旅で野営中、「着用していたはずのレザーアーマーがズタズタに破壊され、裸で立ち尽くしていた」という、明らかに不審な状況に遭遇します。
 寝ている間に何者かに襲われ、無意識に撃退したのか?とも思いましたが、それにしては破壊された鎧の惨状が説明できず、楽観的な彼もさすがに不安になってきました。しかし体は無傷であり、むしろ以前よりも体調が良い感じです。オマケに身のこなしも軽やかになり、剣の腕も目に見えて(2レベルほど)向上しました。
 そのことに驚きつつも気を良くした彼は、「溜まっていた見えないストレスが発散したことで以前より成長したんだろう」と都合良く解釈し、そのまま時を過ごしてしまいました。結果、完全にライカンスロープとなってしまいます。

 しかし彼は、一人旅をすることが多いせいで、今のところ自身がライカンスロープである事に全く気づいていませんし、幸いなことに他の誰も傷つけていません。
 しかし、不幸にも街中で変身をやらかすような状況に陥れば、衛兵隊によって即座に処刑されてしまうでしょう。そして彼が「人」として活動する限り、人里で感染を広げてしまう可能性が常に付きまといます。
 果たして彼の運命は、どうなってしまうのでしょうか…
■ 〈狩猟の女神〉アエラ (総計200CP)
ライカンスロープ/女
身長170cm 体重61kg 15歳

■■ 能力値 (55cp)
ST11/22(10cp)
DX14(25cp)
IQ13(30cp)
HT11(-10cp)

■■ 特徴 (160/-45cp)
ライカンスロープ種族セット(100cp)、遺伝的獣化病(25cp)、獣化制御(15cp)、サリカ入信者(5cp)、魅力的な容姿(5cp)、財産/快適(10cp)
高慢(-5cp)、直情(-10cp)、偏執狂(-10cp)、淑女の名誉(-10cp)、義務感/家族と村人(-5cp)
癖(-5cp分)
よそ者に手厳しい
身内には甘い
物事の進め方が性急
自分の感情に対して素直
一人でいる方が気が楽
■■ 技能 (30cp)
弓矢(8cp/Lv15)、準備/矢(0.5cp/Lv13)、ナイフ(2cp/Lv15)、準備/ナイフ(0.5cp/Lv13)、格闘(2cp/Lv15)、軽業(1cp/Lv12)、水泳(0.5cp/Lv13)、跳躍(0.5cp/Lv13)、ランニング(0.5cp/Lv8)
生存/森(4cp/Lv14)、地域知識/故郷の森(2cp/Lv14)、追跡(1cp/Lv12)、動植物知識(2cp/Lv12)、登攀(0.5cp/Lv12)、ボート(0.5cp/Lv12)
古代神聖語(1cp/Lv10)、医師☆(1cp/Lv12)、診断(0.5cp/Lv10)、気象学☆(0.5cp/Lv12)、農業☆(0.5cp/Lv12)、指導☆(0.5cp/Lv12)、戦術(0.5cp/Lv10)

■■ 装備 総重量10.2kg(無荷) 所持230ムーナ
コンポジットボウ($900 2kg) Lv15 刺し1D+2 抜撃14 正確さ+3 射程220/275m
矢筒($10 0.2kg 〈豊穣の角〉魔化+$100
大型ナイフ(上質$160 0.5kg) Lv15 切り1D+1(長さC,1)/刺し1D(長さC)
ヘビー・レザー($350 7.5kg 〈強化L1〉〈防御L1〉〈軽量化L1〉魔化+$250)

■■ 身体能力
格闘:パンチ/キック Lv15/13 叩き1D-2(長さC,1)/1D+1(長さ1)
移動力=7 能動防御=よけ:8/受け:8(格闘11)/止め:-
受動防御/防護点=3/3

