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■第9節 スカル・クラッシャー
 双月歴が始まる以前。

 〈悪魔〉戦争にて、〈栄光の担い手〉と呼ばれる真の英雄が現れ、黒の月の暗黒英雄を次々と打ち破ったという。その中の1人、ドワーフの英雄〈龍〉のキルシアンは、素手で魔鋼鉄のゴーレムを砕いたという。
 キルシアンは〈悪魔〉戦争末期の英雄で、黒の月の英雄で女トロールの将軍〈退かぬ者〉ハオウと戦った事が伝説として残っている。
 ハオウはキルシアンに倒されたが、直後にハオウの身体は地面に飲まれ、その後は定かではない。一説によると、ハオウの部下の邪術師が彼女を助けるため、呪文をかけて助けたのではないか?と言われているが、真相は定かではない。


 …実際のところ、ルナル完全版のトロールの項目にはハオウのデータが堂々と掲載されており(p173)、これはもう「まだ死んでません」と宣言しているようなものである(笑)


 なのでこの項目では、古の英雄がやりそこなったハオウへのとどめを、双月歴1095年現在の超英雄によって成し遂げたい。
 キルシアンが砕いたという魔鋼鉄のゴーレムなる存在が、どのくらいの防護点を持っていたのかは知らないが、現在の重装騎士の装甲が防護点9なので、おそらく10前後あったかと思われる。それを素手ダメージで貫通させたキルシアンは相当な怪力であろう。

 よってここでは、
防護点10のトロールの単独討伐を行うものとする。
■状況
 以下のような状況において、防護点10の相手とやりあえる超英雄を想定する。
●ハオウ復活
 「実戦」開始早々、
〈退かぬ者〉ハオウが復活する。これを単独の英雄が討伐する展開を目指す。

 ルナル完全版のハオウのデータを計算すると、おおよそ580cp前後で作成されている。しかし、当サイトの独自ルールでは、トロール種族セットの必要CPがそもそも異なるため、当コンステンツのために1から作り直したデータを用いる。CP総計は600とする。

 なお、ハオウのデータは、このページのラストにシートとして掲載してある。
●地下施設での戦闘
 記録を見る限り、ハオウは死に際に《埋葬》の呪文(地霊系)をかけられ、《活動中断》の状態で地下に埋まっていたものと思われる。今回はその「発掘現場」での戦闘となるため、フィールドは「天井までの高さ5メートルの地下神殿」を想定する。
 1VS1の状況を想定するため、横移動に関しては実質移動制限はなしとする(お互いがぐるぐる円運動で同じ場所を移動する限り、前進・後退距離の限界は存在しない)。
 翼や呪文などで飛行した場合、2メートル上までしか上昇できない。そのため、地面にいるキャラクターから完全に離れる事はできないが、「高度差による修正」は得られる。ただし、互いに飛行している場合は、それらの修正は一切無視される。

 なお、ハオウは身長2メートルを越す長身であるため、肉体的特徴として「巨人症」を強制的に獲得している(この特徴の獲得によって、さらに1.2倍にする必要なし)。規格外サイズによる反応修正(非戦闘時-2/戦闘時+1)はルール通りに適応される。
 この特徴によりハオウは戦闘中、1メートル高い位置からの攻撃が可能とする(高度差修正)。ただしこれも相手が飛行している場合は、修正を一切無視する。
■対策
 以上の「状況」から、対策を考案する。
1.能力値ドーピング
 能力値を底上げするのに少ないCPで実現する手段は、呪文かエリクサーを使う事である。ただしエリクサーは効果が安定しないため、検証に用いる手段としては不適切である。よって、呪文による身体能力の強化を前提とし、それによってトロールに負けない身体を獲得する。

 主に使う呪文は《怪力》《すばやさ》で、体力と敏捷力を5点上昇させる事で、トロールの身体能力にかなり近づくことができる。
 特に今回は「素手で鋼鉄相手に殴り勝つ」ことが目標なので、フルパワーで《怪力》を発動する事が重要となる。また、固い物を殴った時の反動ダメージ抵抗(生命力判定)を安定して成功させるためには、生命力14以上が必要だろう。


2.白兵武器技能レベルはどこまで上げるべきか?
 ルナルは呪文が存在するため、「武神降臨」の世界のようにひたすら主技能をアホみたいに鍛えるやり方は、必ずしも有効とは言えない。

 例えば、〈空手〉48レベルまで上げて、技能レベル20前後の相手にフェイントをかけ、20成功とか「絶対防御不能」域まで相手の回避率を下げたとしても、相手が防御呪文(《鉄の腕》《瞬間回避》など)を使うと全くの無意味である(防御呪文による能動防御は、フェイントの効果を一切受けない)。
 また、《活動中断》の呪文を50レベルまで上げて、30メートル離れたところから呪文をかけても、「16のルール」により攻撃側は目標値16まで下げられてしまい、仮に相手の抵抗基準値が20だったりすると、クリティカルしない限りほとんど通らない。

 そのため、技能・呪文レベルの一本鎗上げは、費やしたCPに対する効果が見合ってない事がほとんどである。それよりも、1ターンの攻撃回数や種類を増やしてクリティカル命中を狙うとか、相手のミスを待つ方が理にかなっている。

 白兵戦闘技能の必要レベルの目安としては、「特定部位を狙って攻撃しても目標値が16以上をキープできる(クリティカルを6以下で狙える)レベル」となる。
 呪文に関しては、熟練によるコスト軽減や準備時間の短縮が発生するレベルに合わせるだけでよい。身体強化系呪文のほとんどは、20~25レベルあれば十分なはずである。攻撃系呪文に関しても、25レベルあれば連打するのに十分な性能を取得できるはずである。


3.一撃必殺
 トロールは戦闘中にHPが自動回復するという、非常に強力な再生能力を持つ。そのため、ダメージを蓄積して倒す長期戦を想定した戦術は、あまり有効とは言い難い。
 一方で、トロールも基本的にはヒューマノイドとしての身体構造であるため、部位狙いによって即死や気絶を狙っていくことができる。素手戦闘で実現可能性が一番高い戦術は、脳(修正-7)を狙って「生命力の半分」以上のダメージを与え、強制的に気絶させる手法である。

 ただし、脳は通常の防護点に加えて頭蓋骨の防護点(2点)が加算されるため、防護点10のトロールだと12点となり、これを貫通するのは非常に難易度が高い。まして素手でこれを突破するのは、何らかのパワーアシストがないと不可能だろう。
■サンプル・キャラクター
 以上の理論により、作成されたキャラクターが以下である。
【基本設定】
 ファレグ=アイヴズは、グラダス半島オータネス湖王国に存在する〈聖なる母の結社〉の幹部クラスの女性です。〈結社〉の支援により、「若返り」のエリクサーを定期的に使用しているため、外見は20代半ばの出産適齢期の美女ですが、実際には数百年の歳月を生きています。

