また、PCの状態や所持アイテムの変化、敵のHP管理などでメモ帳が必要になります。リアルで紙と鉛筆を用意してもよいですが、パソコンを用いているのであれば、Windows標準ツールの「メモ帳」などを用いればよいでしょう。
●冒険の舞台
本シナリオは、ルナルにおける冒険推奨地域「鬼面都市バドッカ」を想定しています。〈地域知識〉技能などでエリアを指定する場合、バドッカ周辺を選択すると役立つでしょう。使用言語は〈グラダス語〉〈大陸共通語〉であり、最低限「大陸共通語」が話せるならば、NPCとの意思疎通に問題は生じません。
●プレイヤー・キャラクター
このシナリオは100cpの冒険者を想定しています。どのようなキャラクターを作るかは自由ですが、今回の冒険では最低条件として「敵と白兵戦が行える能力」が必須となります。後方支援専門のキャラクターでは、クリア不可能に近いので注意して下さい。
なお、この冒険では遠距離戦闘はありません(最初から白兵戦距離での戦闘のみ)。射撃する場合、近接状態で手投げ武器や射撃呪文を抜撃ちするくらいしかできないでしょう。
●戦闘ルール
「ガープス・ベーシック」の「基本戦闘ルール」を用います。ヘクスには対応しておらず、距離概念は曖昧です。以下、基本戦闘ルールの簡単な注意点と、ルールでは規定されていない「呪文の扱い」全般を解説しておきます。必要に応じて読むと良いでしょう(該当部分をクリックすると文章が表示されます)。
▼距離の概念がないため「後退防御」が使えない。また「部位狙い」も存在しないため、白兵戦に限って言えばパワーと装甲の厚さ勝負となる。
▼負傷のルールは、部位狙いがない事を除けば上級戦闘ルールと同じである。
▼近接戦闘の概念がない。〈柔道〉に関しては「受け」からの投げのみ存在する。〈柔道〉技能を参照すること。
▼転倒からの起き上がりに1ターンかかる。転倒中および起き上がり時でも、能動防御にペナルティはない(ペナルティが発生するのは、姿勢の概念が導入される上級戦闘ルールのみの話である)。
▼射撃および呪文に関して、距離の概念は全てGM判断となっている。以下、独自の「射撃」と「呪文」に関するルールを設けるので、それに従う事。
本シナリオ独自のルールとして、以下が追加されます。
▼戦闘時の先行・後攻を決めるイニシアチブは、特に指示がないかぎり「移動力が高い側から先行」となる。PCと敵キャラクターの移動力が同じ場合は、PC側からの先行とする。〈戦術〉技能は、個々の戦闘でのイニシアチブには関与しないものとする。
▼このようなルールであるため、基本戦闘ルール下でも敢えて軽装防具を選択することで先手を取りやすくするといったメリットがある。
▼基本戦闘ルールでは近接戦闘が省略されているが、本シナリオでは「体当たり」のみ導入する。これにより、体格が良い動物などのメリットが増す。
▼「体当たり」は上級戦闘ルールと同じように、命中判定の代わりに敏捷力の即決勝負を行い、攻撃側が勝てば体当たりが命中する。その後、互いの体力で即決勝負を行い、負けた側は転倒する。
▼特殊ルールとして「体当たり」を行う際、近接攻撃1つを選ぶことができる。体当たりが命中した場合、選択した近接攻撃は自動的に命中したものと見なし、その後の体力即決勝負とは別途でダメージを与える事が可能とする。これは主に動物の戦闘力低下を救済するための措置であるが、人間にも適応される。例えば「ナイフを構えて体当たり」「パンチやキックと同時に体当たり」といった行為が可能である。
▼「組み付き」や「抑え込み」の概念は面倒なので導入しない。〈柔道〉技能で【腕関節技】を行う場合、【柔道投げ】と同じように命中判定として判定を扱い(対象の受動防御は無効)、命中すれば手に持っている武器を落とす。関節を極める事によるダメージなどは発生しないものとする。
