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■魔導兵器/艦船タイプ
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 このタイプの魔導兵器は通常、「爬行姿勢」で腹ばい状態になっています。さらに手足がなく、魔法で浮かんでいるのが基本です。ルナル世界では俗に「飛空艇」と呼ばれる魔導兵器です。
■浮遊艇
【概要】
 グラダス半島オータネス湖王国の街の1つ〈水路都市〉コースシーの防衛隊に属する魔法の船で、〈悪魔〉戦争時代の遺物を元に再建したものです。魔法によって地上や水面から1メートル付近に浮き上がり、ホバークラフトのように移動できる能力を有しています。
 サイズ的には、コースシーに配備されている通常の軍船より小さく、10人乗りとかなり小型ですが、地形に影響されずに移動でき、魔法で自動装填するクロスボウや、近接対処用の火炎放射器などの武装も充実しており、これ一隻で通常の軍船数隻分の戦力になると言います。

 この浮遊艇はコースシーに2隻存在しており、防衛の要となっています。
 浮遊艇に備わっているシステムの一部は、現代の魔法技術では再現困難なものも混じっているらしく、国内の他の町を始め、あちこちの勢力がこれを欲しがっています。一時は、オータネスの中央政府がこの町から船を取り上げようとしたこともあったほどです。

 出典は「ガープス・ルナル・コンパニオン」と「ルナル完全版」に説明文があり、リプレイ「時の狂気篇」で実際に登場しています。
【解説】
 形状はボートに近いですが、船員は全て船内に入り込んで運用します。船体は石材で構成されており、プレート・アーマー並の固さを誇ります。上部に甲板に相当する部分もありますが、それほどの人数が乗れるわけでもなく、よほど少数戦闘の場合の除き、戦闘時に敵船舶に接舷しての白兵戦は想定していません(そもそも戦闘員を載せる余裕がありません)。

 内部に「水晶球の間」が存在し、そこが制御場所となります。魔導兵器の操縦者はテレパシーで「魂」と会話できるようになるため、考えるだけで魔導兵器を動かせるようになります。
 また、魔導兵器は「望遠視覚」「暗視」を組み合わせて周囲を観測しており、これらの画像情報は水晶球に映し出され、操縦者や同乗員も確認する事が可能です。

 この魔導兵器には砲座が4か所存在し、遠距離用の2台の自動装填式バリスタ「オート・ボウガン」(〈砲術/バリスタ〉で判定)と、近接対処用の2台の火炎放射器「ファイア・チャージャー」(〈砲術/艦載兵器〉で判定)で戦います。魔導兵器自身に火器管制能力はなく、全て手動です。個別連動の増強により、全ての火器が同時に使えるので、砲手はそれぞれ自由に射撃を行えます。1回撃つと自動装填およびエネルギーチャージで5秒のクール・タイムが発生しますが、発射自体は「集中」する必要がなく、ターン冒頭に即座に撃てます(チャージ中に「狙い」をつけておくと効率よく射撃を回せます)。
 また、砲座に付いている者は魔導兵器より「望遠視覚」「暗視」の魔法が常時かけられ、倍率128倍で遠方を見る事ができ、夜間戦闘にも対応しています。射撃の際は、「望遠視覚」によって距離修正を求めるときに距離を128分の1にして算出して下さい(例えば100m先の標的を撃つ際、1m扱いで距離修正を求めます(修正+2))。

【運用】
 船長(戦闘司令官を兼任)1人、操縦士1人、航路管理者(副操縦士)1人、通信士1人、砲手4人、補助要員2人(戦士や戦闘魔術師など)といった配置で運用されます。

 基本的には、陸上ユニットの「弓騎兵」と同じ運用となります。常時移動力8で移動しながら、2つのバリスタで遠方の敵を狙撃します。TL3時代の一般的な船舶(コグ船)の最大移動力は4前後なので、この船はかなり高速と言えます。

