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● ペローマ
【本質】 知恵
【司る側面】
 知識と理性
【2次的に司る側面】
 書物、記録、絵画、学問、保存、諦観、冷酷。
【教義】
 知識の探求し保存せよ。感情よりも理性を優先せよ。「刺し」攻撃は正義。
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■ 概要
■■ ペローマの神格
 青の月の知恵を司る男性神格です。文明・文化の発展は、物量による効率化だけでは限界があります。新技術の発明や発見こそが技術革新を引き起こし、更なる発展に繋がります。それらは、論理的な理論を積み重ねた上に成立するものであるため、ペローマ神は知識と理性を尊ぶ事の重要性を人々に説きます。


■■ 神殿の役割

 一般的には図書館、都市部に行けば学術研究所として機能しています。研究分野は基本的に何でもありですが、ルナル特有と言えば錬金術の研究所が割と多い事です。錬金術は研究中にファンブルを起こすと、周囲に悪影響が出る可能性があるため、少し離れた郊外の広い敷地のど真ん中に神殿がぽつり、という例が結構あります。

 また、この世界で入信者以上になることを期待されるエリート人材は、かならずペローマ神殿の高等教育機関を卒業している設定です。「入信者以上が必須」の英雄候補生のPCたちも、どこか都市部のペローマ神殿に通っていた経験がある事になります(どこの神殿を卒業したか設定するしないは自由です)。


■■ 信者に多い特徴
 感情よりも理性を優先するタイプで、何らかの研究に没頭している人が大半です。

 「好奇心」に基づき、飯も食わずにひたすら探索し続けるオタク、「放心」の特徴を持っていて、興味のない事には見向きもしない・髭は剃らない・顔も洗わない「引き籠り」勢、特定ジャンルを極める事に「誓い」を立て、それに人生のリソースを全振りして「全知はボクだ!ボクの導き出した解に間違いはない――!」などと叫び出すカルト的研究員など…

 そんな人々なので、人付き合いの下手な人が多く、詐欺師の方便をあっさり信じてしまう「朴訥」な人や、逆に他人を一切信じない「偏執狂」の人が見受けられます(付き合いが下手なので、態度が両極端になり勝ちです)。
 ですが、大体の者が「平和愛好」である点で共通しており、最初から暴力で解決しようとするのは、ペローマ信者には縁遠い行為です。

 なお、この手の知識人は都市部でないと食べていけないため、大抵は富裕層出身であり、「財産」レベルが「標準」以上であるのが普通です。


■■ ペローマ信者が多い職業
学者、研究員、教師、占い師、官僚


■■ ペローマ信者が好んで使う武器
ナイフ、クロスボウ(最先端技術の結晶)
■ 作成データ
■■ 特殊武器
●ウィンドラス・クロスボウ
 クロスボウの弦を引き絞る機械式の道具で、「ヤギの足」よりさらに強い力を得られるウィンドラスという滑車式巻き上げ機構がとりつけてあるクロスボウです。巻き上げの際は、足で本体を固定しつつ、回転機構のハンドルを両手で回して弦を張るというプロセスを辿ります。

 ウィンドラスによる巻き上げ作業はハンドルさえ回せれば誰でもできるため、体力による制約が事実上ありません。そのため、クロスボウで最大サイズとなる体力21のクロスボウ(最大致傷力3D(2D+4))に取り付けて使うのが基本となります。
 ウィンドラスによる巻き上げには30秒かかります。実際の射撃では、これに加えて矢の準備に1秒(<準備/矢>に成功すれば一瞬)、装填に1秒かかる事も忘れないで下さい。

刺し 3D(2D+4) 抜撃ち12 正確さ4 射程420/525m
価格$300 重量5kg 必要体力7
*必要体力21のクロスボウに滑車機構(2kg)が取り付けられている。


■■ 独自の技能
<ウィンドラス・クロスボウ>(肉体/易)
 <弩>技能の亜種で、ウィンドラス・クロスボウを運用する際に使います。この技能で通常のクロスボウも扱えます。
 なお、通常の<弩>技能でもウィンドラス・クロスボウを撃ったり、即興で教えれば弦を巻き上げたりは可能ですが、この技能がないと機械部分の構造が理解できず、メンテナンスを行う事ができません(壊れたらそれまで)。そのため、信者以外に貸し出される事はありません。


<博物学>(精神/至難)
 あらゆるジャンルの学問の上辺の知識です。「ウィキペディアに書いてある程度のごく簡単な概要知識」「何の文字列を検索したら必要な情報が出てくるか?」が分かる程度です。原則原理を理解し、実践で使えるほど習熟しているわけではありません。
 そのため、実際にその知識の詳細を知りたければ、図書館などで該当する文献や専門書をひっぱり出してきてじっくり調べる必要があります。その際、<調査>技能を習得しておけば時間を短縮できるでしょう。あらかじめ<博物学>判定に成功していれば、<調査>に+4のボーナスが加わります。

