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■概要
 銀の月には、上記の4種族に属さない特殊な者たちも存在します。複数の元素を崇めていたり、銀の月の神々がルナルの大地にやってくる以前から仕えているような眷属たちです。

 これらは非常に少数であり、そもそも作成ルールを必要とするほど個体差もありません。元々、銀の月の眷属自体がNPC専用である事もあり、それ以外の眷属に関しては「モンスター」扱いとし、固有データの紹介に留まります。



■■ 銀の月の少数眷属
 以下は、少数眷属の簡単な説明と、データが存在するページ数のみを記載しておきます。

●ヤツデ (ルナル完全版p188)
 四大眷属と同じく<源人の子ら>から派生した眷属ですが、複数の元素を崇めています。見た目は体長50センチ超の大きなヒトデで、8本足の先端は像の鼻のような吸盤になっており、それをぺたぺた張り付かせる事で移動します。中央には大きな目が一つだけ存在します。

 ヤツデはごくわずかな水を摂取するだけで、何百年も生きていくことができ、洞窟や遺跡の中でじっと一か所で固まったまま、人間には想像もつかない思索に耽って過ごしています。よほどの事がない限り動きませんし、周囲に何かいても、危害を加えてこない限りは知らん顔しています。
 彼らの好物は呪文の波動(マナ)で、誰かが唱えた呪文の波動を強引に吸収してしまいます。12ターン以内であれば、吐きだして呪文を発動する事もできます(当人たちはできれば「食べたい」ので、緊急時以外はそのまま腹に収めますが)。この性質を利用するため、地底に住む<多足のもの>や爬虫人たちが、一緒に行動している事があります(そもそもヤツデ単独では自発的に何かする事はほとんどありません)。


●<外よりのもの> (ルナル完全版p188)
 いくつもの素材不明の立方体が空中で群れて、一つの生物であるかのように振舞っている謎の浮遊物体群です。生物かどうかも定かではありません。一説によると、銀の月の神々がルナルの大地にやってくる以前の故郷で、眷属だった種族の生き残りだと言われています。真相は不明ですが、少なくとも<源人の子ら>の子孫ではありません。

 彼らは、主に銀の月の遺跡に出没し、物品や場所の番人をしています。自身に接触したもの全てを、問答無用で瞬間移動させる能力をもっており、これにより侵入者を撃退します。



■■ 他の月への転向者たち
 銀の月が到来した際、彷徨いの月から銀の月に鞍替えした者たちによって四大眷属が生まれましたが、銀の月の神々は、到来直後の<龍>との戦いで敗れ去っており、眷属の中には、その事が理由で銀の月に失望した者たちもいました…主に、眷属の中で社会的に適応できず、落ちこぼれた者たちです。彼らは銀の月に転向したにも関わらず、あまり恩恵を受けられなかったばかりか、肝心の神が戦争に負けて、まさに踏んだり蹴ったりの状態でした。

 その後、荒廃したルナルの大地を蘇らせたのは、人工天体として生み出された緑の月です。この月のパワーに惹かれて、彷徨いの月から分離したのがエルファの祖先となる種族ですが、実際には彷徨いの月からだけでなく、銀の月からも少数ながら転向者が出ています…上で述べた社会的に適応できなかった者たちです。

 この転向者たちは、主にカルシファードでのみ存在します。彼らは、完全に銀の月から離れることはできませんでしたが(銀の月の神は離反者を見逃すほど甘くはありません)、緑の月の加護を得て、少なくとも見た目はエルファと同じ人型の身体を取り戻しました。そして森の隅っこで、エルファの支援を受けながら細々と生活しています(ビジュラだけは例外的に人間社会へと進出し、深く交わっています)。
 彼らは、基本的には緑の月を主体に崇めていますが、まだ過去の習慣として、銀の月への祈りも捧げています。元素神の加護も残っており、元素獣こそ呼べなくなりましたが、元素魔法の啓示を銀の月の神より受けられます(ただし動物系と植物系呪文に関しては、緑の月の祖霊からの啓示です)。

 この項目では、これら転向者たちの簡易データも挙げておきます。
● ケラーグ
[ケラーグ種族セット](30cp)
体力-1、敏捷力+1、知力+1、生命力-1(±0)
動物共感(5cp)
魔法の素質1レベル(15cp)
翼による飛行(30cp)
 移動力は徒歩の2倍。傷つくと飛べなくなる。<飛行>技能を敏捷力に等しいレベルで習得済み。
長寿2レベル(4cp)
 60歳で成人し、200歳から老化が始まる。
<気象学>を知力-1に等しいレベルで習得(1cp)

