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■第3節 二刀流
 ガープスにおける二刀流は、専用のマンガ動作【二刀流】を用いない限り、攻撃回数が2倍になるといった効果はなく、「一撃の威力は片手剣と変わらないのに、盾がないので回避力も低い」という、デメリットばかりが目立つお遊び要素でしかないように考えられている。


 一方、リアルの歴史上の武術の歴史を見ると、二刀流は決してお遊びではなく、それほど使用頻度は高くないものの、実戦の中でも用いられている。

 西洋のフェンシングの剣士は、右手にレイピア、左手にマンゴーシュと呼ばれるダガーを持ち、右手で攻撃しつつ左手で防御した。つまり、左手のナイフは防御用であり、これはシールドを持ち歩くとかさばるが、ナイフなら携帯が簡単で目立たないといったメリットを考慮してのものだった。

 また、砂漠などの暑い地方では金属鎧の運用が一般的でないため、軽量武器で二刀流を行い、多方向からフェイントをかけて命中率を上げる手法が使われた。

 そして日本においては、剣豪と名高い宮本武蔵が打ち立てた「二刀一流」という流派が存在し、現在も各地の道場で伝えられている。
 ガープスは一般に、リアル思考の戦闘システムを搭載したTRPGと言われる。なので、ここではリアルの二刀を参考にしつつ、100cpでの二刀流剣士を検証してみよう。
■状況
 二刀流の実用性について、過去の歴史から検証する。
●マンガ・ルールは用いない
 「ルナル・サーガ完全版」および当サイトの「改変ルール」環境下では、一部でマンガ・ルールを用いており、当サイトにおいては、翼人が【二刀流】動作を習得可能となっている。

 しかし、基礎の部分はリアル志向の世界であり、翼人以外の種族での二刀流を検証したいところ。そのため、以下は「マンガ・ルールを用いない二刀流」を想定して話を進める。


●二刀一流から学ぶ
 宮本武蔵が残した「五輪書」における二刀流の概要は、ガープスで二刀を行う場合でも参考になり得る。
 そこで、まずは彼が立てた流派「二刀一流」の解析を行う。
●宮本武蔵が二刀流になった経緯
 そもそも日本の刀は通常、両手で柄を握りしめて使うのが一般的である。日本刀は、西洋でいうところの「バスタード・ソード」と同系列の武器であり、「普通は両手で使う」「片手でも扱えるけどやや不安定」というシロモノである。ガープスにおいても、そのような性能に調整されている。

 それを敢えて片手で使ったのは、単純に武蔵が怪力だったからである。彼には生まれつき腕力が備わっていたため、刀剣を片手で扱うのも不自由しなかった。
 そして彼は、祭り太鼓を二本のバチで叩くのを見て、これを戦いに用いるという天啓を得たと言われる。これが、武蔵の二刀流の発端と言われている。

 ガープスにおいても、高い体力で武器を振るう状況において、ダメージ+1と+2の差はほとんどない。そのため、敢えて両手武器にこだわらずとも、片手で大ダメージが出せるのであれば、片手で運用すればよいのである。
 例えば、「体力倍増」が種族セットに入っているオーガーが武器を振るう場合、バスタードソードを片手で振るっても両手で振るっても、ほとんど性能の差がなく、両手で扱うと空いているはずの片方の手もふさがってしまう分、損なだけである。


●二刀にこだわらない武蔵の二刀流
 武蔵は、何が何でも両手に武器を持って戦わねばならない、と説いたわけではなく、状況に応じて、両手で刀剣を扱った方が良い状況であれば、迷わず片方を捨てて両手で戦えと説いている。つまり、「状況に応じて一刀でも二刀でも戦えるようにしろ」という意味での二刀流である。

 刀を教える流派では、刀を両手で持つのを前提としている事が多いが、一方で合戦の場では、片手で扱わねばならない局面も意外と多い。例えば、騎乗中は片手で手綱を持っているため、刀は片手で振るう事になるし、徒歩移動の場合も、障害地形(沼や高い茂み、坂道や人ごみの中など)の移動中は片手を開けておく方が移動しやすい。また、弓矢や槍を補助で持っておく場合も、敵の白兵攻撃に対して片手で応戦する必要がある。

