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● フェリア
[フェリア種族セット](20cp)
体力-2、敏捷力+1、知力+1、生命力-1(-5cp)
縮小2レベル(-20cp)
 体力、移動力、防護点は4分の1で計算する。ただし疲労点は元のまま。相手の攻撃命中判定は、サイズ修正により常に-3修正を与えられる。身長・体重も元値から算出。
魔力飛行(30cp)
 魔法の羽による飛行。移動力は歩行時の2倍。<飛行>技能を敏捷力に等しいレベルで習得済み。空力学ではなく魔力によるものだが、翼が傷つくと飛べなくなるので「翼による飛行」と同じ扱い。
高速飛行1レベル(20cp)
 飛行時の移動力がさらに2倍。
*上記の結果として、フェリアは徒歩移動力と同じ速度で常時飛行可能。

寒暖差に弱い(-10cp)
 気温10度以下、または30度以上になると全ての行動に-2修正。
外見的不老(0cp)
 外見は人間の成人と同程度(18~20歳)まで成長すると、それ以上は全く成長しない。ただし能力値など内部は成長・老化しており、外見にも若干影響が現れる(目じりに小じわができるなど)。人間と同じく、50歳から老化判定が必要。
昆虫共感(5cp)
 動物共感のバリエーションで昆虫の感情が分かる。相手からも好かれる。

*身長、体重は同じ体力の人間の4分の1。
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[体格表]
体力
5
6
7
8
9
10
11
12
身長/体重(女性)
40cm/15kg(39cm/13kg)
41cm/15kg(40cm/14kg)
41cm/16kg(40cm/14kg)
42cm/16kg(41cm/14kg)
43cm/17kg(41cm/14kg)
43cm/17kg(42cm/15kg)
44cm/18kg(43cm/15kg)
45cm/18kg(43cm/16kg)

13
14
15
16
17
18
19
20
身長/体重(女性)
45cm/19kg(44cm/16kg)
46cm/20kg(45cm/17kg)
46cm/20kg(45cm/18kg)
47cm/22kg(46cm/18kg)
48cm/23kg(46cm/19kg)
48cm/24kg(47cm/20kg)
49cm/25kg(48cm/21kg)
50cm/26kg(48cm/23kg)
*身長は+15~-15、体重は平均の0.9~1.1倍の範囲で変動しても構いません。ただし、身長に対して体重が離れていると「肥満」や「やせっぽち」の特徴に抵触するので注意。なお、身長に応じた平均体重を2割以上増減すると、容貌を「良い」以上で維持できません。

*一般に生命力が平均より低いと、身長に対して体重が小さく細身になる傾向にあります(ダメージ耐性が下がる理由)。また、低身長キャラであっても体力に応じた体重から、あまり変動させないで下さい。体重がなければ、体力に準じた重量を支えられないからです。

*「巨人症」や「矮人症」のフェリアは存在しません。
■種族概要
 フェリアは、サイズが4分の1しかない人間の姿をしています。背中からは昆虫の羽が生えており、魔法の力で飛行します。飛行速度は人間の徒歩移動とほぼ同じになります。また、耳に相当する部分がなく、代わりに触覚が生えており、そこで音を聞きます。一般的なファンタジー世界で言うところの「フェアリー(小さい妖精)」と考えて良いでしょう。
 気質は陽気でユーモア・センスに優れ、歌や踊りを好みます。大らかなところは他の彷徨いの月種族と同じですが、彷徨いの月種族の中では珍しく知性派であり、細かい配慮もできます。特に「月の賜り物」がテレパシー系であることから、対人関係には細やかに気を配る傾向が強いようです。

 彷徨いの月の種族にしては珍しく、定住を好みます。100人単位で1本の木の上層部に村を作り、主に植物採取と昆虫の飼育で食生活を成立させています。サイズこそ小さいですが人間とほぼ同等の文明レベルを維持しています。
 特に芸術面でのセンスが高く、服飾業などは人間の町の市場経済で独占状態をキープする事も珍しくありません。ルナルの人間のファッション業界は、フェリアがリードしていると言って過言ではありません。また集落では蚕の飼育を行っており、上質のシルクを生産しています。現在のところ、シルクを製品化して売っているのはフェリアだけで、これにより取り引き用の外貨を獲得しています。

 フェリアの寿命は人間と同程度ですが、外見的には幼いままで、年を経ても人間の高校生くらい(18歳前後)の外見のままです。ですが、身体機能は年齢と共に劣化していき、精神的にも老人のそれに近づいていきます(頑固で人の話を聞かなくなります)。
 頭の残念な人間の男性の中には、フェリアの老婦人に対して「結婚してくれロリババア」などといった、褒め言葉なのか暴言なのかよく分からないセリフを吐く者がいるため、その事は人間の間でも割とよく知られています。

