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■第1節 集団戦に強い戦士
 ガープスでは、「決闘(一対一)で強い戦士」というのはよく作られるのだが、「多対一で強い戦士」というのは、あまり追求されない。

 では、いわゆる「単独で戦果を挙げる英雄戦士」というヤツは、どのようなキャラクターを作ればよいのであろうか。
 
■状況
 以下のような状況において、「多対一で強い戦士」を想定する。
●勝利条件
 PC側は
「敵の数を半減させる(半減した時点で残りは逃走する)」、敵側は「対象PCを気絶or死亡状態に追い込む」とする。

●天井が低い
 安易な逃走(飛行して逃げるなど)を阻止するため、ダンジョン内での戦闘を想定する。

 また、飛行できる環境だと「空中爆撃VS対空射撃」にしかならないため、天井の高さが2.5メートル程度の低い場所での戦闘を想定する。
 通常サイズ(身長150~200センチ)のキャラクターが《空中歩行》や《浮遊》の呪文などで宙に浮いても、高度差による命中/防御修正は一切得られないものとする。

●雑魚が相手
 基本的に自分より格下を複数相手にする。ここでは敵をオーク6体とする。オークのデータは以下の通り。
オーク戦闘奴隷 (0cp)
体力:12 敏捷力:11 知力:8 生命力:12
移動力:7 能動防御:よけ6/受け6/止め-
受動防御/防護点:0/2
攻撃:
スピア(両手持ち)/技能レベル12=刺し1D+2(長さ1-2)
ハチェット/技能レベル12=切り1D+2(長さ1)
格闘パンチ/技能レベル12=叩き1D-2(長さC,1)
特殊:暗視、鋭敏感覚2レベル、我慢強さ、防護点1レベル
■対策
 以上の「状況」から、対策を考案する。
1.基本は防御タイプ
 ガープスにおける「決闘で強い戦士」というのは、だいたいが体力と敏捷力にCPを割り振る一方、知力と生命力は削られる傾向にある。「火力を高めて短期決戦!」というわけだ。

 しかし、多対一の環境となると、相手からの攻撃がたくさん飛んでくるわけで、確率の法則でいくつかの攻撃は命中してしまうだろう。そのため、一撃で倒れるような「高火力・低防御」系のキャラクターでは、敵のラッキーヒット1発や自身の回避ファンブル1回で敗北しかねない。

 そのため、受動防御と防護点、できれば生命力も手厚く固めた防御重視の戦士が望ましいといえる。少なくとも2~3発の攻撃には耐えてほしいところ。


2.一撃の火力と命中力の確保
 敵の数が多い以上、なるべく早く数を減らし、敵の総攻撃力を下げることでラッキーヒットをもらう確率を下げていきたい。そのため体力を上げ、一撃のダメージを追求したい。

 一方で技能レベルの方だが、敵は雑魚なので大した技量を持たないので、過剰に高くする必要はない。ただし、フェイントをかけてから能動防御を突破するためには、ある程度の技量は欲しいし、単純に命中判定でミスして1ターン無駄にしないためにも、命中確率90%以上(目標値14以上)はほしいところ。
 また、部位狙いで重要機関や頭部を狙って一撃必殺を狙っていくタイプの場合、ペナルティを受けた上でもある程度の精度を誇る必要がある。

 しかし、体力(=火力)と「財産」(=防御力)の両方にCPを割り振る以上、技能レベルに対して過剰量のCPは回せないだろう。なので、常識的な範囲(14~15レベルあたり)の技量が欲しい。
3.魔法を使うか否か
 実際の攻撃に関してだが、呪文と武器の連携を図る魔法戦士の場合、専業戦士よりは敵の防御を突破しやすい。


 例えば、《朦朧》や《心神喪失》の呪文で相手を強制的に朦朧状態にし、直後の自分の行動で武器攻撃すれば、相手は能動防御-4の状態で回避せねばならず(しかも朦朧中は後退防御ができない!)、かなりの確率で攻撃を命中させられるだろう。