 彼女が不老の状態を維持しているのは、〈結社〉の目的のためでした。
 〈結社〉は月に至る子を生み出そうと、優秀な人材同士を結婚させて血を混ぜ合わせ、最初に双子の月に至って契約した〈月に至りし〉サンダミオンと同格の英雄を作り出そうとした古の組織です。
 ファレグが属していたオータネス支部は、月に至る子を生むための母親候補の1人として、時が来るまでファレグの「若さ」を保存していました。いずれは、計画に取り込まれた「月に至る子の父親となる男性」の元に嫁ぎ、「月に至る子」を産み育て、そのまま不老を解除して人間として年老いて死ぬのが彼女の役目でした。
 ところが、別の支部が輩出した子供たちが「月に至る子」となったため(小説の主人公アンディとメノアの子や、リプレイ「月に至る子」に登場した主人公たち)、オータネス支部が独自に計画していた陰謀は全て白紙になってしまいました。早い話、組織内抗争で負けたのです。リアド大陸全土に点在する〈結社〉の幹部クラスの女たちと、彼女らが率いてきた組織は、もはや無用の長物となりました。

 しかし、〈結社〉が計画で取り決めた「理想のカップリング」を達成するために、あれこれと行っていた非道な仕事の数々(特定カップルを引きはがすための妨害交策や暗殺など)をファレグは知っていますし、彼女自身がその任務を担当した事もあります…それには何の罪もない、善良な人物の暗殺も含まれていました。
 自由奔放な性格の彼女は、自身が何物にも縛られない自由を愛するが故に、自分たちの都合で人の将来を弄び続けた〈結社〉の所業も許せませんでした。そして何よりも憎んだ相手は、「この世は弱肉強食で、強い者が運命を決するのだ」という強者の理論を妄信して暗躍していた、かつてのファレグ自身でした。

 〈結社〉は既に目的を達成し、そのほとんどは解散しましたが、彼女は幹部メンバーとしてオータネス支部の一部を存続させ、今度は〈結社〉の計画で利用するために人生を操作され、まだその影響を受けている人々の未来を取り戻すための作業に入りました。それは正義感というよりも、贖罪の念が主な動機でした。
 そして先日、〈悪魔〉戦争時代の暗黒英雄が、1000年の時を経て復活したという情報を入手します。ファレグは「今こそ私の命を使うべき時」と直観し、その討伐に向かいました。

 人の運命を弄び続けた過去を清算するために。
 そして、まだ生きている犠牲者たちの未来を守るために―――


 キャラクターの元ネタは、オンラインゲーム「PSO2」に登場する原初の女イヴこと「ファレグ=アイヴズ」です。


【設計思想】
 《倍速》《怪力》《素早さ》で能力値ドーピングを行った後、《瞬間移動》で敵の背後に回り込んで奇襲をかけ、頭部を目掛けて【飛び蹴り】を3連発(自身のターンで全力2回攻撃→セカンド・アクションで通常攻撃)。これにより脳へのヒットを狙い、一撃で倒す戦術を想定しています。
 ファレグは《すばやさ》の呪文による強化も含めると、飛び蹴りの素の目標値が26にも達するので、脳狙い(修正-7)でも余裕で目標値16を超えます。この目標値で蹴り続ければ、約10%の確率でクリティカルするため、10回も蹴っていれば確率の法則でクリティカルが出る計算になります。後はもう、ダメージのダイス目次第となります。

 なお、技能欄の「呪文」の項目のうち、紫文字は「普段から維持している呪文」(戦闘開始時からかかっています)、青文字は「戦闘が始まってからかけて維持する身体強化呪文」、赤文字は「攻撃・防御に用いる瞬間的な呪文で維持はしない」となっています。
 実際には2ターンかけて6つの呪文を維持する事になります。呪文維持中に他の呪文を使おうとすると、維持している呪文の個数分だけ呪文発動判定にペナルティが来るため、相手への攻撃や自身の防御のために使える呪文レベルにもCPを投資し、目標値を底上げしています。
■実戦
 グラダス半島の中央部に位置するオータネス湖王国の地下墓地にて―――
アリーナ
『………これで全部、かな?
 もう敵の気配は感じないし。』

クリフト
『―――そうですね。
 一件落着、と言いたいところですが…』
ファレグ
『―――お二人とも。
 よくやってくれました。

 後は、私個人の用事を済ませたら終わりです。
 お二人は、先にお帰りなさいな。』

アリーナ
『えっ……?
 でも……』




 オータネスの王都エグのアルリアナ神殿の高司祭ファレグ=アイヴズは、二人の仲間を連れ、王都郊外の地下墓地に巣食っていた黒の月の蛮族たちを駆逐していた。

 従者の1人アリーナは、オータネスの隣にあるソイル選王国出身で、ファレグと同じアルリアナ信者である。ファレグがソイルに出張していた頃に、蹴打術を教えた愛弟子でもある。ファレグがこれまで取った数少ない弟子の中では、群を抜いて急成長した逸材であった。
 そしてもう一人のペローマ高司祭クリフトは、貴族出身のアリーナの元従者で、現婚約者である。事情を聴いたところ、クリフト本人は「姫様の命令によりトリース森林共和国に極秘留学しようとしている最中」との事だが、ファレグの感覚では「駆け落ち同然でアリーナを選王家から連れ出した」ようにしか聞こえない。

 この墓地に巣食っていた黒の月の蛮族たちは選り抜きの精鋭部隊であった。しかし、腕の立つこの二人の援護もあって、ほぼ駆逐されたかに見えた。なお、討伐隊と言っても、この二人以外は誰も連れてきていない。今回の相手は素人を大量動員しても、無駄な犠牲が増えるだけだったからである。



クリフト
『―――姫様の仰ろうとしている通りですよ。
 まだ何かが潜んでいるかもしれません。
 最後までお付き合いしますよ?』

アリーナ
『うんうん。』

ファレグ
『――――――アリーナ♪』
アリーナ
『……んんっ??

 な、なによ?師匠…』
ファレグ
『……あなたもようやく、
 素敵な恋を手に入れたのですね。
 そのことだけが、ずっと気がかりだったのです。

 あなたってば、戦いにばかり興味が傾倒していて、
 すぐ傍にいる最高の宝物の存在にすら、
 気付いてないんですもの…。』

アリーナ
『………えへへ♪

 師匠の言った通り、
 私、ちょっと鈍すぎたみたい…』

ファレグ
『うふ♪
 ―――でも、アリーナ?