死の秒読み/成人すると俗世から離れる(-25cp)
 「死の秒読み」の2分の1レベル相当。成人すると自動的にNPC扱いとなる。
義務感/自然(-15cp)
■■ 種族概要
 ケラーグは緑の月を崇める事で、翼人から変化したものです。おおよそエルファと同じ外見になりましたが、背中の翼は残っています。
 ケラーグの最大の特徴は、成人前と成人後の気質が全く変わってしまう事です。幼少期は開放的な性格で、他人との交流が盛んなのに、成人すると俗世から離れてしまい、山奥で孤独に暮らすようになります。これは翼人が自己鍛錬に励む性質が、成人前は押さえつけられていることの反動で、成人後に一気に噴出するものだと言われています。

 人間社会に出てくるのは成人前の子供の個体であり、それらがカルシファードの社会で冒険していることがあります。幼少期の彼らはシャロッツのごとく好奇心にあふれ、イタズラ好きで、人懐っこい性格をしています。
 しかし成人(60歳)に近づくにつれ、だんだんと孤独癖が強くなり、成人すると人との接触を嫌い、ほぼ完全に俗世間からいなくなります。その後は、山奥で孤独な修行の日々を過ごし、定期的に子孫を残すために同族と合流するだけの孤高の生活を送ります。

 種族データは成人前のもので、成人すると「死の秒読み」(-25cp)が「孤独癖」(-15cp)と「偏執狂」(-10cp)に入れ替わります。こうなると以降は完全にNPCとして扱われ、他人と行動する事は一切なくなります。


■■ 独自の特徴や技能
 ケラーグは元素魔法のうち、動物系、風霊系、知識系、植物系、音声系呪文を習得できますが、元素獣の召喚・支配はできません。
 独自技能として、<呼吸法>技能と<扇動>技能(シャストア独自技能)を習得できます。
● ビジュラ
[ビジュラ種族セット](30cp)
体力-1、敏捷力+1、生命力+1(+10cp)
美しい容貌(15cp)
魔法の素質1レベル(15cp)
長寿2レベル(4cp)
 60歳で成人し、200歳から老化が始まる。
気温耐性/暑さのみ(6cp)
 気温65℃あたりまでなら行動に全く支障がない。
被差別集団/両性具有(-10cp)
 性別自体は女性として扱う。人間かエルファと交わらないと子孫が残せない。NPCの反応-1。
<性的魅力>を生命力に等しいレベルで取得済み(2cp)
 さらに容貌修正がプラスされる事に注意。

好色(-15cp)
癖/肌を露出したがり、重い鎧は着用しない(-1cp)
癖/習慣的に性的快楽に耽る(-1cp)
■■ 種族概要
 ビジュラの見た目は肌が浅黒いタイプの女性エルファで、しかも相当な美人揃いです。ただし、ヌードになるとはっきりと分かりますが、彼女たちは種族的に両性具有です。元は爬虫人の中で外交を担当していた蛇人が、爬虫人の情の薄い社会が嫌になり、仲間同士の結束が非常に強いエルファに憧れ、緑の月を崇め始めたのが始まりと言われています。

 元となった爬虫人とは正反対で、ビジュラたちは非常に感情的で、性的衝動が強い種族です。男性のビジュラは存在せず、繁殖には人間かエルファの男性が必要となります。ビジュラたちがエルファ社会ではなく、敢えて人間社会と深く交わるようになったのも、短命な人間の方が性衝動が強いからです(そうでないと安定して子孫を残せません)。
 ビジュラは生まれつきの恋愛体質であり、性的欲求が強く、常に恋人との情事に勤しんでます。相手がいない場合は、同族とのレズプレイも日常茶飯事です(幼少期からこうした習慣があるため、自然と<性的魅力>技能が鍛えられます)。

 ビジュラはほぼカルシファードにしか存在せず、彼女たちは<一座>と呼ばれる旅芸人集団を形成し、定住することなくカルシファード全域を周回しつつ、踊り子と娼婦を兼ねた存在として社会と交わっています。カルシファードでは、アルリアナの遊郭(娼館)は高級軍人(武戦士)でないと利用できないため、庶民の性教育は実質ビジュラが担当しているのです。


