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■魔導兵器/多脚戦車タイプ
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 一般的な陸戦型ゴーレムは人型が主流ですが、安定性と不整地踏破能力、座高を低くできるといったメリットから、サイズの大きい魔導兵器では、蜘蛛のような多足歩行生物を模倣したタイプが多いようです。SF作品でいうところの「多脚戦車」的な魔導兵器です。
■海底探査用ゴーレム『クラブ・フラット』
【概要】
 グラダス半島のウィザードの街として有名な〈垂直都市〉ピールの現評議長アルバが中心となって作り上げた、海底探査用の搭乗型ゴーレムです。平らな蟹のような姿をしている事から「クラブ・フラット」という名称がつけられています。

 このゴーレムは、バドッカの豪商「シュナイト商会」の注文を受けて建造されたもので、商会が所有する交易用帆船〈鬼神の息吹〉号に搭載されています。主な仕事は、沈没船からの物資のサルベージと、海底に住むディワンとの交易です。
 また、この手のゴーレムは現代における「潜水艦」の役割を担える事から、主に海洋国家の軍隊での需要がそこそこあるようです。通常の帆船相手であれば、水面下から一方的に攻撃できるため、強力な海軍戦力となるはずです。

 出典は、ルナル・リプレイ第3部の下巻で、シナリオ中に交戦するシーンがある他、巻末にデータが掲載されています。以下のシートはそのデータを元に、このルール下で厳密に再現しようと試みたものです。
【解説】
 一般的なストーン・ゴーレムの変化版で、圧倒的な水中機動性を持たせてあり、さらに人を載せて活動可能です。ゴーレム自身は呼吸を必要としませんが、中に乗り込んでいる人のために「えら」の特徴を持っており、内部は常に新鮮な酸素が補充されています。

 このゴーレムは、ある程度の水深まで潜る事が可能な設計になっており、おおよそ水深1000メートルまでなら、水圧に耐えて活動する事が可能です。超深海に存在するという〈姿なきグルグドゥ〉の深海都市(水深6000メートル前後)まで到達するのは、現代の魔導兵器の建造技術ではさすがに困難ですが、彷徨いの月の水生種族ディワンの海底都市あたりまでなら、問題なく到達する能力を持っています。
 また、6本脚により地上でも活動可能ですが、水中適応の代償で動きがぎこちなく、地上での活動はあまり得意ではありません(あらゆる行動判定に-4)。武器となる両腕のハサミも、水圧に耐えるために大幅簡素化されており、人間の手のように高度なマニピュレーターではなく、細かい手作業ができません(精密作業-6)。とりあえず両方のハサミで「ダブル・パンチ」するためだけの護身用の部位だと思って下さい。

 クラブ・フラットのセンサー系は、主に暗視能力を持つ光学センサーと、音の反射により周囲を探知するソナーです。ゴーレム自身はほとんどソナーに頼っており、暗視能力は主に船員に対し、ホログラム映像で周囲の光景を見せるためのものです。
 なお、船外での細かい作業が必要な場合、乗組員が「深海作業服」を着用して船外で活動します。この作業服も魔導兵器扱いであり、詳細データは以下に記載してあるので、そちらを参照して下さい。

【運用】
 載せようと思えば、人員は7人くらいまで載せる事が可能ですが、結構重い深海作業服と船員の重量の兼ね合いから、3人乗りで3着の作業服を積み込むのが、重量バランス的にベストとなっています。作業服は、船体に何かあった場合の緊急避難用具も兼ねている事から、普通は3人乗り・作業服3着体制で運用します。
(リプレイの巻末設定では、なぜか6人乗りにして作業服が4着しかないという謎の危険運用になっていますが、当サイトでは安全面重視に変更しました。)

 水中という環境であることもあり、遠隔武器などは積んでおらず、両腕のハサミで二回攻撃するのが唯一の戦闘手段です。ですが、水中での機動性は高く、逃げ足が速い事から、なるべく戦わないに越したことはありません。
■深海作業服
【解説】
 海底探査用ゴーレムは巨大であり、手先も構造が単純化されていて不器用であるため、細かい作業を行うための船外活動用の強化外骨格が開発されました。