 恋は野菜や果物と同じナマモノ。
 手に入れたまま放置していては、腐ってしまうだけです。

 あなたの次の使命は、
 手に入れた恋を育て上げ、花を咲かせ、
 そして実を実らせる事。

 ―――分りますね?』
アリーナ
『うん………
 私…頑張って、
 彼の子供を産んでみるね…』

ファレグ
『大変よろしい♪


 ―――では、行きなさい。』

アリーナ
『うん……でも……

 
あっ……
アリーナ
『―――クリフト。
 先に戻ってようか。』

クリフト
『え?
 いや、しかし……』

アリーナ
『―――いいからっ』

クリフト
『は……
 姫がそう仰るなら。

 ―――ファレグ司祭殿。
 先に戻っております。
 どうか、お気をつけて。』
クリフト
『――――姫様。

 …本当によろしかったのですか?』
アリーナ
『………。

 私たちじゃ、足手まといだよ…クリフト。』
『―――茶番は済んだか?』
ファレグ
『―――あら。
 待ってもらわなくても結構でしたのに。

 意外と律儀なのですね?』




 〈退かぬ者〉ハオウは、おおよそ1000年前の女トロールの英雄で、暗黒帝国を打ち立てた姫将軍です。黒の月の「第7師団」血の魔元帥ガルダを崇めており、頭部に見事な角を授かっているのが印象的です。
 どうやらこの墓地にやってきた蛮族たちは、《埋葬》の呪文によって《活動停止》状態で地下に沈められていた彼女を物理的に掘り起こし、《覚醒》の呪文で起こしたようです。

 〈悪魔〉戦争末期―――双子の月の人間、ドワーフと彷徨いの月の種族の連合軍に破れ、軍勢に所属する黒の月の種族が辺境へと潰走する中、彼女は単独で戦場に踏み止まり、最後まで戦い続けたと言います。別に、同胞に対する「義務感」があったから取った行動ではなく、〈退かぬ者〉の異名通り、自分の敗北をどうしても認められず、潰走するくらいなら戦場で立ったまま死ぬことを選んだだけでした。
 しかしその行為は、結果的に「たった1人でしんがりを務めて味方の撤退を支援した」形となり、少なくない数の黒の月の同胞たちが逃げ延びたと言います。そんな「偶然」の献身行為により、彼女の名はますます神聖化されました。

 黒の月の種族の間では〈悪魔〉戦争終了後も、彼女が率いていた親衛隊〈覇道〉の名を借りた闇の傭兵部隊が幾度となく乱立しました。そしてそれは、戦争から1000年経過した現在もなお続いている現象だといいます。



〈退かぬ者〉ハオウ
『―――何。
 せっかく用意された
極上の強敵(ディナー)に、
 水を差されるのも嫌だったのでな…

 それと……
 私に集る
ハエの処理をしてくれた礼もある。』

ファレグ
『ハエって……
 あなたを土の中から掘り出して助けてくれた、
 忠臣たちではなかったのですか?』

ハオウ
『……助けた、だと?
 ははっ……
 1000年も経過した後の世界に
 呼び出された私など…
 ただの骨とう品に過ぎん。



 それに、
 この者たちは最精鋭を名乗っていたが…
 当時の私の部下のうち、
 最下層の者たちよりも弱い。

 つまり、我々の月の加護は弱く、
 滅びつつある……そうなんだろう?』


ファレグ

『………。』
ハオウ
『私は、助けられたんじゃない―――
 利用するために、
 ただ掘り起こされただけだ。

 そして私は、この雑魚どもの為に、
 単独で功績を立て続けなければならない。
 連中は、勝ち馬に乗って楽がしたいだけ。

 そのような役割、私の方から断る……』




 ハオウの認識は、おそらく正しいでしょう。
 今の黒の月の種族は、かつての〈悪魔〉戦争時代の残り火でしかなく、もはや当時のような暗黒帝国を打ち立て、維持するだけの人材も補給ラインもありません。

 そして、現在の彼らの陰謀は「他の月の強い者を堕落させ、黒の月陣営に取り込んで戦力とし、奇襲で一発逆転的な大破壊を狙う」のが主流であり、ハオウが活動していた時代のように、表の軍事力を用いて正面から堂々と力尽くで世界の破滅を狙うようなやり方は、もはや現実味がありません。
 つまり、ハオウの知るやり方が通じた時代は、とっくの昔に終わっているのです。ハオウは戦士の名誉を重んじ、自身過剰な女トロールとして知られていますが、同時に高い知性と〈情報分析〉技能を所有しているため、否が応でも自身の置かれた状況が見えてしまいます。
 そして、双月歴1095年現在の各月の勢力図は、プライドの高い彼女ですら自陣営の不甲斐なさに絶望し、自信喪失するのに十分な状況でしょう。


 ―――ハオウは壁にもたれるのを止め、ゆっくりと剣を抜いて構えました。
ハオウ
『私は……
 私に余計な処置を施した当時の部下も、
 現代に復活させたこいつらも…
 等しく憎悪しているよ……

 本当に私を敬っているのであれば、
 なぜ静かに、
 黒き聖地へと送ってくれなかったのだ…!?



 …しかし、復活して一つだけ良い事があった。

 こんな最悪の起き抜けに、
 極上の強敵
(ディナー)にありつけるとはな!
 ―――お前には、
 私を満足させる義務がある。

 せめてその散り様で、
 私を興じさせよ―――人間。』
ファレグ
『―――ええ。
 私も、この時を待っていました。

 …生まれ出でて数百年。
 今、この時まで磨き抜かれた、
 私の血肉の果て…

 
とくと味わっていって下さいな―――』
●戦闘開始
 〈聖なる母の結社〉の残党幹部ファレグ=アイヴズ(600cp)と、一千年の時を経て復活した〈悪魔〉戦争時代の暗黒英雄〈退かぬ者〉ハオウ(600cp)が戦闘を開始します。


 初期配置は、互いに20メートル離れた位置の地上にいます。

 ファレグは《韋駄天L2》《浮遊》《背中の目》を常時維持しており、移動力と「よけ」に+2、移動力3での飛行能力、全周視界の補正がなされています。
 ハオウは《韋駄天L2》《浮遊》《斬殺》を常時維持しており、移動力と「よけ」に+2、移動力3での飛行能力、素手攻撃の攻撃型が「切り」タイプに変更の補正がなされています。
●第1ターン
 両者ともに《韋駄天》をパワーレベル2で維持しており、移動力は11です。ただし、ファレグが〈戦術〉技能を20レベルで習得しているため、そちらが先行とします。


 ファレグはターン冒頭、《倍速25》の呪文を瞬間発動。これにより、各ターン毎に2回行動する権利を得ます。倍速のコストはわずか2点なので、疲労点から支払います。
 そのターンの行動は、全力移動でハオウへ接近を試みます。ハオウとの相対距離9メートル。


 《倍速》によってさっそく生じた、ファレグのセカンド・アクション。
 ターン冒頭に《すばやさ21》を最大パワーレベル5で瞬間発動。これにより+5の修正を受け、敏捷力23、〈空手〉技能26レベルに達します。
 そのターンの行動は、常時維持している《浮遊》を起動し、飛行状態へと移行。2メートル上昇・1メートル前進という軌道を取ります。ここの天井までの高さは5メートルで、大きさ1へクスの人間サイズの者が無理なく戦闘しようとすると、最大で2メートルまでしか上がれません(頭上に1メートルの空間がある状態)。なので、高度2メートルを維持します。相対距離8メートル。


 ファレグの残りHP15、残り疲労点14。
 ハオウのターン。
 こちらもターン冒頭に《倍速25》を瞬間発動し、セカンド・アクションを行う権利を取得します。なお、2点の疲労は生命力で支払います。トロールは毎ターンHPを1点回復するため、安い呪文であれば生命力で払った方がお得なのです。

 そして、そのターンの行動は《すばやさ18》を使うための「集中」。ついでに維持中の《浮遊》を起動し、ファレグを同じく2メートル上昇・1メートル前進の「踏み込み」を行います(飛行中は「踏み込んで」の行動で3へクスまで移動可能)。相対距離7メートル。
 地上にいたままだと、高度差による戦闘修正が発生し、ハオウが一方的に不利になってしまうため、こちらも飛行能力で対処した形になります。