 要するに武蔵は、「実戦を考慮するならば、刀は片手で扱えるように訓練するべき。その延長として、所持している武器を無駄なく即座に使えるようにすべく、二刀流を極めるべし」と説いている。非常に実戦を想定した考えを元に打ち立てられた流派なのだ。

 ガープスにおいても、二刀流独自の格闘動作を出せとかいう話ではなく、二刀が有利な時は両手に武器を構え、そうでない時は無理して二刀スタイルを貫く必要はないということである。


●環境による戦い方の違い
 宮本武蔵が存在した日本もそうだが、中国やインド、トルコといった地域は温暖気候であり、重く通気性の悪い金属鎧を着て長時間戦場で活動するのに適した気候ではない。そのため、兵士の鎧は西洋よりも薄いのが一般的だった。
 こうした環境では、両手で武器を握りしめて一撃の貫通力を追求するよりも、両手に別々の武器を持ち、多方向からの攻撃によってフェイントをかけ、命中率を上げた方が有利な事が多かった。鎧が薄い分、武器も軽めのものを用いているため、武器の重量に頼るのではなく、使用者の技量に頼る割合が大きかったと言えるだろう。

 ガープスにおいても、相手の鎧が薄いか、あるいは防護点が薄い「顔」を狙って(ルール上は「頭狙い」となる)攻撃を繰り出すことで、自分から「鎧が薄い環境」を作ることも、ある程度までは可能である。
 そのため、ダメージを底上げするために体力を増やすよりも、部位狙いを確実なものにするため、技能レベルの上昇を重視したほうが良い。
 また、【フェイント】の格闘動作を習得できる神殿武器があれば、それを使っていくことでフェイントの成功度を上げていけば、効率よく敵を駆逐できるだろう。
■対策
 以上の「状況」から、作成するキャラクターを考案し、それに適した仮想敵を用意する。
1.長さの異なる武器
 「二刀一流」でいうところの「状況に応じた適正武器を使う」の部分は、ガープスにおいて「2本の武器でそれぞれ異なる距離をカバーする」という実現方法がある。
 なのでここでは、片手に長い武器を持ち(長さ1~2)、もう片方にナイフを持って近接(長さC)に対処できるようにした二刀流キャラクターを想定する。


2.最適な対戦相手は「熊」
 右手に長い剣、左手に短刀という二刀の状態で最適な仮想敵が、一種類だけ存在する。それは動物で、例えば「熊」である。順を追って説明しよう。

(熊の動き)
 戦闘が開始されると、熊は「移動して体当たり」→「ベアハッグ(人間の組付きと同じ)」→「組みついた状態で噛みつき」という行動パターンを取るのが一般的である。熊は動物でありながら、前足は「手」としても機能するため、人間と同じように手で「組み付き」が可能な数少ない動物である。

 この行動パターンに対し、それぞれのタイプの戦士の動きを追ってみると、二刀流の優位性が見えてくる。

→片手剣+盾の戦士で対処した場合
 敵は最初に体当たりしようとするので、「待機」して攻撃圏内に入ってきたところでカウンター攻撃を狙うのが定石であるが、その後の行動で遅延が発生する。

 すなわち、近接戦闘に入った時点で剣と盾も捨てなければならず(近接戦闘では、2ターン目以降は盾の受動防御数値分だけ、自身の敏捷力関連判定にペナルティが課されるため)、剣は一瞬で捨てれるが、盾は捨てるには時間を要する(1ターンかけて敏捷力判定に成功すれば成功)。
 その上で「予備武器(ナイフ)の抜刀」というタイムロスが、さらに加算される(近接戦闘で〈準備〉技能を使って瞬時に武器を抜きたい場合、武器をつかむのに1回、引き抜くのに1回の合計2回の〈準備〉技能判定が必要になり、非常にリスクが大きい)。
 要するに、距離の変動に対する対処が極端に苦手なタイプなのだ。