[変身中]
鉤爪 Lv15 切り4D+1(長さC,1)/刺し2D+1(長さC,1)
牙 Lv15 切り2D-1(長さC)
キック Lv13 叩き2D+1
移動力=7 能動防御=よけ:8/受け:11/止め:-
受動防御/防護点=1/3
【設定】
 アエラは、遺伝的に獣化病を患う女戦士です。

 彼女が住むスカイフォージ村は、スティニア高地王国の山の上の方に位置する場所で、一応小さな鉱山があったりはするのですが、どちらかというと自然に密着した質素な生活を送っています。
 スカイフォージの人口は300名ほどですが、その2割程度が遺伝的なライカンスロープであり、この村は実質的に「病人の隔離場所」です(そのことは、村の者とごく一部のスティニア貴族のみが知る機密事項です)。彼らは集まって「同胞団」と呼ばれるサークルを開いています。「同胞団」は表向き、鍛冶と戦士稼業を率先して担う勇者の集団とされています。
 サークルのメンバーは、獣化病を彷徨いの月の加護と考えており、他の彷徨いの月の種族(ミュルーンやギャビットなど)が習得できる「月の賜りもの」と同じようなものだと思っています。無論、外からやって来た旅人の前では、そんな話は一言もしませんが…

 そんな環境で育った彼女ですから、ライカンスロープに対しては肯定的であり、むしろ誇りとすら思っています。そして、自分たちを狩ろうとするルナル世界の一般社会に対しては敵に近い感情を持っており、よそ者に対して非常に冷淡な応対をします。彼女が狩人を生業とするようになったのも、自分たちを狩ろうとする部外者を逆に追い詰め、狩るためです。

 彼女は、変身をほぼ完全にコントロールしているライカンスロープです。彼女の変身のきっかけは「言葉」です。ウィザードたちの種族言語である古代神聖語の派生言語〈龍〉語で「揺るぎなき力」を意味する「Fus Ro Dah(ファス・ロ・ダー)」を自ら叫ぶ事でのみ変身します。
 無論、音声がトリガーなので、変身の「きっかけ」は持続しません。ですから変身後は、いつでも任意のタイミングで解除できるという優れものです。

 最近、彼女が気になっているのは、同じように任意に変身できるエルファの存在です。ペローマの人類学者の間では、彷徨いの月を崇めていた頃のヒューマノイドの獣化病患者の一部が、緑の月の力によって変身を完全制御できるようになり、種族的に独立したのがエルファの始祖ではないかとする仮説があります。現在もなお人間とエルファの異種恋愛が成立し、子供が授かるほど生物種として近いという事実が、この説を有力なものにしています。

 彼女はその研究を促進するためという口実で、敢えて村の外を旅しようとしています…内心では自分のような存在を理解し、それでいて相手にも迷惑をかけないという理由で、エルファの男性を恋人にしたいから探しに行くという下心もあったりしますが。
 しかし、世慣れしていない「箱入り娘」の彼女が村から出たら、性格的に色々とトラブルを抱えそうで、村人たちはそれを心配しています。自分たちの存在を正しく理解し、うまく世渡りを補佐してくれる…例えば「冒険者」のような人種が村を通りすがらないものかと、村長は期待しているようですが。
■ 特務兵シルバー・コマンド (総計200CP)
人間/男女共通
身長178cm(173cm) 体重73kg(63kg)

■■ 能力値 (115cp)
ST12(20cp)
DX13(30cp)
IQ14(45cp)
HT12(20cp)

■■ 特徴 (110/-85cp)
サリカ高司祭(15cp)、魅力的な容姿(5cp)、カリスマ1レベル(5cp)、財産/快適(10cp)、後援者(医療特務機関「シルバーハンド騎士団」(小規模 10cp)/頻度:ほぼいつも)(30cp)、意志の強さ5レベル(20cp)、我慢強さ(10cp)、魔法の素質1レベル(15cp)

