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● 翼人
[翼人種族セット](40cp)
体力-1、敏捷力+1、生命力-1(-10cp)
翼による飛行(30cp)
 移動力は徒歩の2倍。傷つくと飛べなくなる。<飛行>技能を敏捷力に等しいレベルで習得済み。
防護点1レベル(5cp)
 毛皮によるもの。防護点+1。
超音波聴覚(10cp)
 超音波を聞き取れる。
ソナー(20cp)
 生命力×2の範囲の地形や動体を視覚と同レベルで感知できる。ただし色の識別は不可。《沈黙》や《静寂》の呪文で音を立てない相手は「透明」扱い。完全に無風の環境下だと、地形を読み取る事もできなくなる。
鉤爪L1(15cp)
 パンチとキックのダメージ+2。
閉所恐怖症/軽度(-15cp)
 風の流れが感じられない場所への恐怖。
翼人の名誉(-15cp)
 翼人や自分に対する侮辱を看過できない。被害と同量の仕返しを行う「誓い」を立てる。恩を売られた場合は、同等以上の恩返しを行う「誓い」を立てる。

*身長は人間と同じ、体重は2割減。
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[体格表]
体力
5
6
7
8
9
10
11
12
身長/体重(女性)
160cm/48kg(155cm/40kg)
163cm/49kg(158cm/43kg)
165cm/50kg(160cm/44kg)
168cm/50kg(163cm/45kg)
170cm/53kg(165cm/46kg)
173cm/54kg(168cm/46kg)
175cm/56kg(170cm/49kg)
178cm/58kg(173cm/50kg)

13
14
15
16
17
18
19
20
身長/体重(女性)
180cm/60kg(175cm/52kg)
183cm/62kg(178cm/54kg)
185cm/65kg(180cm/56kg)
188cm/69kg(183cm/58kg)
190cm/72kg(185cm/61kg)
193cm/76kg(188cm/65kg)
195cm/80kg(190cm/68kg)
198cm/84kg(193cm/72kg)
*身長は+15~-15、体重は平均の0.9~1.1倍の範囲で変動しても構いません。ただし、身長に対して体重が離れていると「肥満」や「やせっぽち」の特徴に抵触するので注意。なお、身長に応じた平均体重を2割以上増減すると、容貌を「良い」以上で維持できません。

*一般に生命力が平均より低いと、身長に対して体重が小さく細身になる傾向にあります(ダメージ耐性が下がる理由)。また、低身長キャラであっても体力に応じた体重から、あまり変動させないで下さい。体重がなければ、体力に準じた重量を支えられないからです。
■種族概要
 翼人は、銀の月の風の元素神を信仰している種族です。
 全身がふさふさした毛に覆われており、頭部はネコに似ています。背中にはコウモリに似た翼が生えており、歩くのとほぼ同じ感覚で自由に空を飛ぶことができます。手足の指は4本で、それぞれ鉤爪を出す事ができます。女性の方が耳が大きく、男性の方はごく短い親指ほどの尻尾があります。

 翼人の生息場所は高山や崖の壁面であり、岩をくりぬいて住居としています。自然を利用する事に長けており、不必要に自然物を加工する事を好みません。社会基盤は狩猟・採取生活で成り立っており、あまり人口は増やさず少数精鋭主義で社会を運営しています。
 銀の月の種族としては珍しく人間、ドワーフ社会との交流がそこそこ盛んな種族であり、狩猟によって得た動物の毛皮や骨などの一部は、人間社会との取り引きで用いられて外貨の獲得を行っています。一応、武器の加工に必要な鍛冶技術もTL3で独自に所有していますが、ドワーフなどに頼んだ方が楽なため、上記の取り引きで得た貨幣を使って賄うケースが多いようです。

 また、住んでいる場所が高高度なので、大規模な耕地を用いた農業は行えませんが、神より授かった独自の<生態学>の知識を元に自生植物の環境を改善して収穫量を増やすといった、採取活動の延長行為としての農夫が存在します(職業ルール上では、これも「自作農」として扱います)。こうした自然との調和を重視した生活は、エルファとの共通点が多く見られます。