■■ 独自の特徴や技能
 ビジュラは元素魔法のうち、肉体操作系、火霊系、治癒系、精神操作系、植物系呪文を習得できますが、元素獣の召喚・支配はできません。
 独自技能として、<空手>技能と<毒薬精製>技能(ジャング・エルファ独自技能)が習得できます。ただし毒薬の素材はジャングの蔦ではなく、錬金術で使われる一般的な素材となります。
● ボック
[ボック種族セット](30cp)
体力-1(-10cp)
カリスマ1レベル(5cp)
動物共感(5cp)
魔法の素質1レベル(15cp)
長寿2レベル(4cp)
 60歳で成人し、200歳から老化が始まる。
縮小1レベル(-15cp)
 体力、移動力、防護点は2分の1で計算する。ただし疲労点は元のまま。相手の攻撃命中判定は、サイズ修正により常に-2修正を与えられる。身長・体重も元値から算出。
浮遊移動(20cp)
 地上すれすれの空間を浮かんで移動。足場の影響を受けず、水面の上も渡れる。
特殊移動(5cp)
 転がって移動する。転倒せず、地形の影響も受けない。上記の浮遊移動と合わせて空中を回転しながら移動する形となる。
高速走行1レベル(20cp)
 向き変えなしの移動時に移動力2倍。「縮小」と合わせて移動力が通常と同じ。
<身体感覚>を敏捷力に等しいレベルで取得済み(4cp)
 回転移動していても位置情報をしっかり認識できる。
<採掘>を知力に等しいレベルで取得済み(2cp)
 生来のカンで鉱脈を掘り当てる。

平和愛好/専守防衛(-15cp)
義務感/自然(-15cp)
■■ 種族概要
 ボックは<多足のもの>の中で、魔法の素質も「発明家」の加護も受けられず、社会からはみ出していた者たちが、地上で仲間を求めて緑の月を崇め、変化したものといわれています。大陸にもわずかに存在し、ノームという名前で知られています。

 外見は半分ほどの大きさのエルファですが、全体的に太って横に伸びており、ほとんど真ん丸な形をしています。思想的にも「円環」ではなく、さらに立体視して「球」を尊ぶ社会であり、他人と触れ合っても摩擦がない社会を目指しています。いつもニコニコしており、とても愛想が良く、困っていたら親切にしてくれる森の妖精さんといった感じです。
 しかし他人と触れ合えば、意見の相違から摩擦が起こるのは、知的生物の必然です。ボックたちの理想は、自分たちの社会の中だけでしか通用しない事にやがて気付きます。

 現在のボックたちは、森と山間の間にある洞窟で《ゴーレム》の呪文で生み出した労働力を駆使した魔法鍛冶屋を営みつつ、主に動物たち相手に牧歌的な暮らしをする事に留まっています。地霊系呪文による鉱脈調査と、ゴーレムによる採掘の自動化により、鉄やレアメタルなど掘り出すことにも長ける事から、そうした技術が低いエルファたちとそこそこ交流し、文化的にもエルファの魔法文明に近い存在です。エルファ社会に出回っている名工の業物は、実はボックが作ったものが多いと言われています。
 しかし、カルシファードのエルファは人間の戦乱に巻き込まれて以降、人間とほとんど交流しなくなった事から、エルファ社会の端っこで暮らすボックたちに至っては、人間と遭遇する事自体がほとんどなくなってしまいました。


■■ 独自の特徴や技能
 ボックは元素魔法のうち、動物系、地霊系、魔化系、治癒系、植物系呪文を習得できますが、元素獣の召喚・支配はできません。
 独自技能として、<機械工/馬車>と<技師/車両>技能(ドワーフのデルバイ独自技能)を習得できます。
● オレアノイ
[オレアノイ種族セット](30cp)
体力+1(+10cp)
動物共感(5cp)
魔法の素質1レベル(15cp)
長寿2レベル(4cp)
 60歳で成人し、200歳から老化が始まる。
瞬膜(10cp)
 水中でも視界が明瞭。眼球に受動防御1、防護点2の防御幕を展開。その他、目へのダメージに関する生命力判定に+3。
えら(10cp)
 水中で呼吸可能。地上でも呼吸できる。
水中行動(10cp)
 水中での移動力が徒歩に等しくなる。<水泳>技能が敏捷力に等しくなる。
防護点2レベル/背後からのみ(-50%)(5cp)
 背中に甲羅を背負っている。後方ヘクスからのみ防護点+2。
<生存/河川>を知力に等しいレベルで取得済み(2cp)

水に触れていないと生きていけない/1日おき(-15cp)
 乾燥していると自然治癒が起こらない。一度飛ばすと1時間毎に生命点1点を失う。
気温20℃以上の場所だとあらゆる行動-2(-5cp)
 水中適応の反動。温暖気候に適性がない。
義務感/自然(-15cp)
河童の名誉/受けた恩は忘れない(-5cp)
癖/賭け事や競技を好む(-1cp)
■■ 種族概要
 オレアノイはカルシファード以外にもグラダス半島の一部地方で見かけられる河川の種族で、大陸ではバジャノイという呼び名で知られます。元は<姿なきグルグドゥ>のうち、他の種族ともっと交流したいと願った海洋種の一部が陸上に上がり、緑の月を崇めはじめたのが発祥と言われています。