敵(ライカンスロープ(極めて強力な個人 -20cp)/頻度:稀)(-20cp)、使命(頻度:ほぼいつも)(-15cp)、悪い名声(反応-2/サリカ、ペローマ神殿関係者全て(大規模)/頻度:必ず気づく)(-5cp)
狭量/獣化病患者とエルファ全般(-5cp)、高慢(-5cp)、熱狂/医療特務機関「シルバーハンド」(-15cp)、偉大な誓い/ライカンスロープの根絶(-15cp)
癖(-5cp分) *個人ごとに設定
■■ 技能 (60cp)
両手剣(4cp/Lv14)、ナイフ(1cp/Lv13)、準備/ナイフ(0.5cp/Lv12)、バトルファン(1cp/Lv12)、格闘(1cp/Lv13)、水泳(0.5cp/Lv12)、ランニング(0.5cp/Lv9)、乗馬(1cp/Lv12)、サリカの舞い(1cp/Lv12)
ルークス聖域王国語(0.5cp/Lv12)、エルファ語(0.5cp/Lv12)
生存/森(0.5cp/Lv12)、地域知識/グラダス半島(0.5cp/Lv13)、追跡(0.5cp/Lv12)、動植物知識(1cp/Lv12)
医師☆(0.5cp/Lv12)、気象学☆(0.5cp/Lv13)、神秘学(0.5cp/Lv12)
外交☆(4cp/Lv15)、管理(0.5cp/Lv12)、指揮(0.5cp/Lv12)、政治(0.5cp/Lv12)、戦術(0.5cp/Lv11)、礼儀作法(0.5cp/Lv13)
[呪文]
痒み(1cp/Lv13)、ひきつり(1cp/Lv13)、不器用(1cp/Lv13)、すばやさ(1cp/Lv13)、足もつれ(16cp/Lv21)
生命感知(1cp/Lv13)
空気浄化(1cp/Lv13)、空気作成(1cp/Lv13)、空気変化(1cp/Lv13)、風(1cp/Lv13)、気流(1cp/Lv13)
体力付与(1cp/Lv13)、生命力賦与(1cp/Lv13)、小治癒(1cp/Lv13)
韋駄天(4cp/Lv15)、念動(1cp/Lv13)、浮遊(4cp/Lv15)

■■ 装備 総重量21.5kg(軽荷) 所持190ムーナ
グレートソード($800 3.5kg) Lv14 切り2D+1(長さ1-2)/叩き1D+1(長さ2)
大型ナイフ(上質$160 0.5kg) Lv13 切り1D+1(長さC,1)/刺し1D(長さC)
バトル・ファン($100 1kg) Lv12 叩き1D+2(長さ1)/切り1D-2(長さ1)
チェイン・メイル($550 16.5kg 〈強化L1〉〈防御L1〉〈軽量化L1〉魔化+$250)

■■ 身体能力
格闘:パンチ/キック Lv13/11 叩き1D-2(長さC,1)/1D+1(長さC)
移動力=6(+1) 能動防御=よけ:5(+1)/受け:7(格闘8)/止め:-
受動防御/防護点=4(2)/5(3)
*《韋駄天》常時維持により移動力、よけ+1
【設定】
 〈悪魔〉戦争時代、伝染病として〈悪魔〉に開発された獣化病に対抗するため、サリカ神殿とペローマ神殿の合同で結成された医療特務機関「シルバーハンド(白銀の手)」という組織がありました。選りすぐりのサリカの医師とペローマの研究員で編成されたそのチームは、非常に目覚ましい成果を上げました。

 しかし、どんなに対抗策を練ろうとも、一度発生してしまった疫病を完全に根絶する事は、事実上不可能です(少なくともTL3の環境では)。そんな状況を憂えた者の中でも急進派に属する者たちが、実力行使のために「シルバーハンド」を再建しました。彼らの言う実力行使というのは、あくまで患者に治療を施して治す方法を探るのではなく、心を鬼にして物理的に処分すること―――要するに暗殺です。