 ただしエルファと異なり、彼らに自然に対する義務感などはありません。大自然は「弱肉強食」の掟で動いており、ある種の生物が滅亡するとすれば、それは「大自然が必要としなくなったからに過ぎない」と考え、エルファのようにひたすら現状維持に手を貸すようなことはしません。
 さらに言えば、彼らは植物が自生する森林だけに固執する事なく、砂漠や海、大空に至るまで、惑星環境全体で「一つの自然である」と考えます。宇宙規模で見れば、人の営みもまた「自然の一部」である事には違いありません。なので、人間やドワーフのようにテクノロジー発展のために自然から搾取する行為も、ある程度までは許容しています。

 翼人たちは、その自然環境の中で「自分たちこそが王に相応しい」と考えています。プライドが非常に高く、勇気を人格の評価基準としており、やられたら必ずやり返すという復讐法が根底にあります。彼らは自らを<猛る民>と呼びます。
 ただし、自然は調和によって成り立つものだと認識しているため、暴君として君臨する事を良しとはしません(人間やドワーフ、エルファと共存しているのも、彼らもまた自然の一部と認めているためです)。
 誰が王に相応しいかもまた、自然淘汰によって決定すべきものと考えており、翼人自身もその例外ではありません。そのため彼らは、常に「王者」の地位に相応しくあろうと、肉体や精神の鍛練に余念がありません。

 ただし、大自然における弱肉強食の掟を順守する一方で、生態系そのものが平面化する事象(例えば惑星全体の生物がことごとく死滅して、ただ丸いだけの岩の惑星になるような災害)に対しては断固抵抗します。例えば、<悪魔>による大虐殺や、人間やドワーフなどの工業化による過度な自然破壊や重度の環境汚染などです。これらは「生態系そのものを破壊する敵」であると同時に「自分たちを滅ぼそうとする敵」と判断されます。

 こうした価値観は、人間やエルファ、ドワーフといった他の<源人の子ら>の考えと一致する部分が多く、銀の月の種族で唯一、人間社会と日常レベルで交流しています。人間社会に出てくる翼人のほとんどは、空挺専門の傭兵です。また、身体能力全般が低下した個体(生まれつきの障害者や老齢の個体など)がミュルーンに混じって伝令をやる事もあります。



 銀の月の種族は基本的にNPC専用ですが、翼人に関してのみGMの許可があればPC(プレイヤー・キャラクター)としての使用を認めてもよいでしょう。



■■ 種族に多い特徴
 翼人社会では「勇気」が尊ばれるため、「自信過剰」や「命知らず」といった特徴が社会的に礼賛される傾向が強く、その分、短命になる者が多いようです。
 ただし、大自然の王者を目指せという教えに基づき、独立性や孤高を好む性質もあるため、「熱狂」や「義務感」など、他者に精神的依存するような性格は軽視される傾向にあります。そのため、銀の月の眷属にしては珍しく「熱狂/元素神」という精神的な特徴は、翼人たちにとっては縁遠いものとなっています(何でも神さま頼みという精神は王者に相応しくありません)。

 あと、翼人を語る上で避けて通れないことですが、彼らは社会通念的に復讐の「誓い」を立てることが慣例になっています。これは「やられたらやり返すことで力を示し、自分が大自然にとって必要な存在であることを証明する」という大自然の掟に則ったものなのですが、人と交わればいざこざに巻き込まれ、必然的に誓いを立てる機会が多くなります。

 翼人の復讐の概念は、割と小さな事象にまで及び、「友を殺した犯人を追いかけて殺す」(-15cp)といった深刻なものから、「人間の傭兵仲間にパンを盗み食いされたから、同じく盗み食いし返してやる」(-1cp…癖レベルかな?)といった、復讐を誓った当人ですら「リスクを背負ってやるほどの事か?」と首をかしげるレベルのものまで様々なので、翼人全てがシリアスな人生を送ってるわけではありません。
 ただしどのレベルの復讐であれ、完遂するまでは根に持ち続けるという点では変わりません(種族基本セットに入っている「翼人の名誉」に抵触するため)。