 なお、バリスタは物理的に弾薬を消費するため、定期的に弾の補給が必要です。また、毎日マナを充電するための専用の時間が必要です(1時間ほど低燃費モードでじっとしている必要があります―――人間の「食事」に相当する行為です)。
 浮遊艇は積載量があまり大きくないため、食料や水を積んで長期航行するには向いておらず、街から遠く離れる事は基本的にありません。
■空中要塞『フェニックス』
【概要】
 リアド大陸中央部、新興国トルアドネス帝国に属す魔術師団〈第二の夜明け〉が、帝国軍部より依頼を受けて作り上げた数々の魔導兵器、通称「飛空艇」のうち、秘密の特殊部隊「降下兵団」を空輸するために建造された大型の船舶型魔導兵器です。従来の飛空艇の中でも圧倒的な巨大サイズを誇り、主に兵員輸送を行います。また、フェニックス自身の火力も相当なもので、戦闘力もかなり高くなっています。

 名前の「フェニックス」は、銀の月の火の元素獣フェニックスが由来であり、由来通り火球を発射する能力を持ちます。しかも、この兵器から発射される火球は、呪文の《爆裂火球》で生成される火球よりも遥かに長射程かつ威力も若干底上げされており、同じ魔導兵器同士の空中戦も想定した作りになっています。
 また、近接用の雷撃発射装置は魔導兵器の管制下にあり、不用意に接近してきた敵の空挺兵をフルオートで撃墜してくれます。

 この兵器は、帝国の秘密任務で数々の活躍をしましたが、遠く離れたグラダス半島での「〈奇跡の光〉奪還作戦」の際、スティニアの異形兵団が動員してきた巨大な風の元素獣と相打ちになり、大破したと言います(小説「ルナル・ジェネレーション」3巻参照)。
 もっとも、分解した円盤パーツは個々が浮遊能力を有していたため、バラバラの状態ではありますが帝国本土へ帰還を果たしたとも言われており、再建されていれば、またどこかの機関で運用されているかもしれません(GMの都合で再登場させられるでしょう)。
【解説】
 巨大なパワーストーンを中心とした全長20メートルの鉄の円盤が4つ、四角形の形で組まれており、その中央に鋼鉄の船舶のような形状のゴンドラが釣り下がっています。厳密には、この円盤を用いた「翼による飛行」なのですが、円盤が最低1つが残っていれば飛行可能なため、データ的には通常の「飛行」扱いになっています。

 内部には座席付きのコンソール・テーブルが存在し、そこに座って操縦を行います。テーブルの上には常時ホログラム映像で外の景色が映し出され、快適な操縦環境になっています。また操縦者は、魔導兵器とテレパシーで直接会話できます。
 周囲の感知は「望遠能力」「赤外線視覚」「レーダー感覚」(マナで感知)を組み合わせて行い、全方位を見渡しています。それらの能力は操縦者には直接及びませんが、魔導兵器が見た光学情報は全てテレパシーのイメージ映像、および卓上のホログラム映像として可視化されるため、実質操縦者や乗組員もそれらの能力をもって外を見ているのと同じ扱いになります。また、前者二つに関しては各砲座に付いている砲手にも賦与され、火器管制システムとして機能しています。

 巨大な船体が示すように、基本的には人員運搬用の空母なのですが、これ自体も戦闘力を持っています。ダメージ6Dの爆裂火球を放つ投射機、通称「ヒート・ブラスター」が4台設置されており、砲座に人員を置く事で砲撃可能です(射撃は〈砲術/艦砲〉を使用)。
 投射機の火球の射程は120メートルほどあり、通常の《爆裂火球》の呪文よりも遥か遠くに飛びます。砲手には魔導兵器から「望遠視覚」と「赤外線視覚」の能力を魔法によって直接与えられるため、射撃時に距離修正を求める際、距離を128分の1にして算出できます。赤外線視覚により、夜間戦闘にも対応できます。
 射撃の際は「準備」に2秒費やし、3ターン目の冒頭に発射します(通常は「狙い」を付けるため、もう1ターンかかるでしょう)。射撃後は5秒のクール・タイムがあり、その間は撃てません。そのため、おおよそ10秒に1射の射撃速度となります。
 また、それ以外にも魔導兵器自身が自衛射撃手段を持っており、至近距離に接近してきた空挺兵に対し、8Dの電撃を二本飛ばして自動迎撃を行います。こちらは集中なしで瞬間発動しますが、やはり射撃後に5秒のクール・タイムが発生します。