 ハオウのセカンド・アクション。
 ターン冒頭に、先ほど消費したHPが1点回復します。倍速中のトロールは、1ターンの間にHPを2点回復するという、恐ろしいほどの回復力を持ちます。
 さらに、先ほど「集中」していた《すばやさ》の呪文を発動。維持中の呪文の個数分だけマイナス修正を受けて目標値14でしたが、何なく成功。これにより、敏捷力23、〈剣〉技能25レベルに達します。9点の疲労は、さすがにHPで支払うのは重すぎる(&さらに-9修正で呪文を発動するのは失敗確率が高すぎる)ので、体力で支払いました。

 そのターンの行動は「待機」して空中で3メートル踏み込み。次のターンには、ほぼ確実に白兵戦が始まるはずです。相対距離4メートル。


 ハオウの残りHP14、残り疲労点11。
●第2ターン
 ファレグはターン冒頭に、今度は《怪力21》をフル・パワーで瞬間発動します。これにより、ファレグの体力は21をマーク。ハオウの体力20をわずかに超える怪力を得ます。
 そのターンの行動は、飛行状態で1メートル前進のみ。はて、この行動は一体…?
 ファレグのセカンド・アクション。
 ハオウの目の前から、ファレグの姿が消えてしまいます。さすがにこれは、歴戦のハオウにも想定外。実は、ターン冒頭に《瞬間移動21》を使用してハオウの背後に回ったのです!

 現在、ファレグは6つの呪文を維持しているため、他の呪文を使う際に-6もの修正を食らいますが、ハオウの背後2メートルまでのわずかな距離(6メートル転送)であれば、瞬間移動の距離修正はありません。目標値15の判定に成功し、1点疲労して背後に転送。
 ファレグは転送時に「向き」を180度反転させたため、転送後の方向感覚維持のための〈方向感覚〉技能判定に-2の修正を受けます。といっても、ファレグは〈方向感覚〉技能を18レベルで習得しているため、この程度では何の障害にもなりません。判定は成功。
 背後にテレポートしたファレグは、自分のターンの行動としてハオウの「脳」を目掛けて飛び蹴りを炸裂!

 ハオウは完全に奇襲を受けています。ただし、戦闘中の奇襲行動は「透明」状態のキャラクターに攻撃されるのと同様と判断して、「聴覚-2」判定に成功すれば対応可能とします。

 知力16で種族的に「鋭敏感覚3レベル」を持つハオウは、この判定には難なく成功するのですが、背面へクスから攻撃を受けている事には変わりはないため、実質「よけ」しかできず、さらに-2修正を受けます(「回り込み攻撃」とは異なり「側面からの攻撃」とは見なさず、完全な背面からの攻撃と見なし、「受け」と「止め」はできないものとしています)。

 本来、ハオウはヤバイ攻撃に対して、空いてる左手で《鉄の腕》の呪文を使って回避するキャラクターなのですが、この行動に対しては「受け」「止め」が行えない決まりのため、《鉄の腕》も使えないと判断。「よけ」るしかありません!
 幸い、「後退防御」との組み合わせは可能なので、前に1へクス移動して「よけ」ることに。「よけ8」+「韋駄天+2」+「受動防御5」+「後ろからの攻撃-2」+「後退防御+3」=目標値16で難なく成功。
 飛び蹴り1発程度であれば、回避は難しくないのですが、次のターンから倍速による連続飛び蹴りが飛んでくるかと思うと、非常に危険な状態が予想されます。


 ファレグの残りHP15、残り疲労点13。
 ハオウのターン。
 まず、再生能力によりHP1回復。これにより、HPが全快。

 そしてターン冒頭に、背後のファレグに対して《死の幻影25》を瞬間発動。ファレグは問答無用で「精神的朦朧状態」になります。この呪文は、同様の効果をもたらす《朦朧》(肉体操作系)や《心神喪失》(精神操作系)の呪文と異なり、なんと抵抗できない呪文です!
 それだけ聞くと非常に強力なのですが、標準スペックでは「準備」に3秒も費やさねばならないため、瞬間発動するには25レベルまで上げる必要があり、24レベル以下では準備に時間がかかりすぎて実戦向きとは言えません。そのため、この呪文を戦術転化できる術者は、ごく限られています。ハオウはその希少な存在です。

 で、このターンの行動は、朦朧状態のファレグに対して「踏み込んで攻撃」を選択。

 本来であれば、この機に乗じて「全力攻撃」を選択したいところです。しかし、「全力攻撃」を選択した時の移動は、攻撃前に「その場で振り向く」か「前面へクスに2マス(あるいは移動力の半分)移動」しか選択できません。
 ここは「その場で振り向いて全力攻撃」をしたいところなのですが…ファレグの飛び蹴り(長さ2)に対して「後退よけ」を使ってしまったため、背後のファレグとの距離が3へクスあり、長さ2のバスタードソードでも届かないのです。

 そのため、「1マス移動なら360度回転可能」な「踏み込んで攻撃」を選ぶしかなく、「《死の幻影》→全力二回攻撃」という連続攻撃コンボが放てなくなっています。
 当然ですが、ファレグはその距離感を計算した上で攻撃計画を立てています。けっして適当にテレポートして蹴ってるわけではありません。
 「喉」を狙ってバスタードソードを一閃!

 しかし対するファレグは、朦朧状態のはずなのですが「-4修正かつ後退防御不可」の状態でも、素で「受け」を目標値16で行えます…え?
 これだと実質、クリティカル狙いで普通に殴ってるのと同じです(苦笑) 《死の幻影》を飛ばして、更に「全力攻撃」でフェイント即攻撃でも選ばないと、正面からの防御突破はほぼ無理という事になります。これは厳しい…

 しかし、ハオウには別の秘策があります。
 ハオウのセカンド・アクション。
 黒の月の魔元帥より授かった特殊呪文《電光の瞳25》をパワーレベル3で瞬間発動(消費ゼロ)。目から電撃光線を放ちます!
 そして、このターンの行動として電光を発射!

 《電光の瞳》は「ガープス・グリモア」で追加された風霊系呪文で、原理は火霊系呪文《火吹き》とほぼ同じですが、放たれるのは電光です。《電光》の呪文と同じく、金属鎧をほとんど無力化できます。
 ファレグは金属鎧に分類されるブリガンダイン(スケイル・アーマー)を着用しているため、防具魔化呪文で強化された部分を除き、鎧の性能が「受動防御0、防護点1」まで落ちてしまいます。さらにこの呪文に対しては「受け」ができません!