 しかも片手剣+盾タイプの戦士は、盾に防御を頼っている度合いが大きく、盾を投棄してしまうと防御力が大きくダウンする事が多い。

→両手剣の戦士で対処した場合
 武器を捨てるのは一瞬、近接用の予備武器(ナイフ)を構えるのに0~1秒かかるだけなので、白兵距離から近接距離に入る際の装備の切り替えは、それほど困難ではない。

 ところが、何らかの事情(例えば熊がダメージで朦朧状態になった時とか)で相手から離れるチャンスができ、再び距離を取れた時に、攻撃手段がなくなっているのが最大のネック。既に近接戦闘に入る手前で、メインウェポンは地面に投げ捨ててしまっているからだ。
 しかも両手用の大型武器というのは、重量と価格の関係で、複数所持して持ち歩くようなシロモノではない。

 そのため、短い時間で距離が変動する戦況への対応力は、片手剣+盾ほどではないが弱点を抱えている。

→二刀流の場合
 最初の「体当たり」に対する「待機」行動は利き腕の長い剣で行いつつ、近接戦闘に入った後も逆手のナイフで即座に反撃行動がとれるため、タイムロスはほぼない。

 さらに、相手がダメージで怯んで再び距離が離れた時も、利き腕の長剣は装備したままなので、そのまま戦闘を続行可能。

 つまり二刀流は、距離が変動する戦況への対応に強いのである。

→格闘家の場合
 おそらく、熊をはじめとする野生動物の相手なら最強の戦士。突撃に対するカウンター、近接の対処はお手の物だし、近接戦闘で「受け」を技能レベルの3分の2で行える優位性は非常に大きい。

 ただし格闘家は「武器を持った戦士」の相手が苦手である。
 〈柔道〉技能による近接戦闘を試みても、長い武器相手だと容易に至近距離に近づけないし、〈空手〉技能による白兵攻撃は、攻撃部位である手足を武器で受けられ、逆に負傷する危険性がある。
 さらに相手の防護点が3点以上だと、反動で手足を負傷する事もあり、そういったリスクを全く考慮しなくていい動物を相手するよりも数段不利となる。空手の道場で「武器を持った相手と遭遇したら逃げろ」と教えるのも、そういった事情によるのだろう。


 以上の考察から、「武器を持った戦士の中では、最も近接対処がやりやすく、対人戦でもそれなりの性能を発揮するのが、ガープスにおける二刀流戦士の目指す立ち位置」という事になる。


3.射撃に弱い
 言うまでもなく、二刀流はシールドを装備していないため、射撃攻撃に弱く、合戦などの集団戦闘にはあまり向かないタイプである。魔法剣士であれば、〈矢よけ〉や〈盾〉、〈ぼやけ〉の呪文を使うといった選択肢もあるだろうが、総計100cpの段階で魔法と二刀の両立は辛いので、単純に鎧の防護点を上げるのが無難な対策と言えるだろう。
■サンプル・キャラクター
 以上の理論により、作成されたキャラクターが以下である。
【基本設定】
 トルアドネス帝国の対抗馬である赤の三国の一つ、ゼクス共和国出身の女剣士です。
 彼女の両親は、幼い頃に帝国軍兵士によって無残な形で殺されました。まだ記憶に残らないほど幼かったので、さすがにその経緯はもう覚えていませんが、その事件の現場に居合わせた事で幼い心に深い傷を残し、決して癒えない何かを抱え込まされたのは確かです。
 そんな彼女は、決して感情を表に出さない鉄仮面の娘として育ち、淡々と敵兵を殺す冷酷な剣士となりました。しかし、彼女に剣術を教えたシャストア神官の師匠は言いました。

 「復讐は大いに結構。
 帝国はそうされても仕方がないくらい、
 各方面で醜態を重ねてきたのだからな。

 ―――ただし。
 相手を憎むあまり、お前自身まで歪むなよ?
 相手が不誠実だから何をしてもいいという態度は、
 自分もまた同等の下等な存在である事の証明にしかならん。