 また逆に個人レベルではなく、もっと大きな自然現象に対して「復讐」の誓いを立てるケースもあります。例えば「震災によって家族を殺されたので、地震の予知と被害の軽減の研究に一生を捧げる」(-15cp)とか、「洪水によって飼育していた植物が全滅したので、堤防の構築と潮風に強い品種の育成に全資産を投資する」(-10cp)といった、人間から見れば普通の人生目標みたいな内容の「誓い」も、彼らにとっては復讐の概念に入るため、復讐が必ずしも血生臭い内容とは限らず、また加害者と全く同じ手法で同じ内容の復讐が為されるとは限りません。
 頭の良い翼人であれば、復讐相手になるべく社会貢献させるような行動を取らせる事で、
罪を清算するように仕向けます。
■■ 独自の特徴
●風の呼び手(10cp)
 「魔法の素質」を持ち、元素神の啓示により呪文を学んだ者は「風の呼び手」と呼称され、村を統括する「族王」を補佐する立場となります。社会的に「聖職者」(10cp)として認められるため、風の元素を崇める銀の月の眷属全体から+1の反応修正を得ます。
 翼人が呪文を使用するのであれば、必ずこの特徴を獲得せねばなりません。


●族王(30cp)
 「風の呼び手」の中から部族の長に相応しい者が選ばれ、族王を名乗る事になります。族王は平常時は村の長であり、戦時は総司令官です。最高位の「聖職者」(15cp)の特徴として扱われ、風の元素を崇める銀の月の種族から+1の反応を受けます。この特徴には「風の呼び手」の特徴も含まれています。

 「族王」は「風の呼び手」の特典に加えて、風の元素神から直接「啓示」を受ける可能性があります。ただし、風の元素神は基本的に放任主義であり、情報は与えてくれても直接介入してくることはありません。また《元素神の召喚》によって呼び出される事も嫌がります。
 そのため、族王にとっての神は「後援者」ではなく「情報屋」(21レベル相当/頻度:稀/完全に信用できる)として扱われます(30cp相当)。

 族王は統治者であり、安易に村を離れる事はできません(「使命/ほぼいつも」(-15cp))。そのため、この特徴は完全にNPC専用です。


●無為自然(20cp)
 精神的に大自然と一体化して、物事の「道」を知る事ができます。訓練も準備も必要なく、ただ自然の法則が示している手順通りに物事を行うだけで、全ての事象を解決するのです。

 「無為自然」の特徴を持つ翼人は、1セッションに1度だけ、任意の技能判定の代わりに、適切な能力値判定(通常、肉体動作なら敏捷力、精神的な事象なら知力)を行い、判定に成功すれば、本来行われるはずだった技能判定に成功した扱いになります。この判定には一切のペナルティがなく、技能なし値が存在しない技能判定であっても判定可能になります。

 ただし、道具がある事が前提の作業を、道具なしで行う事はさすがに不可能なので注意して下さい。


●片翼(-35cp)
 事故や負傷などによって、翼の片方を喪失しています。飛行する事ができません。通常、翼を失った翼人は、翼を治癒するだけの財力がなければ死を選ぶものなので、よほど重要な復讐を抱えていると周囲からは判断されます。同族からの反応が-1になります。

 通常、こうした個体は翼人社会に居場所がないため、人間社会に混じって暮らしています。



■■ 独自の武器
●ジャイグ
 鎌のような歪曲した小型の刃を、両腕の外側にベルトで固定したものです。大型ナイフの亜種として扱われます。普通は両手に装備するため、盾は持てなくなります。

 ジャイグは専用の技能で扱われ、専用の格闘動作が存在します。以下は、ジャイグ1本分のデータです。通常はこれを2本携帯します。なお、ジャイグは剣の一種なので、上質(価格4倍、ダメージ+1)や最高品質(価格20倍、ダメージ+2)のものが存在します。

切り 振り-2 長さC,1
刺し 突き 長さC
50ムーナ 0.5kg 最大致傷力1D+2


●ハイ・グリフォン
 ルナルの高地には、鷲の上半身と獅子の下半身を持つグリフォンと呼ばれる動物が存在します。その中でも特に知能が高い「ハイ・グリフォン」と呼ばれる種族が、翼人の村で飼われている事があります。グリフォンは気位が高く、通常飼い慣らす事が困難な動物ですが、知能の高いハイ・グリフォンは、翼人にだけは心を開くようです。
 飼い慣らされたハイ・グリフォンは、翼人と共に狩りに出かけます。気質的に翼人と非常に似ており、正々堂々とした高貴な振舞いを好み、仲間を守るためならば死も恐れません。