 一見すると「中身」の人間が自由に動いているように見えますが、実際は魔導兵器が搭乗者の思考を読み取り、その考えに沿うように身体を動かしています(搭乗者と魔導兵器のサイズがほぼ同じだけあって、かなり精巧な動きを再現してくれます)。早い話、地球における架空のパワード・スーツのように、身体の動きをセンサーが検知して可動部をリアルタイムで動かしている構造であるため、身体能力(=能力値)自体は魔導兵器側に依存しています。
 内部は狭く、ほぼ操縦者の体とフィットしている構造上、魔導兵器が歩行する際は操縦者も軽く手足を動かす必要があります。ただし、力を入れる必要はなく、魔導兵器が自動で手足を動かしているので、ほとんど疲労しません。
 なお、搭乗者の顔の部分だけは透過処理がなされており、直接外を見て脳波指令で稼働する仕組みであるため、「闇視」能力だけは搭乗者に直接魔法で賦与される仕組みになっています。

 魔導兵器に分類されている以上、作業服にもAI機能的な役割を果たす「人工の魂」が封入されていますが、音声によるやり取り機能は省略され、搭乗者のコマンドや質問に対してはバイザー部分に文字や図を幻影表示するか、脳内に直接それらのイメージを送り込む形式になっています。これは、我々の地球でいうところのAR(拡張現実)表示と同じようなものだと理解して下さい(スカウターのごとく視界の隅っこに戦闘力数値が表示されたりするアレ)。

 作業服の素材は鉄ではなく、強靭かつ伸縮性に富む海獣の皮に防具魔化呪文を施して強化したレザー・アーマーです。「えら」の特徴により、内部には常に新鮮な酸素を送り込む事で搭乗者の呼吸を確保しています。
 また、魔法により水圧を押し返す構造になっており、水深1000メートルまでならば水圧を気にせず安全に活動が可能です。作業服の内部空間は外からは完全に独立しており、内部に水圧の影響はなく、操縦者が減圧症(潜水病)を患う心配はありません。
 なお、背中のバックパックは《水泳》が魔化された機動ユニットで、これにより水中を自在に動き回る事が可能です。


【運用】
 一応、服を着用したままでも乗りこめますが、中は狭く通気性自体はイマイチなため、通常は鎧を着用しないで乗り込んで運用します。作業服はパワードスーツとしての役割通り、かなりの怪力を発揮するものの、搭乗者自身の重量により機動性が大きく低下しています(大人の体格だと、女性でも60kgのラインは超えてしまうでしょう)。外での作業で何か採取したとしても、100キロ前後の運搬が限界なので注意して下さい。

 また、この作業服自体も、金属の使用は避けて軽量化されているとはいえ、およそ100キロもあるシロモノです。そのため、海底探査用ゴーレムの運搬重量もかなり食います。乗組員と作業服の重量を合わせると、3人乗りで作業服3着で運用(合計600kg)というのが現実的でしょう。
■多足のもの発明品 〈偉大なる機械〉
【概要】
 グラダス半島の地下に住む〈多足のもの〉たちの一部が、スティニア戦争の折に鬼面都市バドッカへの援軍として送り付けてきた巨大な多脚歩行式戦闘機械です。
 〈多足のもの〉は地面をたたくリズムで会話するため(モールス信号のような言語)、音だけで決めた名前を直訳する事は不可能なのですが、無理やり意訳すると〈偉大なる機械〉と訳されるようです。

 外見は〈多足のもの〉を数十倍に拡大し、触手の代わりに無数の角が生えているというもので、その角を伝導管として電撃をバースト放射します。操縦していた〈多足のもの〉たちは、とりあえず敵を排除すればいいやとばかりオールレンジ攻撃を続けた結果、あわやバドッカまで破壊される状態に陥りました(さすがにニフトールが止めましたが)。

 出典は「ルナル・サーガ完結編(下巻)」で、バドッカ援軍のために登場し、都市内に入り込んできたスティニアの異形兵を駆逐しました。
【解説】
 〈多足のもの〉という種族を、ほとんどそのまま巨大マシーン化したような魔導兵器型サーヴァントで、「はりつき」以外の能力はほぼ再現されています。また、触手はありませんが無数の角が生えており、電流発生器の役割を果たしています。その役割は、自走式砲台として敵を駆逐する事だけです。