 この過激すぎる実行部隊「シルバーハンド騎士団」ですが、系列組織として医療研究チーム「シルバーハンド医師団」という組織も抱えており、こちらは獣化症対策のために国家に貢献している、ごくまっとうな医療組織です(末端の村のサリカ神殿にまで対抗薬が常備されている現体制は彼らが構築したシステムであり、最も大きな功績と言えるでしょう)。
 そちらの組織の功績があるため、為政者たちの多くは、少数の騎士団の活動に関しては黙認しています―――物理的排除の方に関しても、一応の成果を上げているという事実もあるからです(ライカンスロープを治す方法は現状ありません)。
 それをいいことに、実行部隊のシルバー・コマンド(白銀の精鋭司祭)たちは政治にも絡み、巧みに法律を適応して合法的に過激な「処置」を実行し続けています。

 しかし彼らは、伝染病だろうと遺伝病だろうと区別なくライカンスロープを排除する行為を行ったため、やがて遺伝病としての患者たちを中心に軋轢が起こり始めました。さらに、変身能力が酷似しているエルファの存在を疎ましく思い、彼らを人間社会から追放する活動も行い、彼らからの信頼も損ねました。
 また、姉妹組織である「シルバーハンド医師団」に属するサリカ、ペローマ信者の研究員の間でも、彼らのそうしたやり方に反感を抱く者が増え始め、辞めていく職員が後を絶たず、シルバーハンド全体の名声もかなり下がりました。

 こうした事態に対してシルバー・コマンドたちは、メンバー数を補うために質の低い荒くれ傭兵を雇用し始めました。「下賤な彼らに疫病患者との闘いという崇高な使命を与えつつ、患者撲滅と合わせて社会を清潔にしよう!」という、超★上から目線の理念によるものです。
 しかしこれは、まったくの逆効果でした。荒くれたちは、公的機関の後ろ盾を得たのを良いことに、各方面で好き放題やらかして問題を起こし始めました。傭兵の中には、本当にライカンスロープかどうかの証拠もないのに、殺人や半殺し行為を平気でやる連中すらいる始末です(主な目的は職権乱用による略奪です)。

 現在の「シルバーハンド騎士団」は、「やり方が強引すぎる意識高すぎ系司祭に率いられた、山賊とほぼ変わらぬ荒くれ傭兵集団」という、将来性もなければ信頼もない、ただ残念なだけの組織へと転落してしまいました。
 それでもなお、「ライカンスロープの撲滅」という崇高な使命を掲げ、自分たちは絶対に間違ってないと豪語するシルバー・コマンドたちは、とにかく成果を上げれば誰も文句は言わないという理論を下に、どんなに非合法で良識に欠く手段を使ってでも、ライカンスロープ殲滅のための活動をやめようとはしません。


 シルバー・コマンドのデータは、基本的にPCに立ちはだかる中ボスとして設計されています。基本戦術は《足もつれ》(消費コスト0)で相手を転がしつつ、上空からバスタードソードを振るう事です(高度差戦闘のルールを用いる場合、高さ2メートル上から武器を振るいます)。
 また彼らは、護衛として荒くれ傭兵を2~5人は引き連れています(頻度がほぼいつもの「後援者」の特徴を取っているため、これは常に特典として得られるようにすべきです)。剣を振るう以外に能はないといっても、司祭の《足もつれ》と連携されると十分な脅威になり得ます。

 なお、データとして上げたのは、サリカ司祭のシルバー・コマンドです。ペローマ司祭にも同様の精鋭司祭がおり、こちらは風霊系呪文の代わりに知識系呪文を習得しています。習得技能なども、信仰する神のボーナス技能に合わせて変更して下さい。戦闘スタイル自体は、サリカ司祭と変わりません。