 翼人は5000ムーナを支払う事で、5レベル調教済みのハイ・グリフォンを1頭引き連れる事ができます。実際の「操作」は<動物使役>で行います。騎乗して戦闘したい場合は<乗馬/ハイ・グリフォン>技能で行います。複数引き連れる場合は、頭数に応じてお金を払って下さい。これらは「財産」として扱われます。

(平均的なハイ・グリフォン)
体力30 敏捷力14 知力7 生命力15/20
速度/よけ:7(飛行:15)/7 受動防御/防護点:1/1
体重:250kg 大きさ:2ヘクス
嘴と鉤爪(長さC)をそれぞれ同時に使い、1ターンに2回攻撃します。ダメージはいずれも「切り/2D-1」です。



■■ 独自の技能
<ジャイグ>(肉体/並)
 ジャイグを扱うための技能です。基本的には<マンゴーシュ>の亜種技能です。この技能のメリットは以下の通りとなります。

・荷重が軽荷以下の場合、「受け」が技能レベルの3分の2になる。
・ナイフで受ける事による-1のペナルティなし。
・逆腕で「受け」ても逆腕のペナルティなし。ただし逆腕を攻撃に用いる場合は通常通り技能-4。


<呼吸法>(精神/至難)
 ルナルでは、一部の信者でしか習得できない技能です。


<生態学/TL7>(精神/難)
 文明レベル6から登場する技能ですが、翼人たちは元素神から授かった<神学>の一環として、この知識を得ています。<動植物知識>の完全上位互換技能なので、翼人たちの動植物の識別は、この技能を習得して用いるのが普通です。

 なお、極小の生物である「細菌」の存在も知っていますが、それを具体的にどうこうする技術がないため、医学への転用などは為されてはいません。


<霊薬調合>(精神/至難)
 <錬金術>と同じ技能で、各種エリクサーの調合が行えます。翼人たちは主に魔力を持つ植物やモンスターの生体素材を使って調合を行い、金属系の素材はほとんど用いません。



■■ 独自格闘動作・準技能
<見切り>(精神/難)
 相手を注意深く観察する事で、相手の正確な位置、構え、重心移動などが分かります。これにより、相手がフェイントを試みてきた際に技能判定に成功すると、フェイントに対して+4修正で抵抗する事ができます。クリティカルの場合、フェイント自体を無効化できます(即決勝負にまで至りません)。
 判定に失敗した場合は、通常通りのフェイント対抗を行って下さい。またファンブルした場合は読み違えた事になり、相手のフェイント成功度がモロに次の能動防御のマイナス修正になってしまいます。
 この判定は1ターンに1回までです(複数の敵には使えません)。
修正:鋭敏視覚または鋭敏感覚のレベル分だけプラス修正。「共感」があれば+3。


【近接武器戦闘/ジャイグ】(並)
技能なし値:<ジャイグ>-2 上限:<ジャイグ> 前提:<ジャイグ>
 近接戦闘では、近接に使用できる武器(ナイフなど)でも-2のペナルティがかかりますが、この動作を学べばペナルティを打ち消す事が可能です。


【二刀流/ジャイグ】(難)
技能なし値:<ジャイグ>-4 上限:<ジャイグ> 前提:<ジャイグ>
 両手の武器を使って「同時に」攻撃します。同じ敵に両方叩きつけるか、別々の敵を1回ずつ攻撃するか任意に決められます。1人の敵に攻撃を集中する場合、相手はそれぞれの攻撃に対して能動防御に-1の修正を受けます。

 なお、この動作を行う場合、それぞれの武器の命中判定に-4のペナルティが付いていますが、逆腕の武器はさらに-4の修正がかかる事に注意して下さい(合計で-8になります)。上限値まで動作を鍛えても、逆腕のペナルティを打ち消す事はできません(「両手利き」の特徴を獲得すれば打ち消せます)。


【突撃斬り】(難) 技能なし値:<ジャイグ>-5 前提:<ジャイグ> 上限:<ジャイグ>
 空中でジャイグを前方にクロスして構え、全身をスピン回転させながら敵に突っ込むという荒業です。両手にジャイグを装備しており、なおかつ飛行中のみ使用可能です。