 なお、通常のフェリアは背中にハチかトンボの羽を持ちますが、それ以外の羽を持ついくつか亜種が存在します。
 蝶のような美しい羽を持ち、種族的に「月の賜り物」を持つ美しきフェリアの女王クティクティ種。キリギリスやコオロギ、鈴虫の羽を持ち、飛べなくなった代わりに羽を楽器として使うライバラー種。甲虫(カブトムシやテントウムシなど)の羽を持ち、果敢にも群れて巨大な敵に近接戦闘(!)で立ち向かうセルティック種などが確認されています。
 人口比率は、7割超が通常種のフェリア、2割がセルティック種で占められ、残り1割未満がクティクティ種とライバラー種となります。男女の出生比率は5:5とほぼ同じで、一夫一妻制を取っています。

 これらの亜種も、基本的には通常種と同じ村に住んでおり、樹冠にクティクティ種の女王、上層部に通常フェリア、幹の低い位置にセルティック種が木の護衛を兼ねて住み、ライバラー種はあちこちをうろうろしています。
 特にライバラー種は(歌の題材にする事象に乏しいという理由から)フェリアの村に留まる事は少なく、たいていは人間の町を転々とし、旅人として暮らしており、フェリアの村にいる事の方が少ないようです。



■■ 種族に多い特徴
 知性派である事と、物理的に脆弱な種であることもあって、多くのフェリアは「平和愛好」で優しい性格の者が多いですが、エルファほど生真面目でお堅いわけではなく、ユーモア・センスは人間に近いものがあります。妖精らしく(彷徨いの月種族らしく?)楽しい事が大好きで、「お祭り好き」や「好奇心」「自信過剰」などを持つ者が多くいます。人間の町のお祭りの際は、リャノ信者などに混じってフェリアが飛行している事も、特に珍しい光景ではありません。

 また、セルティック種のみ気性がやや荒いようで、「自信過剰」や「直情」など脳筋の者が多く、何かにつけてすぐ突撃してきます。ただし陰気な様子はなく、戦隊ものの「暑苦しい正義の味方」のような、快活な性格の者が多いようです。

 いずれの場合もフェリアは感情豊かであり、最も相応しくない性格は「朴念仁」です。


■■ 種族が好んで使う武器
ダガー、ジャベリン
■■ フェリアに関するさまざまなルール的注意点
 フェリアは恒久的に「縮小」の効果が及ぶため、ルール的に人間と異なる処理をする部分がいくつか存在します。以下は、それらの解説となります。


●体力に応じた武器の扱い
 物理的な行為を行う場合、体力は4分の1(端数切り捨て)で計算されます。結果、大半の者が体力2になるはずです。この体力で使用可能な武器は、「ナイフ」に分類される刀剣と、槍技能で扱う「ジャベリン」、あと射撃武器として「スリング」のみとなります。フェリアの村では、フェリアの鍛冶師がダガーやジャベリンを生産しています。また、人間やドワーフの武具屋で購入する事もあります。
 フェリアのサイズに合わせた刃物の生産は、調理器具や建築素材のカッティング、飼育している食用昆虫の屠殺用など、フェリアの村での日常作業で使うものに限定されます(少なくとも武器は人間と同じサイズのものでないと致傷力を確保できないので、フェリア専用の武器というのは生産されていません)。

 言うまでもなく、体力2では基本致傷力そのものが「0」になってしまうため、「切り」「刺し」の武器を命中させた時に発生する「最低でも自動的に1ダメージを与える」にとどまります(部位狙いで顔でも狙わない限り、おそらく防護点で防がれるでしょう)。スリングに至っては「叩き」攻撃なので、完全に無力です。
 そのため、フェリアで接近戦用のキャラクターを作る事は、セルティック種のみに伝わる<密集隊形>(詳細は下記)を使わない限り、止めた方が良いでしょう。

 なお、疲労点は元体力のままなので、パワーストーンなども導入して「月の賜り物」に特化したキャラクターにすることをお勧めします。


●防具の扱い
 フェリアは独自の文明力でTL3状態にあるため、自分たち専用の鎧を開発・生産可能です。フェリアのデザイナーが描いた設計図を渡せば、ドワーフの鍛冶屋などに依頼する事も可能です。
鎧の価格は半分、重量は4分の1で購入・装備できます。

 ただし「縮小2レベル」により、
防護点も4分の1(端数切り捨て)になるため、ほとんどの防具は「防護点0」になるでしょう。フェリアの防具は、各種レザー・アーマーとチェイン・メイルしか生産されておらず、最強のチェインメイルでも防護点4しかないので、最大でもフェリアの防護点は1にしかなりません。ただし、受動防御はそのまま有効なので、回避能力を上げる意味で、より強い防具を求める意味はあります。
 また、シールドはサイズが小さすぎて物理的強度が保てないため、フェリア用のシールドは生産されていません。