 基本的には空母運用で、前線に出るのは避けますが、作戦の必要に応じて積極的に後方からの支援砲撃を行います。また、同型の魔導兵器がやってきても、ある程度はやりあえるだけの戦闘力をもっています。

【運用】
 船長(戦闘司令官を兼任)1人、操縦者1人、航路管理者2人、通信士1人、調理師1人、砲手4人といった配置で運用されます。

 船員以外の兵力ですが、30名の帝国兵とミュルーン傭兵がセットで扱われます。空中降下が必要な際は、1名のミュルーンが1名の帝国兵に脚を掴んでもらい、〈荷重飛行〉技能を使ってゆっくりと降下します。帝国兵を降下させた後、ミュルーンたちは必要ならば対空戦闘モードに切り替え、空中戦に移行します(全員「器用な足」の特徴を備えた精鋭です)。帝国兵たちは陸戦ユニットなので、地上の敵の掃討に当たります。
 また、それとは別に《空中歩行》の呪文を習得したサリカ神官9名と、《浮遊》の呪文で飛行するサリカ高司祭1名が、主に空中からの攻撃と兵士たちの指揮を担当します。ミュルーンほどの速度はないので、主に足を止めての《電光》やクロスボウでの射撃を行います。
 フェニックス本体が支援砲撃を行う際は、高度50~100メートルあたりを保ち、「打ち下ろし」状態での射撃を行います。爆裂火球は命中したヘクスの周囲にもダメージが及ぶため、地上の敵に対して撃てば、かなりのダメージが期待できるはずです。

 なお、弾薬などの補給は必要ありませんが、毎日マナを充電するための専用の時間が必要です(1時間ほど低燃費モードでじっとしている必要があります―――人間の「食事」に相当する行為です)。
 また、人員を大量に乗せている関係から、食料と水の消耗が非常に激しく、しかも積載スペースが余り残っていないため、せいぜい3日間くらいしか独立運用できません。運用の際は、地上の補給基地と連携が必須となります。

【雑魚兵士データ(モンスター表示)】
 GMが自由に設定すればよい部分ですが、登場しているMOB兵士の簡易データを挙げておきます。いずれも50cpで作成された「そこそこ優秀な兵士」です。

■ 特務兵ライヒス・ゾルダート
体力:13 敏捷力:12 知力:10 生命力:10
移動力:5 能動防御:よけ4/うけ7(格闘8)/止め-
受動防御/防護点:3/3(魔法のヘビー・レザー)
体重:70kg 大きさ:1へクス
攻撃/突刺用バスタードソード(長さ1-2):技能レベル14/切り2D+1
攻撃/クロスボウ(抜撃12 正確+4 射程260m):技能レベル12/刺し2D
攻撃/大型ナイフ(長さC,1):技能レベル12/切り1D+2
攻撃/格闘パンチ(長さC,1):技能レベル12/叩き1D-1
特殊:我慢強さ、命知らず

 帝国軍の人間の降下猟兵です。射撃を行う他、長剣で白兵戦を行えます。装備自体は軽装で、早期にケリをつける戦い方をするため、隙あらば人数にものを言わせて全力2回攻撃を連打し、速攻で戦闘を終わらせようとします。