 つまり、格闘技の「受け」に頼っている格闘家にとって、「よけ」でしか対応できない面倒な攻撃なのです。本来ならば、こういう時は《瞬間回避》で「よけ」るか、最悪でも「後退よけ」をするのですが、ファレグは現在、ハオウの呪文で強制的に朦朧状態にされているため、防御呪文が使えませんし、「能動防御-4、後退防御不可」の状態で「よけ」を行うしかありません。

 ファレグほどの達人でも目標値8しかなく、判定は失敗。
 電光が鎧を貫通し、彼女の身体を焼きました。6点ダメージ!
 なお、GM(管理人)は《電光の瞳》の命中目標値が20だったので(本来の目標値は15ですが、呪文で敏捷力+5状態なので20まで上がってます)、部位狙いを考えたのですが、電光の特性を考えて結局無意味だと判断し、特に狙わずに撃ちました。

 一応説明すると…
 まず電光による攻撃は物理攻撃ではないため、重要器官や脳を狙っても体を貫通せず、表面を焼くだけです。部位狙いによる特殊な追加ダメージは発生しません。
 また、四肢を狙って撃つ手も考えましたが、ファレグは飛行中なのであまり致命的な結果とはならず、しかも四肢を狙った攻撃は生命力の半分を超えるダメージが無視されてしまうため、ダメージ蓄積という観点からすると非効率です。
 あるいは目を狙って焼き、相手の視力を低下させる選択肢もありましたが、目狙い(修正-9)だと目標値11となり、とても確実に命中が狙えるような攻撃ではありません(確率62.5%)。しかもそれを2回やって両目をやらないと、ファレグを盲目状態にはできません。正直、手間がかかりすぎてお話にならないです。

 以上の理由により、目標値16以上のクリティカル狙いも込みでストレートに胴体に向けて発射した方が良いと判断したわけです。ファレグはこの攻撃に対して低い防御率しかないため、確実に当ててHPを削っていった方がいいでしょう。


 ハオウの残りHP15、残り疲労点11。
●第3ターン
 ファレグはターン冒頭、まず精神的朦朧状態を解除しようと試みます。知力判定(目標値17)に成功すれば解除できるので楽勝……と思いきや、なんとここでダイス目17が出て失敗。何もできないまま1行動が終了。


 ファレグのセカンド・アクション。
 まず、知力判定に成功して朦朧状態を解除。そして《瞬間移動》を瞬間発動して、先ほどと同じくハオウの背後に転送。〈方向感覚〉-2判定も成功。
 そのままハオウの背後から飛び蹴り!

 しかし、先ほども実演したように、蹴り1発ではさすがに「後退よけ」でよけられてしまいました。ファレグは全く良い事なしでこのターンを終了。


 ファレグの残りHP9、残り疲労点12。
 ハオウのターン。
 ターン冒頭に《死の幻影25》を瞬間発動し、ファレグを朦朧状態にした上で振り向いて「喉」狙いの斬撃を一発。

 しかしこれも先ほど試したように、ファレグは朦朧状態にも関わらず余裕で「受け」流してしまいます。
 続くセカンド・アクション。
 再び《電光の瞳》を発動し、そのターンの行動として発射!

 と、ここでクリティカル発生。光線は自動的に命中し、「クリティカル表」の結果はダメージ二倍!ファレグに24ダメージ!
 常人であれば、ほぼ確定で即死ダメージです。

 しかし、ファレグもハオウも生命力が15もあるムチムチな恵体美女(笑)であり、この程度では沈みません。ファレグのHPはゼロ以下に突入し、移動力と「よけ」も半減しますが、まだ立っています。


 ハオウの残りHP15、残り疲労点11。
●第4ターン
ファレグ
(…これほどの相手と相まみえるのは、
 どれほどぶりでしょうか。

 ふふ…とても良いですよ……)




 マイナス生命力に達したファレグは生死判定(目標値15)を1回行い、成功します。さらに負傷による意識維持判定(目標値19)、呪文による精神的朦朧状態からの回復(目標値17)も全て成功しました。

 そしてターン冒頭に《瞬間移動》を発動―――
 そのターンの行動で「全力攻撃」を選択。
 ハオウの背後から飛び蹴り!

 しかし外れ――――いや。
 そいつは偽攻(フェイント)だ―――!
ハオウ
『―――くっ!?』


 ファレグが放ったのは「フェイント即攻撃」のオプションの方でした。
 しかし、フェイントは2成功だったので、ハオウは「後退よけ」でどうにか回避。
 さらにセカンド・アクション。意識維持判定には成功。
 先ほどのコンボに続いて、間を置かずに飛び蹴り!

 既に後退防御を使ってしまっていたハオウは、目標値13の回避でしたが、咄嗟に〈軽業〉技能を使って+1修正を得て、目標値14に上昇させた「アクロバットよけ」を成功させます。
 ファレグの蹴り攻撃はいずれも正確無比(目標値16以上)で、当たればハオウの頭蓋骨(鎧+皮膚と合わせて防護点12)も貫通し、「脳」を破壊する可能性がある非常に重い一撃です。ハオウは、その事実を目の当たりにして戦慄します。


 ファレグの残りHPマイナス15、残り疲労点11。
ハオウ
(この女は強い……
 戦い方を知っている!
 私が全力で戦うに値する―――!!)



 ハオウのターン。
 例によって、ターン冒頭に《死の幻影》を放ち、問答無用でファレグを朦朧状態にしてから、振り返ってバスタードソードの斬撃を1回浴びせますが、やはり1回攻撃では簡単に「受け」流されてしまい、まともに通りそうにもありません。


 続いてセカンド・アクション。
 ターン冒頭に《電光の瞳》を発動し、発射!
 負傷により移動力と「よけ」が半減中のファレグの「よけ」は目標値4。さすがにこの目標値では、回避するのは現実的ではなく、3度目の放火を浴びたファレグは11点のダメージ。


 しかしGM(管理人)は、この時点でハオウの戦術行動の変更を考えました。ファースト・アクションが実質死んでいるためです。

 最初に考えたのは、ファースト・アクションで「振り向いて通常攻撃」する代わりに「振り向いてフェイント」を入れ、セカンド・アクションで剣による攻撃という戦術です。《死の幻影》による強制朦朧とフェイントを組み合わせれば、能動防御の突破も容易いだろうという思惑です。
 しかし剣の攻撃だと、金属鎧の無効化と能動防御の「よけ」を強制する優位性がなくなってしまい、本末転倒な気がしました。これは、「ファースト・アクションで何もしないともったいないから、電光発射を諦めてわざわざ手間を増やしてる」―――言い換えれば「何もしないより何でもいいから作業量を増やして、頑張って働いてる気になる」という、日本企業が大好きな「貧乏性丸出しな労働の非効率化の促進」にしかなってません(笑)。よって却下。
 次に、《死の幻影》を諦める代わりに《電光の瞳》2発という戦術を考えました。しかし、ファレグの電光に対する「よけ」が低いのは、《死の幻影》による朦朧状態への強制移行があるためです。なのにそれを省略してしまうと、ファレグの「よけ」は目標値8まで上がってしまい、必中の優位性を自分から捨てているようなものです。よって却下。

 …結局、現状の全力を出せない均衡状態のまま、「電光でちまちまダメージ蓄積」+「剣で一発逆転クリティカル狙い」の二段構えで崩していく他ないという結論に至りました。
 代わりの追加案として、現在は消費をゼロにするためにパワーレベル3で放っている《電光の瞳》の火力をブーストして、1点疲労してしまう代わりにパワーレベル4で放つ事を採用しました。これによりHP削り速度が上昇し、ファレグを速やかに絶対死亡領域(HPマイナス75)まで追い込む事が可能になります。