 なお、魔化師に頼めば、防具魔化系呪文を鎧に付与してもらう事は可能です。同じ森に住むエルファたちは魔化師を大量に抱えていますし、人間とも取引している種族なので、ウィザードや高司祭の魔化師を探すのも、それほど苦労はしないでしょう。


●移動力に関する事項
 「縮小2レベル」により、徒歩移動力も4分の1となります。ただし「翼による飛行」と「高速飛行1レベル」により、飛行速度は「徒歩時の4倍」の状態になるため、飛行中の移動力に関して言えば、人間と同じ移動力を確保できます。フェリアは、人間が歩くのと同程度の疲労で飛行が可能なので、普段から飛行しています。

 なお、飛行中は飛行戦闘ルールに従いますので、能動防御の「よけ」に関しては常に+2の修正を得られます。また、<飛行>技能(=敏捷力)が15に満たない場合、「受け」「止め」に-2のペナルティがあります。



■■ 独自の特徴
●クティクティ種フェリア種族セット(30cp)
体力-3、敏捷力+1、知力+1、生命力-1(-10cp)
縮小2レベル(-20cp)
 体力、移動力、防護点は4分の1で計算する。ただし疲労点は元のまま。相手の攻撃命中判定は、サイズ修正により常に-3修正を与えられる。身長・体重も元値から算出。
飛行(30cp)
 羽による飛行。移動力は歩行時の2倍。<飛行>技能を敏捷力に等しいレベルで習得済み。空力学ではなく魔力によるものだが、翼が傷つくと飛べなくなるので「翼による飛行」と同じ扱い。
高速飛行1レベル(20cp)
 飛行時の移動力がさらに2倍。
*上記の結果として、フェリアは徒歩移動力と同じ速度で常時飛行可能。

寒暖差に弱い(-10cp)
 気温10度以下、または30度以上になると全ての行動に-2修正。
外見的不老(0cp)
 外見は人間の成人と同程度(18~20歳)まで成長すると、それ以上は全く成長しない。ただし能力値など内部は成長・老化しており、外見にも若干影響が現れる(目じりに小じわができるなど)。人間と同じく、50歳から老化判定が必要。
昆虫共感(5cp)
 動物共感のバリエーションで、昆虫の感情が分かる。相手からも好かれる。
最高の容貌(+25cp)
カリスマ2レベル(10cp)
ハチミツがないと生きていけない/一日おき/ときどき(購入可)(-30cp)
 一度飛ばすと、1時間おきに生命力1点を失っていく。
月の賜り物[心の声] パワーレベル5(10cp)

 蝶の羽を持つフェリアの王族種で、ウィザードと同じように通常種から突然変異体として生まれます。キャラクターとして作成する場合、通常のフェリア種族セットではなく、こちらを選択して下さい。
 クティクティ種のフェリアは例外なく美しい容姿を持ち、王族としてのカリスマ性を放っています。また、生まれつき「心の声」の賜り物を5レベルで持っており、知性も高くなっています。さらに「癒しの手」と呼ばれる、通常とは異なる賜り物を授かる事があります。


●ライバラー種フェリア種族セット(20cp)
体力-2、敏捷力+1、知力+1(+5cp)
縮小2レベル(-20cp)
 体力、移動力、防護点は4分の1で計算する。ただし疲労点は元のまま。相手の攻撃命中判定は、サイズ修正により常に-3修正を与えられる。身長・体重も元値から算出。
超跳躍4レベル(40cp)
 魔力による身体能力強化。跳躍距離16倍。体力2の一般的なフェリアで10ヘクスジャンプが可能。
楽器/羽(0cp)
 背中の羽は楽器として扱う。
音楽能力5レベル(10cp)
 天性の「音楽能力」持ちとして扱い、<楽器><歌唱>に+5のボーナスがある。
寒暖差に弱い(-10cp)
 気温10度以下、または30度以上になると全ての行動に-2修正。
外見的不老(0cp)
 外見は人間の成人と同程度(18~20歳)まで成長すると、それ以上は全く成長しない。ただし能力値など内部は成長・老化しており、外見にも若干影響が現れる(目じりに小じわができるなど)。人間と同じく、50歳から老化判定が必要。
昆虫共感(5cp)
 動物共感のバリエーションで、昆虫の感情が分かる。相手からも好かれる。
怠惰(-10cp)
 ライバラー種のフェリアは労働を嫌い、芸術活動に時間を費やす。