 さらに、「フェイント即攻撃」のような全力攻撃とは異なり、呪文との連携攻撃の場合はガードを崩さずに済むというメリットがある。オークたちは、打撃の威力に関しては決して無能ではないため、なるべく隙を見せないためにも「全力攻撃」で防御放棄するのは避けたいところだ。

 あと、物理攻撃ではなく魔法攻撃でダメージを与えるのであれば(例えば《火炎噴射》など)、そもそも体力は必要ない。浮いたCPを別の能力に回せるだろう。


 …こう書くと、魔法剣士は良い事ずくめに聞こえるのだが、実際のところ、呪文と武器の連携をしようとすると、呪文を21レベルまで上げて「集中」なしで発動できるようにしないと、「集中」で1ターン消費するため2ターンに1回しか攻撃できない。それだと「専業戦士が1ターン目でフェイントをして、2ターン目に攻撃する」のと何ら変わらない事になり、敢えて魔法戦士にする意味は薄い。呪文に投資するCPを全てメイン武器技能に回して、フェイントの成功率を高めた方がCP効率はいいだろう。

 しかも、剣と呪文は必要とされる能力値が全く異なる事から、必然的に生命力や「財産」にCPが回らなくなり、脆弱になってしまうのを避けられない。これは、「複数の敵から攻撃されるので確率の法則でラッキーヒットをもらってしまうので防御タイプにすべき」という、最初の項目内容と矛盾する。

 また、体力を低くして火力を魔法攻撃に頼った場合、単純に「体当たり」で転倒させられて、致命的な戦線崩壊を引き起こしかねない。オークは体力12と体格は良いため、あまりに小柄なキャラクターだと、舐められて突撃されてしまうだろう。


 以上から、消費するCPをあちこちに分散させて器用貧乏でひ弱なキャラにするよりは、専業戦士に徹して物理的な能力にCPを集中させた方が、多対一で強い戦士という注文に近づくと思われる。


4.予備武器
 敵6名も相手にするとなると時間がかかるため、武器を扱う判定時にファンブルを出してしまい、武器を落としたり破壊されたりする確率も跳ね上がる。

 そのため、「強力無比な1つの伝説の武器」に頼るよりも、通常品質の武器を複数持って、ファンブルに対処する方が合理的である。
■サンプル・キャラクター
 以上の理論により、作成されたキャラクターが以下である。
【基本設定】
 グラダス半島スティニア高地王国の盆地の街ホワイトウォーク出身の女戦士です。スティニア人は選民意識が強い一方で、男女差別の意識が割と低い事から、女性であっても独立心旺盛で、社会的な地位も他国ほど低くありません(国家の最高位が「黄金の姫」という女性であることが一因のようです)。
 そんな国で生まれた彼女は、幼少期から男の子と同じように育てられました。女性にしてはかなり恵まれた体格を生かし、ジェスタ神殿の戦士となりました。

 現在の彼女は、他所から赴任してきた顧問魔術師オ=サーンの従者として任命され、忠実に護衛の仕事をこなしています。オ=サーンは大柄な女性が好みだったらしく、リディアは生まれて初めて異性から「女」として扱われました。彼女は、そんな彼の応対に戸惑いつつも、やがて自身も彼に対して好意を寄せるようになりました。
 現在の二人は主人と忠実な従者の関係ですが、彼女はそれ以上に発展する事を密かに望んでいます。しかし、ロクな恋愛経験がないリディアは、どうすれば彼と男女の関係になれるのかさっぱり分からず、ずっと悩み続けています。

 なおキャラクターの元ネタは、「The Elder Scrolls V: Skyrim」(通称:スカイリム)に登場するホワイトランの従者NPC「リディア」です。


【設計思想】
 余計な小細工はせず、「財産」で魔化済みのフルプレート・アーマーを購入し、防護点7点を確保しました。今回のオークの攻撃だと、ダメージ判定でサイコロの目「6」が出ない限り、傷一つ着かない設計です。さらに、生命力も12まで上げました。
 この分厚い装甲でもって、正面からゴリ押しする戦術を想定しています。相手が守りに徹している場合は、全力攻撃で「フェイント即攻撃」のオプションを選び、速やかに敵の数を減らす事を目的としています。