■ 特務兵フリーク・イェーガー
体力:11 敏捷力:13 知力:10 生命力:11
移動力:6/10(飛行) 能動防御:よけ5/うけ7(格闘8)/止め-
受動防御/防護点:2/2(魔法のライト・レザー)
体重:28kg 大きさ:1へクス
攻撃/スピア(長さ1-2):技能レベル15/刺し1D+2
攻撃/クロスボウ(抜撃12 正確+4 射程220m):技能レベル14/刺し1D+3
攻撃/格闘キック(長さ1):技能レベル11/叩き1D+1
特殊:器用な足、命知らず、〈滑空14〉、〈荷重飛行12〉

 帝国軍に雇われたミュルーンの空挺兵で、人間の降下猟兵を地上に下ろした後、状況に応じて地上で弩兵になったり、対空飛行兵になったりします。「器用な足」があるため空中でも-2修正で槍攻撃を行えます。
 彷徨いの月の種族の故郷とも言えるゼクス共和国と敵対する帝国軍に、敢えて雇われているミュルーン傭兵たちですが、その多くが性格的に「強欲」で、金のためなら身内でも平気で売る傾向があります。金を出せばあっさり寝返るかもしれませんし、決定的に不利な状況であれば、少なくとも降伏はするでしょう。
■空中要塞『ケツァルコアトル』
【概要】
 上記の「フェニックス」の原型となった飛空艇で、帝国の飛空艇製造の黎明期に建造された魔導兵器です。カルシファード侯国への遠征に使われ、「最初に戦争で本格運用された飛空艇」として知られています。
 元々は爆撃用で、大量のデルバイの爆薬を搭載していました。一方、当時の飛空艇の仮想敵と言えばミュルーンや翼人の空挺兵くらいしか想定されていなかったため、対艦用を想定した追加装甲などはなく、武装も近接された時の対空用バリスタのみと控えめです。
 名称は、銀の月の風の元素獣ケツァルコアトルがそのまま由来です。

 この兵器は、カルシファード侵攻で猛威を振るうはずでしたが、開戦当日に奇妙な悪天候に見舞われて立往生した挙句、直後に皇帝崩御の報を受けて撤退するハメとなり、ほとんど活躍できないまま終戦を向かえました。
 その後、主に国内の空中輸送を担当し、双月歴1095年には、海岸都市パルマの新領主アリサ=ランディールへの「就任祝い」として、彼女が死ぬまで永久貸与される事が決まりました。アリサは〈赤炎龍〉エリュトロン封印の使命を帯びており、その封印を解こうとする〈転生竜〉アートルムとその眷属たちと戦うために、この空中拠点が役立つと判断されたからです―――というのは口実で、実際は旧ザノン王家血筋のアリサに対する帝国の監視役であり、同時に彼女を定期的に領地から引き離すための「口実」でもあります。飛空艇と共に配置された人員は、ブラン=トルア公国の公女ランナカイ=ジェムの息がかかっています。

 もはや旧式の飛空艇群ですが、パルマに派遣される前に船体全体に《防熱》の魔化が施され、弱点だった炎に対して無敵になっています。そのため、理論的には弱点はありません。ただし装甲がついてないため、ドラゴン相手に白兵戦をやるような仕様にはなっていません。しかし、連れて行く人員を選べば対竜戦闘でも空中補給基地として十分に役立つため、領主アリサは大事に運用しています。

 なお、この兵器は当サイトのオリジナルです。当サイトのレポート「天災魔術師」と、カルシファードの世界設定に登場した該当魔導兵器を、ガープスのデータとして数値化してみました。
【解説】
 黎明期の作品であるため、いかにも「飛空艇」の形状をしており、巨大なバルーン構造物の下に海洋船舶が釣り下がっているような外見をしています。見た目通り、船体は木造であり、特にそれ以外の補強はなされていません。
 ただし、パルマへ譲渡される際に《防熱》の魔化が全体に施されて「無敵/火炎」属性が賦与されたため、ドラゴン・ブレスなどの火炎攻撃に対しては完全な耐性を持っています。そのため、一見すると特に弱点は存在しません。
 しかし、そもそも木造ボディは防護点5しかありませんので、下手すると個人携帯火器でもダメージを受けてしまう可能性があります。また、両サイドにプロペラ機構が存在し、実質これが「翼」相当の部位となっており、部位狙い攻撃によってプロペラ機構が破損すると、飛行能力を失って墜落してしまいます。