 コオロギや鈴虫の羽を持つフェリアの亜種で、飛行能力を失っている代わりに、羽を楽器として使う事ができます。音色が非常に美しく、また生まれつきの感性も優れている事から、「音楽能力5レベル」持ちとして扱います。キャラクターとして作成する場合、通常のフェリア種族セットではなく、こちらを選択して下さい。
 なお、ライバラー種は飛行能力の代わりに驚異的な跳躍力を得ており、「移動」を選択して跳躍を行う事で、一気に10ヘクスの移動ジャンプが可能です(フェリアの跳躍距離は体力基準で算出して下さい。この場合、体力2を想定しています。厳密には9.6メートルですが、四捨五入により10として扱っています)。
 ライバラー種は芸術活動にしか興味がなく、生産活動に従事する事を嫌がります(怠惰)。大抵は吟遊詩人として路銀を稼ぎながら、各地を転々と旅しています。フェリアの村にはいない事の方が多いようです(「働けニート」と言われるので…)。


●セルティック種フェリア種族セット(20cp)
敏捷力+1(10cp)
縮小2レベル(-20cp)
 体力、移動力、防護点は4分の1で計算する。ただし疲労点は元のまま。相手の攻撃命中判定は、サイズ修正により常に-3修正を与えられる。身長・体重も元値から算出。
飛行(30cp)
 羽による飛行。移動力は歩行時の2倍。<飛行>技能を敏捷力に等しいレベルで習得済み。空力学ではなく魔力によるものだが、翼が傷つくと飛べなくなるので「翼による飛行」と同じ扱い。
高速飛行1レベル(20cp)
 飛行時の移動力がさらに2倍。
*上記の結果として、フェリアは徒歩移動力と同じ速度で常時飛行可能。

寒暖差に弱い(-10cp)
 気温10度以下、または30度以上になると全ての行動に-2修正。
外見的不老(0cp)
 外見は人間の成人と同程度(18~20歳)まで成長すると、それ以上は全く成長しない。ただし能力値など内部は成長・老化しており、外見にも若干影響が現れる(目じりに小じわができるなど)。人間と同じく、50歳から老化判定が必要。
昆虫共感(5cp)
 動物共感のバリエーションで、昆虫の感情が分かる。相手からも好かれる。
命知らず(-15cp)
 セルティック種のフェリアは巨大な敵にも臆することなく立ち向かう。

 甲虫の羽を持つフェリアの亜種で、種族的に自分の命に対して無頓着らしく、数倍はあろうかという巨大な相手に対し、臆する事もなく接近戦を行います。キャラクターとして作成する場合、通常のフェリア種族セットではなく、こちらを選択して下さい。
 ただし、通常のフェリアより多少は頑丈とはいえ、サイズから導き出される腕力は他のフェリアとほとんど変わりません。そのため彼らは、何匹も群れる事で「群れ」として戦う事で、人間並みの攻撃力を生み出す「技術」を開発しました。<密集隊形>技能を10レベル以上で持つフェリアたちは、同一ヘクスに5名集まることで「群れ」を形成し、「群れ」戦闘のルールで戦う事が可能です。詳細は技能を参照して下さい。


●複眼(10cp)
 眼球が昆虫と同じように複眼であり、瞳と白目の部分の区別がなくなります。これは「広視界」の特徴として扱われますが、眼球の見た目が人間からは離れてしまうため、NPCの反応が-1されます。
 なお「広視界」の特徴を持つ者は、側面ヘクスからの攻撃もペナルティなしで能動防御が行え、背後から攻撃されても-2修正で能動防御が行えます。さらに、誰かの<尾行>に気付くかどうかの視覚判定に+3の修正があります(初版ベーシックには利点が全く明記されていないため、念のため記しておきます)。


●甲殻質(15cp)
 この形質は、セルティック種のフェリアにのみ現れる形質です。
 昆虫の形質が強く出て、身体の一部が、肌と同じ色合いの昆虫じみた甲殻で覆われています。全身の防護点が無条件で+1されますが、見た目がやや人間離れするため、肌が露出するような衣裳を着ている場合、NPCの反応に-1の修正がかかります(本来は防護点+4の特徴ですが、縮小2レベルにより+1まで下がっています)。この防護点は、防具などとも重複して効果を発揮します。

 イメージ的には、サイバーパンク系のサイボーグが偽装してないタイプの皮膚装甲を埋め込んでいるような見た目になります。


●絆で結ばれた戦友(25cp)
 セルティック種のフェリアのみ獲得可能な特徴で、固い絆で結ばれた75cpで作成された戦士系のセルティック種フェリア5名が常時付き従うようになります。
 4人は専業戦士で、PC(プレイヤーキャラクター)と群れを形成するための人員で、残り1人は「伝令役」で、常にPCの傍らにいます(戦闘に加わらないのでセルティック以外のフェリアでも構いませんし、1人やられた時の補充兵扱いでも構いません)。これは、ほぼいつでも登場する「仲間グループ」として扱われます。
 この特徴には「誓い/自らも戦列に加わり危険を共にする」(-5cp)が含まれているため、PC自身もフェリアの戦士として群れに参加する必要があります(群れに加わらないただのボディガードの場合は普通の「仲間グループ」であり、登場頻度などは自由に決めて下さい。ちなみに普通の「ほぼいつも登場する75cpの仲間グループ2~5人」は30CPの特徴です)。