 見た目は甲羅を背負った全身緑色のエルファで、手足の指の間には水かきがあります。住んでいる場所は森の中の河川であり、基本川の中でのみ活動しているため、一般社会との交流はありませんが、エルファとはそれなりに親しくやっているため、文化的にはエルファの魔法文明に近い存在です。
 また、グルグドゥが持つ緩光結晶工学は(素材となる元素獣が召喚できなくなったため)失いましたが、代わりに陸上に上がって火が使えるようになったため、錬金術の技として文化が残っています。

 カルシファードでは戦乱に巻き込まれ、もともと住む場所が限定的だったこともあり、数が激減しています。大陸に存在するものも、カルシファードから逃げてきた者たちだと言われています。



■■ 独自の特徴や技能
 オレアノイは元素魔法のうち、動物系、情報伝達系、水霊系、光/闇系、植物系呪文を習得できますが、元素獣の召喚・支配はできません。
 独自技能として、<レスリング>技能(ジャング・エルファ独自技能)と<治療薬精製>技能(レスティリ・エルファ独自技能)が習得できます。ただし治療薬の素材はレスティリの樹ではなく、錬金術で使われる一般的な素材となります。
[編集手記]
 カルシファード専用種族に、さんざん悩みました。そもそも銀の月の神々は侵略者であり、強奪者であり、自分の眷属として取り込んだ者たちを、簡単に手放すわけがないんですよ。まして、二つの月を同時に崇めるとか、ルナルの社会システム的にほとんどありえない法則を平気で持ちこんでくれるので、解釈に苦しみました。
 古い設定資料では、この4種族は彷徨いの月と銀の月の混合となっていたはずなのですが、途中から緑の月に変えられ、「エルファの派生である」とアナウンス。


…え?エルファから派生したの??
それって歴史的に見て、明らかにおかしくないか???


 …というのも、ルナルの大地に月がやってきた順番が問題なんですよ。

 最初に白の月から彷徨いの月の時代に変わり、そこにやって来た侵略者が銀の月の神々です。そこで力に魅せられた彷徨いの月の種族の一部が転向します。
 その後、現地人(?)の<龍>が目覚め、戦争とも呼べぬ私闘の連続の後、銀の月は<龍>ともども封印というハメに。実質「敗北」と言っていいでしょう。この時、土地は荒廃して、ルナルは完全に自力での再起は不可能に陥ります。

 そこへ降ってきたのが、緑をもたらす不思議な隕石であり、そこから人工天体としての緑の月が生成され、彷徨いの月の1種族でしかなかったエルファたちの祖先が、緑の月を本格的に崇め始め、大地を復興させ、大いに繁栄します。

 この時、銀の月など既に過去の栄光の存在であり、緑の月に力及ばなかった事は、既に歴史が証明した後です。現在進行形で栄光の座に就くエルファが、わざわざ敗残兵たる銀の月を崇めようなどという思想は、どう考えても出てくるはずがないです。
 だって、当時のエルファから見れば、銀の連中なんてさんざん大言壮語を吐いて半ば強制的に信仰者の精神を縛り、ルナルの法則を無視して歪な文明を作ったクセに、起き抜けの<龍>を制圧する実力もなかった事を暴露してしまった「負け犬」連中なんですから。

 …設定者は、どうやら自分で設定した歴史を完全に忘れていたか、自分の都合が良いように無理矢理、思想的な理論を展開したとしか思えません。エルファを長身としながら、長身女性が好みでないから低身長エルファ娘ばかり出してたのと同様の心理だと思います。

 なので管理人としては、その逆パターンを設定し直す事で、つじつまを合わせようと試みました。つまり、銀の月なんて信仰してみたけど大したことなかった、だから新しく出来た緑の月に転向してしまえ…といった感じで、銀の月の眷属から緑の月に転向した連中がいたことにすれば、それほど的外れな種族でもないと思います。
 本来であれば、銀の月の神々は、遺伝子を操作してごく短時間に<源人の子ら>を自分の忠実な眷属に変えてしまえる連中ですから、封印された後も「転向者」に対してある程度は干渉したはずです。あんだけ眷属の精神を縛り付ける連中ですから、転向者なんて本来認めるはずもない。