 〈偉大なる機械〉はあまりの巨大さから、動き自体がかなり鈍くなっており、「減速」の弱点を抱えています。何をするにも1ターンの行動で2ターンかかります。当然、メイン・ウェポンである〈破滅をもたらす地電流〉とかいう中二病ネームが付けられた電流放射攻撃も、2ターンに1回しか放てません(代わりに「集中」は必要なく、ターン冒頭に問答無用で撃てるようになっています)。
 また、マシンの主動力はマナですが、一方で攻撃には電力を用いており、マナとは別に充電する必要があります(1日ごと)。しかし現在のTL3のルナル社会では、〈多足のもの〉の都市以外での充電ステーションを備えた施設などはほぼ皆無であり、常に近場の地底都市まで戻る必要があります(電力の頻度は「あまりない」扱いになっています)。

 センサーの類は「赤外線視覚」の他、魔法で周囲の地形を把握する「レーダー感覚」を備えており、これは地中であっても「知力」メートルまでは貫通するため、主にこの能力を使って周囲の地形を把握し、「物質透過」の能力で目的地まで進みます。ただし、この透過能力も1分間使用するたびに15秒の充電が必要となっているので、移動以外での利用は控えた方がいいでしょう(安易に攻撃回避に使用していると、いざというときに逃走できなくなります)。
 メイン・ウェポンは威力30Dの地電流による攻撃で、しかも「爆発」属性がついているため(電流が複数の敵に伝播していくイメージの再現)、敵集団を効率よく駆逐できます。しかし、狭い空間で爆発属性攻撃を連打すると、下手すると味方が落盤で埋まってしまいかねません。なので、単騎で固定砲台として一騎当千する戦い方が基本となるでしょう。

【運用】
 乗員は操縦士1名、砲手1名といった配置を想定しています。荷重に余裕がありますが、基本的には戦闘以外は想定していないので、貨物や乗客を載せられるスペースはごく小さいものです。
 基本的には地電流バースト攻撃を連打しつつ、足で蹴りを入れたり、体当たりする設計になっています。いずれもダメージが40Dを超えるすさまじいものなっていますが、「減速」によって1ターンの行動が2ターンかかる事に注意してください。行動自体の宣言は1ターン目に行われるため、実際の攻撃判定が行われる前に、格闘距離から離脱されてしまう可能性もあります(といっても、体格によってキックの射程距離も9へクスまで伸びているため、そう簡単に逃げられないでしょうが)。
 ちなみに、このマシーン自体は電撃攻撃に対して完全な耐性があり、受けた過電流は全て地面にアースしてしまいます。なので、少なくとも自身の地電流攻撃でダメージを受ける事はありません(爆発によって生じた落盤に巻き込まれてダメージを受ける事はあるかもしれませんが…)。

 なお、何気に「耐圧6レベル」と「水中行動」も持っていますが、これは明らかに〈姿なきグルグドゥ〉を仮想敵として、海底都市にも攻撃できるように配慮したものです。〈多足のもの〉に匹敵する科学力を持ち、敵対し得る存在となると〈姿なきグルグドゥ〉しかいないでしょうから…
[編集手記]
 「攻殻機動隊」などに登場する多脚戦車はSFミリタリーオタクのロマンの1つなのですが、現実ではエネルギー効率の悪さが最大のネックらしく、なかなか実用には至らないようです。


 地上で最もエネルギー効率が良い移動方法は車輪による移動ですが、移動場所に制約があり、舗装された道以外はそもそも移動できないケースが多々存在します(段差とか)。

 それをある程度解消したのがキャタピラ移動ですが、これは履版の一部でも破損すると動けなくなるという弱点があり、またエネルギー効率は車輪に比べると凄まじく悪くなります(接地面積が大きすぎるからです)。それでもなお、砲撃時の安定性や不整地の移動能力などのメリットの方が大きい事から、戦車はキャラピラ移動が主流となってます。

 キャラピラよりも更に不整地踏破能力を向上させたのが、いわゆる多脚車両となるのですが、これは移動時のエネルギー効率が悪すぎる一方、座高が高くなることから主力戦車には不向きであり、利用できるのは対歩兵戦車として歩兵に随伴する(あるいは歩兵がこれを護衛する)形の運用が想定されています。
 いずれ未来の軍事では、足を使った車両がメインとなるのでしょうが、現状の地球の科学力では、まだ多脚戦車を実用化・実戦投入できるレベルではないです。残念。