 攻撃時に、飛行時の移動力に等しい分だけ移動して攻撃します。技能なし値の状態だと「大振り」と同じペナルティが付いていますが、最大目標値9のルールは適応されません。ただし、判定に失敗すると即座にファンブルと見なされ、ファンブル表を振らねばなりません(高確率で武器が破壊されるでしょう)。
 また、敵に攻撃した後に移動力が余っているのであれば、そのまま移動を続けねばなりません。結果的に「ヒットアンドアウェイ」的な使い方になるでしょう。

 この攻撃に対して能動防御を行う際、「受け」に-3のペナルティを負います。攻撃が命中した時のジャイグのダメージは「切り 振り+3」になります(基本はナイフと同じ性能なので、実質+5されています)。さらにこの行動を行ったターン、攻撃の成否に関わらず自身の能動防御に-4のペナルティを負います。

 なお、この動作は「移動して攻撃(大振り)」の亜種動作であるため、「全力攻撃」と組み合わせる事はできません。



■■ 習得可能呪文
 動物系、風霊系、知識系、植物系、音声系の5種の呪文を全て習得可能です。系統外の呪文が前提条件に入っている場合、それらは無視できます。
 さらに、銀の月の眷属共通呪文(種族解説ページ参照)が習得可能です。

(グリモアからの導入)
GMは必要であれば、風霊系の《気流》《風の渦》を導入しても構いません。
この二つはそれぞれサリカ高司祭、アルリアナ高司祭の独自呪文でもあるので、
そちらを参照して下さい。



■■ 召喚可能な元素獣
以下、翼人が召喚可能な風の元素獣の一覧です。

★シルフィード(ルナル完全版p183) 召喚コスト:4
 半透明な人間の女性の姿。音を運ぶ。
★ルドラ(ルナル完全版p183) 召喚コスト:8
 電光を吐く空飛ぶ虎。実体あり。
★ゴーント(ルナル完全版p183) 召喚コスト:12
 のっぺらぼうで口が利けない翼人。知能が高い。
★エキム(ルナル完全版p184) 召喚コスト:12
 人型のゴミが中央に集積した竜巻。契約時のコストとして、術者の肉体の生贄を要求する(指一本程度)。
★サルヴィード(ルナル完全版p183) 召喚コスト:4
 空飛ぶクラゲ。運搬能力が高い。
★バシューラ(ルナル完全版p184) 召喚コスト:8
 羽毛がない空飛ぶアヒル。ラッパのような口から音波を放つ。
★ケツァルコアトル
(ルナル小説第5巻) 召喚コスト:300
 虹色の羽毛に覆われた巨大な蛇。魔力で滞空し、怒りの雷槌を下す。

(ケツァルコアトル)
体力:150 敏捷力:14 知力:15 生命力:18/70
速度/よけ:40(空中)/10
受動防御/防護点:4/7
体重:3t 大きさ8ヘクス
攻撃:雷の咆哮/自動命中=叩き/4D-4(到達距離4ヘクス。「よけ」「とめ」可能。金属鎧は受動防御0、防護点1として扱う)
特殊:風霊系、植物系呪文を21レベルで使用。
風の元素語、その他2種の言語を知力に等しいレベルで習得。
中心(頭部)から半径10ヘクス以内は《嵐》の呪文が常時働く。術者の意志により、台風の「目」の半径を調整できる。
帯電能力。金属武器で攻撃した者は、自動的に1D-1の電撃ダメージを受ける。ケツァルコアトル本体に接触したり、組み付きなどで掴まれた場合、自動的に「叩き/3D-3」の電撃ダメージを受ける。