 いうまでもなくこれは、PCが戦闘時に<密集隊形>技能を常時使えるようにするための特徴です。戦闘が想定される状況では、伝令役などを通じてあらかじめ連絡する事で、必ず駆けつけてくれます。
 ただし彼らは、戦闘以外では役に立たないので、普段はPCのボディガードのように随伴させるか、居てもらうと邪魔な時はどこかの酒場にたむろさせておくか、臨時で設立した「秘密基地」で戦いに備えて待機させておくなり、PCの都合の良いように行動を指示して下さい。

 なお、彼らは戦闘奴隷ではなく「仲間」なので、冒険で得た報酬から「給料」を配布するなど、配慮する必要があります。(彼らの役割は戦闘だけなので、1人当たり50~100ムーナの危険手当を払うか、報酬額が少ない場合は報酬を全員で折半するのが妥当なところでしょう)。
 また、戦闘で死傷者が出て欠員が出た場合、解散を命じない限り、次のシナリオの冒頭で新入りがどこからか現れて加入します(故郷の村から引っ張ってきたなど、適当に理由を付けて下さい)。



■■ 独自の技能
<養蚕>(精神/並)
 「植物共感」を持つフェリアたちは+4の修正を得られます。
 蚕を飼って糸を紡ぎ出し、シルクを作り出す技能です。この技術は現在のところ、フェリアが独占しており、ルナルの市場に出回っているシルクは、全てフェリア村産となります。
 「職業表」に当てはめる場合は、「職工」か「職工頭」の項目を適応し、必要技能は<養蚕>を適応します。


<楽器/羽>(精神/難)
 ライバラー種のフェリアのみが習得可能な技能で、背中の羽を楽器として使い、美しい音色を発する事ができます。ライバラー種は種族的に「音楽能力」を5レベルで取得しているため、技能に+5の修正があることを忘れないで下さい。


<密集隊形>(精神/難)
 <戦術>技能の亜種技能で、1ヘクスに複数のフェリアが集まり、1つの「群れ」として戦闘を行います。1つの群れは最大で5人のフェリアで構成されます(それ以上の人数は、各個人が戦闘行為をするために必要な最低限のスペースの都合上、参加できません)。群れに属するフェリアは、全員がこの技能と使用する武器技能を10レベル以上で所持している必要があります。
 なお、「群れ」に参加しているセルティック種のフェリアは、戦闘中に「命知らず」の意思判定をする必要はありません(群れに参加している事自体が、命を投げ出して全力攻撃しているようなものなので)。

 戦闘では、ベーシックの動物のルールにある「群れ」と同じルールに従います。群れの攻撃力は、参加するフェアリー全員の体力を合計し、5人の中で最も多い武器によって攻撃型と致傷力を算出し、1回分の攻撃として扱います。ここでは、群れの攻撃を「総攻撃」と呼称します。
 「総攻撃」は自動的に命中し、相手は能動防御できません(防護点は常に有効)。「総攻撃」の射程は、使用する武器に関わらず「近接のみ」となります。「総攻撃」は移動と組み合わせて用い、「移動して攻撃(大振り)」と同様の行動と考えます。
 なお、射撃武器では「総攻撃」を行う事はできません。刃物を持って肉薄し、命懸けの格闘戦(鎧の隙間に刃を差し込んだり)を行うことで、ようやく「総攻撃」として認められます。

 逆に相手がフェリアの群れを攻撃する場合は、通常戦闘のようにフェリア1体ごとに個別で命中判定やダメージ算出を行って下さい。この時、群れに属するフェリアは能動防御が可能ですが、「後退防御」ができません(1ヘクス後退してしまうと群れからはぐれてしまうため)。
 また、範囲に影響する攻撃(呪文や爆発系の火器)は、1ヘクス範囲の攻撃で全員に効果が及びます。群れの誰かが《爆裂火球》など受けた暁には、全員がまとめて丸焼けという事態もあり得ます(飛行しているので、狙われた対象が回避に成功すれば大丈夫ですが…)。

 「群れ」は構成する人数が減るたびに、攻撃に用いる体力値が下がっていきます。一定数減ると火力を維持できなくなるため、自然と解散するでしょう(群れのままだと「後退防御」ができないので、かえって危険になります)。面倒ですが、群れへの参加人数が減るたびに、「総攻撃」の致傷力を計算しなおして下さい。