 一方、ルナルのようなファンタジー世界では、何でも魔法で解決してしまったことにするのが基本なので、このような多脚戦車もゴーレムの一種として登場させることが可能です…というか、既に人型ゴーレムを普通に戦闘に投入できてる時点で、ある面では科学万能の現代地球よりも技術的に「進んでる」と言えるでしょう。




■クラブ・フラット
 原作では「カニバブラー」とかいう名前になってます―――これは、リプレイ中にドライトのプレイヤーが勝手に名付けたネーミングで、特に公式というわけでもなかったのですが、他にネーミングがなかったのか、そのまま巻末データの名称となっています。
 カニバブラーとは、どうやら「仮面ライダー」に登場する怪人の名前らしく、個人的にはあまりにセンス皆無なネーミングだと思ったので(笑)、リプレイ巻末の説明文に「平らな蟹のような姿をしています」という描写があったところから「クラブ・フラット」と命名しました。

 なお、MMD業界の某レア様とは何も関係ありません。いやほんとに。


 以前からそうなのですが、ルナルの作者はルール整理が面倒なのか、それとも物理法則を無視すること=「ファンタジーらしさ」だとでも思ってるのか(おそらく両方)、「耐圧」が何レベルなのか、まるで表記がありません。ユエル・サーガのグルグドゥの種族セットにも、耐圧を1レベルも入れてない事からも、その頑なさが見て取れます(おそらく、わざとやってるように見受けられる)。
 多分、水圧のルールをマジメに適応すると、潜水前の減圧症対策に行われる予備呼吸とかで4時間が経ちました―――とか、あまりにプレイ・アビリティが悪くなる事から、それを回避したくて物理法則を無視してるのかなぁ?…と、勝手に推測しています。

 しかし、魔法が実在するとはいえ、基本的には地球の物理法則に従って構築された世界である以上、現代の地球人類が分かってる範囲の物理法則くらいはきちんと定義して処理したほうがよろしいかと思います。でないと、何をするにもGM判断となってしまい、プレイヤー側も基準がないため、奇抜なアイデアの出しようがないんですよ。
 どっかの偉い歌舞伎役者さんが残した言葉に、「型をしっかり覚えた後に型破りになれる」というものがあります。まったくその通りで、基準となるルール、物理法則はしっかり決めておかないと、そこから外れる事もできないんです。
 ところがルナルの作者は、自分が「型破りになりたい」がために、「型の設定者」の立場を放棄したがる悪い習慣がありました。小説だけ担当してる人ならそれでも良かったのですが、不味い事に当人が日本のガープス第一人者の立場になってしまったため、過去にユーザーとの間で揉める原因となりました(遠い目)。

 ルナルの「耐圧」に関して言うならば、「水圧の概念があることで、水の元素神の眷属グルグドゥが人の手の届かないところにいる神秘的な種族となる」という恩恵があります。水圧が全く存在しないとなると、グルグドゥはもっと人間と身近な存在となり、神秘性もクソもなくなってるはずです…少なくともグルグドゥの側は、他の知的生命体と積極的にコンタクトを取り、自分たちの優秀さをアピールしたがるという、本来はめんどくさい連中なのですから。
 「互いに安易に接触できないからこそ神秘性を表現できる」設定を守るためにも、ルナルでも水圧の概念は、きちんとルールとして導入したほうがよろしいかと思います。




■深海作業服
 意外と設定で悩んだのが、この手の「強化外骨格」タイプの魔導兵器です。


 最初は「庇う」(20cp)の妖力で表現しようと思ったのですが、そもそも最初の解説ページで「魔導兵器に乗り込む」ルールを独自に作ったため、「庇う」そのものの存在があまり意味がない気がしました(内部にいれば事実上「庇う」状態なので)。
 で、結局「作業用外骨格みたいに直接ではないけど軽く体を動かして稼働してる」ことにして、各妖力に「他者への影響」を付けるという、コストだけがやたらかさむ状況を回避しました。