★テスカポリトカ(ルナル小説第5巻) 召喚コスト:300
 ドクロの頭を持つ巨大なムカデ。魔力で滞空し、致死に至る毒煙を吐き散らす。

(テスカポリトカ)
体力:200 敏捷力:12 知力:15 生命力:18/90
速度/よけ:16(空中)/8
受動防御/防護点:4/7
体重:4.5t 大きさ10ヘクス
攻撃:毒煙の息/自動命中=刺し/4D-8(到達距離4ヘクス。「よけ」「とめ」可能。ダメージを受けた場合は生命力-4判定を行い、失敗すると4分間、敏捷力-4。この効果は累積し、敏捷力が0になると動けなくなる)
特殊:風霊系、動物系呪文を21レベルで使用。
風の元素語、その他2種の言語を知力に等しいレベルで習得。
中心(頭部)から半径12ヘクス以内は《風》の呪文が常時働く。術者の意志により、台風の「目」の半径を調整できる。
毒煙の体。テスカポリトカ本体に接触したり、組み付きなどで掴まれた場合、自動的に「刺し/3D-6」の毒ダメージを受ける。毒煙の息と同じく、追加の麻痺能力あり。
[原作からの変更点]
 翼人の基本イメージは、山奥で自らを鍛え上げるため、修行の日々を送っている修道僧(いわゆるモンク)です。特に、西洋のキリスト教の修道士ではなく、仏教の修道僧が近いと思われます…彼らの生き方が、自分の心の中だけで完結する仏教の教えに近いためです。
 小説に登場した翼人レー・ケルネーが「僧正」(仏教における僧侶の統括者)を名乗っている事からも、ひたすら王者に相応しい人物になるため、黙々と修行している仏教徒のイメージなのだろうと想定できます。なので、そのような特徴や技能、呪文を集めました。


 まず、原作の種族セット内の不完全なソナー能力を是正し、完全なものとしました。
 さらに5cp追加して「アクティブ・ソナー」(自分で音波を発して、反射してくる音を聞いて周囲を把握する)化し、蝙蝠のように自発的に探索する能力を付与しようかとも考えましたが、「風が吹かない場所への恐怖心」が種族的にあるということは、「パッシブ・ソナー」(周囲の音を聞いて把握するだけ)能力しかないことが起因していると思われたので、恐怖症の原因を残しておくためにも、アクティブ化は止めました。
 なお、パッシブ・ソナーの場合、周囲に風が吹いている時は、風が地形に当たって反射する音を聞く事で地形を把握する事が可能ですが、全くの無風環境(例えば室内など)だと、周囲の地形が何も「見えない」状態になります(まあ翼人の場合、普通に目で見れば把握できるわけですが…)。
 その他、フサフサの毛皮は防護点として機能してよいだろうということで、防護点を+1しておきました。

 「翼人の名誉」に関しては、原作では「残忍」の亜種として扱われていますが、実際には残忍なだけでなく、それを起因に復讐の「誓い」まで立ててしまうほど強烈な特徴です。ですのでこれは-10cpではなく-15cpで良いと思われます。


 独自の特徴では、「族王」と「無為自然」を追加。

 「族王」はPCがなる事はまずないでしょうが(翼人のPCがエンディングで族王に昇格する可能性がある程度でしょう)、具体的な権力の数値化はしておいた方がよいと考え、一応設定しておきました。他の銀の月の眷属とは少々異なり、翼人にとっての元素神は、協力者ではあっても保護者ではありません。翼人は常に孤高の王を目指す存在であり、少なくとも自分の世話は自分で出来るくらい、自立せねばなりません(彼らが崇める元素神もそれを望んでいます)。
 「無為自然」はマーシャルアーツ完訳版に追加されているマンガ的な特徴で、おそらく山籠もりの修行僧などが持っている可能性があるマンガ的な超常能力を示すものです。修道僧のような生き方の種族にぴったりなので実装しました。使用時は、瞑想みたいなポーズでもとりながら、与えられた試練を軽々とクリアするのでしょう。物事の根源を見抜いて何でも解決してしまうあたり、大自然の王者たるに相応しい特徴だと思います。


 独自技能では、<呼吸法>を追加。風を司り、鳥のように暮らしていることから、鳥のように発達した効率的な肺の代用品としてあった方が良いと判断しました。
 また、<霊薬調合>は使用可能な呪文系統に治癒系呪文がなかったので、それを補う意味で導入しています。せっかく<生態学>を持っているのですから、それを生かすためにもこれくらいの恩恵はあっても良いと思われます。
 ちなみに銀の月の種族は、別元素の種族とは基本的に敵対関係なので、翼人だけ負傷を治す技能がほとんどない点で不遇の立場でした。小説などでは、翼人=玉砕して死ぬもの、という酷い扱いを受けてますが、玉砕主義なら別に翼人以外の眷属も似たようなものなので、翼人だけ不遇にすることもないと判断し、せめて魔法の薬で治せることにしました。

 この改造により、「再生」のエリクサーなどを使えば、折れた翼なども治療できるようになりました。いちいち死んで元素神に詫びる必要はありません…ただし価格が$5000もするので、全ての翼人が恩恵を受けられるわけではなく、翼が折れた=金欠なので自決する翼人も多そうですが。