例:
 体力3(元体力12)、移動力5、ジャベリン装備のセルティック種フェリア5人で「群れ」を組みます。「群れ」の体力は合計で15となり、体力15の男1人がジャベリンを装備しているとみなします。計算の結果、「群れ」の攻撃は「刺し/1D+2」となりました。ちなみに「群れ」の移動力は5(飛行)です。
 村にやってきたタマット傭兵のチンピラに対し、5ヘクス移動して近接して攻撃しました。攻撃は自動命中して、問答無用で「刺し/1D+2」のダメージを与えられます。逆にチンピラが反撃する場合、フェリアを1人ずつ片づけていく必要があります。攻撃能力はともかく生命力や回避力は人間並みにありますから、とてつもなく時間がかかるでしょう。

 この技能によって、群れたフェリアが驚異的な攻撃能力を発揮できるようになりますが、常に戦列を組み、個人の事情ではぐれる事ができなくなるため、命懸けの行為です。そのため、種族的に「命知らず」を持つセルティック種以外のフェリアが、この技能を学ぶことはありません。
 なお、この技能を15レベル以上で習得したフェリアは、群れ行動での立ち回りに熟練しているため、参加している群れの「総攻撃」の体力に+1の修正を与える事ができます。20レベル以上で+2です。


(密集隊形の特殊ルール:指揮官)
 特にリーダーを定めずとも密集隊形を取る事は可能ですが、<指揮>技能を10レベル以上で持つ「コマンダー(指揮官)」が群れを統率することで、以下の特典を得られます。

・陣形攻撃
 コマンダーの<指揮>技能の5分の1(端数切り捨て)分だけ「総攻撃」の体力が+1されます。これは、号令に合わせて一斉攻撃をかけたり、囲んでオール・レンジ(全方位)攻撃を行うなど、効率的な攻撃の集団戦法を取る事が可能になるためと解釈して下さい。
 具体的にどのような戦法を取っているかは、それぞれのコマンダー(ユーザ、GM)の演出に任されています。

・散開防御
 メンバーの誰かが攻撃を受ける際、コマンダーが一時散開を命じる事で、メンバー全員が一旦そのヘクスから離れ、攻撃を回避しやすくします。これは「後退防御」が可能になったものとして扱います(コマンダーがいない群れは「後退防御」ができません(上記))。
 散開を命じるのに判定は不要ですが、群れが存在するヘクスの全方位1ヘクスに空間が確保されている必要があります(少なくとも人数分の空き空間が必要です。横方向だけでなく上下でも構いません)。
 回避した後、散開したメンバーは速やかに元ヘクスへと集結を果たします。この行動は、1ターンに一度だけ行う事が可能です。

・被弾対象の交換
 敵が群れのメンバーの誰かに攻撃する際、コマンダーが<指揮>判定に成功すると、攻撃を受けるメンバーが、指揮官が指定した別のメンバーに強制的に入れ替わります。HPが減って気絶しかけてるメンバーの代わりに、まだ元気なメンバーが代わりに被弾させるといった事が可能になります。この時、交代を命じられたメンバーは普通に能動防御が可能です。

 これによりコマンダーの被弾を避けたり、群れの人数を維持する時間を延長したりできるでしょう。ただし、上記の散開防御と同時には使えません。



■■ 月の賜り物[心の声]
 フェリアは、テレパシーに関する特殊能力を授かる事があります。これらを使用するには、標的を目視しているか、直接接触している事が条件となります。


[思考感知] 射撃型/知力で抵抗
 対象1人の表面的な思考を読み取ります。思考は話す時と同じ速さで流れ込んできます。また、目標の視覚、聴覚のうち一つを共有し、それらからの情報を取得する事もできます(術者がそれらの感覚を操作する事はできません)。

 この能力を使う際、一度の判定で二回の抵抗判定を行う必要があります。
 1つ目は、対象が思考感知されている事に気付いたかどうかの判定です。対象は知力抵抗の成功すると、誰かが自分の心に接触してきた事を知る事になります。失敗した場合は、気付かれずに「侵入」できた事になります。

 2つ目は、実際に心を読むための判定で、1つ目の判定で相手に気付かれていると、相手は知力抵抗時に+4のボーナスを得ることができます。
 1つ目の判定の成否に関係なく、抵抗を突破すれば相手の思考を読むことができます。ただし読まれているのに気付かれた状態で接触しても、相手は接触者の詮索を開始してしまい、術者が望むような思考をしてくれなくなるでしょう。