■ シルバー・コマンド (モンスター表記)
体力:12 敏捷力:13 知力:14 生命力:12
移動力:7 能動防御:よけ6(空中8)/うけ7(格闘8)/止め -
受動防御/防護点:4(2)/5(3)(魔法のチェイン・メイル)
体重:73kg 大きさ:1へクス
攻撃/グレートソード(長さ1-2):技能レベル14/切り2D+1
攻撃/大型ナイフ(長さC,1):技能レベル13/切り1D+1
攻撃/格闘パンチ(長さC,1):技能レベル13/叩き1D-2
呪文:足もつれ21、浮遊15、すばやさ13、小治癒13
特殊:意志の強さ5レベル、我慢強さ


■ 荒くれ傭兵 (モンスター表記)
体力:13 敏捷力:11 知力:9 生命力:10
移動力:5 能動防御:よけ4/受け7/止め5
受動防御/防護点:5/2(ヘビー・レザー+ミディアム・シールド)
攻撃/ブロード・ソード(長さ1):技能レベル14/切り2D
攻撃/スピア(長さ1):技能レベル10/刺し1D+2
格闘パンチ/技能レベル11=叩き1D-1(長さC,1)
[編集手記]
 例によって、どのサンプル・キャラクターも元ネタがあるので、それを紹介しながら各性能を簡単に解説しておきます。


(ファルカス)
 ベセスダのオープンフィールド型RPG「スカイリム」に登場するウェアウルフのNPCです。「同胞団」と呼ばれる、傭兵だか義勇兵団だか良く分からない組織に属し、実質的にホワイトランの守り手のような立場にあります(その実態は上位陣がウェアウルフの集団です)。
 ファルカスは一応、上位陣サークルの一員なのですが、あんまり頭がよろしくないらしく、知的な発言はしませんし、自身の主張も曖昧な人です。ただ、決して優柔不断というわけでもなく、同胞団のメンバーの中では人望が高い方で、比較的好人物と言えます。

 そんな設定の一部をルナルで拾い、こちらでは知らない間にウェアウルフになっちゃった患者扱いになってます。基本となるキャラクターは、別項目で挙げた25cpの荒くれ傭兵に、100cpの種族セットを追加して多少手直ししただけです。しかしそんな適当処理であっても、ウェアウルフに変身すればかなりの性能を発揮できます…単純に「切り5D」の攻撃は相当な脅威です。


(アエラ)
 同じく「スカイリム」の同胞団所属の女戦士で、上位サークルに属しているためウェアウルフです。基本的にスカイリムにおけるウェアウルフは、デイドラと呼ばれる悪魔に近い神格ハーシーンがもたらした、吸血鬼化と同等の変身病なのですが、彼女は獣化病をむしろ「祝福」と考え、ライカンスロープとして生きる事に幸せを感じる少数派です(同胞団内部でも、ウェアウルフに対する考え方は千差万別です)。

 ルナル世界でも、そんな独特のキャラクター像を拾い、遺伝病としての獣化病患者という扱いになっています。変身能力もほぼ完全に制御されており、基礎が200cpもあるだけあって、ウェアウルフ化してもしなくても有能なキャラクターになっています。人間としての強さは、100cpで作成されたレンジャー系キャラクターと同程度のはずです。


(シルバー・コマンド)
 これも「スカイリム」の同胞団クエストに絡んでくる敵組織「シルバーハンド」が元ネタなのですが、シナリオ・ライターが未熟だったのか、スカイリムのシルバーハンドはいまいちよく分からない組織としてインパクトの薄い存在になってしまっています(結果、同胞団クエストもいまいちインパクトに欠けるものになってしまっています)。
 基本的にスカイリムにおいても、ライカンスロープというだけで賞金を懸けられるレベルの重罪なので、彼らの活動は合法のはずなのですが…その実態は、山賊と変わらぬ扱いであり、登場するシルバーハンドのメンツにも、まったく個性的な人物が出てきません。結局、どういう組織なのか不明瞭なまま終わってしまいます(もったいない)。