▼具体的な距離(メートル)は、シナリオ中で自動的に決められる。戦闘中にこの距離が変わる事は基本的になく、距離修正が固定となる。なお、白兵戦闘で射撃を行う場合は「距離2メートル」として扱う(距離修正±0)。
▼遠距離で射撃戦を行う場合にかぎり、キャラクターの1回分の行動で10秒(10ターン)分の行動を一気に解決する。これは、従来のルールだと射撃戦の互いの行動管理があまりに面倒なことと、中世レベルの射撃戦だと1発撃つのに2秒以上かかるのが普通であり、1ターンの射撃行為で飛ばせる弾数もほぼ1発だけという事情による。
▼能動防御の「受け」「止め」は1ターン(=1秒)に1回ずつという原則は変わらないため、一人の射手が10秒の間にどんなにたくさん撃とうとも、1ターンに複数の矢を飛ばせる何らかの方法がない限り、標的となった者はそれぞれの射撃に対して「止め」が行える。
▼抜撃ち、正確さ、射程の概念も導入される。よほど近い距離でない限り「狙い」を付けないと当たらないと考えて問題ない。
▼呪文を使う際の距離修正は、白兵戦の場合は「0」として扱う。つまり、呪文レベルがそのまま目標値となる。遠距離戦の場合は「射撃戦の特殊ルール」に従うこと。おそらく距離が遠すぎて射撃呪文以外の呪文を当てるのは困難であろう。
▼抵抗可能な呪文の場合、攻撃側の呪文レベルがどんなに高くても、最終目標値は最大で16であるため(俗にいう「16のルール」)、どんなにレベルがあがろうと抵抗型呪文は常に抵抗される可能性がある事に注意。
▼範囲型呪文は、倍化せず1倍消費で用いた場合は1ヘクス、2倍消費で7ヘクス、3倍消費で19ヘクス…と、対象サイズに対応する。標準的な1ヘクスの敵を複数巻き込みたい場合、2倍消費で2人、3倍消費で6人、4倍消費で8人…と、倍化した分の2倍の人数を巻き込めるものとする。
▼持続するタイプの範囲型呪文(《火炎》《悪臭》など)は、拡大なし(1ヘクス)で放った場合、標的は自分のターンの間に自動的に範囲から逃れられる(となりのヘクスに「1歩踏み込んで」行動をとれば済むので)。2倍拡大以上の広範囲に捉われている場合、自身の手番の行動で「移動」を選択しない限り、効果持続エリアから逃れられないものとする。
▼持続するタイプの範囲型呪文(《火炎》《悪臭》など)の中にいるキャラクターのダメージ発生は、そのキャラクターのターン冒頭になる(正確には「前のターンの終了時点」という解釈)。自分のターンが回ってきた際、火災へクスや毒ガスへクスにいたら、必要な判定を行い(例えば《悪臭》へクス内なら生命力判定)、即座にダメージを受ける。その後、改めて「あなたのターン」が始まる。毒ガスなどでダメージを受けて朦朧状態になっているなどしたら、直後のターン冒頭の回復判定を行ったりできる。
▼《物質障壁》《完全障壁》などの障壁を張る系の呪文は、前提呪文となる《避難所》の上位互換とする。そのため「中から外に出る」分に関しては、敵味方関係なく障壁の妨害を一切受けない。「障壁内部に敵を閉じ込めて隔離する」戦術は使えないことに注意。また、内部の環境は障壁の外と均一化しようとする働きがあるので、《空気破壊》などで内部を真空にしたりすることもできない。代わりに「中から外の敵に対して白兵攻撃や射撃を一方的に仕掛ける」ことができるようになる。
▼白兵戦闘で《浮遊》や《飛行》などの呪文で浮きながら戦う場合、「よけ」に+2のボーナス修正が付く。なお、《空中歩行》による飛行ではボーナスなし。
▼「飛行戦闘」や「異なる高さでの戦闘」のルールは煩雑になるので導入しない。よって、飛行による有利な修正は上記の「よけ」+2だけとなる。