 対象が眠っていたり気絶している場合は、対象は抵抗時に-4のペナルティが付きます。もっとも、寝ている時は夢を見ている程度なので、流れてくる情報は支離滅裂でしょうが。

レベルコスト:3cp(最大10レベル)/持続:集中


[心の声] 射撃型/知力で抵抗
 対象にテレパシーでメッセージやイメージ映像を送ります。メッセージや映像の送信速度は普通に話す時と同じ速さなので、持続時間が短いと全文を送信できないかもしれません。

 「思考感知」と並行して使うことで、心理的な「対話」が成立します。ただし「心の声」は、メッセージを飛ばすたびに2点疲労するため、長時間のやり取りには向いていません。

 この能力は攻撃にも転用できます。
 対象の脳の情報処理能力を超える殺意や酷い記憶を大量に送り付けて、過負荷による疲労ダメージを与えることができます。抵抗に失敗した対象に対し、パワーレベル5で1点、パワーレベル10で1D点の疲労ダメージを与える事ができます。また、疲労ダメージを受けた対象は、同時に精神的朦朧状態になります。疲労の蓄積によって対象が気絶した場合、それ以上は効果がありません。
 なお、この使い方をする場合、持続時間は「瞬間」になり、攻撃を継続する場合は毎ターン能力をかけなおす必要があります。

レベルコスト:2cp(最大10レベル)/持続:ターン単位(攻撃に使う場合は瞬間)


[記憶操作] 射撃型/抵抗は特殊
 目標の記憶を書き換えたり、削除する能力です。あらかじめ[思考感知]で、気付かれないように心に接触しておく必要があります(気付かれていると操作できません)。
 記憶を操作する時間は、以下のようになります。

大量の記憶(数週間分)を消す:3時間
大量に偽記憶と入れ替える:5時間
記憶1つを消す:1時間(今日または前日の記憶なら10分)
記憶1つを変更する:2時間(今日または前日の記憶なら20分)

 操作された記憶は自然には元に戻りませんが、この能力を使う事で戻す事が可能です(深層心理に正規の記憶のバックアップが残っており、そこから復元します)。
 元に戻すには、操作にかかった「時間」を「日」に置き換えた日数分だけ必要になります。術者は毎日5時間かけて、「記憶操作を行った術者のパワーレベル分(《偽記憶》の呪文の場合は術の成功度)」だけマイナス修正を受けて、精度レベルで判定せねばなりません。この時、修復を行う術者のパワーレベルが、プラスボーナス修正として加算されます。

 判定に失敗した日は、復元に使った日数に数えられません(彷徨いの月が出てない日もこうなります。なお一日の作業は5時間なので、半日だけでも彷徨いの月が出ていれば修復作業は可能です)。クリティカルすると1日で1週間分の修復が出来たことになります。ファンブルしたら復元は最初からやり直しになります。
 なお、術者自身の記憶を復元する場合は、常に+4の修正を得られます。

レベルコスト:3cp(最大5レベル)/持続:一瞬(変更された記憶は永続)


[誘眠] 範囲型/生命力で抵抗
 範囲内の生き物を眠らせます。範囲型なので、パワーレベル5になると狙ったヘクスの周囲1ヘクスにも効果が及びます。
 眠らせた時点で、おそらく対象は転倒するでしょう(これによって起きる事はありません)。これは自然な眠りなので、他の誰かに起こされれば普通に起きます。起きた直後のターンは精神的に朦朧状態にあります。以後、ターン冒頭に知力判定を行って回復を試みます(余分に1ターンかかる毎に+1が累積)。

レベルコスト:6cp(最大5レベル)/持続:分単位


■■ 月の賜り物[癒しの手]
 これはクティクティ種限定の賜り物です。主に治療に関する能力を授かります。いずれも対象と接触しないと効果がありません。


[治癒] 特殊
 目標の生命力が回復します。この能力を使う際は、必ず目標に接触する必要があります。

 この能力の使用時の疲労点は特殊で、相手の回復したHP2点に付き1点疲労します(最低1点)。一度の能力の使用で回復可能なHP量はパワーレベル点までです。目標が気絶している場合、精度レベル判定に-2の修正があります。

 一時的に使えなくなっている部位があれば、それも合わせて治癒できます。完全に切断して時間が立っているか、喪失した部位は回復できません。

レベルコスト:3cp(最大10レベル)/持続:一瞬


[異物除去] 特殊
 目標の病気の原因や毒を体内から除去します。また、体内に残った矢じりや弾丸の破片なども除去できます。この能力を使う際は、必ず目標に接触する必要があります。