 常に真っすぐ、正々堂々と復讐の道を征け―――」

 …と、けしかけてるのか、たしなめているのか、よく分からない言葉を残して去っていきました。元からシャストア信者向きとは言い難い超マジメ人間のマトは、師匠の言葉を忠実に守り、あくまで「仕事として帝国の利権を妨害する」道を行きます。
 反帝国組織のため、水面下での抗争に加担し続けた結果、現在は凄腕の反帝国派の傭兵としての名声を得ます。帝国軍からは「ブラック・クローク」「黒衣のマト」の異名で知られ、目の仇にされている一方、赤の三国の傭兵隊からは非常に高い信頼を得ています。


【設計思想】
 片手持ちの剣で、バスタードソード以外で長さ2を保てる唯一の武器が、〈フェンシング〉技能で扱えるレイピアです。そのため、シャストア信者にしました。
 ただしレイピアは重量が軽く、2.4kg以上の相手の武器を受けると、3分の1の確率で強制的に折れてしまいます。そのため、相手の武器が重い場合は、シャストアのマントでの「止め」か、後退よけを使うことになるので注意して下さい。

 動物相手なら、二刀流で敵が突撃してくるのを見て「待機」を選択し、体当たりされる前に先制攻撃を浴びせます。
 その後、近接戦闘に挑まれるでしょうが、敏捷力15をキープしているので、熊相手であれば「組み付き」の即決勝負で勝てる可能性は十分にあります(熊の敏捷力は12~13なので、+3修正で「組み付き」即決勝負に持ち込まれても、回避できる余地は十分にあります)。

 組み付かれるまでは、後退して近接状態を離脱し、レイピアで攻撃し続けて下さい。
 組み付かれてしまった場合は、振りほどきとかしても時間の無駄なので、上質の大型ナイフで刺すか切るかして下さい。動物の場合、特に注釈がない限り「我慢強さ」は持ってないはずなので、ナイフの一撃がうまく決まれば、ダメージによる朦朧状態に追い込むことで、組み付き状態を解除する事もできるでしょう(近接戦闘ルールには全く書かれていないのですが、組み付いてる側が朦朧状態になった場合、自発的な行動がとれなくなるはずなので、組み付き状態も自動で外れるでよいと思います)。
 頻繁にダメージによる「衝撃」で相手の敏捷力を下げ続ければ、熊はほとんど行動がとれなくなり、「ずっと私のターン!」状態になるはずです。こうしてHPがマイナスになって自発的に逃走するまで攻撃を続ければ、だいたい勝てます。

 一方、武器を持ったヒューマノイドが相手の場合ですが、相手がバスタードソードやグレートソードなど重い武器を使っている場合は、レイピアで「受け」ると武器が壊れてしまう可能性が高いため、左手のナイフは鞘にしまっておいて、マントでの「止め」を使います。この時ばかりは二刀のメリットがないので、片手剣+盾(マント)での対応でよいでしょう。

 相手が格闘家の場合は、近接に備えて左手ナイフの二刀流でよいでしょう。
 ただし、格闘家で近接をしてくる相手というのは、通常は〈柔道〉技能による【腕関節技】狙いのはずなので、長さ2のレイピアを主体に戦い、フェイントを多用して後退防御を多用させることで、相手を寄せ付けない戦い方が良いでしょう。
■実戦
 場所は、トルアドネス帝国ザノス=トルア公国領の辺境の村アインバーク。

 黒ずくめの衣装に身を固めた一人の娘が、アインバーク郊外の森の中を隠密移動していた。
 彼女の名はマト。
 反帝国活動を支援するシャストア信者の傭兵である。帝国領内では、赤の月信仰は禁止されていることもあり、このような法の手が及ばない場所に潜んでいたのだが―――



 彼女の行く手を、一頭の熊が遮ったのである。
 これは……ツキノワグマだ。

 帝国の手先―――ということは多分ないだろう。
 腹を空かせて人里まで降りてきた、といったところか。



 マトは、野生の動物の応対には慣れている。
 素早く腰から刀剣を引き抜き、臨戦態勢へと移行する。
 旅の傭兵剣士「黒衣のマト」(100cp)と、野生のツキノワグマ(旧ベーシックp443)の戦闘を開始します。

 今回は決闘状態のため、相対距離だけが重要なのでMAPは用いません。マトと熊の初期相対距離は
10mです。ツキノワグマは、HPがゼロ以下になった時点で戦意喪失し、自動的に逃走するとします。
●第1ターン
 熊の方が移動力が高いため、先行して全力で「移動」。対象までの距離を一気に3メートルにまで縮めます。