 なお、<鉤爪戦闘>とかいう、空手と同じ難易度なのにダメージ補正は<格闘>と同じとかいう、意味不明の技能は撤廃しました。別に<格闘>技能でも、鉤爪により無条件でダメージ+2されるので、難易度の高い空手系技能などなくとも問題ないんですよね。そもそも特殊武器のジャイグがモロに近接対応してるので、重複はいらないです。


 格闘動作ですが、せっかくジャイグという両手に刃という形態なので、【二刀流】のマンガ動作で同時攻撃させることに。その他、原作では武器に付随した機能として突撃がありましたが、これは明らかに格闘動作として処理すべきなので、そのように変更。
 この突撃、威力が+3されますが、もともと翼人は体力が低いため、言うほど強いわけでもありません。この戦術の真のメリットは、ヒット&アウェイ戦術が取れる点でしょう。

 なお、独自武器に分類されているペットのハイ・グリフォンですが、「ガープス・ルナル・モンスター」に掲載されていたファンタジー世界の動物の「グリフォン」のデータを、ほとんどそのまま引き継ぐようにしました。結果、高性能な戦闘動物になったので、1頭につき$5000という高値で扱われるように変更しました(グリフォンの子供もこの価格で取引される設定になってます)。「財産/大金持ち」(30cp)以上にならないと実質取得できなくなりましたが、性能から考えるとそれくらいのCPは払わないと、元素獣とのバランスが取れないでしょう(専業戦士キャラでも獲得できてしまうので)。「高い」と思うなら、素直に「魔法の素質」を獲得して元素獣を支配すればよいかと思います。


 習得可能呪文ですが、原作では2系統しか許可されていませんでしたが、それではあまりに不遇なので5系統に。<生態学>を授かった事を生かすために、植物系や動物系呪文も追加して、翼人だけでテラ・フォーミングできる程度の能力を持たせました。
 風霊系の《雨》で水を確保し、《植物作成》や《植物繁茂》で植林し、これを周期的にやって気候が新たな環境に定着してしまえば、やがて砂漠バイオームだって森として定着するでしょう……随分と気の長い計画ですが。
 あと、知識系呪文も習得できるので、山籠もりの修行僧のクセに物事の道理を悟りきってる、みたいな演出が可能です。具体的には、《歴史》で対象の過去を探ったり、《神託》で先を読んだり、《透明な目》で直接偵察したりと、それを演出するための手法は豊富です。


 最後に、元素獣のうち、小説に登場したケツァルコアトルとテスカポリトカのデータを作成しました(当サイトが勝手に作ったオリジナル・データ)。
 おそらく火の元素獣「溶岩鷲」と同格の存在と推測されるので、溶岩鷲と、同じ体力の実在生物「象(エレファント)」のデータを参照にして、あれこれ能力を差し引きしてバランス調整し、それっぽく仕上げています。溶岩鷲より体力が低い代わりに、移動速度がやたらと早かったり、身体にまとっている台風の威力が微妙に違ったり(《風》だったり《嵐》だったり)するのでご注意下さい。
 溶岩鷲は体力300のくせに体重200kgしかない、ほとんど実体がない存在(と思われる)ですが、ケツァルコアトルは蛇、テスカポリトカはムカデの体を持っているため、像の重量(6t)を基準に計算しています。帯電や毒煙の体は、グリモア掲載の風霊系呪文《電気の鎧》の効果を永続的に発動しているものとして扱ってます―――ま、人間ごときが格闘戦に持ち込んでも、まず勝ち目はありませんが。

 それぞれの使用呪文は、元となった神さまの性質から選んでいます。
 ケツァルコアトルはアステカ神話の文化神、農業神なので、植物系呪文で大地に実りをもたらすようにしました。
 もう一方のテスカトリポカ(間違いなのかわざとなのか不明ですが、なぜか小説に登場した風の元素獣の名称はテスカ「ポ」リ「ト」カになっています…誤植?)は暗黒神であり、戦士や奴隷を支援する神として知られています。動物系呪文には動物を支配・制御する呪文が多くある事から、戦闘奴隷を動員、使役するのに最適な系統と言えるでしょう。
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