 この能力によって体調不良の原因を除去するためには、病気進行を抑えるためや、毒に抵抗する時の生命力判定へのペナルティの数値分だけのパワーレベルが必要になります。弾丸の破片や矢じりなど、直接悪さをしない異物に関しては、パワーレベル1の段階で除去可能です。パワーレベルが足りない場合は、全く効果がありません。
 また、避妊処置にも使えます(必要PL1)。行為を行ってから6~8時間以内にこの術を使えば、確実に避妊できます(行為相手の体液は基本的に「異物」扱いです)。

 なお、体調不良の原因を除去しても、それによって発生したダメージなどはそのままです。早期完治を目指すならば、[治癒]の能力と合わせて用いた方がよいでしょう。

レベルコスト:3cp(最大10レベル)/持続:一瞬
[原作からの変更点]
 作者による超・優遇種族であるため、データ量が膨大なものとなりました。1種族で4つも亜種なんて作るなよなー?って感じですが。

 もっとも大きな変更は、サイズをきちんと適応した事です。これにより、フェリア単体ではほとんど白兵戦能力を持てなくなりました。ほとんど「月の賜り物」に特化した魔法使い系の種族です。
 ただし、改変ルールでは「月は出ているか?」のルールがあるため、彷徨いの月の魔法使い特化キャラは、月が出ていないと全く戦力にならないという凄まじい弱点があります。なので、白兵戦が好きとかいうセルティック種の戦い方を考える必要がありました。

 そこで参考にしたのが、ベーシックの動物の項目にある「群れとの戦闘」ルールです。フェリアは体長45センチ前後と小さいので、1ヘクスに5匹…もとい、5人ほど群れて群れ戦闘ルールを適応してしまえばいいと思いつきました。
 これにより体力が合計されることで、普通の人間よりも高い体力を持つ事も可能です。ただし武器はジャベリンかナイフしかないので、火力が高すぎて戦闘バランスが崩れるといった事はないでしょう。
 また、小動物や昆虫と異なり、知的種族が群れを形成しているため、指揮官がいれば群れの戦闘力を増強する事が可能です。攻撃に関しては体力がわずかに上昇するのみですが、防御に関してはかなりダメージ・コントロール能力が上がるので、指揮官となるPCが早々に倒される事はないでしょう。

 フェリアの特徴と独自技能に関しては、ほとんどセルティック種の補完となりました。なお、種族の外見ですが、ライバラー種とセルティック種は外見がほとんど昆虫という設定でしたが、それだとフェアリーという神秘的で美しい種族から遠ざかりすぎると思ったので、外見はどの亜種も均一とし、専用の特徴を取らない限りは「変な外見はなし」としました…美しくないフェアリーなど、一体誰がやりたがるのだろうか?
 あと、セルティック種だけのけ者にするのはどうかと思ったので、他のフェリアと同じ木で一緒に住んでもらう事に。仲間外れは良くない。


 一方、「月の賜り物」はほとんどクティクティ種の独擅場です。
 治癒の妖術に関しては、「妖魔夜行」ではなく「百鬼夜翔」のルールを採用したので、回復効率は高いはずです。といっても、クティクティ種はデフォルトで体力7しかないため、あまり連打はできません。幸い、改変ルールではパワーストーンの使用が認められているので、そこからエネルギーを引き出せばよいでしょう。
 ただ、上に書いたように、彷徨いの月種族は「月は出ているか?」ルールの足かせがあるため、クティクティ種の戦力は安定しません。管理人としては、どちらかというとセルティック種で「絆で結ばれた戦友」を獲得し、集団戦闘で遊ぶ方をお勧めします(そのために外見も標準に戻したのです)。


 最後に、フェリアが独占していた産業のうち、養蜂業はフェリア独自ではなくなりました。理由は、ハチミツというのは人類最古のアルコール飲料の原料だから。

 人類がいつ酒を知ったかは、明確には不明ですが、紀元前から自然界に存在する「猿酒」(猿が木の枝の間に隠しておいた果物が自然発酵し、アルコール飲料と化したもの)を知っており、これと同じ原理で、天然のハチミツに水を一定比率で加えることで、酵母菌だけを活性化させ、アルコール飲料を作る技術を知っていました(この原理を利用した酒醸造施設の遺跡も発掘されてます)。
 つまり、それだけハチミツ酒と人類は切っても切れない関係ってことです。それをフェリアだけが独占していたら、人間とドワーフはアルコールをネタに狡猾なフェリアから搾取され続けるだけの、超不遇な種族ということになりかねません。てか、同じ森にエルファも住んでいて、連中も酒をたしなむのに、ハチミツ以外の何を材料に酒を造ってるんだ?と…
 よって、虫ケラのごときに存在から…じゃなくて、フェリアからお酒を守るため、養蜂はフェリアだけのもの!という理不尽な世界観から解放し、ルナルの主要種族を救う事に。


 てか、作者は酒を飲まないから、こんな理不尽設定にしたのだろうか…?
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