▼飛行中は足元が不安定になることによる転倒は発生しないが、ダメージによる転倒は発生する。ダメージよって朦朧状態になり、直後の自分のターンの冒頭に回復判定で失敗して朦朧状態のままの場合、空中制御を失ってターン終了時に地面に落下して「よけ」+2のボーナスを失う。これは、朦朧から回復して起き上がるまで続く。ただし飛行系呪文による飛行中は、朦朧状態になっても地面に落ちたりはせず、滞空し続ける事ができる(「よけ」のボーナスも喪失しない)。
▼《空中歩行》による飛行は徒歩と全く同じように扱われるため、通常の手段で転倒し、転倒したら自動的に地面に落ちる。
▼「白兵戦闘中に敵の手が届かない上空まで上がり、射撃などで一方的に攻撃する」戦法は、基本戦闘ルールでは距離概念が想定されていないため、単純に「距離を取って射撃戦に移行した、あるいは逃走した」と見なされる。シナリオ内に逃走や射撃戦に移行する選択肢がない場合、この戦術は取れないものとする。
なお、導入するかは自由のルールは以下です。
▼白兵武器での命中判定でクリティカルした場合は「ダメージ2倍」、ファンブルした場合は「武器を落とす」の効果で固定される。劣悪な剣の場合、落としたと同時に折れるかどうかのチェックを行う。
▼射撃武器での命中判定でクリティカルした場合は「防護点無視」、ファンブルした場合は「武器が故障する」の効果で固定される。故障した弓矢やクロスボウは、非戦闘時に10分かけて〈武具屋〉判定に成功すれば、修理することが可能(この時にファンブルすると、完全に壊れてしまう)。
▼通常の使い方における呪文発動時のクリティカルは「消費コストなし」「抵抗呪文であれば自動的に敵の抵抗を突破」、ファンブルは「コストを通常通り支払った挙句、発動しない」「精神的朦朧状態になる(次のターン冒頭から知力判定を行い、成功すれば回復)」に固定される。なお、このルールは魔化など膨大なコストを支払う儀式系の判定には適応されない。
▼ガープスのルールにおける「恐怖判定表」の適応は手間がかかりすぎるので、恐怖判定の失敗度合いから即座に以下の結果を被るように変更する。
●失敗度1~6:1Dターンの間、精神的朦朧状態。以後、1ターン毎にターン冒頭で意思判定を行い、成功すると回復。
●失敗度7~11:1D分間気絶。以後、1分毎に生命力判定を行い、成功すると回復。
●失敗度12~:-10~-15cp分の「妄想」か「恐怖症」を植え付けられて1D分間気絶。回復は上記と同じ。
●戦闘後の負傷の処理
戦闘での疲労は、戦闘後に全て回復します。
▼連戦の場合を除き、戦闘後に1回の〈応急処置〉技能(あるいはそれに類する上位互換技能)による傷の手当が可能。ルナル世界は文明レベル3なので、判定に成功した場合の回復力は1D-3点(最低1点)。独自の上位互換技能の場合は、それぞれで指示された回復量となる。
▼《小治癒》などの治癒呪文は、非戦闘時であれば疲労点を気にせずに好きなだけ使える(休息しながら使うので、疲労点を減らす必要なし)。ただし、同じ日に治癒呪文を連続使用するとペナルティが発生するルールがあるため、そう何度も使えない。ゲーム内で日付が変わった場合、ページの最初にそのメッセージが必ず表示される(その時点で連続試行によるペナルティがリセット)。
●ゲームオーバー条件
戦闘などで意識維持判定に失敗して意識を喪失したり、生死判定で失敗して死亡した場合、そこでゲームオーバーとなります。また戦闘に勝利しても、両目が見えなくなったり、片足あるいは両足が使えない状態に陥ると、それ以上まともに移動できなくなるため、ゲームオーバー扱いとなります。
なお、ゲームオーバーになった場合、直前の戦闘をその場でもう一度やり直すなど、再チャレンジするのは構いません。
説明は以上です。
それでは、下のボタンから冒険を開始して下さい。
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