 もう一つ、「庇う」を避けた理由として、上記でも挙げた「水圧」の問題があります。
 現実世界で潜水服を使って潜る場合、行きはよいのですが、帰りに「ゆっくり浮上しないと血中に溶け込んでいる窒素が気泡化して血管を詰まらせる」という障害が発生します(減圧症)。
 もう一つの例として、宇宙服を着て船外活動を行うケースがあります。こちらは潜水とは全く逆で、宇宙空間はステーション内よりも気圧が低いため、そのままの状態で外に出ると宇宙服がパンパンに膨れ上がり、精密作業ができなくなります。「ならば最初から宇宙服内部の気圧を下げて出るしかない」のですが、その減圧作業(予備呼吸と言います)で数時間かかります―――宇宙服装着者の血液内の窒素を追い出す作業が必要だからです(そうしないと宇宙服に入った途端に減圧症になってしまうので)。

 以上のように、潜水艦から潜水服を来て出入りすると形式にすると、宇宙服と似たような問題を抱えてしまい、プレイ・アビリティが大きく減衰します。最初からそういうのを楽しむ「未知の領域探索ミッション」とかならいいんですが、ルナルの冒険って、そういうのは魔法か何かで省略しますよね。本筋のバトルとは関係ないので。
 なのでもう、作業服の中は「外とは完全に隔離された通常気圧の空間」として乗り降りの時間を一瞬する方がいいわけで、「庇う」ではなく「モビルスーツに乗り込む」形態となりました。


 ここで1つ思い浮かぶ疑問として、「どうして魔化アイテムにしなかったのか?」というものが当然出てくると思うんですが。

 実は、水圧にある程度までは抵抗可能な呪文であれば、「ガープス・グリモア」に《水中歩行》という呪文があります(《水面歩行》ではなく《水「中」歩行》です)。これは、水or氷がまるで空気になったかのように無視して活動できるようになるという呪文で、コストを倍にすると水圧に耐えられるようになるとあります(「ソード・ワールド」の精霊魔法6レベル「ディクリース・ウォータープレッシャー」と似た趣旨の呪文)。
 ただし、説明文の最後に「深海の超高圧に耐える事はできません」という文章が書かれているため、今回のように「水深1000メートル(100気圧)の状況下では耐えられない」可能性が高い。なので、《水中歩行》が魔化されたスーツは不採用となりました(どうしても採用したいなら、《深海歩行》とかいう独自呪文を開発するしかないでしょう)。

 もう一つの手段として、《肉体液化》の呪文でいっそ自身が水になってしまえばいいというのも考えました。しかし困った事に、《肉体液化》の魔化アイテムは使用の際に「アイテムが地面に落ちてしまうので維持はできない」とあり、活動時間を確保できません。さらに、水の体だとそもそも海底で何か採取して持ち帰る事もできません。
 というわけで、潜水服としては使えません。

 あと、同様の趣旨で《幽体》が魔化されたケープという手もあり、こちらはケープであれば好きなだけ持続できるんですが、結局これも「物を持ち上げられない」ため、いちいち潜水艇から離れて海中に出る意味があまりないのでした。


 結局、魔法文明であっても宇宙や深海の探索は「魔術師のゴーレムを用いた開発」という手段を用いる方向に進むと思われます。呪文一つで全てを片づけるにも、物理的限界があるわけです。
 どうしても「何でも呪文一つで解決!」という状態になりたいのであれば、まず自身の肉体を捨てて「純粋知性体」になる方が合理的かと思われます。




■〈偉大なる機械〉
 小説「ルナル・サーガ完結編(下巻)」でほんの数行登場しただけの、多足のものの巨大戦車です。

 ただ、管理人の記憶には「リプレイでも1度登場していて、ヒマなユーザーが操縦を担当した」「攻撃は小説のような電撃ではなく酸噴射だった」というのが残っていて、どのリプレイだったのか手元のリプレイを見直したのですが……どこにも見当たりません。はて、管理人の記憶違いだったのでしょうか。
 もしかしたら、書籍化されてないどこかの雑誌上だけに掲載されたリプレイだったのかも?もうルナルのリプレイなんて、読んでから数年は立っているので記憶も曖昧です。とりあえず、小説の数行の描写から、適当にもっていそうな妖力を持たせて表現してみました。どのみち、管理人の記憶にあるマシーンは小説とは性能が異なるので、データ化の時にどちらかを捨てざる得ないので、まぁこれでいいでしょう。
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