 しかし問題は、そんな悠長な持久戦の戦術的構想が、このランクの戦いで通じるかと言う事なのですが……


 ハオウの残りHP15、残り疲労点11。
●第5ターン
 ファレグは前のターンに11点ダメージを追加で受けたため、ターン開始前に生死判定を2回行わねばなりません。目標値15の判定2回はいずれも成功。
 さらに意識維持判定、敵の呪文による精神的朦朧状態も解除。

 ファレグはこれまでと同様、ターン冒頭に《瞬間移動》を発動し、ハオウの背後に回ります。疲労が徐々に蓄積しており、残り疲労点は10。さらに、相手の電光はほぼ回避不可能。早々に決着をつけねばなりません。
 そしてそのターンの行動として「全力攻撃」を選択。行動オプションは、先ほどと同じく「フェイント即攻撃(脳狙い)」。

 二回飛び蹴りするもの良い戦術ではありますが、ファレグは格闘動作として【フェイント】に少しばかりCPを投資しているので、ハオウの〈剣〉技能25レベルよりも少しだけ高い28レベルでフェイントできます。
 なので、漫然と蹴りを連打するよりは、フェイントを重ねてから丁寧に攻撃した方が命中率は高くなると判断。
 フェイントは4差で勝ち。

 今回は、相手の能動防御判定の失敗に期待してもよさそうです―――が。


ファレグ
『―――はあぁぁぁっ!!』
 なんと、フェイント直後の飛び蹴りがクリティカル・ヒット!
 さらに「クリティカル表」の結果は
ダメージ2倍!
 体重が乗った重いかかと落としが、ハオウの頭蓋骨を陥没させて
54ダメージ!

 …脳へのダメージは、生命力の半分以上で自動的に気絶してしまうため、いくら頑丈なトロールでも、これには耐えられません。目標値16(クリティカル6以下)での攻撃が当たり前の世界では、こういう事が唐突に起きるため、勝負は最後まで分からないものです。
 こうして完全無傷の状態から、たった一撃で勝負がついてしまいました。


 ファレグ=アイヴズの勝利です。


 この時点でのファレグの残りHPはマイナス26、残り疲労点は10でした。
 さらにこの後、セカンド・アクションで飛び蹴りを脳に叩きこみ、完全にとどめを刺します。トロールは強力な再生能力があるため、気絶のまま放って置くとすぐに再生してしまい、自分が殺されてしまうためです。




 こうして伝説の暗黒英雄〈退かぬ者〉ハオウは、一千年後の復活の後、今度は完全にとどめを刺され、黒の月へと送り出されました―――
ファレグ
(あなたの気持ち……
 私も少し理解できますよ……

 周囲は移り変わっていき、
 大切な人が次々といなくなっていく……
 なのに、自分だけ取り残される孤独感……

 無限の寿命を持ち、
 「孤高」の代名詞であるトロールでさえも、
 それを感じる事があるのですね……)
『―――――師匠ーっ!』
アリーナ
『はぁ………はぁ………っ!』

クリフト
『―――司祭殿!
 御無事ですかっ―――!?』
ファレグ
(―――そして、
 また生き残ってしまいました。

 どうやら私は、もう少し……
 「償い」を続けねばならないようです―――)






 次の強敵(とも)と出会う、
 その日まで―――

Love the life you live.
Live the life you love.

Some day my chance will come.
《 Just move on. 》

[編集手記]
 SEGAのオンラインゲーム「PSO2」のエピソード4に登場するファレグ=アイヴズは、EP4になって初登場だったものの、あっという間に人気キャラの一角を占めました。長身女性スキーの管理人にとっても、お気に入りキャラの1人でもあります。というか、PSO2で一番好きなキャラかもしれません…後は〈剣の巫女〉アリサたんくらいですかねぇ?

 ファレグは裏設定(設定資料)で「キリスト教の聖書に登場するイヴ」という設定があり、PSO2世界の「地球」(SEGAが日本のゲーム業界を支配する時間線(笑))における「人類最初の女性」です。
 その「地球」の人類がいつ発生したかは分かりませんが、仮に我々の地球と同じ歴史を辿ったパラレル・ワールドだとするならば、20万年近く生きてる事になります(ホモ・サピエンスの発生がそれくらいの時期)。人間が20万年生きるというのは、肉体はともかく精神的にはどうなるんだろう?と、興味深い話ではあります(自分で試したくはないですが(笑))。
 現在のファレグは、恋愛よりも戦いに傾倒しているらしく、この世界ではなくアニメ「ドラゴンボール」のZ戦士にでも加わった方がいいような性格になってます。おそらく恋愛よりも更に強い刺激を求めた結果、「いつ死ぬか分からないスリル」を求めてこうなったと思われますが。

 ルナルでのファレグ再現に当たっては、〈空手〉技能を外したくなかったのでアルリアナ信者という事で収まりました。後は移動系呪文を駆使して、スターウォーズのヨーダやパルパティーン皇帝が得意なライトセーバーのフォーム4「アタール」と似た、アクロバティックなオールレンジ攻撃が実行できるような設計してなっています。《瞬間移動》を瞬間発動し、しかも《倍速》で動くため、もはや100cpのキャラクターでは手も足もでません。さらに、自分が同じ戦術に晒された時の事を考え、《背中の目》の呪文で死角がなくなってます。
 その他、原作PSO2で「水の使徒」オフィエルを「処罰」するために使っているであろうと思われる、精神操作系呪文《命令》も使えるようにしています(戦闘には全く関係しない能力ですが、キャラクター再現には必要でしょう)。それに付随して、職業として精神科医も務まるようになってます(アルリアナ信者なので)。

 ファレグの戦い方は、少し前のレポートで登場した「アリーナ姫」の完全上位互換です。そして「アリーナの師匠」という設定も、このレポートで突然沸いた設定ではなく、実はアリーナのキャラクターシートを作った時から存在していました。
 本当は、ファイニアの格闘大会で師匠ファレグも登場させる予定だったのですが、内容を詰め込み過ぎてレポートのページが2倍に膨れ上がっていたため、それ以上の要素を詰め込むのは多すぎと判断し、ファレグの登場はバッサリ切りました(ファレグ登場を削ってなお、レポートを前半と後半に分けざる得ない状態)。
 そのまま宙に浮いていたファレグのシートですが、今回ようやく彼女しか務まりそうにないコンステンツだったので、作り直して初のお披露目となりました。




【ハオウというキャラ】
 ルナル世界の設定で、唯一データが掲載されている過去の〈悪魔〉戦争時代の暗黒英雄が〈退かぬ者〉ハオウです。計算したところ、おおよそ600cpを想定して作られたキャラクターらしく、150cpクラスの英雄数名を持ってこないと、ダメージで倒すのは難しい強さになってます。
 ただ、作者があんまりガープスに慣れてない時に作ったキャラクターらしく、結構無駄の多い設計になっており、今回こちらが用意したファレグ(600cp)と比べると、かなり弱いデータです。なのでハオウの方も、ややマンチキン気味で作成し直しました。