 おそらく熊の次の手は、移動状態での「体当たり」と想定されるので、マトは「待機」を選択。攻撃範囲内に踏み込んできたら、即座に右手のレイピアを叩きこむつもりです。
●第2ターン
 熊は体当たりするつもりで、真っすぐ突っ込みました。そこを「待機」していたマトが、すかさず長さ2のレイピアで攻撃!命中し、4点のダメージを与えます。
 熊は負傷したものの、転倒や朦朧状態にはならなかったため、そのまま前進を続行。「体当たり」は命中し、マトはその場で倒れこみました。
 続いてマトの手番。
 膝立ちになって、起き上がろうとします。
●第3ターン
 膝立ち中のマトに対し、熊はベアハッグ(組み付きと同じ処理)を試みました。ところが、前ターンでダメージを受けて「衝撃」の効果(敏捷力、知力-4)を受けていることもあり、+3修正があってもなお失敗してしまいました。


 続いて、マトが立ち上がってナイフを一閃!
 これはクリーンヒットし、10点ものダメージを与えます。これにより熊のHPがゼロとなり、熊は慌てて逃げていきました。

 「黒衣のマト」の勝利です。






 …えらくあっさり終わってしまったので、もう1戦やってみましたが。

 体当たりしようと突っ込んできた熊に対し、マトが「待機」からのカウンター攻撃を放ったところ、クリーン・ヒットして10ダメージ。生命力の半分を超えるダメージを受けた事で、熊は強制的に朦朧状態となってしまい、体当たりを中断してターン終了するハメに。

 続けて直後のマトのターン。レイピアによる一撃がクリティカル!8点のダメージを与え、熊は逃走状態に移行。最初の戦いよりも、さらにあっけなく終わってしまいました。



 おそらく何度やっても、マトの方が圧倒的に勝率が高いと思われます。活動する世界によっては、彼女は「一人で熊を倒せる一人前の戦士」として認められることでしょう(笑)
ハイイログマ(旧ベーシックp443)
『ツキノワグマがやられたようだな…』


シロクマ
(旧ベーシックp443)
『ふふふ……

 ヤツは四天王の中でも最弱…』


ドウクツグマ
(旧ベーシックp444)
『100cpのえちえち生足・貧乳剣士ごときに負けるとは。

 ガープス・4大リラックマーズ
(旧ベーシックp442~444)の面汚しよ…』
 というわけで、ここからが本番。
 旅の傭兵剣士「黒衣のマト」(100cp)と、野生のドウクツグマ(旧ベーシックp444)の戦闘を開始します。

 決闘状態のため、相対距離だけが重要なのでMAPは用いません。マトと熊の初期相対距離は
10mです。ドウクツグマは、HPがゼロ以下になった時点で戦意喪失し、自動的に逃走するとします。



 ハイイログマは、地球では既に現存しない熊の古代種で、当サイトの改変版ルナルにおいては、エルファ種族のウェリガンテ氏族の祖霊動物に指定されている動物です。
 「我慢強さ」こそもっていませんが、熊のくせにHP40もあり、しかも皮膚の防護点は2点という、やたらタフな性能を備えています。しかも、牙やパンチの威力は2D-2もあり、ツキノワグマとは異なり、体力的に人間がどうこうできる相手ではありません(体力は最大値33に設定されています)。

 100cpの戦士が一人で相手するには、少々手に余る強敵ですが、対熊ユニット(?)として設計されたマトであれば、なんとかなるかもしれません。
●第1~2ターン
 序盤は、対ツキノワグマと全く同じ流れ。熊の突進に対し、マトが長物でカウンターを狙う展開です。

 ところが、マトのカウンター攻撃はあっさりと「よけ」られ、熊の体当たりが命中…しませんでした。お互いの攻撃が空振りに終わり、続いてマトがひるがえってレイピアで攻撃するも、熊の皮膚が厚過ぎて貫通しませんでした。