 注意せねばならないのは、オークも装甲貫通力を重視して全力攻撃で「ダメージ+2」のオプションを選択し、反撃してくる可能性がある事です(というか、通常の命中ではまともにダメージが通らないとなれば、そうするしかない)。多対一の環境において、数で劣勢の側が安易に防御を放棄するのは、自殺行為に等しいでしょう。
■実戦
魔術師オ=サーン
『儀式の完了まで後少し…

 足止め、頼んだよ!
 リディア君!』

従士リディア
『任せて下さい!ご主人様』




 ホワイトウォークの顧問魔術師オ=サーンは、長い呪文の詠唱に入っていた。

 リディアは、主人の行動の詳細を知らなかった。
 仮に聞いたとして、自分の頭で理解できるとは到底思えなかったが。
 彼女にとって、主人を守る事だけが唯一絶対の正義である。

 辛うじてリディアに理解できる事は、スティニア内部で国外の支援を受けて復興すべきと主張する勢力と、自分たちだけでどうにか復興しようと主張する勢力の二つに分かれ、内部抗争をしているということ。
 そして、故郷たるホワイトウォークの市長が中立を宣言し、主人オ=サーンがその「第三勢力」を守るため、強力な戦闘力を誇るガーディアンを《異次元召喚》の呪文で呼び出そうとしていること。
 それだけだった。

 主人によると、召喚儀式は黒の月の蛮族が徘徊するここでないとできないのだそうだ。あそこにある石が、異世界とこの世界を結ぶ「印」だとかなんとか…よく分からないが。
 …儀式をかぎつけた現地のオークの集団が、目前に迫っている。主人の詠唱を妨げないためにも、一人でアレを止めなければならない。オークの数は多いが、戦いの優劣は数だけで決まるものではない。
 リディアは、使い慣れた守護神ジェスタの聖斧を握りしめた。


リディア
『貴方の重荷は私が背負う―――

 そう決めたから…』
 ジェスタ神殿の従士リディア(100cp)と、洞窟のオーク戦闘奴隷(0cp)6体が戦闘を開始します。

 天井までの高さは2.5メートルしかなく、両者の体格では飛行や空中歩行による高度差修正が発生するほどの高度を得ることはできません。照明に関しては、中央(松明の設置場所)から10へクス以内であれば、「暗視」の特徴がなくとも戦闘にペナルティは発生しません。
●第1ターン
 肉体派の上、装備が軽いオークたちが移動力で勝るので先行。

 6人もいれば何とかなるじゃろ!という安易な思想の元、オークたちは全速力でリディアに接近。残り3メートルの至近距離にまで詰め寄ります。


 ―――ここでリディアは選択肢に迫られます。

 この距離であれば、全力攻撃で距離を詰めて一気に「フェイント即攻撃」でオーク1体に致命傷を負わせることができそうです。しかしその場合、残り5人からの「お返し全力攻撃」を受けることになるでしょう。彼女の装甲と生命力で、総攻撃に耐えられるだろうか。

 あるいはここで無難に「待機」行動を取り、相手の遊撃をカウンターするところから入るというのが堅実な策があります。平均的な冒険者の戦士であれば、ここまで重装備はしてないでしょうし、戦術的に考えても現実的な選択という気がします。


 ―――しかしここで、彼女は前者を選択。
 理由は、オークたちの両手槍の威力だと、ダメージのサイコロの目が最大値の6でないかぎり、そもそも装甲貫通しないこと(確率17%)。仮に貫通しても、「刺し」の1点であれば2ダメージであり、生命力12もある彼女であれば、十分に耐えられるであろうこと。
 …しかし、オークたちが全力攻撃の「ダメージ+2」を選択したら、これはちょっと危険かもしれません。ダイス1個の平均値は3~4で、仮に4が出たら「刺し8点」となり、さすがに彼女の重装甲でも普通に貫通します。それが5回で合計10ダメージで済めばいいのですが…