 なお、ペローマの図書館は神殿がある街に行けばほぼ確実に存在しますが(というか、ペローマ神殿=図書館みたいなもの)、地方の村などには祠程度しかなく、そのような場所では詳細の調査はできません。


<占星術>(精神/難)
 現在のルナルの人間文明における<天文学>技能で、ペローマ信者だけが真剣に学問として研究しています。しかし、物理学自体がまだまだ発展途上であるため、せいぜい月の軌道と月食を予測する時くらいしか使えません。

 現在のルナルでは「天動説」が主流であり、そのため月が「自分の意志で自由に動いている」と思われています(物理学に当てはめると不可解な動きしかしてない上、神や祖霊が実際にいて力を与えてくれるわけですから、どうしてもそういう考えになります)。
 そして双子の月の神も今のところ、これに関して詳細を語ろうとはしません(人間が自分たちの研究の結果、宇宙の真実を明らかにする事こそが重要と考えているのでしょう)。

 双子の月が到来してより1000年、長年の情報蓄積の結果、天体の動きに何らかの法則性があるらしいことは判明しており、「地動説」を唱える者も少数ながら出てきています。また、天体の軌道と関連させた「星占い」も開発されていますが、ごく大雑把な事(悪い事が起きる予兆とか、天候予測の亜種のようなもの)しか分かりません。

 プレイヤーキャラがシナリオ中で使う場合、星を眺めていたら、何か異変が起こる予兆を感じ取ったり(GMからの啓示)、<航法>技能と同じように正しい方角を知る時に使う事が可能です。


<錬金術>(精神/至難)
 ルナルでは一部の信仰でしか習得できません。ペローマ信者の錬金術師は、あらゆるエリクサーを作成でき、新薬の開発も可能です。


■■ 独自の格闘動作、準技能
<見切り>(精神/難)
 相手を注意深く観察する事で、相手の正確な位置、構え、重心移動などが分かります。
 攻撃された際に技能判定に成功すれば、その攻撃に対するあらゆる能動防御が+1されます(2回以上攻撃された場合、どの攻撃に+1を適応するか任意に決めて下さい)。
 判定に失敗した場合は読み違えた事になり、能動防御-2になります―――要するに「軽業よけ」と同じような扱いです。

 また、相手がフェイントして来た際に使用すると、フェイントに対して+4で抵抗できます。クリティカルの場合はフェイント自体を無効化できます(即決勝負にまで至りません)。判定に失敗した場合、即決勝負に自動的に負けた扱い(0成功)になり、相手の成功度がモロに次の能動防御のマイナス修正になります。

 なお、この判定は1ターンに1回だけ、1体の敵に対してのみ有効です。
修正:鋭敏視覚または鋭敏感覚のレベル分だけプラス修正。「共感」があれば+3。


<着弾観測>(精神/並)
 射撃を行った直後のターンに行います。射撃の命中位置から、脳内計算によって正しい発射角度を瞬時に割り出します。直前の射撃の成否を問わず、観測は可能です。
 射撃を行った次のターン、1ターンかけてこれを行います。技能判定に成功すると、現在地から直前に撃った場所(ヘクス)に対する射撃を継続する際、命中判定に+2の修正を得ます(武器の正確さとは別途で)。ただしこのボーナスは、自分が現在地から少しでも移動したり、別のヘクスを撃つ場合は無効になってしまいます。また、何度観測しても修正は累積しません。

 射撃武器であれば何でもこの技能は有効ですが、たいていは固定のバリスタやカタパルトなど、<砲術>技能で扱う場合に特に有効と言えるでしょう。一応、個人携帯用の射撃武器(クロスボウなど)の狙撃でも使えます。
 なお、この技能を持つ者同士(通常はペローマ信者同士)は、実際に言葉のやり取りで情報を伝達できるのであれば、ボーナス修正を共有できます。例えば観測役のペローマ信者が着弾観測を行い、その観測結果を砲手役のペローマ信者に伝えれば、砲手役が射撃を行う際、同様に+2のボーナスを得られます。

修正:対象ヘクスまでの距離100メートルごとに-1。
観測対象ヘクスが暗い場合 暗さに応じて-1~-10(「暗視」があれば無視)
鋭敏感覚or視覚1レベルにつき+1。
《鷹目》など望遠能力を得られる呪文の効果や道具などがあれば+3。