 ファレグとは異なるタイプのキャラクターにしたかったので、ファレグみたいにちょこまかと右往左往せず、鈍重に構えて正面からガチで戦うタイプにしています。ライトセーバーの型に当てはめるならばフォーム7「ジョヨー/ヴァーパッド」相当でしょうか。「フォースで相手の感覚を攪乱し、予測不能の攻撃で押し切る」戦い方をします。ルナルで再現した場合、「《倍速》発動!→《死の幻影》で強制的に朦朧状態だ!→直後に全力フェイント即攻撃!死ねえぇぇぇ!→まだ生きてるだと?では、とどめで金属鎧無効の《電光の瞳》発射!→私TUEE!うおぉぉぉ!」という感じになりました(笑)
 ただ、最強の型と言われたジョヨー/ヴァーパッドも、徹底防御を旨とするフォーム3「ソレス」とは相性が悪く、攻撃限界点に達した隙を突かれてカウンターで倒されるという弱点があります(EP3時代のアナキン・スカイウォーカーが、師匠のオビワンのソレス相手に完敗しています)。
 今回、ファレグが使用したフォーム4「アタール」も、動き回る事からソレスに近い防御型であり、実はジョヨーとの相性も悪くはありません。レポート内でも、ファレグの瞬間移動で軸をずらされまくられた結果、ジョヨーの第1脅威であるはずのファースト・アクションが平凡化してしまうという弱点を露呈してしまいました。
 …別にこうなる事を予測して設計したわけではないのですが。でも、結果的にそうなってしまったので、スターウォーズの型の設定も案外侮れん…などと妙に感心したり。

 なお、ハオウが1000年後に復活したら、本人としては嬉しいか?という点で、管理人個人は「むしろ迷惑」と思うんじゃないかなぁ…と思い、ハオウにはちょっと後ろ向きな言動をさせています。無論、ファンタジーではよくある魔王復活ネタのように、高笑いと共に登場し、「ふははは!今度こそ世界は滅亡だ!」とか叫びながら主人公に戦いに挑む展開でもいいとは思いますが。

 でもルナル世界における双月歴1095年現在の黒の月の蛮族滅亡寸前の状況を直視したら、いくらハオウでも絶望するんじゃないですかね…実際。




【テストプレイによる改造の歴史】
 ファレグとハオウ、最初からこのデータではなく、テストプレイを繰り返して現在のデータに落ち着いています。
 今回、レポートにした戦いは、最新の「ファレグVSハオウ3連戦!」テストプレイのうち、一番ファレグが苦戦した戦いを収録しました。一番苦戦して5ターンキルなので、実はその他2戦は瞬殺に近かったです。第1戦は3ターン目のファレグの初飛び蹴りがクリティカルして即落ち(笑)、第2戦は第4ターン冒頭の飛び蹴りがクリティカルして終了、そしてレポートの戦いが第3戦で、ハオウがそこそこ善戦した戦いです。
 ぶっちゃけハオウは3連敗しているわけで、さらにハオウを改造する事も可能でしょうが、これ以上いじっても元データから外れてしまう上、お互いに堂々巡りだと思い、もうこの状態で公開する事にしました。

 ファレグの設計は初期とほとんど変わりがなく、瞬間移動からの背後からの飛び蹴り3連というコンセプトのままでした。変更点は細かいパラメータの部分のみで、転送後に必須の〈方向感覚〉技能判定が意外と重要だと判明したため、あちこちCPを削って18レベルまで上げました。調整はそれで終了。

 対するハオウは、初期の頃は「財産/富豪」状態で、《踊る武器》が魔化された最高品質大型ナイフ3つが支援攻撃するという、PSO2のラスボス「終の女神シバ」をイメージした設計になっていました。
 ところが、ファレグの方が瞬間移動であちこち動き回る設計だったため、ファレグが動くたびに踊る武器もそれを追って「移動」を選択せねばならず、全く攻撃に移れません…全然脅威になってないじゃん?という状態に(笑)
 そのため、ハオウの戦い方を根本的に変更し、今度は最近発表されたばかりの「PSO2ニュージェネシス」に登場する野良ボス「絶望のダイダルアックス」(通称「絶望さん」)の動きを模倣しました。つまり、「大斧を振り回しつつ、頭部から粒子加速砲でピンポイント狙撃する」というスタイルです。さらにファレグの無敵の能動防御を剥がすため、ターン冒頭に《死の幻影》を飛ばし、強引に朦朧状態にするという念の入りよう。
 この戦術理論は成功し、ファレグはハオウのファースト・アクションは回避できるものの、セカンド・アクションのレーザーをほとんど回避できないという状況に。これで「クリティカルによるハオウのヘッドクラッシュが先か?頭部レーザーキャノンによるファレグ焼却が先か?」という戦いになり、どうにかファレグに対抗できるように。

 まあ結局、ファレグの方が攻撃回数が多いため、クリティカルヒットを先に出されてエンドってオチなんですけどね…

 クリティカルを防ぐ方法は一応あり、呪文操作系呪文《祝福》が魔化されたお守りを持つという手があります。ただ、祝福や祈願系の呪文は、利用し始めるとお互いに「因果律操作合戦」になってしまい、あんまり面白くないのでレポートでは使用しない方向です。
 例えば、《小祈願》のお守り1個消費すれば、ファレグは強引に飛び蹴りをクリティカル扱いに変更して、初撃で瞬殺できてしまうんですな(笑) そしてハオウに《祝福》のお守りを持たせておけば、祈願系の攻撃を1回無効化できます―――つまり、「財産」にものを言わせて《祈願》と《祝福》のお守りを両者ごてごてと身体に張り付けて出撃となります……これはもう、ただのお守り消費合戦であり、わざわざ600cpの世界で検証する意味はないでしょう。

 管理人として提案したいのは、「祝福と祈願系の魔化アイテムは、1分間に1つしか使用できない」というルールです。ガープスの基本ルールでは「1回の戦闘が終了した時点で1分立った扱い」となっているので、このルールを採用すれば「1回の戦闘につき1回ずつしかそれらのお守りを使えない」事になり、お守り消費合戦を防止する事ができます。

 いずれにせよ当サイトのレポートにおいては、「《祈願》と《祝福》の魔化に関しては、検証の段階では一切無視する」方向に振り切ってますのでご了承下さい。現行ルールのままでこれらを導入すると、検証する意味を完全に喪失しますので…




【MMDモデルの話】
 MMDモデラ―さんが配布してるモデルの中に、明らかにPSO2のファレグをイメージしたと思われるモデルがあったので、胴体だけ大きくして、別モデルの頭部を持ってきて作りました。
 胴体の衣装がファレグのイメージで作られてるだけあって、非常に原作に近いモデルが完成したので、管理人は大喜びしています。モデラ―さんに超感謝です。

 ハオウの方ですが、以前からトロール女に使っていたモデルの頭部だけを持ってきて、別の女戦士モデルの胴体にくっつけています。ガタイのいい女戦士のモデルって、オタクユーザーがメインで幼女モデルばかりのMMD界隈では非常に貴重なので、これを作ってくれたモデラ―さんにも超感謝しかありません。

 なお、当サイトの版権キャラクターの登場は「該当モデルがMMDモデルとして存在するか」「それに近いモデルを改造すれば作れるか」にかかっており、管理人は1からモデルを作る能力がないので、再現困難なキャラクターは出せないという制約があります。
 ただ、最近はメーカーの脳内規制も緩いらしく、結構いろんなキャラが「フリー素材としてならそれとなく使ってもらってOKよ?(ただし営利抜きでナー?)」になってるみたいなので、メーカーや作品の宣伝・ゲーム業界へのささやかな貢献の意味も込めて、積極的に出していきたいなぁ…とか考えています。