 内部構造は後継のフェニックスと同じく、座席付きのコンソール・テーブルが存在し、そこに座って操縦を行います。しかし黎明期の魔導兵器であるため、センサーに関してほとんどフォローがなく、魔導兵器自身は人間の目や耳と同程度の感知能力しかありません。辛うじて、操縦者とテレパシー会話する機能と羅針盤(「方向感知」)はありますが、これだけでは安全な航行など期待できません(望遠視力もないので、悪天候であっさり視界を失って道に迷ったり、敵の接近に気づかなかったりします)。そのため普通の海洋船舶と同じように、航行速度は天候に大きく左右されますし、見張りを立てないと敵の奇襲に対して出遅れてしまうでしょう。
 また、当然ながら火器管制システムなども存在せず、砲手も膨大な射撃ペナルティを自前でどうにかする必要があります(自分で《鷹目》の呪文をかける等)。元々、接近してきた空挺兵を迎撃する事しか考慮してなかったため、防衛に関しては搭乗中のミュルーン傭兵で迎撃しつつ、2台のバリスタで支援砲撃するしかありません。
 あと最終攻撃手段として、その巨大な体を生かして体当たりで敵に大ダメージを与える衝角(ラム)が搭載されていますが、元々白兵戦など想定してないので、本当に最後の手段です(いわゆる神風特攻用)。

 この兵器は本来、上空からデルバイの火薬を投擲して絨毯爆撃する事を想定して作られていたため、内部の積載スペースだけは非常に広く、さまざまな貨物を大量運搬可能です。現在は空いたスペースに大量の飲料水と食料を積み込む事で、かなりの長期間、補給なしの独立状態で運航する事が可能になってます。

【運用】
 船長(戦闘司令官を兼任)1人、操縦者1人、航路管理者2人、通信士1人、調理師1人、砲手2人、予備人員(練習生や戦闘魔術師など)2人といった配置で運用されます。
 かつては大量の爆薬を積んでいましたが、現在のパルマ市での運用では、40名のミュルーン傭兵を搭乗させて兵員輸送船として運用されています。プロの傭兵とはいえ、ミュルーンが任務中でも黙ってられるはずがなく、航行中の船内はとても賑やかなようです。

 なお、弾薬などの補給の他、毎日マナを充電するための専用の時間が必要です(1時間ほど低燃費モードでじっとしている必要があります―――人間の「食事」に相当する行為です)。
[編集手記]
 管理人は別にミリタリーオタクではないんですが、そっちの人の最大のロマンといえば、やはり巨大な艦船だと思うんですよ。ファンタジー世界であれば、飛空艇なしに軍事ロマンは語れません。
 そんなわけで、最も気合を入れて作った艦船群をじっくりと御覧下さい(笑)

 以下、解説的なアレ。




■コースシーの浮遊艇
 この魔導兵器の情報源は結構豊富なのですが、「コンパニオン」に記載されているデータと、リプレイで登場した際の数値の扱いが全く違ってたので、実際の数値は管理人個人のオリジナル設定です。
 リプレイ「時の狂気篇」で登場した際のコースシーの浮遊艇は、おそらく戦車や艦船の戦闘で適応される「ダメージの縮尺」(未訳)のルールを用いていると思われたので、10秒間の連射時の総合ダメージが、おおよそ10倍の値になるような威力に調整したつもりです―――少なくとも、バリスタと火炎放射器の有効射程距離に関しては、原作に合わせました。