 …ただ、銀の月の大帝国を繁栄させてみせる!と眷属たちに大言壮語を吐いたのに、それを実現できなかった歴史的事実だけが残り、それに関しては銀の神々も反論できない後ろめたさはあったのでしょう。そのため、転向者に対しても強制ではなく、あくまで恩恵を与える事で戻ってきてくれないか?といった緩い形での引き留めになっています。
 結果、緑の月の祖霊の加護との影響が半々に出ている特殊な種族というのは、論理的に見て成立しうるかと思います。本来、最初からセットで扱われている双子の月以外で、双月信仰なんて認めるべきじゃあないですから。


…なんか、そんな彼らを見ていると、金の都合で経団連に見捨てられ、後になって「戻ってきてくれー…お金上げるからー」と言われて、そうは言っても今さら戻れない就職氷河期世代の哀れな放浪姿と重なります。そうか、銀の月の神々って経団連みたいな連中だったのか…



 …で、それぞれを個別に見ていきます。

 ケラーグですが、これは明らかに日本古来の妖怪「天狗」です。原作設定では背中の翼を格納できるとか何とかよく分からないメリットがあるのですが、CP計算がややこしくなるだけなのでカット。背中に翼を生やしながら冒険して下さい。
 あと彼らは、社会的に抹消される事が確定している存在なので、緩い「死の秒読み」持ち種族として扱っています…実際には死にませんが、NPC化して操作を受け付けなくなるのですから、実質社会的に死んだも同然でしょう。
 管理人としては、死んで死後の世界で幽霊と化そうと、引退して社会から消えようと、冒険の舞台からいなくなる事実は変わらないので、「死の秒読み」の特徴を適応しても良いと思います。


 ビジュラですが、これはおそらく「ランプの魔神」こと「ジンニヤー」だと思われます。妖魔夜行で登場した「アシャーキー」と同族です。何やら両性具有とかいう、今どきのエロ業界で流行り(?)の「ふたなり」系キャラクターらしく、相手がいなければ同族とでも毎日ヤっちゃう、お盛んな種族のようです…それはあれか?無神経な爬虫人や、性的に初心なエルファの紳士淑女に対する充て付けか何かか?と聞き返したくなるほど、エルファや爬虫人とは似ても似つかぬ反動設定です。
 なお、設定を見る限り、ビジュラは基本的に女性であり、男性器も一応存在しますが、先っちょから出る汁は…いわゆる「潮吹き」と同じく「らぶ式ジュース」だと思われます(なお、火の元素を崇める種族ですが、炎の臭いが染みついてむせかえったりする事は一切ありません。本当にありがとう御座いました)。


 ボックは大陸での名称通り、ファンタジー世界に登場する妖精ノームだと思われるので、その設定を再現しました。真ん丸で空中をコロコロ転がるあたり、「ガープス・コクーン」にそんな種族いたようないなかったような…と思いだしてみたり。
 種族的に「縮小」を持っているため、フェリアと同じく白兵戦はほとんど不可能な種族です。フェリアと異なり、集団で群れてどうこうするような種族でもないので、呪文使ってとっとと逃げた方が良いかと思います。エルファ以外の種族との交流もほとんどないので、そもそも人間主体の冒険隊と遭遇する可能性があるのか…微妙なところです。
 ただ、エルファたちは鉱石を掘るのが苦手で、たまたま存在する洞窟の表面に浮いている石炭や鉄鉱石を採取するといった、マイクラのスティーブみたいなことしかできない連中なので、地霊系呪文でばっちり鉱石採取可能な彼らは、エルファの鉱石資源調達要員として、しっかり出番は存在するかと思います。
 やはりアレですよ。エルファが半袖短パンでツルハシを持って、地下Y11エリアでブランチマイニング採掘作業をするとか、少々メルヘンさに欠けると思うので、こういう種族がいてくれるとファンタジーらしさを損なわずに済み、大変助かります。


 最後にオレアノイですが、描写からすると日本古来の妖怪「河童」のようです。小説でも大陸の冒険で、ちらっと出てきたりもしています。
 4種族の中では、精神的には一番まともな部類なのですが、水から離れると代謝による自然治癒が起こらなくなって生きていけないため、ディワン以上に陸上での行動に制限があります。そのため、冒険に同行する事が非常に難しい種族です。
 川辺でPCにイタズラしてイベントを起こすとか、共通の敵を戦う時の一時的な仲間として扱うといったところでしょうか。


 いずれの種族もカルシファード限定であり、大陸にも存在するボックやオレアノイも、その性質上から冒険者をやるには無理がありすぎる種族です。ですから通常、これらはNPCとしてのみ存在し、世界観を彩る絵具の1つとして扱うのが妥当です。
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