 それでも彼女は、全力攻撃でまず一人を叩き潰す選択を決行。理由は、「能動防御できずとも受動防御だけで目標値8あるから」です。オマケに性格的に「自身過剰」なので、ここでチンタラやるのもどうかと思ったわけです。



リディア
『スティニアは私たちのものよっ!!』




 怒声と共にホーリー・アックスが一閃し、オークAのボディにざっくりと入り………ませんでした。フェイントは失敗し、オークは後退よけに成功。


 これはさすがにヤバイ状況です。一人倒したという皮算用ですら微妙な計算なのに、6人健在の最悪の状況です。さすがに初撃で全力攻撃は、無謀過ぎたか。
●第2ターン
 案の定、敵の全力攻撃が殺到します。

 オークAの攻撃はクリティカルで命中しましたが、ダメージが走らず装甲を貫通しませんでした。続くオークBの攻撃は普通に命中し、1点だけダメージが通って2ダメージ。いい調子です。

 しかし、この後が燦々たる結果でした。
 オークCとEの攻撃は、なんと受動防御で弾かれてしまいます。オークDは攻撃を外してしまい、オークFの攻撃も命中はしたものの、装甲貫通には至りません。

 …おやぁ?これは普通にゴリ押しできそう?



リディア
『その程度なの?ねぇ??』




 挑発を乗せた反撃で、オークAを攻撃。
 相手が既に全力攻撃を選択しているので、能動防御の突破を気にする必要はありません。
 命中したアックスは、オークの胴に深く入り、実に15点ものダメージを叩き出しました。手傷を負ったオークAは倒れず、意識も失いませんでしたが、瀕死の状況なので後退を開始。事実上の戦線離脱となります。

 攻撃後、リディアは無理せず1歩後退します。後ろに回り込まれると厄介だと踏んだためです。
●第3ターン
 一人脱落しましたが、オークたちの戦力はまだ健在です。

 しかし、困った事になりました。相手が全力攻撃後で無防備だったのに、この体たらくです。もはや5人揃って通常攻撃でのんびり攻めていても、埒が明くとは思えません。なので、無謀を承知で今回も全員「全力ダメージ+2攻撃」を慣行。

 結果は先ほどよりも芳しくなく、きちんと能動防御を行えるリディアは、相手の攻撃を「止め」、「後退よけ」、「よけ」、「よけ」で難なく回避。受動防御が素で8もあるため、そこにそこそこの技量(14レベル)が備わったら、よほどヘマをしない限り、防御で失敗する事などありえません。
 最後のオークFの攻撃にいたってはファンブル。オークFはその場で態勢を崩してしまい、1ターン行動不能に。


 続くリディアの反撃で、オークDが13点の負傷を負って戦線離脱。オークたちは残り4人になります。
●第4ターン
 残り4人のオーク。ギリギリの戦力です。

 今さら、防御を気にしてもどうにかなる状況ではないため、動ける3人で決死の特攻全力攻撃。しかし、やはりリディアの無敵の防御態勢は崩れませんでした。


 続くリディアの反撃で、オークEが15点の負傷を負って戦線離脱。
 この時点でオークの戦力は半減したため、相手は逃走を選択。射撃手段を持たず、主人の護衛から離れるわけにはいかないリディアは、追撃は行わず黙って見送る事にしました。



 従士リディアの勝利です。
[編集手記]
 もうちょい苦戦するかと思ったのですが、4ターン目にはあっさり決着がつきました。ま、事前の作戦が決まれば、こんなもんでしょう。それどころか、最初の無謀な全力攻撃さえなければ、10人のオークでもなんとかなりそうな感触です。

 オークたちは0cp作成の雑魚ですが、攻撃能力は25cpの一般兵士並みであり、火力は十分。ですから、決して手を抜いたわけでもないです。「刺し」タイプの攻撃で致傷力1D+2というのは、100cpの英雄候補生の戦士の火力としても、どちらかというと高い方です。例えばこれが「標準魔化が施されたスケール・アーマーあるいはチェイン・メイル」程度の「財産/快適」クラスの戦士が選択するであろう防具であれば、平均6ダメージの「刺し」攻撃は、着実に防具を貫通して深刻なダメージをもたらします。そういった常識的な範囲の防具を着ている100cp戦士であれば、オーク側にも十分勝機はあり得ます。