 管理人としては、せっかく魅力的なウェアウルフたちを登場させるのならば、敵組織に関しても、もっと魅力的な設定に描くべきだと考え、ルナルの世界観ではそれらの設定を構築しなおしました。

 ルナル世界のシルバーハンドは、かつては栄光をたたえられた医療特務機関であり、再編されたシルバーハンド騎士団は、劇場アニメ版「ブラックジャック」に登場した「戦う医師団(MSJ)」的な立場にあります(武装した医師たちで、自ら武力を行使するという謎の組織です(笑))。ただ、「主人公の敵役」という部分は抑えたかったので、彼らはライカンスロープという疫病を根絶したいあまり「正義の暴徒」と化してしまった、実力はあるけど人望はない残念な集団としました。

 サービス末期のオンライン・ネットゲームで、よく実在するチームとして、「意識が高すぎてまだゲーム世界に居座っている古参の効率厨ユーザ数名がコアになって、数合わせのために入隊を認められたけど、ロクに仕様も理解してない初心者ユーザで固められた自称1軍部隊」というのがあります。
 効率厨たちは、かつて1軍部隊を作って他ユーザを踏みにじって飯ウマーしていた過去の日々を今一度味わいたいがために、組織の形式だけは過去の状態に戻したわけですが、昔と違って味方の実力者が少なすぎるので、自分たちの負担がかかりすぎ、しかも初心者たちがちっとも自分たちの思い通りに動いてくれないこともあって、勝手に精神を自己崩壊させて自滅していく最後を辿ります。最後は、負担に耐えかねた古参ユーザたちが次々と幽霊部員化し、最強のはずの1軍部隊は自然消滅するという展開です(管理人は過去にプレイしていたあちこちのネトゲーで、そういう展開をいくつも見ました…)。
 これは「やってる事は崇高なはずなのに、メンツがゴロツキしかいない残念な組織」という、原作のシルバーハンドのダメさを再現するのにぴったりだと思います(笑)。なので、自分の経験談をそのままルナル版シルバーハンドの設定に取り込みました。


 そんな設定のため、「そこそこの実力を持つが、仲間になりそうでならない中堅美形幹部1人に率いられた雑魚の群れ」という形で登場させることができます。コアとなるシルバー・コマンドが《足もつれ》で問答無用で転倒させた後、雑魚だけど攻撃能力だけは高い荒くれ傭兵が全力二回攻撃を浴びせるというコンボが決まれば、バーサーク状態で超タフな状態になってるウェアウルフとて、10ターンも持ちません。
 実際、白銀の精鋭司祭1名+傭兵2名とウェアウルフ1体(ファルカスやアエラ)で模擬戦させてみましたが、《韋駄天》で移動力を強化した精鋭司祭が先手を取って《足もつれ》を放つと、ウェアウルフはほぼ一方的に大火力を浴びせられて撃沈します。
 次に、精鋭司祭とウェアウルフの一騎打ちをさせましたが、やはり精鋭司祭が先手を取ると、《足もつれ》の抵抗に失敗した時点で即落ちがほぼ確定です。サイコロによって先手を決定する、いわゆる「ぐるぐる制」でうまく先手を取れば、火力が異様に高いウェアウルフが先手で全力二回攻撃を行うことで、精鋭司祭を瀕死に追い込む可能性もありますが。
 しかし現実問題として、そんな状況で精鋭司祭が1対1の決闘を受けてくれるはずもなく(《浮遊》で飛んで逃げればいいだけ)、あんまり想定する意味のない実験でした。

 やはり、100cpのPC複数がウェアウルフ側に肩入れして、彼らと共に戦うようにしないと、さすがにヘタレ組織の残念な戦闘司祭と言えども、突き崩す事は難しいと思われます。
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