 ドウクツグマは、体力とHPが通常の熊とは桁違いに大きいのですが、体重が重い反動で、敏捷力が12しかないという弱点があります(他の熊の敏捷力は13)。それに対し、マトは敏捷力15もある準超人クラスの高機動型剣士です。3差の即決勝負で熊が勝つのは、容易ではありません。

 この初動の展開から、長期戦になるであろう事は容易に予想できました。
●第3~14ターン
 第3ターンに熊がマトへの組み付きに成功しました。組み付きは、組み付く側に+3の修正が得られるため、さすがに機敏なマトでも五分五分の勝負となってしまい、ダイス目で負けてしまいました。
 その後は、「両手で組み付いた熊がマトに噛みつく」のと「左手のナイフで応戦するマト」の連続になりました。

 熊は敏捷力12しかないため、4ターン目から始まった噛みつき攻撃の半分くらいは、命中判定の段階でミスしていました。ナイフで傷つけられた次のターンの攻撃に「衝撃」によるペナルティがついたのが、主なミスの原因です。また、命中した攻撃もナイフで「受け」られてしまい、全く命中する様子がありません。
 ナイフでの「受け」は-1のペナルティがあるため、「受けに使う武器ではない」というのが、ガープス・ユーザーの一般的な認識です。しかし、マトの〈ナイフ〉技能は17レベルもあるため、ペナルティを受けてもなお実用レベルで「受け」が行えます(基本目標値7+受動防御4)。
 一方のマトは、5ターン目に攻撃をクリティカル「よけ」されてナイフを落としてしまったりするも、即座に予備のナイフを抜き、その応戦行動が途切れる事はありませんでした。

 「よけ」の目標値が7しかない熊に対し、ナイフの小ダメージが積み重なっていき、ついに14ターン目に熊の生命力の半分を超える8点ダメージを与え、熊は朦朧状態になると同時に、なんと転倒。ベアハッグが外れてしまいます。
●第15~18ターン
 朦朧状態から即時回復した熊は、慌てて膝立ち状態に。起き上がり中にマトが右手のレイピアで追撃を行い、命中しましたが、厚い皮膚を貫通するには至りません。
 14ターンまでの攻防で、熊のHPは残り10にまで減少しています。一方で、マトは完全無傷です。熊の戦況は芳しくありません。
 倒れてる間にマトに距離を取られてしまった熊は、立ち上がってベアハッグしようにも手が届きません。やむなく腕での攻撃に変更。マトを思い切り殴りつけるも、命中判定で失敗。爪は何もない空間を通過。

 反撃でマトはさらに一歩距離を離し、2メートル手前からレイピアで攻撃。これがクリーンヒットし、6点のダメージを与えます。熊の残りHPは4。
 気力だけで挑む熊は、最後に突撃して「体当たり」を慣行。
 しかし、直前のダメージで-6もの「衝撃」修正を受けているため、敏捷力の即決勝負は6 VS 15。到底勝ち目はなく、あっさり外れました。
 熊から一歩距離を取り、冷静にレイピアで突き刺すマト。
 攻撃は命中し、先ほどと同じく6点ダメージ。
 これによりHPがマイナス領域に達し、戦意喪失した熊は撤退することに。

 「黒衣のマト」の勝利です。
ドウクツグマ(旧ベーシックp444)
『くっ……!
 この我を倒す…とは…っ!

 …だが、覚えておけ。

 我らを倒しても、
 第二、第三のリラックマーズが、
 必ずや貴様の息の根をっ…!!』






 もういいって……
[編集手記]
 実は「改変版ルールにおけるキャラクター作成」項目の第1記事は、「1VS1で熊に勝てる戦士」という内容の予定でした。ところが、ツキノワグマ程度であれば、熊殺しの戦士を作成するのはそれほど困難ではなかった上、キャラクターも平凡な専業戦士の亜種でしかなく、記事にするには弱すぎると感じ、棚上げしていました。

 ところが1か月立って、次のネタは何にしようか?と考えていたところ、かなり前から真剣に悩んでいた「ガープスにおける二刀流の有効性」を記事にしようと思いつき、あれこれキャラクターを作って検証しているうちに、二刀流が動物、とくに熊の相手として有効なキャラクターであることに気づき、今回の記事の作成となりました。