 この浮遊艇のイメージを他作品で例えるならば、映画「マトリックス レボリューションズ」に登場したザイオンのホバークラフト群だと思います。
 マトリックスは、管理人がお気に入りの映画の1つで、特にハンマー号に3人の船長が乗り込んで、狭い点検用通路の中をホバークラフトで爆走してザイオンへと帰還するあたりが一番好きでした。あと、ザイオンを防衛する奇妙な強化外骨格「APU」(Armored Personnel Unit)とか、あんな外装のないスッカスカな乗り物で、触っただけで残機が1機減りそうなセンティネルとまともに戦えんの!?とか思いながらも、楽しんで見てました(笑)




■空中要塞フェニックス
 小説「ルナル・ジェネレーション3」の後半にのみ登場する帝国の魔導兵器ですが、運用面で少し疑問を感じたので、そこは管理人の独断で勝手に修正しました。


 まず最初に、小説では「1体のミュルーンが2人の帝国兵を地面に降下させる」とあるのですが、運搬重量とミュルーン1人の飛行能力からして到底不可能だと思います。
 ミュルーンの平均体力は9で、エリート部隊だから11くらいだと想定しても、最大運搬重量は110kgがいいところです。そこに、重装備の人間の歩兵ともなると、少なくとも100kgは超えてしまうと思います。ミュルーン本人の装備重量と合わせると、これは1人でも到底荷重飛行できるような範囲ではありません。まして2人とか、完全に物理法則を無視しているので、これはさすがに見るに堪えないので「100kg以内で収まる軽装の帝国降下猟兵を1人下ろす」ことにしました。

 もう一つは、そもそも秘密任務を帯びて敵地に潜入する降下兵部隊が、重装歩兵を扱っている点です。
 敵地潜入を主任務としている以上、可能な限り白兵戦は避け(白兵戦をすると双方に被害が出るのは避けられないので)、目的を達成したら一目散に魔導兵器で帰還するのが合理的です。
 にも関わらず、この降下兵団は最初からガチバトル前提の重装歩兵を運用しており、しかも装備重量で機動性も下がっているので、逃げ足も遅くなってるはずです。敵地のど真ん中で、味方からの増援もほぼ期待できない状況で、わざわざ被害の出る白兵戦主体の兵力を送り込むとか、軍事的に見てちょっと考えにくいんですよね。
 現実の降下猟兵部隊だって、普通は軽装状態で潜入して敵の不意を付き、一方的に掃討してからとっとと帰る流れになります。人材使い潰し前提の精鋭部隊なんて、そもそも「精鋭」状態を維持できません(経験を積む前に死んでたら部隊全体も全く成長しない)。

 なので、1つ目の理由も合わせて軽装歩兵部隊の運用とし、ミュルーンと帝国兵の人数を同数に調整しています。




■空中要塞ケツァルコアトル
 まだ戦争相手国がろくに空中戦闘手段を持ってない頃、空輸だけに特化した初期型の飛空艇が登場したはずだと思い、管理人が勝手に設定したオリジナル兵器です。

 最初はレポート「天災魔術師」で、アリサが哨戒任務のためにこれに乗って登場しました。また、別コンステンツ「カルシファードのキャラクター」の歴史説明文にて、カルシファードの爆撃のためにやってきた初期の飛空艇として再登場させました。
 これらはいずれデータ化したかったので、ちょうどこの機会にデータ化してみました。上記のフェニックスから、有用な装備を一式とっぱらったらこうなりました。さすがに体力500あるだけあって貨物スペースにかなり余裕があるので、兵士50人くらいなら食料と水込みで余裕で積めます。

 変に凝った魔導兵器ではなく、単純に兵士を大量に送り付けてくるだけの大型輸送船タイプの飛空艇が欲しい場合、こういう魔導兵器が適当かと思います。




■その他
 今回はデータを挙げませんでしたが、小説およびリプレイに帝国の魔導兵器として〈青き鉄槌〉(ブルーモーラー)という巨大潜水艇が登場します。巨体を生かして衝角で敵に体当たりするだけの性能なので、さすがに面白みがないのでデータ化はパスしましたが、上記の体力500の飛空艇に「角」(5cp)でも生やして体当たりすれば「叩き/41D+2の体当たり」とかになるので、普通に再現できると思います。
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