 え?こんなサイト、見てるヤツがどんだけいるのかって?
 まぁ、たまたま見に来てくれた人が喜んでやる気を出してくれたら、それでいいんじゃないですかね…




【ファレグは純格闘家なのか?】
 原作PSO2の話。

 ファレグはストーリーモードにて、ドラゴンボールのZ戦士みたいな「気功術を用いる格闘家」みたいな表現がなされているのですが、一方で魔法を使ってるような表現もあり、実は「シャドウランのフィジカルアデプトみたいな「魔法を身体強化に昇華した中国武術家」ではないか?」と管理人は思ってます。

 多くのPSO2ユーザーが、「魔法=フォトンと同一の存在」「地球におけるフォトンの利用法が魔法」と認識してるようなんですが、管理人は「明らかに両者は違う」という認識です。
 ストーリーモードの話の内容、特にアースガイド側のアーデムやエンガのセリフをちゃんと読めば、地球の「魔法」とアークスの「フォトン(地球側の呼称では「エーテル」)」は全くの別物だとはっきり説明しています。
 アークスがアーデムの武器迷彩「アルケミックジーン」を再現しようとした際にも、「外見は模倣したが中身はさっぱり不明」と説明文にあり、地球のアースガイドの連中が使ってる魔法や錬金術が、フォトンによるものではないと分かります(同じものであれば性能まで完全に再現できるはずです)。
 ガープスに置き換えるならば、オラクル世界のフォトンやオメガ世界のマナは「超能力」、地球のエーテルは「妖術・妖力」で示される能力であり、地球の魔術は「ガープス・マジックの呪文」で表される能力と言えます。お互いに干渉しあわない能力であるため、いくらオラクルの住民がフォトン技術で地球の魔術を理解しようとしても、そもそも動作原理が全然違うので無理です。

 というか、魔法の触媒がフォトン(エーテル)と同じ存在であれば、アーデムがわざわざ弱ってるマザーを後ろからぶっ刺して吸収する理由がないんですな(笑) アーデムがああいう所業を行ったのは、自身にエーテルを扱う能力が全くなかったからです。
 アーデムが、エーテルが理想をかなえる力を秘めた存在だと認識し始めたのは、敵対組織であるマザークラスタやPSO2を通じてオラクル世界を知り、そこから得た知識が元です。それ以前のアーデムや、彼が率いていたアースガイド所属の魔術師たちには、「エーテルは人々の想いを形にして、伝説の存在でしかないモンスターをリアルに再現してしまう面倒な自然現象」という認識しかなかったはずです。そうでなければ、マザークラスタなんぞが登場する遥か以前に、アーデムは自前のエーテル操作能力で理想の「楽園」を幻創してしまっている事でしょう(苦笑)

 そして、アーデムの元妻(恋人?)であるファレグも、開発陣がツイッターで「ファレグはフォトンを扱う能力がないので、オラクル側の世界には行けません(ダーカーに汚染されるから)」とアナウンスしています。ですが一方で、彼女がやってることは、もはや物理法則を完全に超えています。いくら腕力を鍛えても、ああいう行動は物理的に無理です(笑)
 そのため、おそらくファレグもアーデムと同じ「魔法使い」と思われます。ただし、アーデムが攻撃魔法の形で魔法を行使しているのとは異なり、ファレグは身体強化魔法の形で行使していると思われます。
 主人公ヒツギの刀を素手で受け止めたのも、ガープスなら「《鉄の腕》の呪文で防御した」とすれば簡単に再現できますし、跳躍して飛行状態でシーンを立ち去るのも、《高速飛行》の呪文で再現できますね。
 なお、ファレグは後にフォトン操作能力を持つ地球人オフィエルを使役する事でダーカー因子に対抗し、オラクル世界にまで遠征できるようになりました。当サイトでは、ファレグが《命令》の呪文のような魔法を使う事でオフィエルに「精神的な手錠」をかけ、債務奴隷の形で使役してるんだと解釈しています…オフィエル君、一体いつまで使役されるんだ?これ(笑)

 以上のような設定から、ルナルのファレグも魔法格闘家の形で再現しています。わざわざ「特殊な背景」にCPを費やして、〈龍〉闘技に走らずともいいと思われます。




 最後に、敵として登場した〈退かぬ者〉ハオウのデータも挙げておきます。
【基本設定】
 古の〈悪魔〉戦争末期に、リアド大陸に暗黒帝国を打ち立てた女トロールの将軍です。双子の月の加護を得た人間が、黒の月の軍勢を駆逐していく100年において、最後の方にドワーフの英雄〈龍〉のキルシアンに倒されました。が、その身体は地割れに飲み込まれ、行方不明になってしまいます。そして生命力の高さから、やはり死んではいませんでした。

 双月歴1095年の現在、かつて彼女が従えていた闇の傭兵団〈覇道〉の生き残りが、いくつもの偶然が重なって彼女が埋まっている場所を発見し、彼らによって蘇生されました。
 しかし、〈悪魔〉戦争時代の英雄が今さらよみがえったところで、現世に戻された本人にしてもあまり楽しい事ではなかったようです。周囲には弱い味方しかおらず、これでは到底、かつての親衛隊〈覇道〉を再建する事など不可能でした。

 ゆえに、復活早々にやってきたごちそう(ファレグ)と、正々堂々勝負します。勝ったなら勝ったでよし、負けたならそのまま黒の月に逝ける―――いずれにせよ、自分の時代など当の昔に終わっている事を、聡明な彼女は認識せざる得なかったのでした…


【設計思想】
 ファレグと同じく、《倍速》《すばやさ》で身体強化した後、ターン冒頭に《死の幻影》で標的を強制的に精神的朦朧状態に置き、全力二回攻撃で首を斬りつけつつ、セカンド・アクションで《電光の瞳》(グリモア魔法。《火吹き》の電光バージョン)による一閃を浴びせ、ダメージを蓄積させて倒すタイプの剣士です。
 トロール特有の皮膚による防護点と魔法の金属鎧の組み合わせで防護点10になっており、ファレグが一発クリティカル狙いなのに対し、ハオウは地道にダメージを蓄積させて倒すタイプに設計されています。

 25レベルまで上げて準備時間を「一瞬」にした《死の幻影》が攻撃の肝です。これは抵抗できない呪文なので、これをターン冒頭に使い、自身の行動とセカンド・アクションで物理的な攻撃を連打すれば、並の相手であれば1ターン持たないでしょう。
 《電光の瞳》の呪文による電光は《火炎放射》の呪文と同じ扱いで白兵武器として扱い、能動防御が可能ですが、「受け」ができない特性があるため、ファレグのような素手受けに防御を頼っている相手は「よけ」しか選択肢がなくなり、命中率が高くなります。

 その他、相手のフェイントが決まった時は《鉄の腕》で防御します。防御呪文は、白兵戦闘によるフェイントの効果を無視して防御可能なので、どれだけ致命的な差のフェイントを食らおうと、少なくとも最初の1撃は防御する事が可能です。
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