 上に書いたように、ガープスの二刀流が最も強さを発揮できるのは、白兵距離と近接距離がコロコロ入れ替わる動物やモンスター戦の時だと思われます。特に、組み付きで捕まえようとする大型生物に対し、即座に反撃できるところと、相手が怯んで組み付きが離れた際、距離をとって即座にもう片方の武器で攻撃を続行できるところ。ほとんどリスクなしで使用武器の変更が可能な点が、二刀の唯一のメリットでしょう。

 ただし、そのメリットを最大限に引き出すためには、武器の致傷力を底上げしておく必要があります。要するに、宮本武蔵のような怪力持ちのキャラクターの方が望ましいってことです。その点で言うと、今回のサンプルキャラクター「黒衣マト」は、正直言って体力不足です。もう少し確実にダメージを与えるには、やはり体力13はほしいところ。
 ただ、そうなると敏捷力か生命力、果ては知力を犠牲にせねばならず、いずれが欠けても弱体化のリスクが跳ね上がってしまうため、あまり体力が必要にならないフェンシングで部位狙いを行う系のキャラにしました。

 あと、欲を言えば〈動植物知識〉か〈生存〉技能をとっておき、動物に対しても部位狙いが容易になるようにした方が良いと思います。マトの場合、キャラクターの背景として〈吟遊詩人〉とか直接戦闘に関係しないものにもCPを振っているため、さすがにそこまで手が届かず、普通に胴体狙いで熊を倒しました。それでも何とかなったので、まぁこれはこれでいいとは思いますが。

 なお、マトは対人戦もある程度は想定しており、そのためにパワー系ではなく、部位狙いで戦える俊敏系のキャラクターにシフトしたという経緯があります。
 試しに、同じく100cpの魔法なし・専業戦士を二つほど作り(両手剣持ちのパワー系(体力13持ち)と、柔道技能持ちのクォータースタッフ使い(敏捷力重視))、対戦させてみました。二刀にリソースを配分している分が無駄になるため、ややマトが不利になるものの、ダイスの目によっては十分に勝ち目のある展開になりました。特に「フェイント」の動作は対人を意識して20まで上げたので、これを使って能動防御を下げてから、顔(頭)狙いで防護点無視を狙って下さい。刺し1D程度でも、防護点がない部分なら十分な威力になります。
 ただし魔法抵抗はからっきしなので、敵に魔法使いが出てきたら諦めて下さい(笑)

 それと、どうでもよい事ですが…
 マトの体重は少し重めになってます。一応、専業戦士の細マッチョ体型というのを想定しているので、腕力自慢の格闘家なら、女性でもこのくらいの体重は余裕であるはずなので、170cmで67kgというのは誤植ではありません…ほら、「進撃の巨人」にミカサ・アッカーマンってのがいたでしょう?アレと同じですよ(笑)



 最後に、黒衣マトが登場する「ブラックロックシューター」というアニメやゲームに関して。

 正直なところ、アニメは見ても内容がちんぷんかんぷんで、読者の想像にお任せする部分が多すぎて、残念な作品になっています(戦闘シーンとかはかなりよくできてるのですが…)。ゲームに関してはもう、同人ゲームの域を出ないレベル…とだけ言っておきます。

 そして、そんなこと以上に問題だったのが宣伝方式でして…
 もうほとんど炎上商法というか、サクラ(身内)による露骨な自作自演の宣伝工作の「勢い」だけで、ニコニコ視聴者に買わせようとした部分がちょっと(というかかなり)鼻についてしまった結果、私個人はこれらの作品群を全く受け入れられませんでした。

 ただ、主人公の女子高生「黒衣マト」の分身である貧乳娘「ブラック★ロックシューター」というキャラクターの外見や性格は、なかなか魅力的だと思いますし(特に足フェチや貧乳娘フェチの紳士の方にはたまらん?)、誰かが改造した素敵なTda式モデルもあったので、ちょろっとだけ自己改造して使わせていただきました(ラインの色を変えてマント装着しただけですが)。

この子…
もっと良い舞台に連れて行けば、もっと輝けたと思うんですけどねぇ…
もったいない。
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