■■ ボーナス技能
 <記録><調査><絵画><歴史>および各種言語技能を習得する際、技能レベルに+1のボーナスを得られます。


■■ 使用可能な僧侶呪文
 ペローマ信者は「知識系」と「物質操作系」の二種を僧侶呪文として習得できます。

[神官呪文] (素質1まで)
知識系:
時計、時報、方位針、魔法感知、霊気感知、測定、方向感知、追跡、道案内、歴史、古代史、神託、隠匿看破、魔法の目、透明な目、魔力視覚、魔力感知、呪文感知、魔法分析、地中視覚、水中視覚、氷中視覚、透明壁、遠耳

物質操作系:
弱点看破、弱体化、変形、粉砕、老朽化、見せかけ、染色、清掃、応急修理、硬化、複写、結び目


[高司祭呪文] (素質2まで+独自呪文+高司祭共通呪文)
物質操作系:
分解、修理、矢の修理、物質硬化、切れ味

独自呪文:
映像再生、地図作成


*独自呪文データ
《映像再生》 通常 (知識系呪文)
 構造物の「面」に対して唱えます。この呪文は、その「面」がその場から見た過去の映像をリアルタイムで再生します。術を唱える際、再生を開始する時間を指定して下さい。この映像は、術者以外の第3者にも見せられる点で《歴史》の呪文より優れています。

 通常は鏡やガラスなどの反射面に対して使い、そこに直接映像が流れてくる仕組みですが、任意の床、壁、物体にこの呪文を唱え、《幻影》映像で再生する事も可能です。
■持続:1分 ●消費:3・3 ◆準備:10秒 ★前提:素質2+《歴史》


《地図作成》 特殊 (物質操作系呪文)
 巻物など、描く事が可能な「面」に対して唱えます。
 目標となる「面」の所持者が知覚している範囲の地図を作製します。持続時間中、移動すればその分だけ新たな地形がリアルタイムで書き加えられていきます。

 術者は最初に、地図の縮尺、方位(どちらが北か)、スタート地点を宣言せねばなりません。地図の精度は、術者の呪文レベルか<絵画>技能レベルのうち、低い方で書かれます。出来上がった地図は、十分な時間をかけて書いた地図より大きく劣ります(メモ書き程度のレベルです)。しかし、時間の節約と迷子防止には使えるでしょう。
■持続:1時間。持ち主が地図の範囲外(地図が描ける部分の端っこより外)に出ても効果は継続する。描かれた地図そのものは永久に残る。●消費:4・2 ◆準備:10秒 ★前提:素質1+《測定》
[原作からの変更点]
 スタン・ボールとかいう、どこかの脳内小宇宙から飛来した異世界装備(笑)は撤廃し、クロスボウの巻き上げ機構で最先端を行く装備としてウィンドラス機構(滑車式の巻き上げ器)を取りつけたクロスボウを設定しました。これはクレインクインと同じく、腕の力では到底引き絞れない弦を張るための装備で、史実でも長く使われていた強力なクロスボウです。おそらく個人携帯火器としては、マスケット銃が実用化されるまで最強だったといっていいでしょう。

 これを特殊武器に選択した理由は、ペローマ神殿は人間社会にとって最先端テクノロジーを開発する場所なのに、それに相応しい装備を持ってないのは不自然だと判断したからです。ドワーフの開発機構であるデルバイ神殿では、初期の黒色火薬銃が登場しているので、それに対抗する意味で強化型のクロスボウを選びました。
 実用性を考えれば、なかなか実用性能に至らなかった黒色火薬銃とは異なり、クロスボウは紀元前から改良を重ねて運用されてきた実績があり、こちらの方が即戦力になる兵器と言えます。ドワーフほどぶっ飛んだ思想(火薬で弾を飛ばす)はまだできないものの、既存の兵器の延長上にある兵器ならば、人間でも開発できそうなので、こういう兵器の方が無難だと思いました。

 なお、射撃武器を特殊武器に設定した際、格闘動作のネタに困るのですが、計算が好きなペローマ信者らしく<着弾観測>技能などを設定してみました。主にカタパルトなどの砲術用の技能ですが、それだと使う機会がなさそうなので、個人携帯火器でも有効ということにしておきました。

 特殊武器に関しては、巨大な万年筆を槍のように扱う武器とか、でっかい本を盾に使う案もあったのですが、それだとリャノ信者のクッキングブレードやシールドと同じで、あまり合理性がないものになってしまうため回避しました…スタンボールの二の舞はアレなので(笑)。
 それと、青の月信者だけで戦隊を組んだ場合、やはり一人は射手専門が欲しかったので、ペローマ信者がそれを担うのが無難ということで、そういう配役になりました。


 独自呪文の《地図作成》はグリモアからの引用ですが、簡単に言えば「マインクラフトの地図作成モード」とほぼ同じ効果の呪文です。手に地図を持ちながら歩けば、歩いた部分だけ更新されていくという、マイクラを意識して作られたとしか思えないような仕様です(笑)。
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