 やっぱ、防護点7は強いですなぁ…といったところでしょうか。

 武器の方ですが、致傷力を重視して、改変ルールのジェスタ・アックスを持たせました。
 改変ルールのジェスタ・ウェポンは、〈ジェスタ・アームズ〉技能さえあれば判定不要でターン冒頭に不安定なアックスを構えなおせる良武器です。上質アックスに特殊魔化が施されているため、通常のアックスよりも致傷力が+1されているオマケ付きで、貫通力という点では折り紙付きと言えます(逆にこれくらいの特典がないと、安定した片手剣かハチェットでも使ってる方が明らかに有利なので(笑))。




 設定に関してですが。
 外国産アクションRPG「The Elder Scrolls V: Skyrim(通称:スカイリム)」に登場するNPC従者リディアを、ほとんどそのまま再現したつもりです。ほぼ専業戦士の大柄な女性で、ユーザー評価は様々。長身女性が好きなユーザーからは結婚相手第1候補として選ばれる一方、ロリコンが多い日本人ユーザーからは「ゴリディア」呼ばわりされて女扱いされないなど、かなり好みが分れるタイプのようです。
 このリディアは、普通にゲームを進めていると、たいてい最初にプレイヤーキャラの従者になる女性NPCなので、スカイリムに存在する女性従者の中ではダントツで知名度が高いキャラと言えます。ユーザーの数だけ、思い入れのあるNPCと言っていいでしょう。

 もう一人、設定だけ登場した魔術師「オ=サーン」ですが、ニコニコ生放送でスカイリムのプレイ実況をやっていた「いい大人たち」所属の通称「オッサン」という生主がモデルになっています。オッサンは長身女性が好きな人らしく、ゲーム内で結婚システムを見つけるやいなや、このリディアと結婚しておりました(笑)。


 なお、ルナルのリプレイや小説では、いまいち民族性が伝わってこなかった五王国のひとつ「スティニア高地王国」ですが、管理人の脳内では、完全に「スカイリムみたいな国」だと認識しております。

 「黄金の姫」を筆頭とした選民思想主義者が多く、やや内向的な部分は、スカイリム地方の原住民ノルドと共通しており、しかもスティニアは国土全体が高地であり、農作物の収穫量に乏しく、一方で山岳ゆえに鉱業が発達しており、さらに住民の多くが戦闘力を重視する民族性から、両者は非常によく似ていると思われます。スカイリムと同じく万年雪が積もってる場所も多いことでしょう。
 また、国家の象徴が「黄金の姫」という女性の支配者を重視する事から、他国ほど男女差別がないとしています(スカイリムも社会的に男女差があまり感じられない土地で、女の山賊とかいう、地球では非常にレアだった存在が普通に出てきます…これは単に、メーカーがアメリカの会社なので、差別を避けたという意味合いが強いのでしょうが)。
 というか、そもそも高地は土地が痩せているので、働き手として男女を区別(差別)する余裕はないんじゃないかと。そうしないと、満足な食料を得られない土地なのでしょう。

 結果的に、脳筋気味に強い男と女だけが残り、それが社会の中核を担っていると考えれば、スティニア人の好戦的な応対も一応納得はできます。貧しいからこそ失うものも少なく、他国に対して戦争を仕掛けるのをあまり躊躇わないのは、地球人も同じでしょう。


 そんなわけで、もしルナルで「スカイリム」みたいな冒険をやりたいのであれば、スティニアを舞台に当てはめるのが妥当かと。他に高地の国なんてありませんし…(作者も「悪役の国」以上の言及をしなかったで)。
 ルナルの冒険者の活動拠点として推奨されている「鬼面都市バドッカ」も、モロにスティニアと隣接しており、話に絡めるのは非常に楽です。
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